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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【いぶりがっこ】って「燻り雅香」って書くのかしらん

< 2007年から毎年開かれている「いぶりんピック」家庭の味ってことなんでしょうね >

それがインバウンドにも貢献しているのかどうかは、ちょっと分かりませんが、京都っていえば「漬物」が特産品ですよね。
京都の人はたいてい自慢しますよ。京漬物っていうブランドになってますね。


いろいろある中にも「京都の三大漬物」なんていうのがあるんです。


聞いたことありました?
これって京都から外には出ていない、京都人の常識ってやつかもです。だって知らんもんねえ。


「しば漬け」「千枚漬け」「すぐき」っていうのがその京都三大漬物。


「しば漬け」と「千枚漬け」っていうのはごく当たり前に知っていて、好きですけど、「すぐき」ってなに?


関東あたりのスーパーでも売っているんでしょうか。聞いたことないです。


「酸茎菜(すぐきな)」っていうカブの仲間を葉っぱごと塩で漬ける「乳酸発酵漬物」


整腸作用があるっていう「すぐき」なんですけど、たぶん食べたことないですね。そんなに出回っていない、っていいますか「酸茎菜」っていうのが京都の中でも一定の地域でしか採れないみたいですからね、京都でしか食べられないのかもです。


全国アピールはしない京都名物?
全国には出回らないからこそのブランド、ってことでしょか。

 

 

 


千枚漬け」と似ている漬物、とか言ってしまうと京都の人に怒られるのかもですけど、「千枚漬け」もカブの「乳酸発酵漬物」ですよね。


千枚漬け」は薄く切ってから漬けるのに対して、「すぐき」はまるのまんま葉っぱごと漬けるっていう違いと、「千枚漬け」のカブは「聖護院カブ」っていうのを使うんだそうですが、「すぐき」は「酸茎菜」っていうところが違いなんでしょうかね。


でも最近の「千枚漬け」って塩じゃなくって酢漬けっていうのが多いです。


漬物情報に疎い者からしますと、塩漬けが「すぐき」で、酢漬けが「千枚漬け」
しかもカブの種類とかにもこだわりなく、地産地消のカブ、って感じで良さそうに思えます。
何を言うんですか、それはちゃいますよ。っていうことにはなんの反論もございませんけれどね。


「しば漬け」はナスの「乳酸発酵漬物」ですよね。


きゅうり、シソの葉なんかもあります。
「しば漬け食べたい」っていうコマーシャルもありましたっけね。


「しば漬け」に関しては、どこのナスを使ったものがホンモノですよ、っていうこだわりっていうのは無いみたいですね。


今は閉業してしまった町中華でカレーを注文すると、皿の脇に細かく刻んだ「しば漬け」を乗せて出してくれました。
らっきょでもなく、福神漬けでもなく、「しば漬け」
「カレーにはしば漬けが一番合うんだよ」
って言ってましたが、それ、あんたの趣味でしょ、って感じだったですね。


別に不味いってことは無いんですけど、合う合わないってことで言えば、合いませんでした。とほほ。
カレーは普通でしたけどねえ。


京漬物に限らず、日本中に漬物の種類ってたくさんあって、それぞれに独特の歴史を持っていて、素材や漬け方にも独自の工夫があるんですよね。
野菜だけじゃなくって果物、サカナだとかを漬けた名物もありますし、ゆでたまごの漬物なんていうのもあります。


居酒屋での宴会。そろそろ〆も近くなってきたころ。腹は満足しているけど、酒のアテとして口寂しさを紛らすために何か適当なものは無いかいな、って思ってメニューをあっちこち探しますと、たいていの店に「お新香」っていうメニューがありますね。


「こっちね、お新香ちょうだい、お新香」


なんてね、怪しくなってきたロレツで注文したりなんかしますけれど、こういう場合、酔っ払いたちは「お新香」なるものの内容が、どんなものかなんて気にしていませんね。


きゅうりだけが出てくるかもしれないし、白菜だけかもしれない。
あるいは数種類の漬物盛り合わせかもしれない。
でもなんにも気にしていません。


「お新香」っていうのは「漬物一般」を表している言葉なんでしょうか。


かしこまったような店に行きますと「香の物」なんて表記も見かけます。
ちょっと調べてみますと「香とは味噌のこと」ってありますね。
なんのことだか理解できまっせん!


漬物の最初は味噌漬けだったってことなんでしょうか。
歴史的に最初の漬物がカブだったとして、カブの漬物を「味噌の物」って呼んだってこと?
ん~。なんか解釈の仕方が全然違うんでしょうかね。


ん? あれですかね、みんな大好き「ぬか漬け」あれって「ぬかみそ」って言いますよね。それ?
まあ、これもちゃうんでしょねえ。

 

 

 


もう1つ別の説もあります。


発酵することによって強く香るので「香の物」


なるほどですねえ。こっちの説は素直に納得できますねえ。


雅な香りを「雅香(がこう)」って言って、秋田ではそれがなまって「がっこ」というようになっている、っていう説明もありました。


お! これが「いぶりがっこ」の「がっこ」ってことでしょうかね。


いぶりがっこチーズ」っていうメニューは、わりと多くの居酒屋さんにありますよね。
無理矢理日本語で書けば「燻り雅香醍醐」ってことになるのかもです。


秋田県の郷土食っていう「いぶりがっこ」なんですが、ダイコンに限らないんだそうです。

 

にんじんいぶりがっこ

 

でも食べたことのある「いぶりがっこ」は100%ダイコンだったですね。ダイコン以外の「いぶりがっこ」にはお目にかかったことないです。


いぶりがっこ」は、ダイコンを燻煙乾燥させてから米糠と食塩で漬け込むんだそうです。


正式名称って言いますか、昔から秋田で作られていた名前は「いぶり漬け」


1964年に秋田県湯沢市の漬物屋「雄勝野きむらや」が「いぶりがっこ」っていう名前で売り出したのが最初みたいで、全国的に「いぶりがっこ」で通じていますよね。


天日干しして乾燥させるんじゃなくって、燻煙乾燥っていう方法を除けば「いぶりがっこ」と「たくあん」ってほぼ一緒なんですね。


ただですね正統な「いぶりがっこ」は秋田産の「白首ダイコン」を使うんだそうですが、栽培効率がどうもね、良くないらしくって、最近は普通の「青首ダイコン」を使ったものが多くなっているんだそうです。


いぶりがっこ」は居酒屋さんとか、呑み屋さんでしか食べたことが無いんですが、やっぱり違うんでしょうね、白首と青首じゃね。
でも、その差とか、さっぱり見当もつきません。


畑の中で成長するとき、土の中に深く潜る性質なのが白首だそうで、土の上に顔を出さないんですね。だから全体が白い。
抜きにくいし、成長具合も見極めが難しい。
ので、白首を改良して作られたのが青首なんだそうです。


へええ、です。白首ダイコンねえ。


辛味や苦味が強いんだそうです。
その点も改良されて青首は甘さが特徴ってことで、一気に日本全国に広まったみたいです。


でもさでもさ、酒のアテにするんだったら、苦味、辛味って旨さの味方になりますよね。
正統な白首の「いぶりがっこ」は食べたことないのかもですけどねえ。


秋田県横手市では2007年以来、毎年「いぶりがっこ」のさらなる品質向上を目指すってことで「いぶりんピック」っていうのが開催されています。

 

「たくあん漬け用製剤」を使っていないことが出品要件の1つになっている「いぶりがっこクラシカル部門」と、自家製の燻り食品であればオッケーっていう「いぶりフリースタイル部門」っていう2部門がありますねえ。


2021年、第15回いぶりんピックまでの受賞者を見てみますと、やたら「高橋さん」が目立ちます。


横手市、山内地域っていうのは高橋さんばっかりなんでしょうかね。
高橋さんに限らず、地方の特定地域には、同じ苗字の家ばっかりなんだけど、血縁関係は特にないってこともあるんだっていうのは聞いたことがありますけどねえ。


まあ「いぶりがっこ」の作り手も減って来ていて、さらに食品衛生法が改訂されて設備に投資しないと存続できないっていうような深刻な問題もあるらしいんですよね。
自治体として横手市だけじゃなくって秋田県全体として、なんとか存続、発展の方向にもっていって欲しいなあと、勝手ながらに思います。

 

 

 


いぶりがっこ」旨いじゃないですか、ね。


第1回の「いぶりがっこクラシカル部門(第1回では自家製法部門)」で金賞を受賞したのは高橋篤子さんっていうおばちゃんで、この「いぶりがっこ」は、商品名「金樽(きんだる)」っていって、包装されて毎年販売されているってことですし、秋田大学とのコラボレーションで完成させた「いぶりばでぃ」っていう商品も売られているみたいです。


「しば漬け」「千枚漬け」だとか、他の有名漬物が消えるってことは無いと思いますけど、「いぶりがっこ」もしっかり生き残って欲しいなあって、マジに思います。