<一般社団法人「ストレスオフ・アライアンス」が発表した2020ランキングから見えてくるもの>
ストレス社会が盛んに叫ばれるようになって、もう半世紀ほどにもなるでしょうか。
世界的な傾向だということですが「忖度文化」の日本は特に社会的ストレスが強いとされていますね。
新型コロナの影響で、そこに新たな要素が加わってしまった2020年の、日本人のストレス具合を調査したデータ「ココロの体力測定」が一般社団法人「ストレスオフ・アライアンス」から発表されています。
今回初めて知ったんですが、なかなか面白いデータなのであります。
「ココロの体力測定」ストレスオフ県ランキング2020
「ストレスオフ・アライアンス」は “ストレスをマネジメントする” というコンセプトで様々な活動をしている社団法人。
で、「ココロの体力測定」は2016年に、日本全国、20歳から69歳までの女性7万人を対象にしたインターネット調査で始められたそうです。
2017年からは男性7万人も対象に加えて、日本全国合計14万人を対象に続けられています。
対象人数として充分説得力を持った調査だと思います。
2016年から始まっているということには、厚生労働省が2015年12月から、従業員数50人以上の企業に義務付けている「ストレスチェック制度」が背景としてありそうです。
「ストレスオフ・アライアンス」は “義務化の対象にならない有職者や専業主婦まで含めて、広くストレス状態を計測・数値化” する目的で「ココロの体力測定」を始めたんだろうと思われますね。
ところでみなさんの会社ではどうですか? 実施されています? 「ストレスチェック」
従業員数50人以上の企業となりますと、相当数の会社が該当すると思われますよ。でも、あんまり、聞かないなあって感じるのは私だけでしょうか。
コロナ対策に関してなかなか評判のよろしくない厚生労働省ではありますが、ちゃんとね、まじめにやっておられることもあるのでありまして、企業用の「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」の他に、ちゃんと個人向けにも用意してくれています。
普段、お役所のページなんか見ませんよ、って人も、チェックしてみる価値はありそうです。
個人の、メンタルヘルスに関してのサイトが「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」こころの耳 です。
でもって、個人用のストレスチェックは「5分でできる職場のストレスセルフチェック」
こちらではサクッと自分のストレス具合をチェックできます。
さすがに怪しげな占いサイトとは違って、素直にふむふむと頷けるチェック結果を確認できますよ。厚生労働省ですからね、なにせ。
こういうの、もっとアピールすればいいのに、と思いますけれどね。自粛破りや、コロナワクチン、治療薬の扱いとか、叩かれる一方なきょうこのごろ。
ま、お役人さんたちの中の、ちゃんとやっている方々。腐らず励んでくださいませ。
で、厚生労働省の「ストレスチェック」は労働安全衛生法「職業性ストレス簡易調査票」に基づいて実施しているわけですが、そこには、
A「仕事のストレス要因」
B「心身のストレス反応」
C「周囲のサポート」
という3つの領域があって、「ストレスオフ・アライアンス」の「ココロの体力測定」は、3つの中のB「心身のストレス反応」をメインに据えているようです。
ソーシャルよりドメスティックに重心を置いているってことでしょう。それが、最初に女性のみを対象として始まったことの理由でもあるんだろうと思います。
非正規の人の割合も女性の方が高いそうですし、専業主婦のストレスチェックってモノスゴク大事だと思いますね。
そういう目線の「ココロの体力測定」は県というコミュニティ単位で、データ集計しています。
ストレスオフ県ランキング2020のトップテンを見てみますと、
男性は
1位:青森県
2位:山口県
3位:山梨県
4位:和歌山県
5位:徳島県
6位:東京都
7位:神奈川県
8位:沖縄県
9位:茨城県
10位:香川県
女性は
1位:鳥取県
2位:滋賀県
3位:山口県
4位:和歌山県
5位:長崎県
6位:石川県
7位:広島県
8位:岐阜県
9位:愛媛県
10位:三重県
となっています。
この2020年のデータが今後基調となっていくだろうと考えられるのは、この調査が夏、7月23から27日にかけて行われたものだということです。
前年までには考えもしなかった新型コロナ禍という要因が加わっているわけですね。
2020年4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が出されて、16日には日本全国に拡げられました。
5月に入って段階的に解除されていって、関東の1都3県が25日に解除された後の期間だとはいえ、全く初めての緊急事態宣言を経験して、その記憶が鮮明な時期の調査。
強いストレスを感じなかった日本人なんかいるはずもないんですが、そうした中で、巧く、コロナストレスを取り除いた県民性がトップテンに見ることが出来そうです。
男性1位の青森県は前年2位です。これはもうコロナとか関係なく、ストレスオフが巧い県民性なのかもしれないですね。
女性1位の鳥取県は前年も1位。これもまたストレスオフが巧い県民性であることは間違いないのではないでしょうか。
大ざっぱに見てみますと、男性は東日本の方が、女性は西日本の方がストレスオフが巧そうです。
ここからがまた面白いところなんですが、青森県男性がリラックスする方法としてあげているのが、上から「バーベキュー」「温泉」「靴下を脱いで裸足になる」というもの。
鳥取県女性は「温泉」「機能性・栄養ドリンク」「指もみ」をあげています。
「温泉」が共通しています。
これはとっても納得ですよね。温泉でリラックス。青森県にも鳥取県にも近場にイイ温泉があるんでしょうね。
青森県男性の「バーベキュー」も納得の範疇なんですが、「靴下を脱いで裸足になる」って、なんなん?
まあ確かにホッとはするでしょうけれど、そんなところにリラックスを見いだせるって、そりゃもう、才能がないとダメな気もします。裸足ねえ。。。
鳥取県女性の「機能性・栄養ドリンク」「指もみ」っていうのも、軽く驚きます。
栄養ドリンク飲んで、ハア~っていうのは分かる気もしますし賛同もしますけれど、あれですかね、何か鳥取県限定のドリンクとかがあるんでしょうか。
ドリンクを飲むことがストレスオフです。そですかあ。。。
指もみっていうのも、マッサージなんでしょうからリラックスに結びつくのは理解できますけれど、なんか、ツボの知識とか、揉み方の技術とか、特別なものがあったりするんでしょうかね。
肩とか首とかじゃなくって、指です、指もみ。なかなかプロっぽい感じがします。
なんとかストレスオフの方法を、日常に巧く取り入れたいところですが、ええ~っ? とか思っているようじゃダメでしょねえ。
裸足になってドリンク、がイイかもです。ん~、どですかね。
東京都の男性は6位。女性はなんと42位。
東京都男性の前年順位は16位。ジャンプアップです。
女性の前年順位は17位です。大幅ダウン。
東京の男女にはコロナの影響が如実に表れて、それがこの真逆な順位変動なのかもしれません。
「ストレスオフ・アライアンス」はこの原因を、男性はテレワークなどで通勤ストレスから解放されてストレスオフに成功したけれど、女性は旦那が家に居るのでストレスフルな状態になったのではないかと分析しています。
んふふ。さもありなん、ではあります。
まあ、まだコロナ鎮静の様相はどこにもありませんけれど、やがてやってくるアフターコロナ。
そのときのデータとの比較が楽しみです。
みなさんも自分の県のランキングを確かめてみると、自分のストレス度合いを客観的に見直すことが出来るかもしれないですよ。
いや、まあ、ストレスオフにはやっぱり「温泉」なんでしょうねえ。今はなかなか行きづらい感じですけれどねえ。みんなガマン我慢の日々ですよねえ。
でも、教訓。今すぐできるストレスオフッ!
靴下を脱いで裸足になって、栄養ドリンク飲んで、指を揉みましょう!