< 人間は 自分が食べたもので出来上がっているってことですもんね 大切です >
世界保健機関(WHO)は2003年に「ファストフードは肥満に関連している」って発表していますね。
さらに2007年には世界がん研究基金が「がん予防のためにファストフードの摂取を控えめにすべきだ」っていう報告をしています。
こうした情報に対してアメリカでは、12歳以下の子供にはファストフードの広告をしないっていうことを決めたそうなんですけど、実際にはどうやっているんでしょうね。
広告って誰にでも見えるようにやっているんじゃないかって思うんですけど、小学校の周りには広告を出さないとか、そういうことなんでしょうか。分かりませんです。
実効性のない自主規制。
台湾でもファストフードが原因って考えられている国民の肥満傾向を是正する目的で、2009年からファストフードに特別課税しているんだそうです。
ハッキリとワルモノに指定されている感じのファストフードですけれど、好きな人って日本にも多いですよね。
私自身もキライじゃないですね。時々食べています。
知り合いに、週に3食か4食はマックですっていう女の子もいます。
ま、ね、それなりの体形ですけどね、やっぱりね。
でもニコニコ食べていて、シアワセそうですよ。ワルクないっていうふうにも思うんですけどね。
気になるのはですね、その子に限らずなんですけど、マックだとかケンタだとかを「ファーストフード」って言ってる人って、けっこう多いんですよね。
ちゃいまっせ! 「ファストフード」でっせ。
1st(ファースト)っていう「最初の」、っていうものじゃなくって、fast「早い」っていうことで「ファストフード」なんでございますよ。
まあね、関東地方が中心らしいですけど「ファーストキッチン」っていうファストフードのチェーン店がありますからね。そういう名前を見ていれば「ファースト」が正解って思っちゃうのも無理ないところ、なのかもですけどね。
マクドナルドを筆頭とするファストフードは、その名前の通り「早い」つまり早く出てくるってことと、「安い」っていうのが特徴だってされています。
でもねえ、商売の巧さにやられちゃう、っていうかですね、セットにして、あれもこれも、っていうことになっちゃうと、けっこうな値段になりますよね。
買い方のモンダイでしょ! ってことではあるんですけど、結果的に安くはないです。
それにモスバーガーが顕著ですけど、たっぷり待たされることも多いです。決して「早く」ばっかりじゃないです。
安くて早く出てくるから売れる、っていうことだけでもないんじゃないかって思いますね。
化学的にダマされているのかもですけど、旨いって思ってますもんね。
牛丼でも吉野家派、松屋派、すき屋派っていうのがいるように、味にこだわっている人だって少なくないですよね。モスバーガー押しっていうのも、けっこういます。
なんで肥満につながるのか、納得できるエビデンスって発表されてるんですかね?
今では当たり前になったファストフードですが、ケンタッキー・フライドチキンが日本でオープンしたのが1970年。
名古屋に1号店が出来たのが11月21日なので、その日が「フライドチキンの日」
ケンタって名古屋に上陸したんですねえ。名古屋コーチン? 関係ないでしょねえ。
マクドナルドの1号店が銀座にオープンしたのは1971年。
モスバーガーは1972年板橋区成増に、ファーストキッチンは1977年池袋に1号店をオープンさせていますね。
ピザのシェーキーズが赤坂に1号店をオープンしたのが1973年。
1970年代に大手のチェーン店のほとんどが出揃っていますね。日本の洋風食化の始まり。
こうしたファストフードは、ほぼアメリカ発で、世界同時的に浸透していったみたいですね。
アメリカ企業の世界戦略ってGAFAの前からしっかりしたものがあったってことなんでしょう。
独占禁止法なんてどこ吹く風、世界征服を目指す経営戦略。
で、イタリアにもマクドナルドが進出して行こうとしたら、ローマで出店反対運動が起きました、ってことがあったらしいんですよ。
1986年にこのファストフード反対運動を主導したのは、イタリアの活動家「カルロ・ペトリーニ」
ファストライフ、ファストフードの普及に危機感を持つイタリア人が、けっこう共感して1989年には「スローフード協会」が設立されたそうです。
スローライフ、スローフードを提唱しているんですよね。
イタリアの情報って、まあ、疎いですけど、なんて言うんでしょうかね、意識、高いですよね。
スローフード協会は、なかなか盛んに活動をしているようで、2004年には、なんと世界初の食専門の大学、「食科学大学」っていうのを設立しちゃってます。凄いです。別名、スローフード大学。
シェフを目指したり、ソムリエになるための勉強をする学校じゃなくって、食文化の大学。
科学的、社会学的に食を学ぶ、っていうコンセプトだそうです。フードロス問題だとかもね。
ファストフードの画一的なグローバル化に対して、その土地に本来伝えられてきた食材、そしてその食材を使った食文化を見直そうっていうスローフード運動を活性化させようっていうことなんでしょうね。
政治、経済、エコロジーだとか、本格的文化という側面から食をとらえる勉強。
けっこう難しそうな感じですね。
ぶどう栽培の段階からワインを醸造するまでを科学的に勉強するって、さすがイタリア。
農業科学ですね。
世界各国から学生が集まってきているそうです。日本人の卒業生もいるらしです。
スローフード運動のスローガンっていうのが3つあってですね、「GOOD」「CLEAN」「FAIR」なんです。
「GOOD」は、おいしいってこと。
その土地の新鮮な食材。豊かな風味で味覚を満足させてくれるおいしさ。
「CLEAN」は、きれいってこと。
人間の健康、身体にきれいで、土地に負担をかけないキレイな食材。
「FAIR」は、そのままフェアってこと。
その食材の生産、流通、調理、消費っていうサイクルの全ての段階において、すべてのステークホルダーが労働条件、報酬において、適正、公正だと認められること。
で、このスローガンに則って行われている活動が「味の箱舟」
宝石箱やあ、じゃなくって、箱舟です。
今、世界で絶滅の危機に瀕している食材たちを、地球の未来のために、人類の将来のために、特定して保存、継続させようっていう活動です。
世界各国で行われていて、100か国以上が参加しています。
日本でも2005年から味の箱舟への「乗船活動」が始まっていて、2018年時点で43品目の絶滅危惧種があげられています。
北海道:八列トウモロコシ、日本短角牛、余目ねぎ、八列とうきび、まさかりカボチャ、札幌黄(タマネギ)、札幌大球キャベツ。
岩手県:安家地ダイコン。
宮城県:余目ねぎ、長面焼きハゼ、こぜな大根。
山形県:花作ダイコン、米沢雪菜、甚五右衛門芋、雪菜。
茨城県:赤ねぎ。
静岡県:カツオの塩漬け、水かけ菜。
長野県:木曽赤かぶ、ざざむし。
東京都:八丈島のくさや。
愛知県:大高菜。
福井県:鯖のなれずし、谷田部ネギ。
兵庫県:有馬山椒。
高知県:北川村実生ゆず。
福岡県:スイゼンジノリ。
長崎県:雲仙こぶ高菜、エタリの塩辛、長崎白菜唐人菜、せん(これは何なのか調べられませんでした)、対馬赤米、ゆうこう(柑橘類)。
鹿児島県:一吉紫芋。
沖縄県:沖縄大豆オーヒーグー、沖縄黒豚アグー、沖縄黄金芋くがにいも。
こうした名前を並べられてみますと「ニホンミツバチ」「しょっつる」「アグー豚」だとか、チョー有名なものが、保存対象になっているって、少なからずショックですよね。
ハンバーガーもイイけど、しょっつる鍋もヨロシクネ、ってことなんでありますよ。
スローフードって、ゆっくり食べることとはチャウんでした。