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【リアル一休さん】夜に鳴くカラスの声で大悟した ってどゆこと?

< 「風流」とはちょっと違う リア休さんの「風狂」っていうのを考えてみる >

もうかなり前のことになりますが、町中華のテレビで、なんだこりゃ! っていうアニメーションを見ました。
偶然目をやった画面の中で鬼たちが盆踊りを踊っています。


♪じーちゃん マウンテン 芝をカット


♪ばーちゃん リバーでウォッシュ はつ!


おいおい、って感じで釘付けになってしましました。ラップっぽい女性の声です。


♪き び だーん きびきびだーん


♪お に たーいじ おにおにたーいじ


♪魂の16連射


かなりのインパクトでしたが、どうやら「桃太郎」の歌みたいなんですね。


♪団子をもらって命を投げ出すもの好きなんていない


♪ペットと一緒に鬼退治とか 絶対正気じゃない


♪犬と猿は仲たがい キジは戦力外


♪何でもするから鬼ヶ島だけは勘弁してください


凄いセンスですよねえ。小気味イイです。

でもキジは戦力外だそうです。なして?

 


何の番組なのか、はたまたコマーシャルなのか全然分かりませんでしたが、記憶にハッキリ残りました。
調べてみますと「水曜日のカンパネラ」っていうユニットの「桃太郎」っていう歌なんでした。


やっぱりヘンテコな、っていうかナイスなセンスのバンドの名前はナイスだったんであります。
ネットでアルバムを探してみましたが、桃太郎が入っている「私を鬼ヶ島に連れてって」は買えなくって、「SUPERMAN」っていうアルバムを買いました。


コンセプトとして世界のスーパーマン、偉人をテーマにしたアルバムみたいで、桃太郎感を裏切るものではありませんでした。満足の1枚です。
「アラジン」「坂本龍馬」「チンギス・ハン」「チャップリン」「世阿弥」「アマノウズメ」だとか、水曜日センスの歌が収められています。


その中の「一休さん


一休さん おつかれさん


一休さん ありがとサンキュー


一休さん


♪奴に常識など通じない すでにとんちのセンスが桁違エ


♪この橋渡るべからずとか立て札読まずに中央突破して


♪湾岸署の方もお手上げのようで


♪レインボーブリッジ封鎖できません


ラップ調で滑舌よく軽快に飛ばしていきます。


♪とんち利かして とんち利かして


♪とんちき騒ぎさ


水曜日のカンパネラは2021年の秋にヴォーカリストが代わったそうで、これからの楽曲にも期待していきたいところなんですが、今回はカンパネラの方じゃなくって「一休さん」の話です。

 


一休さん」のテレビアニメが放送されていたのは1975年から1982年ってことで、かなり前なんですね。
まあ、その後もコマーシャルに登場していたりとかして、あの小坊主のキャラクターを覚えている人は少なくないと思います。


頭を青く剃り上げた可愛いキャラクターで、どちらかといえば凛々しいイメージ。


なんですけど、リアル一休さんを調べてみますと、全然違いますね。破戒僧なんて言われたりもしています。


一休宗純(いっきゅうそうじゅん)
1394年、京都生まれ。1481年に京都で亡くなっています。


出自が不明の人で、後小松天皇落胤っていう説もありますし、楠木正成のひ孫っていう説もあるそうです。
6歳で安国寺に入って、すぐに詩才をみせたっていう逸材なんですね。


1406年、13歳で「長門春草」、1408年、15歳で「春衣宿花」っていう漢詩を作って京都中で評判になったそうです。
この辺りまでの秀才ぶりが「一休さん」の土台につながっているんでしょうね。


1415年、22歳の時に大徳寺に入って、臨済禅「洞山三頓の棒」という公案に対して答えた「有漏路より無漏路へ帰る 一休み 雨ふらば降れ 風ふかば吹け」という言葉が知られています。


まあね、禅宗公案っていうのは、分かるような分からないような、そんなやりとりってイメージですけどね。
禅問答ってやつですからね。


「洞山三頓の棒」っていうのは唐の時代の高僧「洞山」が昔日の修業時代を思い起こした話で、師から受けた質問によって悟りを開いたエピソードのことを言うんだそうです。


「どこから来たか」「夏はどこにいたか」「そこからいつ出たのか」
っていう質問に素直に答えた洞山に、師は、


「大バカ者。本当なら30回棒で叩くところだが今回はゆるしてやろう。さっさと帰れ」
という応対だったんで、洞山は考えに考えて再度師を訪ねて、また叱られる。


で、考えに考えてハッと気付いて悟りを得た。ってことらしいんですね。
どうでしょう。分かるような分からないような、ですよね。


で、一休さん大徳寺でこの公案を出されて答えたのが「有漏路より無漏路へ帰る 一休み 雨ふらば降れ 風ふかば吹け」ってことです。


「有漏路(うろじ)」っていうのは迷い、煩悩の世界、「無漏路(むろじ)」っていうのは悟り、仏の世界の意味だそうで、どこから来てどこへ行くのか、っていう質問に対する答えになっているってことみたいです。


この「一休み」っていう言葉から「一休」っていう号をもらったんだそうです。


っていうことで一休になった一休さんは、1420年、27歳の時、夜にカラスの鳴き声を聞いて悟りを開いたんだそうです。
ん~。カラスって夜に鳴いたりするの? いつもは鳴かないカラスが鳴いたから悟ったの?
分かりませんねえ。


一休さん おつかれさん


ってことでしょうかねえ。


与えられようとした印可状を辞退したとも、焼き捨てたともいわれています。
師は「ばか者」と言いながらも笑って送り出したんだそうです。
その日以来大徳寺を出て「風狂」の生活を送ったんですね。


風狂ってなんなんでしょ。


清々しく世俗を超越するような態度を「風流」って言うとすれば、常軌を逸した行動を「風狂」って言うんでしょうか。
悟りの境地から出ているヘンテコな言動。凡人には理解できませんよね。破戒僧って言われる由縁でしょう。


ただ、あの松尾芭蕉さんが「不易流行(ふえきりゅうこう)」っていう理念を表明して、そのなかで「風狂」ってことを取り上げたりなんかして、ちょっと荒めの風流みたいな解釈になっている感じもあります。


不思議なのは、仏教の修行によって悟りの境地に入ったのに、いったん悟りを得てしまうと戒律なんてどうでも良くなっちゃう感じがすることです。
そういうもんなんでしょうかね。


一休さんは、男色、飲酒、肉食、女犯を堂々と行った「風狂」が知られていますよ。
さらには「森女」って呼ばれる盲目の女の人を妻として愛したことも有名です。


かなり風変わりな言動で知られた一休さんなんですが、いつまでも語り伝えられて、人気があるっていうのは、トンチとかそういう後付けっぽいエピソードじゃなくって、世俗に対する批判精神だとか、それを実行できる胆力だとか、そういう魅力なんでしょうね。


伝えられていない、リアル一休さんの言動の魅力っていうのがあるのかもしれません。


そうした風狂の人っていうのは一休さんのかなり前からいますね。
日本じゃなくって昔の中国の仏教人。


唐の時代の末ごろに実在していて、日本では江戸後期から七福神の1人として数えられるよになった「布袋」さん。

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布袋さんって呼ばれていますけれど、契此(かいし)っていう名前なんだそうです。


大きな頭陀袋がトレードマークですね。いつも担いでいたのはホントらしいんですが、日本の七福神として、その袋は「堪忍袋」ってされています。
弥勒菩薩の化身とされていて、人の吉凶を言い当てたりしたエピソードが伝わっているんですね。


布袋さんの他にも、
東晋の時代の杯度(はいど)
川に盃を浮かべて渡り切ったっていうエピソードがあるそうです。


北周の時代の衛元嵩(えい げんすう)
なんと廃仏論者だったそうです。


418年から514年っていう記録が残っている宝誌(ほうし)
長髪で、裸足のまま徘徊して歩いたそうなんですが、庶民に人気のあった「風狂」の人だそうで、一休さんと似ているかもです。


唐の時代の寒山、拾得も知られていますね。


1149年から1209年、南宋の時代の済公(さいこう)

戒律なんて全然守らなくって、風狂ってことで有名だった人だそうですが、物語や小説に取り上げられたりして人気は高いみたいです。

 


風狂の人っていうのに共通しているのは、予言めいたことを言っていることだと思います。
神の化身って言われることも共通しています。


悟りを得るっていうことの具体がちっとも理解できていませんので、なんとも言えないところはありますが、しっかりと自分っていうものを持つ事って、凄く大事なんだろうなあって思います。


ま、風狂っていうレベルなんかにはいけませんけどね。


♪き び だーん きびきびだーん


♪お に たーいじ おにおにたーいじ


桃太郎は風狂の人じゃありませんよね。


一休さん ありがとサンキュー


♪奴に常識など通じない すでにとんちのセンスが桁違エ


♪この橋渡るべからずとか立て札読まずに中央突破して


♪とんち利かして とんち利かして


♪とんちき騒ぎさ

 

とんちきっていう言葉も不思議な面白さですね。関係ないけど。。。

 

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