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【奇想天外】っていう生き方なのか 世界最古の砂漠に2千年生きる【ウェルウィッチア】

< 世界三大珍植物 あと2つは ラフレシア オオバハス でも「珍」って失礼じゃんね >

妙な生物を知ることになったキッカケは、いつものごとく居酒屋さんのカウンターです。


Tさんが楽しそうに宣言しました。
「ボク、今度鳥取砂丘行くんですよ。日本イチツアー第二弾ですよ」


日本イチツアーっていうのはTさんが勝手に名乗っている、ただの一人旅のことなんですが、富士山に登ったことをきっかけにして、せっかくだからいろんな「日本イチ」を体験して歩こうっていう個人企画。
富士山に登った話は散々聞かされましたけど、もう半年以上前のことなんですね。
半年以上たっての第二弾。それが鳥取砂丘ってことを宣言したわけです。

 

 

 


日本イチツアー! ってね元気に宣言したとしても、一介のサラリーマンです。そんなにしょっちゅう、自分の行きたいところへ行きたいときに行けるもんじゃございません。
ま、独り者であるってことでフットワークは家族持ちよりは軽いんですけどね。


鳥取砂丘のパンフレットを4枚ほどカバンの中から出して、悦に入ってますねえ。イイじゃないですか。
誰か知り合いがホントに楽しそうにしているのは、そばで見ているだけで、むふふってなります。楽しさを分けてもらえる感じです。吞み仲間です。


でもねえ、こういう空気感を簡単に壊しちゃう、ある種のパーティーブレーカーってのはね、居るもんなんです。


M美ちゃんが、プライベート眼鏡の端をちょこっとつまみながら、のたまいました。
鳥取砂丘が日本イチっていうのはナニ? ひょっとして面積のこと?」


会社ではコンタクト、でも「なんか合わない」んで帰ってくれば金縁眼鏡のM美ちゃんです。


あれ? っていう表情になったTさんがおずおずと応えます。
「パンフレットにも日本イチの広さって、書いてあるけど。え?」
鳥取砂丘は、たしか二番目なはずよ」
ええ~!? です。ウソやろ。Tさんとパンフレットが正しいやろ。どしたM美ちゃん。


そこそこキコシメシテますからね。ほんわあ~ってなってます。
Tさんがつっかかります。


「だってほら、ここに書いてあるよ。じゃあさ、日本イチ広い砂丘ってどこなの?」


厨房の中の大将と、カウンター族の視線を一身に浴びてM美ちゃんは胸を張ります。ぐぐ~んと張っちゃいます。


「よくパンフレットなんかに書いてある日本イチの広さっていうのは、観光客が入れる面積としては、っていう条件が付いているのよ」


ほっほう、そなんですか。
M美ちゃん、ここで生ビールのジョッキをグイっといきますね。ガソリンが必要なんでしょねえ。


鳥取砂丘の3倍ぐらい広い砂丘っていうのがあんのよ、日本には」


だからさあ、前置き、長いねん!
Tさんが首をかしげながら聞きます。


「どこ?」


そだ! さっさと白状せんかいッ!


青森県の猿ヶ森砂丘下北半島の太平洋側にある日本最大の砂丘なのよねえ」


へええ、そなんですか。にしても、M美ちゃんが発見したってことでもないんだから、そんな威張らなくたって。
って思っちゃいけませんよ。
なんか、どうでもいいようなところを手柄話みたいにして語る、ってのは居酒屋トークの楽しみ方の1つではありますからね。


「パンフレットには鳥取砂丘の面積、いくつって書いてある?」


「えっとねえ、えー、5.45平方キロメートル」


「猿ヶ森砂丘は、たしか15平方キロメートルで、鳥取砂丘の3倍あるのよねえ」


ふうむ、だからさ、M美ちゃんの自慢ネタじゃないでしょ、っての。


「パンフレットより詳しいじゃん」
って不思議がるTさんも緑茶ハイのおかわりを注文します。


「へへ~。実はね、あたしTさんのひと足先に鳥取砂丘行ったことあんのよねえ」


ひと足先にって、別に競争してんじゃないんだから。
で、まあ、砂丘について、帰って来てからいろいろ調べて、知ったんだそうです。
イイんですよ。自慢は自慢らしく鼻高々でするのが面白いんです。オッケーで~す。
ま、話す相手を選んでのことになりますけどね。当然ながらね。


「ぱうすさんはさあ、行ったことある? 鳥取砂丘


「ねっす」


「そうよねえ、ぱうすさんはどっこも行かないで、ただ、酒呑んでるだけだもんねえ」


うっせえわ!


っていうような居酒屋トークだったんでありますけれどね、青森県の猿ヶ森砂丘。聞いたことないなあって思って調べてみました。はい、いつも通りのことであります。


ありましたねえ「猿ヶ森砂丘
青森県下北郡にあるんで「下北砂丘」っていうふうにも呼ばれるんだそうです。

 

 

 


なんか「下北砂丘」っていう名前の方が、通りがヨサゲ、っていう感じですけど、別に親しんでもらわなくってイイんです。っていう事情があるんでした。


ここ「猿ヶ森砂丘」は、ほぼ全域が防衛装備庁の弾道試験場。
なので観光客だとか一般人は「立ち入り禁止」


ほよ~。立ち入り禁止って、弾道試験場ですもんねえ、頼まれても入りたくないような場所ですねえ。


にしても「防衛装備庁」ってのがあんですね。聞いたことないです。
2015年に発足した防衛省の外局。ふううん、です。つい最近できたんですね。全然知りませんでしたねえ。


「猿ヶ森砂丘」の広さはM美ちゃんの言っていた通り15平方キロメートルで、実質的な広さ日本イチの砂丘みたいです。
実際には入れませんからね、だあれも知らない日本イチってことになるのかもです。
M美ちゃんは知ってましたけどね。あと、自衛隊員ね。


Tさんの「日本イチツアー」は、予定通り鳥取砂丘で断行されるみたいですけど、今度、M美ちゃんにぶつけてみようと企んでいるのは「砂丘と砂漠の違い」


ま、こうして予め調べたことっていうのは、いざ本番の居酒屋カウンターに座ると、アレ? なんだっけな? ってことになりがちではあるんですけどね。そういうアタマなんですねえ。


砂漠って呼ぶのには条件があって、


・年間降雨量が250ミリメートル以下であること。


・250ミリメートル以上の降雨量があっても降水量よりも蒸発量の方が多いこと。


・砂や礫、岩石でできた土地のこと。


それに対して砂丘っていうのは土地ってことじゃなくって地形のこと。丘(おか)ですもんね。


ふむ、キャパ的に覚えにくい感じです。
「東京砂漠」っていう表現はありますけれど、日本に砂漠はないんでしょうね。


鳥取砂丘が出来たのは14万年から15万年前なんだそうですけど、そういうのってどういう調べ方で分かるんでしょうね。素人からすると、とっても不思議です。
砂を掘ると、なにかに書いてあるんでしょか。


21世紀の地球に現存している砂漠で最も古いのは、8000万年前に出来た「ナミブ砂漠」なんだそうです。


アフリカ大陸。さっぱり情報を持っていません。
一番南にあるのがケープタウンのある南アフリカラグビーで日本が負けた国。


その南大西洋に沿って北側がナミビア。さらにその北側がアンゴラ


ナミブ砂漠」っていうのは、海岸線に沿ってアンゴラの南端から南アフリカ北端にかけた、南北1,288キロメートル。面積は50,000平方キロメートルもあるんだそうです。
でっかい!


北海道が83,450平方キロメートルですから、北海道全体よりはちょと小さい。良かったよかった?


かなり無理矢理合わせ込んでみますと、九州が36,780平方キロメートル、四国が18,800平方キロメートルですから、合わせて55,580平方キロメートル。
愛媛県が5,676平方キロメートルってことで、「ナミブ砂漠」は四国と九州を合わせた面積から愛媛県を除いたぐらい。
わっかりにくいわ!


ちなみに「ナミブ」っていうのは現地語で「なあんもない」って意味だそうです。


その、なあんもない「ナミブ砂漠」固有の植物が「ウェルウィッチア」


和名が「奇想天外」っていうこの裸子植物は、1859年にオーストリアの探検家「フリードリヒ・ヴェルヴィッチュ(1806~1872)」によって発見されて、日本に入ってきたのは1936年ごろ。
種子を輸入した園芸商「石田兼六」っていう人が「奇想天外」って名付けたんだそうです。


なんかね、くたびれて寝そべってしまったサボテン、みたいな見た目で、生きてんのって感じの「ウェルウィッチア」

 

石田兼六さんが、どの辺に「奇想天外」を感じ取ったのかは分かりませんが、多くの画像で見てみるといっぱいあるように見える葉っぱは、実は2枚しかなくって、ナミブ砂漠の環境の中でどんどん裂けてしまうんで、そうなっちゃう。


良く生きていますねえって思うんですけど、実はとっても長生きで、2000年以上の寿命があるっていわれているんだそうです。
生きている化石、って言われるほど。

 

長生き

 

何を根拠に言うとんねん、って感じもするんですけど、実際に「放射性炭素年代測定」で、いくつかの個体が1000年以上生きていることが確認されているそうです。


生物の中に存在している放射性同位体炭素14っていうのが、半減期が5730年っていうのを基にしている年代測定法ってやつで、どの程度の精度なのか、ちょっと理解できていませんが、今はほとんどこの年代測定法で計測しているみたいですよね。


古代の化石だとかであれば半減期5730年って、かなり有効なんでしょうけど、半減期未満のものについてはどうなんでしょうね。

 

 

 


雌雄異株だっていう「ウェルウィッチア」なんですけど、鳥取砂丘には居ない、でしょねえ。
聞いたことないですもんねえ。


でも「猿ヶ森砂丘」にはどうなんでしょ。
だってほら、「弾道試験場」ってことで、かなり厳しい環境じゃないですか。
厳しい環境だと生きる力を発揮するんじゃないの「ウェルウィッチア」って。


そうじゃない? お呼びでない? こりゃまた失礼いたしましたあ~。