ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【日が暮れたら】そのちょっと前ぐらいからですかね 酒を思います

< 晩酌を習慣にしている夫婦が居て 言い争いしながらでも必ず二人で吞むらしいよ >

地球って星は太陽の周りを公転しているってことで季節があって、そんでもって自転しているんで一日があるんだそうですよね。
時間も流れていて、同じ一日ってのは、無い。地球が回っている宇宙空間も変わり続けているらせん運動。


そですね、小学生でも知っていることなんですけど、ふっと考えますとね、とてつもなく不思議な感覚にとらわれてしまうことがあります。


明けては暮れて、暮れては明けて、繰り返す人生の日々です。

 


一日のうちで一番好きな時間帯は、いつですか?


なんたって朝でしょ、ってタイプ。
なんちゅうかね、生きる喜びっていうのか、生きるパワーみたいなものに溢れている人って感じですかね。
寝起きのイイ人、っていうイメージがあります。
生き物として正しい、のかもですよねえ。


いやあ、やっぱり昼間でしょ、ってタイプ。
昼間っていうのは、別にピーカンってわけじゃなくとも晴れてる感じでしょうかね。
朝は目をこすりながら起きたとしても、昼間、動き出せば元気いっぱい。
働き者ってことなのかもですね。


いや、もう完全に夜がイイでしょ。落ち着くでしょってタイプ。
夜の深さがイイんですよねえ。視界が広がり過ぎると疲れますよねえ、ってことでしょうか。


アトダシじゃんけんみたいな言い方になってしまいますが、個人的には夕方が好きです。


夕方っていう時間帯って、季節によってすごく幅があるように思います。
ま、人によっても、どういう時間帯を夕方って感じるかって、違っているかもしれませんね。


照明が必要になる時間帯が夕方。
って無理矢理夕方を定義したとすると、暗くなったなあって感じること自体、何ルクス以下とか、そんな定義なんてないでしょうから、照明が必要っていっても人それぞれってことになりまそうです。
そもそもオフィスなんて朝から照明点けてますもんね。


でもまあ、なんとなく、外を見れば明るさが弱くなってきていて、晴れていれば夕焼け空になっていく時間帯から完全に暗くなるまでの間、ってことになるでしょうかね。
これがまた冬だと4時ちょっと前ぐらいから夕方って言えそうですし、夏だと7時を過ぎてもまだ明るかったりしますからね、時計時間によって決められるものじゃないって感じでしょうか。

 


街なかで夕焼けがキレイに見える場所ってのをですね、いくつか知ってますです。


狭いながらも空間の奥行きを感じられる景色。短い時間、空が茜色に染まります。


時間帯が合えば、足を延ばして行ってみるんですね。
夕焼け、嫌いな人もいないでしょうけれど、都市部で静かに夕景に溶け込めるような場所は、もうホント少ないです。


夕焼けが見られるから夕方が好き。そういう面もあるのは事実ですが、それ以上に夕方ってイイなって感じるのは、なんといっても「酒」の存在を急に身近に感じるからなのかもしれません。

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っていうかですね、自然にそうなるってことでも、実はないんですね。
セルフコントロール、みたいな部分も大きいような気がします。


それはまあ、カッコ良く言えば、その日一日を充実した終わらせ方にするため。


何をしたからっていうような、充実感とか、そういうのはどうでもよくって、その日一日をなんとか過ごせたなっていう、地球上の生き物としての太陽の見送り、夜の受け入れ。


仲間とワイワイ、っていうのも悪くないんですけど、こういう夕焼けの延長みたいな感覚で捉えている「酒」ですんで、それは自然に独りで静かに吞むっていうイメージになります。


もちろんイイんですよ。その日一緒に、隣り合わせた人たちと楽しく話をするってことは、とっても大事だと思いますし、すごく好きな時間の過ごし方です。


でも、なんていうのか、店の人も含めて、話をしなくたってイイんですね。


ふっと、肩の力を抜くっていうのを店のカウンターに座って実行する。このための準備の時間が夕方から始まるって感じです。
その時になって意識するんじゃなくって、ちょっと前から夕方にのみ込まれる用意をしておく。


参考にしていることっていいますか、勝手ながら鏡にしている思いがあります。
向田邦子さんですね。


自分が好きな「酒」「アテ」「店」を幾つ持っているか。それがそのまま、生きていることの贅沢気分につながるような受け止め方をしているなあって感じて、マネッコしているんですね。
受け止め方っていうより、そういうふうに自分に仕向ける工夫なんだろうって思っています。


「う の引き出し」っていうのが有名ですよね。
うまいものの「う」なんだそうです。


優れたシナリオライターであり作家だった向田邦子さんですから、「引き出し」って、おそらくいっぱいあったんでしょうね。資料整理っていうか、あ、これ、って思ったものを、新聞記事だったり、雑誌の切り抜きだったり、カテゴリ分けして「引き出し」に突っ込んでおく。
妹さんの和子さんと赤坂で「ままや」っていう料理屋をやっていた人ですからね、けっこう本格的な「う」の中身だったんじゃないでしょうか。


「ままや」は1998年に閉店しているそうで、お邪魔する機会もありませんでしたが、ま、間違いなく旨いアテを出してくれる店だったんでしょうね。
どんな旨いものを出してくれていたのかを、勝手気ままに想像してみるのも楽しいです。


「う の引き出し」には、全国のお取り寄せの切り抜きがたくさん入っていたそうなんですよね。


そしてここからがマネッコのしどころなんですけど、向田邦子さんは、そのお取り寄せ切り抜きの中から、どれかを選んで注文するわけですね。
たぶんネット注文とかじゃないと思います。時代的にね。
オテマミとか電話注文だったんじゃないでしょうか。
で、注文完了してから、それが届くまで、ワクワクして待つ。


これです。その気持ちを「思いもうける」って表現しています。


向田邦子作品の魅力って、こういうところにありますよね。
旨いはずのものが、自分の元に届くのを「思いもうけて」待つんです。


きっとこんな味なんだろうな、ちょっと違うかな、あした、何時ごろ届くかな。ちゃんと事故無く届くかな。
そうして自分の口に入るまでの時間を調味料にしている感じですよね。


思いもうけることによって、シアワセ度を上げているんじゃないでしょうか。

 


向田邦子っていう人のグルメ度と較べるべくもないんですが、「酒」「アテ」「店」を思いもうける時間が、私にとっての夕方なんですね。


「酒」なんてどこで呑んでも一緒でしょ、っていうご意見もあるでしょうけれども、違うんですよね。
夕方の時間に「思いもうけて」いると、違って来るわけです。


「アテ」についてはもっと違いが出てくるように思います。


「店」についてっていうのが微妙って言いますか、思いもうけるっていうのからは離れるのかもしれませんが、きょうはあの店の雰囲気がイイかなっていうような、思いもうけかたですかね。
ま、思いをイイ方に裏切ってくれる店っていうのはサイコーですけどね。


つい最近ですと「ガリごぼう」っていうのに出会いました。


なんやねん、って思うんですけど、茹でたごぼうガリを細切りにして和えて、白ごまパパッです。
黒糖焼酎のロックでいったんですけど、すごく静かに、口の中でもうるさくないのに、ちゃんと主張し合っているごぼとガリ。いっすねえ。カロリーを上げずにクイッと呑めます。


そういうのを出してくれる店だからなあ、っていう店に対する思いもうけっていうのもありますね。


そんなこんなを夕方に思いもうけて、実際に呑みに行くわけなんですが、思いもうけることによって充実した一日の〆になる。


落ち着く気分を醸成させていく工夫。
これからも夕方を大事にしていきます。


日が暮れたら、充実した酒の時間です。呑める人はね。


思いもうけることによって酒を百薬の長にする。ん~、言い過ぎでしょかねえ。