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【ワンタンメン】ワンタン入りラーメンなのか 麺入りワンタンスープなのか

< ワンタンってさあ めんどくさがり屋さんの餃子なんじゃないの~? >

一所懸命しゃべってくれているんだけれど、ぜ~んぜん現実味がないし、はっきりしないよねえ。
っていうような話を「雲をつかむような話」って言いますよね。


雲なんてつかめないし、つかんだとしても正体がないだろうってことなんでしょうね。


それはね、雲を手でつかもうとするからなんであって、口を大きく開けてひと呑みにしちゃえばオッケーなんですよ、ってイキなことを言い出したのは、古代中国の広東地方の人たち。


雲を呑む、「雲吞(わんたん)」が生まれたのは、少なくとも1000年以上前、あるいは2000年以上前の広東っていうのが定説らしいです。


でも、その基になった食べものが華北地方にあったんだそうで、けっこう歴史のある、プリミティブな雲吞だったのでした。

 


華北地方で食べものとして認知されたころの名前は「渾沌」
これで中国語発音としては「フォントォン」みたいなんですが、これって日本語だと「こんとん」ですよね。
中国の前漢の時代っていいますから、紀元前です。


時代が進んで漢字表記が「餛飩」になっていったそうなんですが、発音はそのまま。


「雲」っていう漢字にどういう概念を持っているのかって、中国人の中でも紀元前と今では違うでしょうし、中国と日本でも違っているでしょうね。


ですが、「渾沌」「雲」って、まあ、なるほどなあって感じがします。
やっぱり、なんとなくつかみどころがない。
って言いながら、しっかりつかめますけれどね、ワンタン。


「餛飩」のころのワンタンは、餃子と区別がなかったそうです。
ま、そうかもね、です。


要は、小麦粉の皮に具、餡を包んで、蒸したり、煮たり、焼いたり、揚げたり。
そんなに変わりはないよ、って言われれば、そうね、って感じです。


餡のボリュームが多くって、しっかり包まないといけないのが餃子。


拡げた皮に、テキトーに具をチョコッと置いて、包むというか、具が少ない分、皮をパサッとたたんじゃえば出来上がりって感じのワンタンではあります。

もちろん、具がたっぷりのワンタンもいっぱいありますけれどね。

海老ワンタンとか、イイっすねエ。旨いですねえ。


餃子の皮は丸くって、ワンタンの皮は四角ですが、別にどっちがどっちでも、味に変わりはなさそう。


で、唐の時代っていいますから7世紀から10世紀の頃、広東で現在のワンタンの形になって、餃子とワンタンが、しっかり区別されるようになったそうです。


平安時代には既に日本に伝わっていたっていうワンタン。平安時代は8世紀からですから、餃子とワンタンが区別されたころに入って来たのかもしれませんね。


日本に入って来たころのワンタンの表記は「餛飩」


「フォントォン」という読み方のほかに、中国南部の呉地方での発音は「ウンドン」
内陸の方へ行くと「ホエトエ」っていう発音だったそうです。


まあね、中国は昔からデッカイ国ですから、方言っていうレベルじゃなくって言葉も違うって言いますからね。
ある一つの食べものが入って来るって場合でも、一カ所から一カ所へっていうふうに限らないですもんね。
国の内外に一気に広まる。


平安時代ごろっていう大まかな時間の中で、日本にも「フォントォン」「ウンドン」「ホエトエ」っていうのが同時期に入って来たのかもしれませんね。


「餛飩」は、広東語で「雲吞」とも表記されていたそうで、その読み「フォントォン」が「わんたん」っていう日本語発音になって、表記も「雲吞」の方がメインになったってこと、なのかなあと思われます。


で、「ウンドン」は、はい、そのまま「うどん」
うどんって漢字で書くと「饂飩」ですからね。


もう一つの「ホエトエ」は山梨県の「ほうとう大分県の「ほうちょう」宮城県の「はっと」になったんじゃないか、って説もあるようです。
ほうとう」は、きしめんみたいに平ったいやつのほうじゃなくって、「すいとん」タイプのやつ、なんでしょうね。たぶん。


そうなると、「すいとん」もワンタンの仲間かも、です。


小麦粉じゃなくってそば粉だけど「蕎麦がき」だってそうかもですよね。具とか餡とか入ってないですけどね。


こうして並べてみますと、元は区別のなかった餃子だけが異色な感じです。

 


餡の入っていない餃子はあり得ませんが、具のないワンタンって、時々お目にかかりますよ。


具無し雲吞。具が無いんじゃ、ほぼスープ。いいえ、ちゃんとワンタン入ってるでしょ。
そりゃ、入ってますよ。注文したのはラーメンスープじゃなくってワンタンですからね。


でもほら、蓮華に乗せて、スープと一緒に、するっといっちゃうと、ん? 今、何食べた? 何呑んだ?
ってなりますよ。


なるほど、これで「雲吞」なんでしょねえ。旨いですよ。
雲を呑むような話、なんでありますよ。はい。


町中華のメニューにはカタカナが多いですね。「ワンタン」あるいは「ワンタンスープ」


よく行く町中華では「わんたん」ってひらがなで書いてあります。


で、時々注文するのは「わんたん と 半チャーハン」
そうしますとですね、店のオヤジが必ず聞き返しますね。


「わんたん、ただのわんたんね? わんたん半チャーハン?」


隣りで餃子を焼いているおかみさんが繰り返します「わんたん半チャーハン」


これですね、オヤジの確認なんでありますよ。耳に自信がなくなって来ているのかもなんですが、あれですよ「わんたん麺」じゃなくって「ただのわんたん ね?」っていう意味なんだと思います。


「スープ」ならまだしも「ただの」とは何事じゃあ! ってワンタンが怒り出しそうですが、たしかにね、「ただの」わんたんを注文する人はあまり居ませんね。
たいてい「わんたん麺」です。


町中華によってはメニューに「ただの」わんたんが無い店もありますからね。


もちろん、そういう店で「わんたんスープ」って注文すれば出してくれると思いますけれどね。


麺が入っているか、いないか。それだけの違いでしょ?
そうじゃないんだよねえ、っていう店もあるのかもですが、町中華レベルだと、たぶんスープは一緒ですよね。


雲吞麺専門店っていうのに入ったことが一回だけあります。
日本人がやってる赤坂の店。


そこで「ただの」わんたんを注文したら、ウチは雲吞麺専門ですんで、「ただの」わんたんはやってないんですよ、って言われたことがあります。


もうずいぶん前ですからね、そのとき1回しか行っていませんが、もうないでしょ。たぶん。知らんけど。
なんのこだわりやねん! ぷんぷん、です。


でも、日本語がうまいだけで、日本人じゃなかった可能性もあります。


っていうのはですね、ワンタンメンって、世界的にみると一般的じゃないらしいんですよね。


日本のワンタンメンって、言ってみればラーメンの一種で、スープがしょう油だったり塩だったり、はたまた担担味だったりはしますが、ラーメンの具としてワンタンが乗っかっているのがワンタンメンですよね。

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でも、そういう食べ方をしている地域って少ないみたいです。
日本と、香港、シンガポール、マレーシア、そして広東省、ぐらいなもんらしいんですね。


不思議な感じもしますが、そもそもラーメンとワンタンは別の食べものなんだから、別々に食べるべきで、一緒にするなんて! って感覚なんでしょうか。


でも、ラーメンっていろいろ違う具材を乗っけて、いろいろラーメンになっているわけで、それは世界中どこでも一緒ですよねえ。
なんでワンタンだけ仲間外れにするんでしょ?


ま、欧米地域ではワンタンメンがどうとかいうことじゃなくって、ラーメン自体、食べものとしてメインには数えないんでしょうけれどね。


小麦粉をこねた食べものとして、ヨーロッパには「ダンプリング」っていうのが普及しているみたいですけれど、これって、近いのはワンタンっていうより、蕎麦がきっぽいですね。


味付けは、国ごと、地域ごと、いろいろみたいです。


粉もんはね、人気があって、世界各地でいろいろ発展しているってことですね。
大阪人は、世界の「ダンプリング」それぞれに対して、一言ずつ、なんか言いたくなるかもです。


で、ワンタンと同様に餃子も、煮たり、蒸したり、焼いたりするわけですが、中国ではほぼ水餃子。日本ではほぼ焼き餃子っていうのも、考えてみると面白いことですよね。
ワンタンも餃子も両方とも、どの調理方法でも好きですけれどね。

 


で、最後に、これまたずいぶん前に埼玉県で食べたラーメンの話を。


お店の名誉のために、詳しい地域や店の名前は言いませんが、埼玉県の中でも郊外の地域にある、あるいはあった、ごく普通の町中華


そのメニューは「ミックス餃子ラーメン」


ほほう、なんだろう? どんなんだろう? と思って食べてみました。
しょう油ラーメンの上に、水餃子、焼き餃子、揚げ餃子が2つずつ乗っかっていました。
作る手間、なかなかですよねえ。


はい、味は、食べた感じは、、、なんだかなあ、でした。


おそらく、たぶん、いや、間違いなく、各々の餃子をそのまま普通に独立した餃子として食べても、なんだかなあっていうレベルだったと思います。


しかも乗っかっているのは、その餃子たちだけ。


ネーミングから受けた印象としては、アイディアとして面白いじゃん、だったんですけれどねえ。なんだかなあ、だったのでした。


ワンタンメンがあるんだから、餃子ラーメンだってあってイイじゃん。とは、今でも思ってるんですが、せいぜい、水餃子が合う、って感じでしょうかねえ。


あのですね、けっこうキコシメシタ時の〆に町中華とか行ったらですね、「ただの」ワンタン、イイですよオ。
もう、へろへろで、ワケワカラン、って状態で、雲を呑む。イイですよオ。


早くそういう「へろへろ外呑み」が出来るように、世の中がコロナ禍から回復してくれますように。