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【ブラウザ広告】っていうのはブログ記事読者にとって現代のデジタル小間物屋になり得るのか考える

<ありがたいテクノロジーの成果なのか 単なる大きなお世話か エンドユーザにとってのブラウザ広告事情>

日本銀行券五千円の肖像になっている樋口一葉女史は、奇跡の14か月と言われる、その創作期間中、現在の台東区竜泉の辺りで雑貨店を営んでいたことが知られています。地下鉄日比谷線三ノ輪駅近くの辺りですね。
駄菓子と荒物を売っている店だったらしいです。


一家の生活を支えるための雑貨店。樋口家の主ですからね、っていうのもあったでしょうけれど、なかなか実行力もあった人なんですよね。まだ20代前半です。


一葉女史は父親の務めの関係から、なんと夏目漱石の兄さんと結婚する可能性もあったらしいんですね。もし、その結婚が実現したいたならばと考えると、ミーハー的になんとなくワクワクすりょうな気持ちになります。


1872年、明治5年生まれの一葉女史が義姉で、1867年、慶応3年生まれの漱石が5つ年上の義弟ということになります。
日本文学界にとってドエライ姉弟になりますよね。


そうなれば一葉女史の早逝も救えたようにも思えますし、その後日本の主流になっていく私小説の流れにも影響を与えたでしょう。歴史のイタズラってもんでしょうかね。

 


駄菓子屋さんっていうのは令和の今でも、少ないながら残っていますけれど、荒物屋さんっていうのは見かけませんね。ずいぶん前からありません。


荒物屋さんっていうのは、庭箒だとか、座敷箒、ざる、たらいなんかを売っていた店で、今でいうとホームセンターになるんでしょうか。
ただ、荒物の定義として言われているのは「小間物よりおおきな物」ってことになるんですね。
おおざっぱ。定義自体がアライです。


対して小間物っていうのは「こまごまとした日用品」という定義になります。


主に髪飾り、化粧品、塗り物、眼鏡、煙草入れ、根付だとかを扱っていたようです。
商いの規模は大小さまざまで、荷物を背中に担いでお得意先を回る行商スタイルも相当に多かったそうです。


扱っている商品の多くが女性の生活用品ですから、各家庭をまわって個人個人と商売をしていくわけです。
お得意さんのご機嫌伺い。あそこの家の奥さんの好みの品。こっちの家の娘さんのお気に入りの品。


担いで回る背中のタンスの大きさは限られていますから、その中に効率よくお得意さんに買ってもらえる商品を収めて、決して不足の無いように心を砕かないと旨くいかなったでしょうね。


さらに言えば、商売の巧い小間物商人は、お得意さんの奥さんの好みを把握して、その傾向から興味を示すであろう新しい商品を仕入れて、こんなんいかがですか? とやる。


ハズレることもあったでしょうけれど、気が利くね、とか言われればシメたもんで、売り上げも上がりますし、お得意様の囲い込みにも成功するって寸法になります。大昔から変わらない商売のコツなのかもしれません。


「寸法」なんて単語も今はほぼ死語になってしまいましたかね。
この場合は、物の長さという意味ではなくって、もくろみ、っていうニュアンスになりますかね。


昔から物品を売る側っていうのは、顧客の好みを把握して、好みであろう新たな商品をいかに取り揃えて、タイミングよく提供するかに浮沈をかけているのではないでしょうか。


その「もくろみ」をたてるところからして、商売人としてのウデが試されるようなことがあるのかもしれません。

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おそらく洋の東西を問わず、行商人、流しのセールスマンっていう仕事はそうしたものだったんじゃないでしょうか。


さすがに今では背中にタンスを担いで売りに回る商売スタイルは無くなりました。行商人という人たちが消えてしまってからどれくらいの時間が経ったんでしょうか。


豆腐や魚ばかりでなく、風鈴、金魚、焼き芋もそうでしたね。
でもですね、ふと現状を改めてツラツラ考えてみますと、形を変えてはいるものの、個人の嗜好を把握して、購買意欲の先回りをしているような「サービス」っていうのがありますよね、今。


ネットの利用方法は、誰でもほぼ100%ブラウザを使っていると思います。
どのブラウザであろうがいつの頃からか、ページを開くたびに、ページのどこかに、時には全面に、広告が表示されるようになりました。


その表示された広告をクリック、タップすれば、購入サイトへジャンプできます。


その、ページごとに表示される広告が、これまたいつの頃からか、個人の検索結果に沿ったものなのか「あなた、こういうの興味あるでしょ? いかがですか?」というものになって来ていますよね。


気味が悪いという評判もありますし、ほほう、こりゃ便利という評価もあります。


個人によって判断というか感じ方が違うのは何に対しても同じですよね。嫌いな小間物屋さんも居れば、大好きな小間物屋さんも居るっていうのと一緒です。


ブラウザに表示されるデジタル広告には、「コンテンツ連動型広告」と「行動ターゲティング広告」という2つの代表的な形式があります。


デジタル広告が扱っているのは、小間物に限られたものではありませんよね。車なんかも宣伝されていたりします。ネットで買っちゃうものなんでしょうか、とも思います。
息抜きのつもりでネットを見ていたら、いきなり新車の案内広告が表示されたりして、ドンビキってこともあるかもしれません。


そういう場合、前に新車のページを見ていたり、カー用品をネットで買ったりとか、そういうことをしているんですよね。つまり、自分のネット上の行動を知られている。履歴から判断して、関連する商品の広告を表示しているってことですね。


うっせえわ! と感じる人も居るでしょうし、ほほう、と感心を示して広告のページにジャンプしていく人も居るでしょう。


こういう個人の履歴から、その人だけに向けて、広告を選んで表示するのが「行動ターゲティング広告」です。
個人の行動履歴をターゲットにして広告を表示する方式。


同じページを見ていたとしても、そのページの広告表示スペースに表示される広告は、見ている人によって違うという仕組みです。


普段アダルトばっかり見ているお父さんが、子供の塾を探しているときに、塾の案内ページに何故だか「うっふ~ん」な広告が表示されたとしたら、そのページは「行動ターゲティング広告」を採用しているということになります。気をつけましょう、世のお父さんたち。

 


もう一方の「コンテンツ連動型広告」というのは、広告を張り付けるページのコンテンツ、つまりページの記事内容を独自に判断して、その記事内容に沿ったジャンルの広告を表示する仕組みです。


グーグルアドセンスが「コンテンツ連動型広告」を採用していることは周知されていますね。


対象となるページのコンテンツを、書かれている文言から、グーグル独自の判断ロジックでカテゴリ分けして、そのカテゴリに合致したジャンルの広告群の中から、おそらくランダムに選んだ広告を表示しているんだと思われます。


私個人もグーグルアドセンスを利用させていただいておりますが、「コンテンツ連動型広告」である以上、ページのコンテンツは分かりやすく、つまりグーグルのカテゴリ判断ロジックに当てはまり易いようにと、せいぜい心がけております。


ってウソです。大うそ。


だってねえ、そんなグーグル側のロジックなんて分かりませんもん。


ま、優秀なグーグルさんのことですから、アルゴリズムの改善だとかは他社の追随を許さないレベルなんだろうと思います。
いや、これ、マジでそう思います。グーグルってなかなかしっかりやっている集団だと思います。


ただね、1バイト文化圏と2バイト文化圏の差異をどれだけアレンジして、2バイト文化圏国、つまり日本に適したロジックにしてくれるかってところですね。期待しておりますです。グーグルジャパン。


江戸、明治、大正時代の小間物行商人は、かなり顧客に特化した品揃えを用意して商売に励んだらしいですけれど、個人の検索履歴やらページコンテンツからの商品広告の選択は、現段階ではまだまだ唐突な感じから抜け出せていないですからね。


広告は広告主の利益になって初めてお金の周る方式でしょうから、うっせえわ! って思われる表示結果を如何に減らしていくかが勝負になっていくでしょうね。


なんで、うっせえわ! って思われるかといえば、前段としての顧客との会話がないからですね。


って言っても、今のデジタルシステムの中で、ネットにつながっている個々人と、いちいち会話とか出来ませんですよ。だからこそ、そこにデジタル広告の工夫が必要とされてくるわけですが、それが今の段階では「個人の検索履歴」と「ページコンテンツのカテゴリ判断」ということなんだと思います。


昔の優秀な小間物行商人たちは、もっときめ細かい観察、調査、手練手管を持っていただろうと思いますね。コミュニケーションの妙というものだったり、提案した商品に対する反応を分析する能力、そして商品のアピール力とか。


こうした広告表示サービスを提供している側、つまり広告主も、現状に満足はしていないかもしれません。

 


これまで何回となく「身勝手なルール変更」と批判されてきたグーグルですが、グーグルも数多ある中の1企業ですからね、競争に勝ち続けていくための方策には待ったなしっていうところがあるってことでしょうね。
バザール方式で開発を進めている代表的な会社ですから、社内で斬新なアイディアが出れば、これまでの方法とはガラッと変わった手法に切り替えることはこれからもあるだろうと想定できます。


グーグルで働いている数多くの天才たちが切磋琢磨して考え付くロジックを、アンポンタンな個人が予想してみても何も始まりませんので、表示される広告が行商小間物屋さんだと思って、にっこり、あるいはつっけんどんに対応していく覚悟でございますよ。はい。


広告ありきでブログ記事を書くわけじゃないって、当たり前といえば当たり前の結論なのでございました。