ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【木製人工衛星】 2024年の日本は年明けすぐから宇宙へ積極的にアクセスしてますねえ

< 宇宙ビジネスはいかに低予算でロケットを打ち上げるかっていうことからのスタートみたいです >

GDPがドイツに抜かれて世界4位になって、もうじきインドにも抜かれて世界5位になるらしいって言われている2024年の日本ですが、GDPって、現実の生活の中で身近に感じる概念じゃないですよね。


GDP「Gross Domestic Product」
国内総生産


一定期間内に国内で産み出された物やサービスの付加価値の合計。


付加価値?


なんかね、どやって計測しているのか、よく分からない指標なようにも思えます。
ピンッときません。


一喜一憂する対象でもないような感じですけれど、たしかに日本は右肩下がり。


「失われた40年」っていうやつになりつつあるのかもなあ、っていう気が一方ではしますねえ。


好い方向に進んではいない。
舵取りしている人たちが人たちですからねえ。


ただですね、思うことは、景気の指標としてちょっと前まで「国民総生産」GNP「Gross National Product」っていうのを使ってましたよね。


GDPでは日本企業が海外の工場で生産した付加価値を含めないのに対して、GNPは海外の所得も含んでいたんだそうですけど、なんで指標を変更したんでしょうか。
そういう必要が、どこから出てきたんでしょうか。


GDPは日本よりも人口の多いアメリカ、中国、そしてインドに抜かれるのは当たり前だと捉えることが出来るとしても、日本の3分の2の人口だっていうドイツに抜かれちゃうのは問題だっていう声が大きいです。


日本の産業って、大きな会社は海外拠点をたくさん作っていて、国内のモノヅクリとしては中空構造になっちゃっている。このことはバブル前から指摘されていましたですけどねえ。

 

 

 


なんで資金を投じて工場を海外に作って、その海外の土地の労働と給与支払いを作り出しているのか。


外圧ってやつ?
日本は敗戦国っていうパラダイムから全然抜け出せていないんでしょうかね。


国民総生産、国内総生産だとか、日経平均株価だとかもそうですけど、そういった大きな概念、経済パラダイムとは無縁に生きている感じがするんですけどね。たいていの日本人は。


それでもGDP上がっているよ、上位だよ、っていう話を聞くと根拠なく嬉しい気がしますし、下がっている、ダダ下がり、とか聞くと、やっぱり根拠なくガッカリ、疲れたりしちゃいます。


指標的経済パラダイムなんて直接には関係していないはずなのに。


そういう「気がするだけ」っていうんじゃなくって、生活していくうえで巻き込まれて行かざるを得ないパラダイムっていうのも、実はしっかりあったりします。


パラダイムシフト」なんていうのが言われ出したのって20世紀末だったでしょうか。


21世紀に向かって何かが変化していくんじゃないかっていう、いわゆる世紀末に対する期待感みたいな空気もあって、どういう職種の人であっても身近に感じていた言葉だったかもです。


パラダイムシフト」


でもまあ、世紀が代わって2001年になったからといって、きょうはきのうの続きでしょっていう感覚に変化はありませんでした。


パラダイム? シフトした?


でもやっぱり、実はしていたんですよね。


21世紀。全ての世代にスマホが浸透しました。


初めのころには「歩きスマホはやめましょう」「自転車に乗りながらのスマホは危険です」って言って眉をしかめていたオジオバ世代も、あっという間にスマホに釘付け。


街路では、おばあちゃん、急に立ち止まったら危ないよ、っていうスマホばあちゃんが急増しました。


だってよく見えないからさあ。って、そういう問題じゃないっしょ!


21世紀も4半世紀が過ぎようとしている今、その頃ジサマバサマにスマホの使い方を教えていた世代がジサマバサマになってきていますからね、スマホはすっかりライフラインになっているって言えそうです。


スマホは持ち歩けるパソコンっていう側面もあります。


思い返せばパソコンが浸透し始めたのは20世紀末。
それまでキーボード文化の無かった日本にとって、黒船以来のカルチャーショックだ、とかいう声もあったですよ。


黒船ってさあ、とか居酒屋トークでは盛り下がっていたもんでした。


当初のパソコンは、パーソナルって言っても、デカイし、価格も高いし、個人で使うモノっていう感覚はまだ無かったんでした。


で、だんだん小型化して来て、ラップトップ型、ノート型が出てきて、ハードディスクも一気に安くなって、気が付いたら誰でもパソコンを持っているようになりました。


オフィスも家庭もパソコンなしには成り立たないっていう世の中になって、いつの間にかしっかりパラダイムシフト。
キーボードに抵抗のある人って圧倒的に少数派でしたね。


で、そのパソコンが電話にくっ付いて携帯電話になって、また一段進化してスマートフォンスマホです。


音声入力とかも出てきちゃってキータップすらなくなりつつあるですねえ。


小さなパラダイムシフトの連続。形状から機能から、瞬く間に進化して、インターネットも出てきて決定的。


昭和世代とはすっかり別世界です。
パラダイムシフト」
生活習慣の中でのスマホの存在。


巻き込まれていない人って、いないんじゃないでしょうか。

 

 

 


生活習慣の変化って言えば、コロナパンデミックでも大きな影響を受けましたよね。


働いている環境であるとか、みんなが集まる娯楽の現場であるとか、インフラを含めた人間生活のパラダイムシフト。オフィスの環境。外食産業の栄枯盛衰。日本人の意識。


コロナが消えてなくなったわけじゃないんで、いろいろな面で本格的に変化を感じるのはこれからなのかもしれませんですけどね。


ほんの少しの変化のように感じられて、その変化に慣れていくと、またすぐに変化は新しい変化を生んで、ふと客観的に眺めてみると、けっこう大きなパラダイムシフトに巻き込まれている。っていうことがこの先に待ち構えているような感じの、中期に入って行こうとしている21世紀です。


21世紀は宇宙ビジネスの時代っていうことが言われています。


一般生活人が意識するにしてもしないにしても、地球人の生活圏が、地球のすぐ外側までであるにもせよ、宇宙空間にまで広がっていく。


新たな商機が宇宙にある。


2024年1月20日、日本の小型無人探査機「SLIM」が月面着陸に、まあまあ成功しました。

 

このこともまた生活するにあたって直接的な影響なんて考えられませんけれど、何かが変わったっていう事象になるんじゃないでしょうか。


地球よりは小さいにしても、独自の重力を持つ月に、目標地点との誤差100メートル以内にピンポイント着陸出来たことは大成功です。


着地姿勢がバランスを崩してひっくり返った状態になってしまったのが、まあ、ご愛敬。


太陽電池パネルに太陽光が当たらないってことになってしまったんだけれども、太陽が傾いてくれたんでオッケー、になったんでしたよね。


月面の写真データを送って来てくれました。


そして2月17日、JAXAは今後20年間の基幹ロケットになるH3ロケットの打ち上げに2回目、いや実質3回目で成功しましたですね。


乗せていく3基の衛星うちの1基は打ち上げ失敗によって失われることを恐れて、形状、重量を同じにしたダミーを積んで打ち上げられたんだそうです。


初号機の打ち上げ失敗はいろんな方面に影響をもたらしていたんですね。予算的にもね。


ロケット自体も衛星も、オタカイものですからねえ。


2号機の成功によって超小型衛星2基の衛星を切り離して軌道に乗せて、ロケット性能確認用のダミー衛星は当然ながら軌道に乗せることはせずに、本体ロケットとともに落下させたそうです。


通常ではない動きも含めて、ちゃんとH3をコントロールできたわけです。


それにしましてもね、2号機の成功にJAXAの技術者たちが涙を浮かべている光景を目にしますと、最新鋭のロケットは、もはやカミダノミにすがるような気持ちになってしまうほど複雑なシステムになっているんだろうなあって思わされます。


優秀な日本人男女が集まっているんですから、JAXAって。


そういう人たちがやるだけやって、祈るような気持で見守る。
JAXA、および関係者のみなさん。うまくいって、ホント良かったですね。


日本のロケットH2、H2Aは世界最先端、みたいなことを言われていた時期もあったわけですが、いつのまにか後方に押し出されつつあるっていう声も聞きます。


予算的に、打ち上げコストがいつの間にか他よりも高くなっちゃった。


だからH3を作ったわけですけど、1回目の失敗がかなり応えたんでしょうね。


もう失敗できないっていうプレッシャーは相当なものでしょ。


リージョナルジェットから撤退した三菱の技術者たちなんかは、いろんな意味で、失敗は許されない気持ちになっていたであろうことが想像できます。


H3の打ち上げ成功は、これで日本も宇宙ビジネスの競争にしっかり参加していける切符を手にしたことになりそうです。


JAXAのみなさんには、プレッシャーをも味方につけて、世界をリードしていけるぐらいにしっかりH3を育てていっていただきたいです。

 

 

 


宇宙技術開発の熾烈な競争は地球レベルで進められていますもんね。強力なライバル、目白押しです。


日本も参加しているアメリNASAが主催する国際協力プロジェクト「アルテミス計画(月の女神計画)」


これは2024年の後半、あるいは2025年の初めごろには有人衛星を月の周回軌道に乗せることを第1目標にしているんですよね。


そして第1目標を達成出来たら、いよいよ人類を月面に立たせようっていう計画です。


宇宙についてまったくの素人の感覚からしますと、不思議なんですよね、これって。


アポロ11号が月面着陸に、既に1969年に成功しているじゃないですか。


月面に降り立ったニール・アームストロング(1930~2012)の「これは人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な跳躍だ」っていう言葉が有名です。


土壌のサンプル収集をして、星条旗を立ててその撮影をして、無事に生還しているアポロ11号です。
もう半世紀以上前ですよ。


1972年にアポロ計画は終了していますけれども、アポロ11号のナレッジがあるにもかかわらず、アルテミス計画は必要以上に慎重な計画に思えます。


ま、宇宙飛行っていうのはそんな単純なものじゃないんだよ、ってことなんでしょうけどね。


予算に限界を設けずに、腕力勝負でやるっていうんじゃなくって、いかにコストを下げて実現するか、っていうことが21世の宇宙技術の基本コンセプトなんでしょうからね。


一方で、実際に生身の人間が月に降り立って探査しようっていう計画はアルテミス計画だけじゃないところが、21世紀は宇宙時代ですって言われる由縁になっているんだろうと思われます。


中国の「嫦娥計画」っていうのがあります。


2019年に月の裏側に人工衛星嫦娥4号」を着陸させています。


嫦娥(じょうが)(チャングゥ)っていうのは月に住む仙女なんだそうで、洋の東西を問わず月には妖艶な女性がいるってことになっているんですねえ。


うさぎだけじゃない。月の女神と月の仙女。


嫦娥計画」ではロシアと協力して2028年までに月の研究基地を建設する予定なんだそうです。
2028年ってすぐそこですよ。


さらにインドの「チャンドラヤーン計画」があります。


2023年8月には水が存在するって言われている月の南極付近に「チャンドラヤーン3号」を着陸させています。


チャンドラヤーンって言うのは「月の乗り物」っていう意味の合成語だそうで、インドはいたって現実的。


女神だとか仙女だとか、月にそういうの、いませんよ、ってことなんでしょうかね。


どの計画でも月の次には火星探査を見据えていて、技術開発は各国間で熾烈を極めているみたいなんですよね。


まさか軍事基地を作ろうっていうことでもないんでしょうから、チーム地球ってことで協力し合っている部分もあるんだろうなあ、って思いたいところです。


ビジネスですからさまざまな思惑が渦巻いてはいるんでしょうけれど、宇宙時代はもう始まっていることは間違いなさそうです。


木製の人工衛星って話に入る前に長くなりましたので、その2に続きます。
(書き書きちゅう)

 

 

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【飼いネコの名前】 日本イチ有名な飼い猫は「タマ」 あるいは「小鉄」 でしょか

< 考えてみますと「タマ」も「小鉄」も昭和なネーミングですねえ 悪くないですけどねえ >

焼酎バーのカウンターでヨッさんとマスターと3人でペット談義になりました。


あけっぴろげな性格のヨッさんなんでございましてね、娘さんが出戻って来ているなんて事情もカウンター族はみんな知っているんです。


聞き出しているっていうわけじゃなくって、ヨッさんが詳細に少しずつ公表するですね。


その娘さんの3歳になる娘さん。ヨッさんの孫ですね。もう言葉達者でおじいちゃんはしょっちゅうやり込められるらしいんですが、最近になってイヌかネコが飼いたいって言い出したらしいんですね。


「イヌがイイかなって思ったんだけど、散歩させるのってけっこう大変かなあって気もしてさあ」


マスターがカウンターの向こうからよく通る声で応えます。


「3歳じゃあ自分で散歩に連れて行くのも難しいでしょうから、ヨッさんの仕事になりそうですもんねえ」


「それもあるんだけどさ。いろいろ調べてみたわけよオレも。そしたら、今はイヌを飼うって言っても昔とは全然事情が違ってんだよね」


事情って、なんすか?
郊外とはいえ親譲りの庭付き一軒家に住んでいるらしいヨッさんです。どういう飼い方をするにしても、イヌを飼うにあたってなにか支障の出そうな環境には思えません。


「オレがガキの頃、うちでも飼ってたんだよね、イヌ。雑種のね、もうヨボヨボの白いイヌで名前がシロ。中型犬だったんだけどね、その前は秋田イヌを飼ってたらしくって、イヌ小屋がやたらデカかったんだよね。シロはいっつも小屋の中の隅っこで寝てたんだよねえ」


「今は飼ってないの?」


「シロが死んじゃった時にね、おふくろがもう動物を飼うのはイヤだって。死んじゃうと寂しいから」


「ああ、イヌって寿命、短いもんね。ネコもだけど」


「もうイヌ小屋もとっくに解体しちゃったしさ、また建てるってなったらちょっと面倒だなって思って。それでも道具屋かなんかで小屋を買ってくればイイかと思って、一応ネットでいろいろ調べてみたらさ、なんかイヌ小屋ってあんまり売ってなくてさ」


ドイトとかホームセンターへ行ったらありそうだけどね。家具屋? ニトリ?」


「そうそう、小さいイヌ小屋買って来て小さいイヌを飼うのがイイかなって思ってさ、そういう店もさ、いろいろ探してみたんだけど完成品ばっかりなんだよね。組み立て式とかなくって、出来上がってる小屋だとガサバッテさ、送料とかも高くなっちゃうんだよね」


「ああ、そうか。イヌ小屋売ってないって、最近はみんな小型犬が多くって、しかも座敷イヌでしょ。外で飼わないから小屋、要らないんだろうね」


なるほど。そかもですねえ。散歩しているのを見ても小型犬ばっかりですもんねえ。中型犬でも大型犬でも、普段は家の中で暮らしてる感じでしょかねえ。


「そうなんだよ。昔はさあ、イヌって番犬だったじゃん。セキュリティ要件で人間と一緒に暮らしてたようなもんだったけど、今って完全に愛玩動物なんだね。番犬としちゃあ役に立つような種類じゃないよ。ちっさいもん」

 

 

 


「で、イヌにしたの?」


「いろいろ考えてさ、ネコにした」


「ありゃ!」


ふううん。


「ネコは散歩しなくたっていいからさ。今度みんなでペットショップ行ってみようと思ってさ。スコティッシュ・フォールドっていうのが人気らしい」


「外国のネコ?」


「そうなんだろうね。スコティッシュだもんね。詳しくは知らないけどさ。イヌのペット事情も変わったけど、ネコも昔はネズミ対策だったわけでしょ。ウチでも庭にやって来るネコに餌あげたりなんかしてたけど、今はもう野良ネコなんてのも見なくなったし、ネットでペットショップとか見てみると、カタカナ名前のネコばっかりなんだよね」


ってことでネコを飼うことにしたみたいです。


ふむ。ネコね。
庭とか玄関にごはんをもらいにやって来るネコ、いるよ、っていうような話、昔はけっこう聞いたような気がします。


飼っているような、野良のような。そんなネコ。けっこういたんでしょうね。
っていいますか、ネコだって外で飼っている感じで、寝る時だけ玄関まで、っていう飼い方もありましたです。


その頃は、圧倒的に日本ネコでしたね。シャム、ペルシャが少々。


ネコ好きだったことで知られる博物学者の南方熊楠(1867~1941)は、庭にやって来る野良ネコたちにニコニコと食べものをあげていたんだそうです。


「おお、ちょぼ六。よく来たな。ほれ、ごはんじゃ」


庭にやって来るネコは、差別なくどのネコでも、みんな「ちょぼ六」っていう名前で呼んでいたんだそうです。


なんで「ちょぼ」で、なんで「六」なのかは、不明。天才の言うことは、まあ、誰にもわからないってことがよくあるんだそうでしてね。その類でございましょう。


水木しげる(1922~2015)の作品に「猫楠 南方熊楠の生涯」っていうのがあります。

 

熊楠に飼われることになって「猫楠」って呼ばれるようになったネコの視点から見た熊楠の半生っていう内容で、熊楠ファンであればけっこう楽しめるマンガです。


ネコの視点から見る相手が中学の英語教師苦沙弥先生じゃなくって、アクティブな天才、南方熊楠


秋篠宮文仁親王が読まれていたそうで、水木しげる夫婦が秋の園遊会に招かれた時に「猫楠」の感想を聞かせてくれたそうです。


南方熊楠には昭和天皇に粘菌のコレクションを進講したっていう皇室との関係もありますけど、平成の世になって水木しげると皇室とを結び付けたマンガの主人公がネコだったっていうことは、草葉の陰の熊楠にとってもニヤリとするようなことなのかもしれないですね。


「ちょぼ六」なんていうのは、一般的にはぜんぜん知られていないネコの名前だと思いますが、飼いネコの名前として世に知られているものはといえば、なんといってもサザエさんちの「タマ」でしょうかね。


長谷川町子(1920~1992)原作の「サザエさん」は1946年から1974年に朝日新聞とその前身の新聞に連載されていた4コマ漫画ですね。


令和の今となっては原作を知らない人の方が多いのかもしれませんが、1969年から放送されているテレビアニメの方は見たことのない日本人なんていないんじゃないでしょうか。


半世紀を超えて放送されているテレビアニメで、ギネス記録を令和の現在も更新し続けていますからね。
凄い番組です。

 

 

 


ところで、なんとなくマスオさんはサザエさんのお婿さんで「磯野マスオ」なんだっていう記憶だったんですけど、今回調べてみましたら、なんと「フグ田マスオ」なんでありました。


つまりサザエさんは「フグ田サザエ」ってことです。


へええ、そだったか、って思ったんですけど、詳しい人は当然のこととして記憶していらっしゃるでしょねえ。


サザエさんちの飼いネコが「タマ」ですね。
サザエさん一家の好きなキャラクター・アンケートで1位になったこともあるっていうチョー人気キャラなんですよね。タマ。


そんな大きな鈴、どこで売ってるの? っていうぐらいにアンバランスな鈴をつけている白いオスネコ。


ネズミを見ると走って逃げちゃう、おちゃめなやつ。
タマはフグ田家のじゃなくって磯野家の飼いネコなんですね。


雨に濡れる段ボール箱の中で必死の鳴き声を上げている白い子ネコを、学校帰りのワカメちゃんが連れて帰って来るのが初登場。


すてネコ。昭和の昔、こういうシチュエーションって、けっこうありましたよね。


でも家で飼うっていうのはたいていの場合反対されちゃいます。


なので、物置とか、神社の軒下とか、子どもたちだけの秘密の場所を設けて、そこへ牛乳なんかを持ち寄ったりして、なんとか育てようとします。


しませんでした? そういう体験。仲間たちだけのヒミツ。


すてられてるのって不思議に子ネコが多かった記憶ですねえ。


で、ワカメちゃんは物置でこっそりタマの世話をするんですが、波平さんに見つかっちゃって、元の場所に置いて来いって怒られます。
雨の中を泣きながら元の場所にタマを戻しに行くワカメちゃんです。昭和です。


道端に段ボール箱を置くと、自分が差して来た傘を段ボール箱ごとタマが濡れないようにかぶせて、ワカメちゃん自身はずぶ濡れになりながら駆け戻ります。


と、かすかなネコの鳴き声が。
ふと振り返ると、タマが必死の形相で走り寄ってきます。


タマを抱き上げて、雨に打たれながらワカメちゃんは考えに考えます。悩みに悩みます。


自分もタマもずぶ濡れになって帰って来て、ワカメちゃんは熱を出して寝込んじゃいます。


そして、ワカメちゃんが寝込んでいた間、タマの世話をしていたのは、なんと波平さんだったんですね。


ただの頑固親父じゃないんですよね、あの茶瓶ヤロウ、磯野波平。イイトコあるです。


ちっちゃくて痩せていた子ネコが、玉のように丸くなりますようにって願いを込めてワカメちゃんがタマって名付けたんだそうです。


飼いネコの名前として、昭和の中頃には定番って言ってもよさそうな感じの「タマ」っていう名前ですが、みんなこのワカメちゃんのエピソードに倣って自分ちのネコにタマっていうな名前を付けたんでしょうか。


ホント、定番でしたよ。


ネコの名前はタマ、についてはいろんな説があるんですね。


玉にじゃれつく姿が好ましいのでタマ。


丸まって眠る姿が玉のようだからタマ。


霊的な存在として認識されていたので魂、霊で、タマ。

 

 

 


どうなんでしょうね。ネコの名前はタマっていうのは昭和期の共同幻想なんでしょか。
サザエさんと同じジャンル、って言えると思うんですけど、家族マンガ、アニメね。


ちびまる子ちゃん」にはネコは出てきていなかったでしょうかね。
花輪さんちの「ビッキー」
みぎわさんちの「アマリリス
イヌでしたね。


クレヨンしんちゃん」には外飼いしている「シロ」っていうイヌがいました。


ヨッさんちのイヌもシロでしたけど、なんかね、組み替えられた記憶なのかも知れませんが、イヌはシロ、あるいはポチ。ネコはタマ、みたいな時代があったような気がするんですよね。


1990年代後半の日本に「イヌブーム」がやってきて、2005年に飼われていた数は1300万頭。


でもこの「イヌブーム」って実はイヌに限ったことじゃなくって「ペットブーム」っていうようなことだったんじゃないのかって思うところがあります。


なぜかって言いますとね、この時の飼われていたネコは1000万頭。


300万も違うじゃないかっていう捉え方もあるでしょうけれど、南方熊楠みたいにネコを「外飼い」している人もいたでしょうから、イヌとネコの実数はそんなに変わらなかったんじゃないか、って思うわけであります。


で、時代は進んで2021年のデータではイヌは710万頭、ネコは894万頭、だそうです。
ネコの方が多くなってますね。


なんですが、イヌを飼ってますっていう世帯数は680万、ネコを飼ってますっていう世帯数は550万。


ネコはどうやら多頭飼いされている傾向が強いってことですね。


多頭飼いってことになりますと、名前がタマ1号、タマ2号ってなわけにもいきませんもんね。今はみんな、それぞれ工夫して飼いネコの名前を考えているんでしょうね。


オスネコの名前人気ランキング。


第1位「レオ」


第2位「ソラ」


第3位「ムギ」


メスネコの名前人気ランキング。


第1位「ルナ」


第2位「ムギ」


第3位「モモ」


オスでもメスでも「ムギ」が人気なんですね。


ランキングのベスト10圏内に「タマ」はありませんでした。


サザエさんちのタマほどの浸透性はないかもしれませんけれど、「じゃりン子チエ」の「小鉄」の名前も知られていますよね。


じゃりン子チエ」は1978年から1997年まで漫画アクションに連載されていました。


高畑勲監督のテレビアニメは1981年から1983年。
横田和善監督の「チエちゃん奮戦記 じゃりン子チエ」は1991年から1992年。


こちらはサザエさんと違って大人向けのマンガでした。

 

仕事をしない父親、テツに代わって大阪、頓馬区西萩でホルモン焼き屋を切り盛りしているのが主人公のチエちゃんですね。チエちゃんはゲタ履きの女の子。けっこうワイルドです。


で、そのチエちゃんの飼いネコが「小鉄


小鉄にも子ネコの頃に段ボールに入れて捨てられた過去があるんですね。
しかも捨てられたのは川の中です。


これもねえ、昭和アルアルではありますねえ。川を流れていく段ボール箱。その中の子ネコたちっていうの、リアルに記憶の中にあります。


余りにも人間中心主義というのか、考えられないようなことを平然とやっていた時代だったんですねえ。


小鉄は川を流されていく段ボール箱の中から川に飛び込んで、がむしゃらに泳いでなんとか岸まで泳ぎ着いたっていうタフガイなんですよね。


チエちゃんと出会うまでの間、日本全国を旅して歩いた、ネコ版のフーテンの寅さんみたいな小鉄です。


小鉄は普通に言葉をしゃべるタイプのネコとして描かれていて、なかなかにシュールなヤツです。


カワイゲとか、そういうタイプじゃないですね。


令和の日本ではこういう小鉄タイプは人気ないでしょうかねえ。
そういうトコもネコの魅力の1つだと思いますけど。


タマも小鉄も、昭和は遠くなりにけり、ってことなのかもです。


2025年は昭和100年なんだそうでありますですよ。はい。


ところで、おたくのネコは、なんて名前です?

 

 

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【在りの遊び】 「ありのすさび」って読むんだそうで 現代語に訳しがたい哲学的な言葉でやんす

< 在る時は 在りの遊び(荒び)に語らわで 恋しきものと 別れてぞ知る >

え~。毎度のお運び、誠にありがとう存じます。


なにやらコムツカシそうなタイトルを掲げさせていただきましたが、いつもながらのバカバカしいお噺でございまして、え~、本日もひとつ、最後までのお付き合いをよろしくお願い申し上げておきますが。


なんでございましてね、噺の中に出てくる人っていうのはだいたい決まっておりましてですね。


主人公って申しましょうか、噺をひっかき回す役目を担っているのは、八五郎熊五郎与太郎ってな野郎たち。金さんなんてえのも出てまいりますね。


みなさんご存じ、だれもかれも能天気な性格で、トリックスター的な問題を起こしたり持ち込んできたりするわけです。


でもって、そうした問題を持ち込まれる方の役は、たいていの場合、長屋の大家さんか寺の坊さん、横丁のご隠居さんってことになっておりますね。


人情噺なんかですと、案外まともな人間なんです。相談を受ける大家さんとかご隠居さんね。まっとうなオトナ。


でもそうじゃない落とし噺の方ですと、なんだかハチャメチャなアドバイスになっちゃうってえのが、噺の醍醐味ってもんでして、はい、これまたみなさんご存じ。


これはもう江戸時代から続く、噺の不文律ってことになってる感じでございましょうね。
そうでなければ噺にならない。


相談を持ち掛けられて、そんなこと知りもしないくせに、なんだか適当なことをまくし立てるご隠居。


はい、今回もそういう噺でございます。


八五郎さんの方は、どの噺でも学校の勉強が好きじゃないタイプってことになっておりましてね、学問とか、そんなのは「あっしには関りのねえことで」って思って暮らしております。


で、まあ、それでもなんとか一丁前に暮らしておりますとね、そもそも悪い奴じゃございませんからね、そのうちに奥さんが出来ちゃったりするんです。


それでね、奥さんが出来ますってえと、やがて子どもが出来ますよ。


世の中、こうでなくっちゃいけません。子どものはしゃぐ声が世界を回すんですからね。


その子どもにとっちゃあ親が全てですからね、学校で言われて、なんだかわけの分からないことは家に帰って、早速自分の親に聞きます。


八号郎さんトコの子ども、小学2年生の女の子なんですけど、なかなか成績もイイんだそうでしてね、トンビが鷹を産むっていうお手柄。自慢の娘さんです。


娘さんの担任っていうのが日本文学を専攻してきた女のセンセで、小学2年生を相手に授業とは関係ないような日本文学の話をしてくれるんだそうでして、それが八五郎さんの娘はお気に入り。家に帰って来て親に話して聞かせるのが習慣みたいになってる。


いますよね、そういう子ども。
答えに窮しちゃう親っていうのも少なくないんだそうですね。

 

今どきの子どもの疑問って、難しいんです。親の方がアタマ、こんがらがっちゃう。お気の毒。

 

 

 


で、今回、その娘さんが学校から持ち帰って来たのが古い和歌、なんでして。


歌の意味をセンセがひと通り説明してくれたんだけれども、小学2年生にとっちゃあ、さっぱり分からない。


八五郎さんの娘はなかなかに賢い子どもで、分からないままに放っておくことが出来ない性質なんです。


でね、国語のノートに全部ひらがなで、その和歌を書き留めて来ましたね。


《 あるときは ありのすさびにかたらわで こいしきものと わかれてぞしる 》


まず母親に聞きますね。


「お母さん、これ、どういう意味?」


「ああ和歌だね。そういう古典のことはお父さんが詳しいんだよ。なにせ名前からし八五郎なんていう化石みたいな名前なんだからね。お父さんに聞けば分かりやすく教えてくれるよ」


お母さんはうまく切り抜けちゃうんです。
だいたいこういうのは、女親の方がうまくやれるもんらしいんですけどね。


なもんで、化石みたいな名前だって言われちゃってるお父さん、八五郎さんにオハチが回って来ましてね、聞かれます。


「お父さん、これ、どういう意味?」


《 あるときは ありのすさびにかたらわで こいしきものと わかれてぞしる 》


なんだこりゃ? 八五郎さん、弱っちゃいましたね。


ああ、うん、これか。これな。これは難しいんだ。これを説明するには長い時間が必要になるから今度の日曜日にしよう。きょうのところは早くお風呂に入って寝ちゃいなさい。


なんて感じで、その場は何とか切り抜けましてね、横丁のご隠居さんのとこへ行って、教えてもらって娘にイイトコ見せようって算段です。


はい、そうですね、「ちはやふる」と同じような状況ってことですね。


その横丁のご隠居ってえのが、「ちはやふる」のご隠居の末裔なのかどうかまでは分かりませんが、八五郎さん、次の日の夕方に一升瓶片手に訪ねましたですね。


あ~、ご隠居、居ますか。ハチです。


「おお、八五郎じゃねえか、ささ、こっちへずずい~っとお入り。一升瓶の差し入れたあ感心じゃないか。お前もオトナになったもんだ」


ひとつ教えてもらいたいことがありましてね。


「おお、まかせときな。世の中にあたしが知らないなんてことはないんだから安心しな。何でも来いってもんだ」


娘にうまいこと説明してやりたいんですけどね、この和歌の意味、ご隠居、丁寧に教えてくださいよ。


《 あるときは ありのすさびにかたらわで こいしきものと わかれてぞしる 》


「ああ、これは、あれだ。すさびでかたらわってやつだな。うん」


ご隠居、それじゃまるで分かりません。ちゃんと分かるように教えてくださいよ。娘に説明してやろうってんですから。しっかりお願いしますよ。最近は一升瓶だってバカにならない値段なんですから。


「まあ、そんなに焦るもんじゃないよ。じっくり聞きなさい」


はいはい、じっくり聞くのはもとからそのつもりで来てるんですけど、とにかく早いトコ願いたい。

 

 

 


「おっしゃ、そんじゃ始めようじゃねえか。これはな、お前さんも知っていると思うが、例の「ちはやふる」な。あれの続きだ」


冗談言っちゃいけませんよ。「ちはやふる」ってのは落語ですよ。バカ噺ですよ。そういうんじゃなくってこっちは学校のセンセから聞いてきた和歌ですよ。真面目にやってもらわないと。娘に聞かれて困ってんだから。


「あたしはいつだって真面目だよ。ウソじゃねえんだよ。ちゃんとつながりがあるんだから、よく聞きな。ちはやふるの主人公はあれだよ、竜田川っていうお相撲さんだよ」


それはおいらだって知ってますよ。


《 千早ふる 神代もきかず竜田川 からくれないに 水くぐるとは 》


ってやつでしょ。花魁の千早さんにふられて、妹分の神代さんにもふられて、《千早ふる神代もきかず》ってんで廃業しちゃったお相撲さんの《竜田川》ね。


その情けない竜田川と、この和歌にどういう関係があんです?


竜田川はお相撲さん辞めて豆腐屋さんになったんだよ」


そうですよ。そこへ落ちぶれた千早がやってきて、何日も食べてないんで、せめてそのおからを分けてくれって頼んでるのに、《からくれない》ってイジワルしちゃうんでしょ。そんで千早は可哀想に入水しちゃって《水くぐる》、千早の本名は《とは》だったっていう。


「そうそう、そうなんだ。お前さんも案外詳しいじゃねえか。それでな、その竜田川の子孫が「とは」さんの菩提を弔って田舎へ引っ込んでローカル線の運転士になった」


はあ? なんですかそりゃ? ローカル線の運転士?


「そんな驚いたって、なっちゃたんだからしょうがないよ。他人の仕事にどうこう言っちゃいけないよ」


他人様の仕事についてどうこう言うつもりはありませんがね、ローカル線の運転士と、この和歌がどうつながんですか? ってことですよ。


「《あるときは》ってあるだろ。それをお前さん《あるときわ》って読んでるだろ」


そりゃそうですよ、誰だってそう読みますよ。《あるときわ》でしょ。


「そこが素人の浅はかさってもんなんだなあ」


なに言ってんですか、ご隠居だって素人の毛が抜けたようなもんでしょうに。


「誰の毛が抜けてるって? ああん? あのな、そこは《あると》《きは》と読むんだ。《きは》はひふへほのハと読んで《きは》だ」


《あると》? 《きは》? なんなんですかそれ、どういう意味です。


「《きは》っていうのはディーゼルエンジンの付いた普通車のことだ。電車であればモーターだから《もは》っていってモーター付きの普通車ってことになるんだな。お前さんも見たことがあんだろ、電車の腹に書いてある「クハ」とか「サハ」とか」


はあ、見たことはありますけどね。ディーゼルエンジン? なんで急に列車が出てくるんです?


「だから最初に言っただろ。これはローカル線の運転士の和歌なんだって」


ははあん。《きは》っていうのがディーゼルエンジン付きの普通車だとして、《あると》ってのは?


竜田川の子孫の運転士がな、《きは》を走らせてると思いなさい」

 

はい、そりゃ、運転士なんですから走らせるでしょ。《きは》でも《もは》でも。


「なにせローカル線でな、予算があんまりない。線路の整備が追い付かなくって、走らせているといつもブツブツいう女の声が聞こえる」


女の声? なんですかそりゃ、物騒な話になってきちゃった。


「《あると》っていうのはな、昔はテノールよりも高い音域を表してた言葉なんだが、いつのまにか女の低い声域のことを言い表すようになったっていう、なかなか複雑怪奇な歴史を持った音楽業界の単語だ。こういうのはあたしぐらいにならないと分からないことなんだな。ああん。たいしたもんだろ」


はいはい、先を急いでください。でないと一升瓶、持って帰っちゃいますよ。


《きは》を走らせるとどこからか《あると》が聞こえるってことですかい? どうも物騒なローカル線ですね。


「そうなんだ、物騒なんだ。ずいぶん前からいろんなトコでローカル線が廃線になっちまうってニュースやってるだろ。いずこもみな同じってことなんだな。それでもなんとか継続させたいって思った運転士が、じっくり調べた。なんで《あると》が聞こえてくるのか」


そりゃあれでしょ、レールの老朽化、経年劣化ってやつじゃないんですか?


「ん~、お前さんもアタマのカタイ男だねまったく。経年劣化じゃ和歌になんかなるわけないだろ」


ま、そりゃそうかもですけど。


「じっくり調べたら蟻の仕業だってことが分かった」


蟻? 蟻って、あのアリンコのことですかい?


「そう、あのアリンコたち。《ありのすさびに》っていうのがそれだ。アリンコたちは酸を出すんだな。その蟻酸のせいで線路がガタガタに錆びついちゃってるっていうことなんだよ。蟻酸ってのは、酢だから酸っぱいよ。蟻の酢で錆びる。それが《ありのすさび》」


あのねご隠居。なんだか「ちはやふる」みたいになってきてませんか?


竜田川の末裔の和歌なんだから、そうなってくるよ。ローカル線は運転の時間間隔がけっこう長いからな、ここのローカル線は昼間は2時間に1本って塩梅で、1回《きは》が通ってしまえばかなりの時間蟻たちが蟻酸を線路に撒き散らすことが出来るんだな。そこで件の運転士は聞いてみた」


誰に? 何をです?


「蟻に決まってんじゃねえか。なんだって、よりによって線路に蟻酸を撒き散らすのか、蟻に直接聞くのが一番早いじゃないか。蟻と語り合って《かたらわで》ってことなんだよ」


一番早いたって蟻でしょ、相手は。いったい何を語り合うって言うんです?

 

 

 

「なにせ《かたらわで》ってことで語り合ってみれば蟻には蟻の言い分がある」


蟻の言い分ねえ。


「蟻の世界でも落語があってな、「ちはやふる」は人気があってよく知られた噺なんだ」


なんです? 蟻の世界にも落語があんですか?


「蟻ってのは社会性の高い生き物だからな、娯楽も必要なんだろな。落語もあれば芝居もある。羽アリ亭志ん生っていう蟻の落語家がニンキモノらしい」


へええ、蟻の世界にもいますか、志ん生がねえ。


「特に女王蟻が「ちはやふる」の千早太夫がお気に入りで、おからを分けてくれなかった竜田川をひどく憎んでいて、お触れが出ているんだな」


はあ、女王蟻のお触れ。


「《きは》の運転士は竜田川の末裔」


あ。それ、そんなとこでかかわってくるんですか。


「ああ、そんなトコなんだな。そのうえタイミングが悪いことに、その女王蟻が亭主と大げんかの最中で、男が憎い。とくに《からくれない》ような男は最低だってんで、《きは》の運転士の妨害をしなさい、ってお触れを出した。レールだけじゃなくって2両編成の車両の鉄の部分は全部ターゲットだ」


ろくでもない女王様ですね。運転士が迷惑をこうむる前に、脱線しちゃったら乗ってる客が危険な目に遭っちゃいますよ。


「そこだ。お前さんイイトコに気がついた。客なんだよ乗客。その時乗り合わせていたのが、なんと《神代》の末裔でインテリアコーディネーターの別嬪さんだ」


いやいや、それはないでしょ。なんでそこに都合よく乗り合わせて来るんです? インテリアコーディネーターってのはなんなんですか?


「このローカル線が走ってるのは北の街だからな、冬は寒い。ストーブ列車なんてことを昔からやってみてるんだが、どうも暖かく感じない。それは見た目が寒々しいからだってことで、《神代》の末裔さんは車両の床にじゅうたんを敷くことを提案したんだな」


列車の床にじゅうたん?


「そうだ、なにせインテリアコーディネーターだからな。ちょうどその日、1両目の床に鯉の柄を染め抜いたじゅうたんを敷いて、ローカル線の社長に説明していた」

 

 

 


え!? なんだか話が急に進んじゃいましたね。女王蟻のお触れから、一気にじゅうたんのプレゼンですかい?


「そうだ、話しは早い方がイイんだよ、覚えときな。社長がじゅうたんを踏みしめながらこう言った。感触はイイんだが、鯉の柄じゃ見た目的に暖かい感じがしない。そこで別嬪さんは、実はその鯉の柄に秘密がある。離れたところから眺めてみれば分かりやすいだろうってことで、社長とインテリアコーディネーターが2両目に移ったところで、《ありのすさび》が効いて来て、なんと連結部分がポキリ」


へ!? 連結器が折れちゃった?


竜田川の末裔が運転している1両目の《きは》は何も気付かずに、2両目の社長と《神代》の末裔を取り残したまま遠ざかっていく。2両目は「サハ」っていう普通客車だからな、自分じゃ動けない。どんどん離れていく」


ありゃりゃ、まずいじゃないですか。


「そうよ、ここがこの和歌の重大な場面だ。鯉の柄の敷物がどんどん離れていっちゃう。《神代》の末裔は思わず大声をあげちゃったってことなんだよ」


インテリアコーディネーターさんね。


「鯉の敷物がすっかり遠ざかって行ってしまった。《こいしきものと わかれて》だな」


こいしきものって、え? 鯉の柄のじゅうたんのことなんですかい? じゃあ《ぞしる》ってのは?


「思わず知らず叫んじゃったんだな、《神代》の末裔さんは、遠ざかる1両目の車両に向かってバカヤロー、ってぞしった」


ぞしった?


「車両と一緒に竜田川の末裔に向けても怒鳴ったのかもしれねえよな。そしったわけだ。《ぞしる》っていうのは「そしる」の最上級だ。な、これで和歌の完成だ。分かったか?」


ふうむ。


《 あるときは ありのすさびにかたらわで こいしきものと わかれてぞしる 》っていうのは、なんだか難しくって怖い歌なんですねえ。


「怖いはずだよ。いいか、こう並べるのがホントなんだ」


《あ あるときは》
《あ ありのすさびにかたらわで》
《こ こいしきものと》
《わ わかれてぞしる》


「ほらな、ひと文字目を縦に並べてみりゃ、な、「ああこわ」ってことになってんだよ」


ん~。


長のお付き合い、ありがとうございました。
おあとがよろしいようで。

 

 

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【ビバ! 酔っぱらい】 集まれ地球の酒呑みたち

< ぼくらはみんな生きている みんな仲間だ 酔っぱらいなんだ >

21世紀に入ったあたりから減ってきたように感じるのが「昼の酔っぱらい」でしょか。


もちろん24時間営業の居酒屋チェーンもありますし、東京ですと錦糸町、赤羽、西荻窪だとかには朝からやっている人気の焼き鳥屋さんも健在ではあるんですけどね。


そういう「呑み屋さん」じゃなくって、町中華とかファミレスで、つまりアルコールも置いてはいるけれど呑み屋さんじゃない店で、お昼どきからデキアガッチャッテいる酔っぱらいね。見かけません。


昭和の町中華では普通にお昼を食べに来て、水代わりのつもりなのか、ビールの大ビンを呑んでいる人って珍しくなかったです。いや、ホントに。


作業着姿の人もスーツ姿の人も。み~んな呑んでいたもんであります。


世代なのか時代なのか、そういう酒呑みも令和の日本ではすっかり見かけなくなりました。酔っぱらいじゃないですけどね。その程度に抑えて呑んでいる。


まあね、ガテン系であれオフィスワーク系であれ、午後からも仕事があるし、お昼から酔っぱらってちゃ勤まりませんでしょ、ってことなのかもですけどね。


でもね、いくら昔はおおらかだったとはいっても、酒のニオイってのもありますし、仕事の現場で飲酒状態が許容されていたとは思えませんし、もしかすると、われわれ日本人のアルコール消化能力がだんだん弱くなってきている、ってことがあったりするんでしょうか。


昔の人たちは多少呑んでも現場仕事をこなすのに支障はなかった、んでしょかねえ。酒のニオイはしてもです。


ま、その辺のところはよく分かりませんが、とにかく昼からの酒呑みはほぼ見かけなくなりましたです。

 

 

 


でもですね、ついこの前なんですけど、いましたねえ、久しぶりに昼どきの酔っぱらいをお見かけしたんであります。珍しいです。


東京の郊外、冬晴れの陽射しが燦々と降り注いでいるファミリーレストラン


お昼少し前、冬の低い太陽がだいぶ上がってきたころ合いで、大通りに面した大きな窓をまぶしさを避けるために塞いでいたロールカーテンをお店の人が次々に開け放っているタイミングでした。


モーニングもやっている店で、朝のうちは直射日光がその大きな窓から入って来てまぶしいんでしょね。


一番奥のシートに分厚い私服のセーターを着た中年オヤジ2人組が、わやわやとニギヤカにおらせられましたです。


「んはははあ、バッカじゃねえの~」


ほほう、やってますねえって思いながら、窓際のシートに席を占めると水を持って来てくれた店長さんが、顔をしかめながら言います。


「すみませ~ん。声を抑えてくれるようにお願いしてるんですけど……」


はいはい~。


BGMも鳴っているんですけど、2人組のノイズに押されてますね。
でもまあ、自分も酒呑みですから、はい、モーマンタイです。


明るい酔っぱらいは大声だけで非難しちゃいけませんでしょ。


ま、お店側としてみれば、うちは居酒屋さんじゃなくってファミリーレストランなんだけどなあ、っていう気持ちになるっていうのもね、分かります。


酔っぱらいたち、当人たちは気持ちイイんでしょうけどねえ。


24時間営業のファミリーレストラン。アルコール類も豊富に置いています。メニューに載せている以上、断るわけにもいきませんでしょうねえ。


2人組は夜中の2時ごろから呑んでいるんだそうで、なかなかのツワモノたち、みたいです。
体力がないと10時間近く呑み続けられませんもんね。


他には、酔っぱらい2人組の対角線上の遠いシートで若いカップルが静かにお食事中でした。
そのカップルにも取っ払いのだみ声は聞こえているでしょねえ。


「うっはあ、ほらカーテン開いたら世の中明るいんだよ。この朝陽を浴びれば何でも明るく行けるだろっつの」


「朝じゃねえよ、もう昼だよ」


「どっちだってイイんだよ、太陽さえ浴びれば」


「そろそろ昼めし食って帰るか。酔っぱらいは迷惑だから」


「酔っぱらいはウルサイってか? 最近は酒も呑めない軟弱なやつが多過ぎんだよなあ」


「だから、それがウルサイっつんだよ」


「なに言ってんだ。世の中に酔っぱらいほどエレガントな人間はいないんだぞ。お前、全然分かってないだろ。地球人類の中で最もエレガントな人種。それが酔っぱらいだっつんだよ」


んはは。こういうのを「怪気炎」って言うんでしょねえ。


調子がよすぎて、真実味がないように聞こえる、盛んな意気。
与太を飛ばす、なんて言い方もありますね。


酔っぱらいのタイプとして声が大きくなっちゃう人って、いるんですよね。


店長さんが2人組のテーブルへ向かって急ぎ足。
と、


「みなさん、すみませ~ん。酔っぱらいはもう帰りま~す」


店長さんに何事か言われる前に、自主規制、自己判断。


かなり困ったやつらですけど、アルコールが抜ければイイヤツ、なのかもです。自覚してるっていうところが救われる、のかなん。それともかえって始末が悪いのかなん。


店長さんが困った笑顔を見せながら引き上げて来た、と思った瞬間、ロールカーテンを開け放った大きな窓に、


「ズドーンッ!」


酔っぱらいの大声を吹き飛ばすには充分な衝撃音でした。


何事!?


窓ガラスは割れていませんが、何かがぶつかった跡がハッキリついています。


店長さんが落ち着いた声でカップルと私に教えてくれました。


「お騒がせしました。今の季節、たまにあるんですけど、スズメの仲間らしいんですよ。衝突してくるんです」


お呼びでない酔っぱらいが店長さんに応えます。


「ビックラしたあ。スズメの酔っぱらい運転かよお。あ、酔っぱらい飛行か。スズメだから」


「ばあか、スズメが酒呑むかよ」


とかなんとか言いながら、さすがの2人組もスズメの衝突に少しは正気付いたのか、あとは口をつぐんで、フラフラと帰っていきました。


「ありがとうどざいましたあ」


店長さんが戻って来て説明の続きをしてくれました。


「レンジャクだろうってことなんですけど、死んじゃってるかもしれないんですよね。ホントに酔っぱらって、思いっきりぶつかって来るのかもしれないんだそうです」


ここ5年間で3度経験しているんだそうです。
2回目の時の客席に動物病院の先生家族がいて、野鳥は酒を呑んで酔っぱらうことがあるって教えてくれたんだそうです。


野鳥が酔っぱらうことを目的として酒を吞むわけじゃなさそうですけど、後で調べてみますと、発酵してアルコールを含んだ状態になった果実を食べてしまって酔っぱらうんだそうですね。


どこか近くに冬になっても実が落ちずに、発酵してしまっている樹があるんだろう、っていうことらしいです。


へええ、って思ってですね、さらに調べてみましたら、酔っぱらい鳥って、世界中にけっこういるみたいなんですよね。


野鳥にエサをあげるエサ台に果物を置いて、それに、ウイスキーとかビールとかをかけると、あっという間にいろいろな野鳥が集まって来るっていう記事もありました。


鳥って目だけじゃなくって鼻も効くんですかね。


ん~。だとすると、偶然、発酵してアルコール分を含んだ樹の実を食べちゃって酔っぱらうってことじゃなくって、アルコールを求めて食べているってことなんでしょうか。

 

 

 


酒呑みスズメとか、酒好きレンジャクとか、酒呑み、酔っぱらいは人間だけじゃないみたいですねえ。


仲間意識が広がりますねえ。地球の生き物、みな兄弟!


ポーランドの首都、ワルシャワ


たくさんのコマドリがいるんだそうですけれど、冬場のエサはいろんな種類のベリー。
そのベリーが枝から落ちずに発行してしまってアルコールを含むようになる。


そうなると、ついばむコマドリたちが酔っぱらっちゃう。酔っぱらいコマドリ、大量発生。


で、路上で寝ちゃう。

 

酔っぱらって寝ているんですって コマドリ


こんな寝方、鳥はしないですよね。


鳥たちは枝につかまったまま眠ります。器用です。


あれって、身体の左半分だけ眠るとか、右半分だけ眠るとか、そういう眠り方だから出来るらしいんですよね。


さらには、枝をつかんでいる爪はそのままの形で自動的にロックがかかる仕組みになっているんだそうで、落ちないってことなんですよね。


原初の頃から身を護るために進化させてきた鳥たちの眠り方。


それがねえ、路上で無防備に泥酔しちゃうんですねえ。


アメリカ、ミネソタ州では、コマドリだけじゃなくって、北米に多くいるヒメレンジャクっていう鳥も、大勢で千鳥足になっているのが目撃されたり、方向感覚を失って壁やガラスに衝突する「事故」を起こしているんだそうです。


連雀っていう名前の通り、大きな群れで暮らしているヒメレンジャク。酔っぱらう時にもみんなで一斉に酔っぱらうってことで、方向感覚を失っちゃう「事故」って、地元の人は慣れっこになっているのかもですけど、なんか凄惨な光景が浮かんできちゃいますねえ。


言ってみれば「空飛ぶ酔っぱらい」ですからねえ、当人たちの生命も、ヤバイ、んでしょねえ。


旅客機のパイロットたちも、フライトの何時間か前にはアルコール摂取しちゃダメよ、っていう規則が作られたニュース、ずいぶん前にやってましたです。


鳥、ヒメレンジャクたちはお客さんを運んでいるわけじゃなくって、自分の命だけなんだからオッケー!? じゃないでしょねえ。


イギリスでは「空飛ぶ酔っぱらい」クロウタドリの大量激突死っていう事例も確認されているんだそうです。


日本ではどうなんでしょ。バードウォッチャーさん、「空飛ぶ酔っぱらい」観察したことあります?


中国で象の群れが、なんだか方向違いの旅に出ちゃって、農村部を北上。
途中で壺酒を呑んで、酔っぱらいツーリスト。っていうニュースもありましたねえ。


なにせ象ですもんねえ。酔っぱらってフラフラされたら、オオゴトですよ。
人間社会にしてみれば、ちょっとぶつかられちゃうだけで破壊行為です。


象は水だと思って壺酒を呑んだのか、あるいはやっぱり、本来的に酒吞みなのか。どうなんでしょね。


酒を呑む動物たちのなかで意外なのはハムスターでしょか。


ハムスターって「酒豪」らしいですよ。


飼っている人も少なくないと思うんですけど、アルコール、呑ませたりしているんでしょかね。


野生のハムスターはライグラスっていう植物の種や実を巣に貯める習性があって、冬の間にそれが巣の中で発酵。アルコール濃度の高い種や実になってしまう。


それを普通に食べて暮らすため、ほぼ例外なくハムスターたちは酒豪になる。っていうこと。


人間に例えていうと、度数40度以上のウイスキーだとかを1回で1.5リットル呑む。呑んじゃう。
ハムスター、とんでもないです。


でもってハムスターはそれぐらいじゃ酔っぱらわないんだそうです。


なんか特別な酵素だとかを持っているんでしょねえ。人間がまねしたら、まず間違いなく1回でオダブツ、ですね。


大酒呑みなのに酔っぱらわないハムスター。


でもまあ、のべつまくなしにアルコールを摂取しているわけじゃないですよね。


大酒呑んでハムスターホイール回したりなんかしていたら、アタマ、割れちゃいます。


ハムスター、大酒豪!

 

 

 

 

ところがもっとすごいヤツが地球にはいるですねえ。


マレーシアにいるハネオツパイっていうネズミぐらいの大きさの小型哺乳類。


彼らは酒が主食らしいんです。主食が酒ですよ。どういう生活やねん。


ハネオツバイの食べるのはブルタムっていう椰子の花。
その花にある蜜は、なんと3.8%の度数のアルコールを含んでいるんだそうです。


ハネオツバイはブルタムの花しか食べない。ので、主食は酒、ってことになって、年がら年中酔っぱらっている。
んじゃなくって、ちっとも酔っぱらわないんだそうです。


酒しか摂取しないのに、酔っぱらわない。
へええ、でっす。


なんか、ちゃんと研究したら、吞む前に飲む、とか、ホンキで効きそうな酔っぱらい防止薬とか、出来ちゃうんじゃないでしょうか。


恐竜時代の人間の祖先は、ネズミみたいな姿をした哺乳類だったんじゃないかって言う説がありますけど、このハネオツバイ、人間と共通の祖先をもっているかも、って言われているんだそうです。


っちゅうことはですよ、人類って2足歩行になって、しばらくしてから酒に出会ったんじゃなくって、もっとずっと前のネズミモドキの頃から酒呑みだった可能性がある、ってことじゃないでしょうか。


ご先祖さんに比べて現生人類は、なんと酒に弱くなってしまったことでしょうか。


でもあれですね、全く酔っぱらわないっていうのも、ツマンナイかもですよねえ。


地球は酔っぱらいだらけでイイんじゃないでしょうか。ダメ?

 

 

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【青木まりこ現象】本屋さんに入ると突然もよおすっていう現象 大のほうね 便秘解消法に使える?

< 町の本屋さんがどんどん消えているのは青木まりこさんのせいだったのかしらん >

って言うかですね、「青木まりこ現象」そのものも気になりますけど、それ以上に「?」って思うのが、青木まりこさん、ご本人のことだったりしますです。


日本全国津々浦々に「青木まりこさ~ん!」って呼びかけたら、何人の青木まりこさんが振りむいて返事をしてくれるか分かりませんけれども、「青木まりこ現象」の青木まりこさん、本名らしいんですね。


青木まりこ現象」っていうことがメディアで取り沙汰されて、なんだか急に盛り上がったのは、1985年のことなんでありますよ。


まだネット社会じゃありませんし、ハンドルネームとか浸透していない時代ってこともあるんでしょうけれど、本名を使ってのカミングアウトだったんですねえ。


聞いたことあります? 「青木まりこ現象
シンドロームじゃなくってフェノミナン。


「書店に入ると急に便意を感じる」
っていうのが「青木まりこ現象」なんであります。

 

 

 


「現象」の、そもそもの始まりは1985年2月に発行された「本の雑誌」の読者欄。


「数年前から本屋さんに行くたびに便意をもよおすようになった」


っていうような投稿の内容が、他のメディアでも取り上げられてイキナリ話題になったんですね。


投稿の主は東京都世田谷区在住、当時29歳の独身女性。名前は、そうです、青木まりこさん。
なので、書店で便意は「青木まりこ現象


もしかすると「青木まりこ現象」っていう言葉を聞いたことはないけれど、本屋さんにいくと便意を感じるんですよねえ、っていう人、いるかもしれません。


いや、けっこういるみたいなんです。
ミー・トゥー、ってやつですね。だからこそ社会現象として取り上げられた。


20世紀末に行われた小規模な調査結果によりますと、人口全体で見ると国民の5%から10%の男女が「青木まりこ現象」を経験している、または経験したことがあるんだそうです。


男女比を見てみますと、男1に対して女4っていう偏りがあるんですね。


22歳から33歳の働く女性に「青木まりこ現象」があるかどうか聞いたところ、有効回答件数150のうち40が「イエス」だったっていうデータもあります。26.7%。


オフィス街の女性、4人に1人以上が「青木まりこ現象」体験者。
こりゃ少なくないですねえ。


本屋さん、書店に行くと便意を感ずる、っていうことで、そういう生理現象にある人を「書便派」って言うんだそうです。


なんか、そういう括られ方、嬉しくないような。。。ネーミングがね。「書便派」


本屋さんに入ると、なんで便意を感ずるようになってしまうのか。


その原因についてはいろいろあれこれ、面白半分っていうこともあるでしょうけれど、様々な考察が行われてきているんですよね。


主流な説は、本を構成している「紙とインクの匂い」に原因があるんじゃないか、っていうもの。


つまり、なにかしらの化学成分が呼吸によって鼻から身体に入って来て、それが便意につながるんじゃないか、っていうことですね。


ただ、この説は、インクの匂いが強いはずの新品の本が並んでいる本屋さん以外、図書館や古書店なんかでも「青木まりこ現象」に襲われる人がいたり、逆に、町の本屋さんでは「青木まりこ現象」にはならないんだけれど、図書館では必ずなってしまう、だとかの意見が相次いで、どうも「紙とインクの匂い」が「青木まりこ現象」の原因だっていう説は支持されていないみたいです。


「トイレで本を読む習慣」のある人が、条件反射的に本がたくさん並んでいる環境で「青木まりこ現象」になってしまうんじゃないか、っていう書便派パブロフ説もあります。


これもまた、書便派の全員がトイレで本を読む習慣があるわけじゃないってことで、支持されていない。


その他、背表紙だとかのたくさんの活字が目に飛び込んでくることによって緊張して、精神状態が通常ではなくなることで便意が促される、っていう、なんだかなあの説。


過敏性腸症候群」によるんじゃないかっていう医学用語寄りの説もあります。


これは心身症の一種だそうで、これだと明らかな疾病の範疇ってことになっちゃいますね。


青木まりこ現象」の人、全員が心身症だっていうことも考えにくいでしょうから、これもまた支持されていない。


大好きな本がずらりと並んでいることから、幸福感を感じて安心することが便意につながる、っていう「リラックス効果」説、なんていうに¥のもありますけど、リラックスと便意

 

ん~。関係なさそうですよねえ。


ま、これ以外にも実に多くの説が取りざたされていて、一応真面目に検討されて、どの説もチャウでしょねえっていう歴史を経てきているらしいです。


でもまあ「青木まりこ現象」の原因っていうのは、結局、よく分からない、ってことですね。

 

 

 


本屋さんに入ると便意をもよおすっていう人は、青木まりこさん以外にも存在するっていうのは確かで、私の周りにも5人ほど、居ます。けっこう居るんですよね。


呑み仲間なんですけどね。全員40代。でもまあ若いです。
男1人に女4人。たしかに調査結果のパーセンテージと合致する割合です。


っていうか、最近の居酒屋さんは女性客の方が多い感じなんですけどねえ。


で、その彼らに「青木まりこ現象」のことを聞いてみたらですね、全員知ってましたですよ。


ですが、オンタイムで知っていたわけじゃなくって、自分の現象に気付いて、不思議だなあってことでググってみたら「青木まりこ現象」に出会った。っていうことだったんでした。
たしかにね、ネットの時代です。


本の雑誌の投稿は1985年ですから、2024年時点で40年も前のことになるんですけど、ネットには今でもいろいろ載っているみたいです。


「都市伝説なんですよね」


って、そのうちの1人が言ってましたけど、チャウでしょ。


だって、あなた自身が「青木まりこ現象」の体現者なんでしょ。リアルな例として自分の便意があるんですから、都市伝説じゃないでしょ。ホントでしょ。


青木まりこ現象」は「トイレの花子さん」とかいうような根も葉もない都市伝説とはチャイまっせ。


ってことで、もっと若い世代にも知られているであろう「青木まりこ現象」なんですけど、その原因よりなにより不思議なのは、なんで「青木まりこ」から始まったのかっていうことですね。


なんでそう思うかって言いますと「書店に入ると急に便意を感じる」っていう現象は、町の本屋さんが登場してからずっと言われてきたことみたいだからなんです。


言ってみればこの現象は「青木まりこ以前」「青木まりこ以降」っていうふうに分類できるってことです。


1985年の「青木まりこ以前」


1957年、吉行淳之介の「雑踏の中で」


1972年、豊田穣「皇帝と少尉候補生」


1981年、やねじめ正一「コトバもまた比喩ではなく汗をかく」


っていう作品の中で「書店に入ると急に便意を感じる」っていう現象についての記述が見られます。


さらにはラジオなんですけど、日本放送の夜ラジオ「ヤングパラダイス(1983~1990)」


たくさんあったコーナーの中の1つに「我慢の極地! 水戸様の怒り」っていうのがありましてね、突発的な便意をもよおした時の状況を、まあ、ゲスに笑おうっていうコンセプトだったらしいんですけど、その中に「本屋で便意をもよおしてしまう」っていうネタが集まって来て、ヤングパラダイスでは「山田よし子症候群」っていう名前が付いていたんだそうですよ。


青木まりこの前に山田よし子がいる。


経緯だとか詳細は分かりませんでしたけれど、今現在「山田よし子症候群」でググりますと「青木まりこ現象」に行きつきますねえ。


不思議です。こうして「症候群」なんて名前で認識されていた「書店に入ると急に便意を感じる」っていう現象が、山田よし子では一般に浸透しなかったのに、青木まりこになって一気に浸透したのはなんでなんでしょう。


でもまあ、山田よし子っていう名前が誰なのか、実在する人間の名前なのか、ラジオのトークの中で適当に作り上げられた架空のキャラクターなのか、調べられませんでしたので、青木まりことの単純比較は出来ないんですけどね。


ですが、現実問題として、1985年に青木まりこが名乗りを上げると、あの、週刊文春に話題として取り上げられて、一気にメジャーになったみたいです。


青木まりこ現象」が広く知られるようになったのはやっぱり、雑誌の雄、週刊文春の影響が大きいんでしょうかね。


本の雑誌社文芸春秋の関係はどんなものなのか分かりませんけれど、本の雑誌社千代田区神田神保町文芸春秋は同じ千代田区ですけど紀尾井町
皇居を挟んで反対側です。仕事上の繋がりとかは、なさそうに思えます。


規模も違いますしねえ。本の雑誌社は、ま、みなさんご存じかと思いますけれど、群ようこさんが勤めていた会社です。


群ようこさんは1984年7月に「午前零時の玄米パン」を書いて作家デビューしていますから、1985年2月の「青木まりこ現象」の時点で在社していたのかどうか、微妙な時期、ですねえ。


で、本格的に不思議なのは、1985年以降もこの「青木まりこ現象」は一時期の話題ってことじゃなくって、繰り返しいろんなメディアで取り上げられているってことなんですね。


1995年にはNHKの「生活ほっとモーニング


1998年、TBS「ウンナンのホントのトコロ」


2003年、朝日新聞社アエラ


そしてなんと日本ばかりじゃなくって「スティーブン・ヤング」っていうアメリカ人の作家が「本の虫 その生態と病理―絶滅から守るために」っていう本を2002年に出しているんですね。


本の虫として「読み虫」「書き虫」だとかを定義づけしているユニークな本らしいんですが、この中に「マリコムシ」っていうのが出てくるらしいです。

 

マリコムシ?

マリコムシ」は、書店に生息していて人々を書店依存症にする「ショシムシ」の一種で、書店で本を選ぶ者の便意を誘発させる能力を持つ、って定義されているらしいです。


あ・ほ・か。っていうこの本なんですけど、翻訳者は「薄井ゆうじ(1949~)」っていう作家で、ま、スティーブン・ヤングは薄井ゆうじ本人、ってことなんだろうと思います。


海外では青木まりこ、有名じゃないです。ちゃんちゃん。。。


マリコムシっていうのが原因であるわけもないとして「青木まりこ現象」っていうのは、医学会が認めていないとしても確実に存在する現象なんだろうと思います。


実際にそうなるって言っている人がいるんですからね。

 

 

 


便秘気味の人は、ネットで本を買うんじゃなくって、町の本屋さんへ出かけてみると、効果が。。。


でもあれですね、ホントに効果がすぐに出て「青木まりこ現象」が現れたとしたら、町の本屋さんはトイレを利用できる環境じゃない場合の方が多いでしょうから、試してみるときにはビルの中に入っている、わりと大型の書店にしておいて、整列している本の群れの中に入る前にトイレの場所を確認してからの方がヨサゲ、でしょねえ。


人間にとって排便って、とっても重要なイベントですからねえ。


充分に大人なんだけど、本屋さんに行くときは白いズボンは穿かないようにしているっていう人もいるらしいです。


みなさん、どうぞ、ご安全に!


(ご安全にって、……、なんのこっちゃ。町の本屋さん、ホントに激減してますねえ)

 

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