ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【安息のすゝめ】 寝だめするとかサボルとか そういうんじゃなくって ホントの安息って?

< 元気って身体のことだけじゃないですもんね ニュートラルな気持ちになって自分を復活させませう >

雨の夜でした。


そんな天気でも傘をさして、歩いて、呑み屋さんにやって来るですねえ。酒呑みはねえ。


でもまあ、雨の夜は客が少ないです。わざわざ来ない。
ってことで日本はまだまだ大丈夫、な気がしますねえ。ポンコツがね、少ないってことでしょ。


とか、まったくもって無責任な話をカウンター越しに焼酎バーのマスターとしておりますと、ミッコちゃんがやって来て、スカートをパタパタ叩きながら、


「なんでこんなに濡れちゃったのかしら。あたし傘さすのヘタなのかも」


すかさず女将さんが、


「そんなに強い雨じゃないのに、風も出てきたのかしらねえ。はいタオル」


ミッコちゃんのすぐ後からスーツ姿の3人連れが入ってきて、店内はさっきまでとは打って変わって賑やかな雰囲気になりました。
3人連れはとくに濡れているようには見えませんでしたけれどね。


カウンターのいつもの席に腰を落ち着けた、どうやら傘をさすのがヘッポコなミッコちゃんは、誰に向けてでもないような感じでこう言いました。


「ずっと疲れがとれないからさあ、病院行って血液検査してもらったんだけど、きょう結果が出て、別に何ともないらしいのよね。でも、疲れがとれないって言ったらさあ……」


マスターが背中で、


「ミッコちゃん、コロナやった?」


「ないない、やってない。あたしはかかってない。インフルエンザにはなったけど」


「じゃ、それでしょ」


「なにかの後遺症とか、そういうんじゃ全然ないんだって。それで、どうしたらいいのか聞いたらさあ、安息にしなさいって言われたのよ。なんなの安息って?」

 

 

 


むむう。たしかにね、なんなの? っていう言葉が出ちゃうかもですよねえ。


安息ねえ。
安静にとかいうんだと、動きまわらずに静かに過ごす、寝てなさい。みたいなニュアンスだと思うんですけど、安息っていったいどういう状態、状況のことを言うんでしょね。


しょっちゅう聞くっていう言葉じゃないです。


女将さんがスマホで調べますね。


「心身を安らかにして、くつろぐこと」


「くつろぐことかあ。気持ちの問題ってことかしら。疲れすぎてる身体だとくつろげないような気がするなあ」


「お酒呑めばくつろげるでしょ」


「あ、そっかあ。なるほどお」


って、そういう結論でイイのかどうか、よく分かりませんが、ま、ひとまずそゆことになりました。


でもね、なんとなく考えちゃいましたよ。
安息っていう言葉は普段耳にすることの少ない単語ですよね。


なんでそのお医者さんは安静とかじゃなくって安息っていう言葉を選んだんでしょう。っていうのが気になって調べてみたんであります。


日本語としての安息っていうのは、ひょっとすると「安息日」っていう単語から来ているのかもです。


安息にする、安息にするべき日。だから安息日。っていうんじゃなくって、安息日っていう単語の方が先に在って、その日の過ごし方、態度をこそ安息という、っていうふうに言っているんじゃないでしょうか。


日本に聖書が入って来たのは16世紀、ザビエルの時代だったらしいですけど、創世記が日本語に訳されたのも、その時代からそんなに遠くはないんでしょうね。


ザビエルっていう人はカトリックの司祭だそうですからユダヤ教じゃなくってキリスト教ですね。
聖書は新約聖書ってことになります。


キリスト教徒が自分たちと区分けするために旧約聖書って呼んでいるユダヤ教の聖書に書かれているヘブライ語の「shavat(シャバト)」っていう単語が安息日で「世界創造後の7日目の休息日を記念する日」を意味するんだそうです。


キリスト教でもそれを受け継いでいて、「sabbath(サバス)」って言うんだそうですね。


これを日本語に訳す際に、単に休日っていうのと違うよねってことでひねり出したのが「安息日(あんそくにち)」っていう単語なんじゃないでしょうか。


「あんそくび」って読んでもイイんでしょうけど、たいていのテクストでは「あんそくにち」って読ませている特別性も相まって、なんとなくそんな気がします。


単に身体を休めるっていうのとは違うんですよっていうのは、どういうことなのか。


ユダヤ教安息日っていうのは、とにかく働いちゃダメな日なんだそうです。


料理を作るっていうのもダメ。


働くっていう行為は人間が生きていくために行う務めだけれども、安息日に働かないことは神に対する人間の義務。


つまり、安息日は人間が神に思いをいたして、祈りの気持ちで過ごす日、っていうことなんだそうです。


の~んびりするとか、だらあ~っとするとかじゃないんですね。


安息日っていうのはユダヤ教だけじゃなくって、3つのいわゆる「アブラハムの宗教」に定められている日です。

 

 

 


こういう話があるんでありますよ。


太古の預言者アブラハムには、サラっていう奥さんがおりました。
サラにはハガルっていう女奴隷がおりました。


アブラハムとサラとの間に出来た子どもがイサクで、ユダヤ人の始まりなんだそうです。


イサクの子孫にヤコブっていう男がいて、ヤコブの別名がイスラエル


この民族の宗教がユダヤ教ですね。


そしてこのユダヤ民族から登場してきたのがイエス
エスキリスト教を始めるわけですね。


一方、アブラハムとハガルの間に生まれた子どもがイシュマイル。


イシュマイルの子孫たちがアラブ人で、アラブ人のマホメットムハンマド)が始めたのがイスラム教。


ザっと言ってしまうとこんな感じで、予言者アブラハムから始まった三大一神教ユダヤ教キリスト教イスラム教のことをアブラハムの宗教って言うんだそうです。


セム族の宗教っていう括り方もありますね。


で、先行しているユダヤ教聖典、いわゆる「旧約聖書」に記してある神の御業が「安息日」の始まりってことになるんですね。


葬式仏教の日本人でも、ぼんやり聞いたことがあると思いますけれど、一神教の神さまは「YHWHヤハウェ)(エホバ)」ってされていますね。


アブラハムヤハウェに指名された予言者ってことになっています。


その神、ヤハウェが世界を創ります。創世記ですね。


「はじめに」神は天と地を創って、光あれ、で、昼と夜を創ったのが第1日。この日は日曜日ってことになっているんですね。


大空を創って、大空の上の水と、大空の下の水を分けたのが第2日。


陸と海を創って、陸に果樹植物を生えさせたのが第3日。


大きな光に昼を、小さな光に夜を司らせて、星々を創ったのが第4日。


水の生き物と空を飛ぶ生き物を創ったのが第5日。


地の獣、家畜、そして自分自身の形に似せて男と女を創ったのが第6日。


こうして創生が完成して、全てのワザを休んで、聖なる日としたのが第7日。


ってことで、7日目が「安息日」ってことになっているんですね。


ユダヤ教では労働しちゃいけない日になっていて、神を礼拝する日って定めているのは先述した通り。


ユダヤ教安息日は金曜日の日没後、土曜日の日没までの1日で、調理だとかの労働もしちゃいけないってことで、食べものは金曜日の日没前に調理しておくっていう風習を守っている信者も少なくないんだそうです。


ってことでユダヤ教安息日は土曜日。


ところが、ユダヤ教の中から始まったキリスト教安息日は日曜日なんですね。


キリストが復活したのが日曜日だからなんだそうです。


4世紀に、時のローマ皇帝コンスタンティヌス1世が「日曜休業令」ってうのを発布しているんですね。


これは土曜日の安息日を廃止して日曜日を礼拝日にしたっていうことで、日曜日がお休みっていう習慣の始まりがここにあるんですね。


礼拝日、イコール、安息日じゃないんですけど、第7日目が休みの日っていう感覚で月曜始まりのカレンダーにも、気分的にそういう根拠があるのかもですね。


もちろん、きちんと安息日と礼拝日を区別しているキリスト教の宗派もあるそうです。


イスラム教ではどうなっているかといいますと、安息日は金曜日なんだそうですね。


メッカ生まれのムハンマドが神の啓示を受けてアッラーの信仰を広め始めたんですけど、そのころのメッカは多神教だったんで、ムハンマドは迫害を受けていたそうなんですね。


そんな時にメッカを訪れていたメディナっていう街の商人たちがムハンマドの説教を聞いて感激して、自分たちの街に招いたんだそうです。


それじゃあっていうんで、数少ない信者たちとメッカを脱出したのが金曜日。


ただ、イスラム教でいう安息日っていうのは必ずしも休みの日っていうことじゃなくって、集団礼拝、金曜礼拝っていうことになっているみたいです。


神に思いをいたす日、っていうことでは一緒ですね。


イスラム社会も広いですからね、金曜日が休みの社会もあれば、そうじゃないイスラム社会もあるんだそうです。

 

 

 


まとめてみますと、


ユダヤ教安息日は土曜日。


キリスト教安息日は日曜日。


イスラム教の安息日は金曜日。


多くの日本人は、ナンチャッテでもなんでも仏教徒ですから、安息日なんてものはナイ! のかっていうと、そうじゃないらしいんです。


もちろん熱心な仏教徒の方もいらっしゃるでしょうけれど、たいていの日本人は葬式仏教って揶揄されるくらいに仏教儀式に明るくないですよね。


でも、あるみたいです。仏教にも安息日


「六斎日(ろくさいにち)」って言うんだそうですね。
仏教でも、六斎ビ、じゃなくって、六斎ニチ。


陰暦の8日、14日、15日、23日、29日、30日が六斎日。


陰暦の日付って大きめのカレンダーには載ってますよね。いわゆる月例ってヤツです。
月に6日あるから六斎日。


で、六斎日には、「八斎戒(はっさいかい)」を守る。


6だったり8だったり、〇△◇□なんじゃ! ってわたくしなんぞは罰当たりあことを思ってしまいますが、八斎戒っていうのは、こういうふうに生きなさいっていう仏教徒のイマシメなんだそうです。


イマシメですから常に守るべき約束。


で、そうではあっても、毎日じゃ守るの大変だから、六斎日には八斎戒を思い出しなさいね、っていうことなんだそうです。


アブラハムの宗教と、なんとなく似ている感じなんでしょうかね。


八斎戒っていうのは、


・不殺生戒:故意に生き物を殺傷しない。


・不偸盗戒:他人のものを盗まない。


・不淫戒:性行為をしない。


・不妄語戒:嘘をつかない。


・不飲酒戒:アルコール類を飲まない。


・不坐臥高広大床戒:立派な寝具や坐具でくつろがない。


・不着香華瓔珞香油塗身戒:化粧品や香水、アクセサリーなどで飾り立てない。


・不作唱技楽故往観聴戒:音楽や演劇を故意に行わない、鑑賞しない。


の8つなんですけど、宗派によっては9つ目のイマシメが加えられることもあるそうです。
仏教にも宗派ってたくさんありますもんね。


・不過中食戒:正午から次の日の日の出まで食べ物を口にしない。


人類は必要だからこそ宗教っていうのを発明したんでしょうけれど、日常の煩雑さに紛れて、つい見失いがちになっちゃうから宗教の根本を思いだしなさいね、っていうのが安息日ってことなんでしょうね。


生きものとしての人類の原点回帰。


でもあれですね、ミッコちゃんがお医者さんに言われた安息っていうのとは違うのかもです。


ミッコちゃんに必要なのはニュートラルな自分になること、みたいなことなんじゃないでしょうか。

 

 

ボーッとするのがイイんでないかい!?


ボーッと生きてんじゃねえよ! って叱られてばかりの日本人、かもしれないですけど、実はボーッとするのがヘタな日本人も多いかもです。


わたくしはボーッとするの得意です。はい。


100均で砂時計を買って来ませう!


で、じっくり眺めます。さらさらと流れ落ちる砂。落ちきったらひっくり返して、またサラサラ。


途中で砂がつっかえちゃったりするのも、100均のご愛敬。


おっきいのがイイんだと思いますけど、おっきいのはちょと高いお店でないと売ってませんね。


川べりの土手道をぶらぶらする。


空が大きいんで、普段の環境とは違う空間にいる自分を感じながら、川の流れに目をやったり、川面を吹き渡って来る風を予測してみたり。一所懸命に歩いて先を急がない。ぶらぶら散歩。


地球っていろいろ存在しているんだなあって、のどかにすべてを受け入れるような気持ちになれる気がします。


やがて消えていっちゃうのかもですけど、エンジンね、車だとかバイクの。


素人がエンジンの調子をみるには、ニュートラルにして、いかに安定しているかをみるですよね。


身体と気持ちと、ニュートラルに戻す安息の方法を、自分なりに見つけるのがイイんでないかい!?


どんどん安息しちゃいませう!

 

 

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【セクシーセディ】そして「ディアプルーデンス」「ジェラスガイ」 ジョン・レノンの曲のそのバックヤード

< 20世紀最高のバンド「ビートルズ」と「インド」の関係 オリエンタルブームの最初でしょか >

2024年3月後半の、とあるウィークデイ。学校は春休みの時期です。
殺風景なオフィス街の歩道を、制服姿、ロングヘアの女子高生が1人、歩いて来るのに行き会いました。


午後の早い時間。薄曇りの曇天で暑くも寒くもなく、風もなかったし、人通りもありませんでした。


女子高生くんは背中に背負った黄色いリュックから両肩に回した左右のベルトに、胸の前アタリで左右の親指を引っかけて、音楽を聴きながら軽く首を振って調子を取りながら歩いて来ます。


楽しげです。え~な~。


やがて車の通行音に交じりながらも聞こえてきたのは「オブラディ・オブラダ(Ob-La-Di  Ob-La-Da)」
そうです、時代を超えてビートルズの名曲です。


でも、女子高生くん、なして周りに聞こえるように流してんの?


今はほら、みんなスマホに音楽をいれたりなんかしていて、ブルートュース・イヤホンで聞いてますよね。自分だけの個人的な楽しみ方。
普通、そうしてますよね。外に音を出すのはマナー違反。


すれ違いざまに確認して見ると、ロングヘアの内側にイヤホンが見えています。


ふむう。


彼女のスマホがどういう設定になっているのか知りようもありませんが、当人は外に音が出ていることに気が付いていない状態なんでしょうね。


♪ オブラディ・オブラダ ライフ・ゴーズ・オン ブラア!


そりゃそうでしょねえ。女子高生くん、君の人生はまだまだ続きますですよ。


ハッピーラッキーゴーッ! ってことでオッケーなんですけどね。


にしても、2024年の高校生がビートルズですかあ、っていう思いもあるんですけど、親子三代にわたってビートルズファンっていうのも聞きますしね、凄いです、ビートルズ


半世紀以上経って、女子高生のお気に入りの曲として現役なんですねえ。
ホント凄いです、ビートルズ


オブラディ・オブラダは、1968年にリリースされた「The BEATLES」っていう2枚組のアルバムに収められた1曲ですね。


自分たちのバンド名を冠したアルバム。
決して弱くはない「メンバーの気持ち」っていうのが込められているアルバム、なんでしょねえ。


The BEATLES」っていうアルバムのジャケットは、真っ白な表面に「The BEATLES」って黒くエンボス文字が中段の右寄りに、大きくもなく浮かんでいるだけのシンプルなデザインで、別名「ホワイトアルバム」って呼ばれています。

 

枠が見えん ホワイトだからあ

 

レコードジャケットっていうのは、こうしたアート的な要素を反映させるに充分な大きさがあったですよねえ。


The BEATLES」は思いっきりホワイトでした。


もちろんCDジャケットはレコードジャケットのデザインを引き継いでいるのがほとんどですけれど、面積が小さいですし、エンボス加工とか、そんなのは引き継げませんですねえ。


1968年っていえば、世の中はサイケデリック・ブーム。
原色系の派手なデザインに席巻されていたレコードジャケットに、ホワイトアルバムは小さくないショックを与えた存在だったそうです。


メインカルチャーに対するカウンターカルチャーっていうやつだったんですねえ。


カウンターカルチャーっていえば、後の世代にも知られているのはヒッピーカルチャーってやつで、スティーブ・ジョブス(1955~2011)が代表的な人として取り上げられることが多いですよね。


ヒッピーねえ、ふううん、ってな程度にしか知りませんです。


物質文化に対して精神文化こそが大切ってことで、欧米で流行ったのがドラッグだったりしたそうです。

 

 

 


ヒッピー・ムーブメントとして1969年にニューヨーク州サリバン郡で開催された野外コンサート「ウッドストック・フェスティバル」が有名です。


「平和と愛と音楽の3日間」


18万6千枚のチケットが売れたっていうことなんですけど、のべ観客数は40万人だったって言われています。


ドラッグの臭いが充満していて、交通事故とドラッグの過剰摂取で、合計2人の死亡。
出産も2件あったそうです。


大雨に降られたりしてカオスではあっても、概ね40万人の人々がヘーワに助け合って過ごした3日間だったって、プラス方向に評価されています。


ラブ・アンド・ピース! が定着したのってこれなんですよね。


映画にもなりましたし、レコードも2枚組でリリースされました。


日本にいてオンタイムで、この時のカウンターカルチャーを体験しているのって、1969年当時に二十歳凸凹だった「団塊の世代」が中心ってことになるでしょうかね。


私なんかは後付けで知っている世代。


映画の最初の方で、会場のスペースを提供したアメリカ人のオッサンが出てきて、


「イエ~イ! アイム・ア・ファーマー」


って叫ぶと、集まっていた若者たち全員が、


「ウオオオ~!」


って吠えて応えるシーンがあって、ふううむ、こういうのがカルチャーっていうものなんだべか、って思っておりました。


日本でいう団塊の世代っていうのも、まあね、いろいろ言われますけど、パワーのある世代ですよね。男女ともに。


ビートルズ世代っていうのと、ほぼ同義って言えるんでしょうね、団塊の世代って。


ジョン・レノン(1940~1980)が1956年にリバプールで「クオリーメン」っていうバンドを結成して、そこにポール・マッカトニー(1942~)と、ジョージ・ハリスン(1943~2001)が参加して、1960年にビートルズっていう名前に代えて活動を続けます。


メンバー編成はいろいろあーだこーだがあったみたいですね。


1962年、リンゴ・スター(1940~)が参加して、4人のビートルズは「ラヴ・ミー・ドゥ」でレコードデビュー。


たちまち人気になって、流行っていうレベルじゃなくって新しい文化。
ビートルズを聴くっていうことが世界中の新しい習慣になったって言われています。


4人のメンバーは一挙手一投足に世界中のメディアの注目を集めながら、順調にレコーディングを重ねて新しい曲を次々に発表。


世界を飛び回ってコンサート活動を続けていましたが、1966年、アメリカでのコンサートを最後にライブ活動をやめて、スタジオでのレコーディング活動のみにしたんですよね。


つまりライブ活動は4年足らずの短い期間だけだったわけです。


だって、キャーキャー言ってて、誰もボクたちの歌を聞いてないんだも~ん。ってことだったとか、そうじゃないとか。いろいろ言われています。


その後はレット・イット・ビーとかのライブフィルムはあったりしますけどね。


そして1970年に解散してしまったビートルズでしたが、ホワイトアルバムを発表した1968年にはメンバー間のコミュニケーションは、既にあんまりよろしくない状態になっていたんだそうです。


例えば、女子高生くんの聞いていたオブラディ・オブラダはポール・マッカートニーの曲ですけど、録音にリンゴ・スターは参加していない。


なんか、そういう具合に揉めていたっていうことなんですよ。


で、オブラディ・オブラダのドラムをたたいているのはポール・マッカートニー


スタジオでのレコーディングに専念する活動状態だった時期に製作されたホワイトアルバムは、30曲が収められているんですが、曲作りのメイン担当として数えてみれば、ジョン・レノンが14曲、ポール・マッカトニーが12曲、リンゴ・スターが1曲、そしてジョージ・ハリスンが4曲を書いているんですね。


合計すると31曲になるのは「バースデイ」っていう曲が、ジョンとポールがスタジオ内で1日で作って完成させた曲だそうで、これは2人で、って数えるからです。

 

 

 


ま、たいていの曲がレノン・アンド・マッカートニーって言われているビートルズですけど、ホワイトアルバムには、ジョージ・ハリスンの曲も4曲っていうそこそこの数が入っているんですね。


で、あの名曲「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス(While My Guitar Gentry Weeps)」がこのホワイトアルバムに入っているですねえ。


スタジオレコーディングのギスギスした空気感の中、この曲の録音にはエリック・クラプトン(1945~)が参加しています。


ジョージ・ハリスンエリック・クラプトンは親友なんですよね。


ま、好みは人それぞれではあるでしょうけれど、好い曲になりましたですねえ。
クラプトンの、レスポールギターでの泣きのギターワークです。


「ジェントリー・ウィープス」


直訳すれば、やさしく涙を流す、っていうような単語ですけど、これはジョージ・ハリスンが読んでいた東洋思想の本に書かれていた言葉なんだそうです。


ジョージ・ハリスンが東洋思想、特にインドヨガの考え方に傾倒してたっていうのは有名ですよね。


♪どうして君は進む方向を変えてしまったんだろう


♪すっかり道から外れちゃった


♪どうして君は別人のようになってしまったんだろう


♪誰も注意しなかったんだ


♪君を見てわかったよ、愛は眠りに落ちてしまったと


♪僕のギターが静かに涙を流す間に


「君」っていうのをジョージ・ハリスンの恋人ってとらえることも出来ますけど、この当時のビートルズメンバーそれぞれって考えることも出来て、なかなか意味深な歌詞なんですよね。


もう終わってる? そう感じてた? 知らんけどねえ。


ホワイトアルバムの録音の直前にビートルズの4人のメンバーは、ジョージ・ハリスンの企画でインドへ瞑想ツアーに行っているんだそうで、ホワイトアルバムにはインド滞在中に出来上がった曲が30曲中19曲入っているんだそうです。


例えばポール・マッカトニーの「マザー・ネイチャーズ・サン(Mother Nature’s Sun)」


♪田舎の貧しい少年として生まれたんだよ


♪母なる自然の子


♪ぼくは一日中ずっと座って、みんなに歌をうたっているんだ


インドでの瞑想修行っていうのがどういうものなのか、よく分かりませんがマザー・ネイチャーズ・サンっていうのは修行中に降って来たワードだったっていうことが言われています。


インドへの瞑想ツアーは1968年に実行されたんですけど、すでにビートルズの4人はスーパースターですからね、スケジュール調整とか、容易には実行できなかったんじゃないでしょうか。


しかもね、インドへ瞑想ツアーって、なんでしょか。
瞑想するために2か月間インドへ行くっていうツアー。


ちなみにホワイトアルバムの直前のアルバムは1967年にリリースされた「マジカル・ミステリー・ツアー(Magical Mystery Tour)」なんですけど、この時すでに瞑想ツアーっていうのを意識していたのかどうかは、分かりませんね。


瞑想はミステリーっていうのとはチャウでしょうしね。


ジョージ・ハリスンが率先して行われたインドへの瞑想ツアー。


インド人グルの「マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー(1918~2008)」が主催する超越瞑想の道場で、瞑想、ヨガを学習、実践するものだったそうですけど、ビートルズは友人たちやガールフレンド、リポーターたちを巻き込んで総勢200人以上の「修行」になったそうす。


有名人が何人もいて、もう一大イベントです。
ビートルズがツアーとかを決行すればそういうことになりますよねえ。


このインドへの瞑想ツアーが世界中に東洋思想ブームを巻き起こした先駆けになるものだったのかもしれません。


でもですね、大盛り上がり! っていうのは長続きしなかったらしいです。


「インドの食べものが口に合わないんだよね」


ってことで、リンゴ・スターが2週間ほどでリタイア。


リンゴ・スターはカレーがお嫌い!? 知らんけど。
食べものが、っていうのはムリヤリ作り出した言い訳のようにも感じます。


そして、ポール・マッカトニーも1ヶ月でリタイア。理由は分かりません。


1858年から1947年までイギリス領だった歴史を持つインド。


瞑想ツアーに付き添った200人からの欧米人たちには、インド文明に対してなにか特別な感情、期待感のようなものがあったのかもしれませんよね。
身勝手な親近感だとか。。。


参加した取り巻きたちも1人抜け2人抜けしていったと思われるビートルズの瞑想ツアーですが、言い出しっぺのジョージ・ハリスンはキッチリと修行をやり遂げたそうです。


その結果出来た曲が「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」
修行の成果?


ジョン・レノンは2か月間残ってはいたそうですが、瞑想に没頭するっていうよりは距離を置いて参加者たちを観察していたのかもしれません。


ホワイトアルバムにはジョン・レノンがインドで作った「ディア・プルーデンス」っていう曲が入っています。


♪かわいいプルーデンス、外へ遊びに行こうよ


♪かわいいプルーデンス、新しい一日を迎えよう


ジョン・レノンが呼びかけているプルーデンスっていう女性は、とにかく超越瞑想に真剣に取り組んでいて、ヨガの講義や食事以外は自分のバンガローに3週間も籠っていたんだそうです。


2週間でリタイアしたリンゴ・スターは気付くことはできなかったでしょうけれど、2か月間、そこにいることはいたジョン・レノンが心配して「外へ遊びに行こうよ」って誘うのは、ごく自然な歌詞なんでしょうね。


♪笑顔を見せて 小さな子どもみたいに


そんなに夢中になるなよって言ってるんですもんね。


どうも修行に対しては距離を置いているように思えます。


このプルーデンスっていうのはもちろん実在する人物です。


200人からの参加者の中に女優の「ミア・ファロー(1945~)」もいたんですけど、知ってます? ミア・ファロー


1966年にフランク・シナトラ(1915~1998)と結婚して、このツアーに参加した1968年に離婚しているんですね。
超越瞑想に期待する、精神的に大きなモノがあったのかもしれないですね。


ビートルズの友だち? だったんでしょうねえ。


ミア・ファローにとって1968年は女優人生の分岐点になった年で、この年の映画「ローズマリーの赤ちゃん」で主演を務めて一気に注目をあびて、翌年の1969年には「ジョンとメリー」1974年には「華麗なるギャツビー」でヒロインを演じている人気女優さんです。


そしてミア・ファローの妹「プルーデンス・ファロー(1948~)」も一緒に参加していたわけです。

 

 

 


さらにジョン・レノンは、この瞑想ツアーに対して批判的な曲をさらに2曲書いているんですね。


そのうちの1曲は、このホワイトアルバムに入っている「セクシー・セディー」です。


♪みんなをバカにしたよね


♪セクシーセディ なんてことしてくれたんだ


ってね、ヘンテコリンな歌詞ですよね。


セクシーなセディっていう女性が、なんかとんでもないことをやらかしてくれた。っていう歌詞なんですけど、このセディっていう名前で表現されているのは誰あろう、瞑想のグル「マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー」のことなんだそうです。


かなりダイレクトに批判しているのは、マハリシミア・ファローに手を出そうとしたから、とか言われますけど、何があったのかは藪の中みたいです。


当初の歌詞は「セディ」じゃなくって「マハリシ」だったそうですけど、ジョージ・ハリスンが「そりゃ、いくらなんでもマズイよ」って言って、「セクシー・セディ」になった。


へええ。な歌だったんですね。
にしても「マハリシ」からなんでまた「セクシー・セディ」になるんでしょ。


そういうあたりもジョン・レノンの天才が出ているんでしょかねえ。


♪セクシーセディ 今にバチが当たるからな


で、もう1曲はこのホワイトアルバムには入らなかった曲なんですけど、ジョン・レノンが瞑想から受けた影響をダイレクトに歌っている曲ですね。


1968年の瞑想ツアーのときに出来た曲だそうで、ポール・マッカートニーの「マザー・ネイチャーズ・サン」と、対をなしているようにも捉えられそうです。


1968年当時ジョン・レノンが作った曲のタイトルは「チャイルド・オブ・ネイチャー(Child of Nature)」


なんか似たような響きのタイトルだから、ホワイトアルバムに一緒に入れることをためらったものか、当時のレコーディングが満足できるものじゃなかったからなのか、しばらくジョン・レノンの中で練り上げられていったみたいです。


そして、ビートルズ解散後、1971年リリースのジョン・レノンのソロアルバム「イマジン」の中に入れられたその曲は「 ジェラス・ガイ (jealous guy)」


歌詞の内容もツアーの時に作ったものからはずいぶん変わっているんだそうです。


♪君を傷つけるつもりはなかったんだよ


♪嫉妬してるだけさ


♪I'm just a jealous guy


いろんなミュージシャンにカバーされている名曲ですね。


ロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーのカバーが全英で支持されていますし、日本だと、意外に思う人も多いかもですけど、踊るぽんぽこりんのBBクイーンズがシブ~ク決めてますねえ。


瞑想ツアーがアーティストに小さくない影響を与えるっていうのは、なんとなく分かるような気がします。
なにせ不思議の国、インドですからねえ。


2026年には名目GDPで日本を抜いて世界5位になるっていうインドですが、精神世界でも、また世界に影響を及ぼし始めるかもです。


そんでもって、国の名前をインドから「バーラト(BHARAT)」に代えるって話もありますよねえ。


余談ですけど、インドの九九って19×19までだそうです。


昔、インドの九九は99×99までだよって聞いていて、どんなアタマの構造になってんだろ、って理解のソトだったんですけど、つい先日インド人の技術者から聞いた話なので、19×19が正解なんだと思います。


ま、19×19だって、ひぇええ! ですけどねえ。

 

 

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【日本人の休み方】 どこにも行くところがなくたってゴールデンウィークは10連休でしょねえ

< 日本人の労働効率が悪いのは 働かない働きアリがいっぱいいるからあ! でしょか? >

定番のメニューの他に日替わりのサービスメニューが2品か3品。季節のメニューっていうのも四季ごとに5品ぐらいあって、味付けはわりと濃いめ。


酒のアテですからね、少量で濃いめっていうのは人気です。


8人座れるL字カウンターに、大小のテーブル席が6つばかり。
50代のご夫婦で切り盛りしている居酒屋さんです。


壁の大型テレビモニターには音声ナシのスポーツチャンネル映像が映し出されていて、スピーカーからはジャズだったり歌謡曲だったり、大将のその日の気分で様々な曲がBGMとして流れています。


メモリスティックにCDから録音したものをランダムに再生しているんだそうで、曲は、若いお客さんも来るからねえ、ってことで大将なりの「イマフー」のもあります。


再生頻度の多い日本の歌の中に、こういうのがあります。


♪ 期待に満ちた金曜日の深夜


♪ 少し夜更かししてててオッケー


♪ だって明日からは土日連休とハッピーマンデー


♪ つまり ローマでは3連休


聞いたことあります? しててて、ですよ。
2017年リリースの、水曜日のカンパネラ「オードリー」

 

水曜日のカンパネラは、なかなかユニークなユニットで私も数枚のアルバムを持っておりますです。


なんで水曜日なのか、なんでカンパネラなのか。
ま、一応ね、打ち合わせするのが水曜日だったからとか、そんなことになっているみたいなんですけど、おそらくは「なんとなく」なんじゃないでしょうかね。知らんけど。


曲名のオードリーは、歌詞の内容を考えてみますに「オードリー・ヘプバーン」なんでしょね。


水曜日のカンパネラはそういうタイトルの付け方なんですよね。


星一徹竹久夢二義経ダ・ヴィンチ千利休、桃太郎、だとかね、そんなラインナップ!


個人的には桃太郎が好きです。

♪ きっびっだあん、きびきびだあん
でっす。


水曜日のカンパネラの曲作りは、リズムとメロディラインが大事。歌詞は面白い方がイイっしょ! ぐらいのノリなんだと思います。
またまた知らんけど。

 

 

 


で、大将がこの「オードリー」がかかると、決まって言うのが、


「今のサラリーマンはイイよねえ。3連休とかいっぱいあってさあ」


特に何かを言いたいからの3連休っていう歌詞じゃないと思うんでありますが、大将はこだわります。


♪ つまり ローマでは3連休


歌詞で3連休がローマのものなのはタイトルがオードリーだからで、あれです、1953年公開の映画「ローマの休日」だからでしょねえ。


♪ アン王女連れてドライブ


♪ ベスパ乗ってどこへ行く


って続いてますからねえ。「ローマの休日」でしょねえ。オードリー・ヘプバーンっしょ!

 

 

でも大将が気にしているのは、


♪ だって明日からは土日連休とハッピーマンデー


なわけです。


でもですね、なんなんですけど「ハッピーマンデー」って言葉、っていうか言い方、知ってました?
私はあれです、このオードリーの歌詞で認識した気がするんですよね。


祝日が日曜日と重なったら、翌日の月曜日を休みにするんだってよ、って話は知ってましたし、しっかり休みだけは享受させていただいて来ておりますけれども、ハッピーマンデー?


そんな言い方するんでしたっけ。。。
そもそも、いつから始まったんだっけ?


で、ちょと調べてみました。


「ハッピーマンデー制度」っていうのが適用されたのって、2000年からなんですね。


日本の「ハッピーマンデー制度」って、1971年から施工されているアメリカの「月曜休日統一法」のマネッコらしいです。


適用スタートの2000年には成人の日が1月15日の日付固定祝日から、1月の第2月曜日の曜日固定祝日に。


そして体育の日が10月10日の日付固定祝日から、10月の第2月曜日の曜日固定祝日になって、2020年には名称が「スポーツの日」になっているんですよね。


なんで名称まで代えたんでしょ。体育の日でええやんか! ま、いっか。なことではありますけどね。


そんでもって2000年に一気に全ての祝日に対してハッピーマンデー制度が適用されたわけじゃないんですね。


2003年には、海の日が7月20日から、7月の第3月曜日に、敬老の日が9月15日から、9月の第3月曜日に。


2003年以降にハッピーマンデー制度の対象になった祝日はありませんので、今のところ、3連休はこれで充分でしょ、っていう判断が政府にあるってことなのかもです。


「今のサラリーマンはイイよねえ。3連休とかいっぱいあってさあ」


っていうことについては、固定された4つのハッピーマンデー祝日以外にも、日曜日が祝日になる組み合わせがあるわけで、毎年同じ回数の3連休があるってことじゃないんですよね。

 

 

 


2024年は、わりと3連休が多い年なんだそうです。


1月6日(土)〜1月8日(月)。1月8日は成人の日、固定ハッピーマンデー。


2月10日(土)〜2月12日(月)。2月11日が建国記念の日で、スライドハッピーマンデー。


2月23日(金)〜2月25日(日)。2月23日が天皇誕生日で、ハッピーマンデー関係なし。


4月27日(土)〜4月29日(月)。4月29日が昭和の日で、2006年まではみどりの日。ってことで日付固定の祝日なので偶然の3連休。


7月13日(土)〜7月15日(月)。7月15日が海の日で、固定ハッピーマンデー。


8月10日(土)〜8月12日(月)。8月11日が山の日で、スライドハッピーマンデー。


9月14日(土)〜9月16日(月)。9月16日が敬老の日で、固定ハッピーマンデー。


9月21日(土)〜9月23日(月)。9月22日が秋分の日で、スライドハッピーマンデー。


10月12日(土)〜10月14日(月)。10月14日がスポーツの日で、固定ハッピーマンデー。


11月2日(土)〜11月4日(月)。11月3日が文化の日で、スライドハッピーマンデー。


っていうことで2024年の3連休は10回あるんですね。


「3連休とかいっぱいあってさあ」って恨み言をつぶやく大将は、ずっと飲食業界の人だそうなので、休みはずっと週に1回の生活をしてきているらしいんですね。


カレンダー通りで、3連休、10回もあるんだよお、ってことを改めて知らされると、ご機嫌ナナメ、かもです。


今は火曜日を定休にしている大将なんですが、修行中の店舗はオフィス街にあったんで日曜定休だったそうです。


「都心はあれですよ、土曜日に出勤している人ってそこそこいるんですよ。でも日曜日はさすがにいませんね。働いている人たちが出て来ないんじゃ商売になりませんから、どこの店でも日曜休みでしたねえ」


と、女将さんが、


「でもどうして日曜日がお休みなのかしらね。昔の日本に曜日なんて、あったのかしら」


ふむむう。なんででしょねえ、ってことで後付けながらちょと調べてみました。


まず曜日から。


明治時代あたりから? って思ったら、平安時代の初期には曜日が使われていたみたいです。


弘法大師(774~835)、空海さんですね。


遣唐使で中国に行って修行してきたわけですが、唐の時代に使われていた曜日表記「日、月、火、水、木、金、土」を持って帰って来たらしいです。


で、この7曜っていわれている表記は、日本では今でもそのまま使ってますよね。
海外から輸入して純粋培養されている例の1つ。


今の中国では1週間の始まりを月曜日にする習慣になっているそうで、表記も、


月曜日が「星期一」


火曜日「星期二」


水曜日「星期三」


木曜日「星期四」


金曜日「星期五」


土曜日「星期六」


で、日曜日が「星期日」


っていうことになっているみたいです。


なんともドラスティックな表記なようにも思いますけれども、この数字を曜日の名前にするっていうのはユダヤ教が古代からそうしているみたいなんですよね。


世界のカレンダーってなかなかユニークで、曜日の概念って一致していないのかもです。


ユダヤ教の場合、安息日ってうのが土曜日ですから「1曜日」が日曜日で、日曜始まり。


キリスト教も同じ概念から始まったんだけれども、キリストの復活が日曜日なので日曜日を礼拝日にした。


で、天地創造神話で言われているのは、神が世界を作って7日目に休まれた、ってことに齟齬は生じていないんでしょうけれども、その7日目の扱いが土曜日なのか日曜日なのか。
キリスト教の宗派による解釈もいくつかあるみたいです。


平安時代からの日本人はごく普通の暮らしの中で曜日を基準にすることなんてあったのかどうか。


そもそも存在はしていてもエライ人たちの世界でだけ流通していて、一般庶民は曜日の存在も知らなかった可能性もあるんじゃないでしょうか。知らんけど。


でもまあ明治時代になって、西欧文化が一気に入って来て、その頃からは誰でも意識すようになっていったでしょうね。


明治9年、1876年に官公庁で日曜日が正式に休日に定められて、土曜日は「半ドン」ってことになりました。


徐々に民間にもこの習慣が広まっていきますから、弥次さん喜多さん、猫も杓子もカレンダーを、曜日を意識することになっていくでしょうね。


昭和生まれの人は「半ドン」って知っている人もかなりいると思いますけど、そんなの聞いたことないよ、っていう日本人も半数以上いるでしょうかね、令和の今ではね。


海外貿易を進めていくにあたってキリスト教国との取引がメインだったってことで、日曜日は休日ってことになったのは理解できるとして「半ドン」って、なんでしょ?


なんで日曜はお休みっていうのと同時に日本に入って来たんでしょ?


半ドン」っていう名前は、もちろん日本独自のネーミングですが、1876年に休日が入って来る前の1850年に、イギリスで工場法っていうのが改正されて、土曜日は半休になっていたんですね。


つまり西欧で普通になっていた日曜全休と土用半休がセットになって入って来たっていうことですね。


半ドン」のドンってうのは、オランダ語の日曜日っていう言葉「zontag」が「ドンタク」ってなまって使われていたところから来ているみたいです。


博多ドンタクのドンタクですね。


江戸時代の末期には、長崎の出島あたりでは当たり前に使われていた言葉だったそうで、日曜日が休みっていう感覚もない時代ですから、ドンタクは日曜日っていう意味じゃなくって、お休みっていう意味で浸透していたんだそうです。


なので、土曜日は半分お休みなので、半分のドンタクってことで「半ドン


土曜日の半ドンは学校もそうでしたよねえ。
授業は午前で終わり。土曜日は給食ナシ、お弁当ナシの日でした。


週に1.5休だったんですね。昭和の中頃まではね。


そんな中で、三菱電機が1963年から始めたのが、第2、第4土曜日を通常の8時間労働にして、第1、第3土曜日を完全なお休みにするっていう「隔週週休2日制」


そして、1965年には今のパナソニック松下電器産業が完全週休2日制を導入。


意外に早くから週休2日制って導入されていたんですね。昭和38年ですよ。
ま、大企業だけでしょけどねえ。


お休みが増えればイイってもんじゃないでしょ。っていう意見ももちろんあるわけですけど、日本でいち早く完全週休2日制を導入したパナソニックの社長さん、かの有名な松下幸之助(1894~1989)さんですが、アメリカで多くの会社を回って週休2日制による仕事の「効率」を実感したっていうのがその導入の理由。


ぶちあげたスローガンが「一日休養、一日教養」


さすがですよね、こりゃ一気に日本中に週休2日制が浸透しますよ。


もちろん21世紀になってからでも完全週休2日制じゃない会社、業界っていうのも少なくはないんですけどね。


日本の官公庁に完全週休2日制が導入されたのって、ようやく1992年になってからですしね。

 

 

 


にしても、だらだら2日も休んでんじゃねえよ! 1日はいろいろベンキョして人間力を磨けい! ってことを実践している人、いるでしょかねえ。


教養ですよ、教養!


む~ん。「一日休養、一日教養」


日本全体として教養のある人を増やそうっていう意識があったのかどうか分かりませんけれど、1980年代には週休2日制がほとんどの会社で採用されていきます。
中堅以上ね。


学校が完全5日制になったのは2002年です。
ずいぶん遅い導入なんですよね。


半ドンは21世紀まで生き残っていたわけです。


学問する時間を減らすってことに抵抗があったんでしょうけれど、学校で働いている先生方の労働時間って、いわゆるブラックにあたるんじゃないかって話も聞きますしねえ、授業は完全5日制になっても、先生方が「教養の1日」を持てているのかどうか、あやしいかもですね。


ま、3連休を謳歌している人たちもたくさんいることは間違いのない現代日本ですけれど、休むっていってもですね、生きて生活することに休みなんてないわけで、松下幸之助さんの言う「一日休養、一日教養」から発展させて「一日休養、二日教養」ってことでいきましょかいね!?


いや、実質は「二日休養、一日教養」ですか。


いやいや「三日休養」でしょ!


っていうことなもんだから「ぼーっと生きてんじゃねえよ!」って怒られるですよねえ。


マジメな話、身体を、気持ちを、上手に休ませるって、簡単じゃないです。技術が要るですよねえ。


なにか熱中できる趣味を持って「一日休養、一日教養」をベースに生活するのがイイんでしょかねえ。

 

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【自分がホントにやりたいこと】 それが見つかる人と 考えちゃうと不安になる人

< たとえ失敗したとしてもチャレンジした自分に満足は出来るんじゃないでしょかねえ >

マリッジブルーってホンマにあんねんなあっていう話からなんですけどね。


いつもの焼酎バーで、ちょこちょこ一緒になることがあったウワバミ女子、チカチューなんですが、会社都合の転勤で千葉県に引っ越して行ったんですよね。


「もともとね、お気楽極楽な独り暮らしだから、千葉だろうが沖縄だろうが、どこでもイイのよ」


とかね、そんなことを言っていたんでした。
沖縄県? それは希望的観測ってやつでしょうけどねえ。


で、なんかそういうセリフとはウラハラな心境があったものなのか、時々、都心の会社から千葉県とは反対方向へ行く電車に乗って、常連だった焼酎バーにふらっと現れて、


「いつもながらの久しぶり~」


とかいう常套句を発しながら呑んで、ま、早めに帰っていく、なんてことをやっていたチカチュー。
そんなんで、1年以上前になりますけど、


「今度、結婚するんだ、あたし。年貢のおさめどきかなあ」


なんて、最近の男子でも口にしないようなことを言っていましたんで、もうこっちには来られない感じかなあって、他の常連さん連中で噂していたんでした。


それが、ついこの前、3ヵ月ぶりぐらいに顔を見せて、カウンター席の隣りにやってきたですよ。


グレーのカーディガンに、例のごとく例によっての黄色いスカート姿。
坐るなり、


「ダイヤメ、炭酸割り。お願いしまあす」


すると女将さんが、すかさず、


「ダイヤメと同じ酒屋さんから新しいのが出たんだけど、チカちゃん、好きだと思うよ」


「へええ。芋?」


「麦なんだけどね、ダイヤメと同じような系統で、ふんわり感がイイのよ。グリーンチルっていうの」


「麦かあ。グリーンはイイとして、チルってなあに? ダイヤメって名前、焼酎呑んでその日の疲れを癒すっていう意味だったでしょ、鹿児島県の方言。チルっていうのもどこかの方言?」


「なんでしたっけ、ぱうすさん」


は!? そんなとこで振られるですかあ。。。

 

 

 


鹿児島県で1日の疲れを晩酌してとりましょう的な意味だっていうダイヤメでしたけど、チルはチルアウトっていう英語で、やすらぐとか、落ち着くとかいう意味らしいっす。


っていうか、酒の名前の意味とか、どうでもイイっしょ。とにかく呑んでみればイイんでないの!?


「そだよねえ。そうしまあす。呑んでみまあす」


女将さんがニコニコと、


「じゃあ、お勧めのソーダ割りでね」


「はあい、お願いしまあす。ふ~っ。なんかさあ、ここに来るとこういう話から何から、妙にすんなり入ってくるんだよねえ。あのさあ、ぱうすさんさあ、あたし、結婚やめようかなって思うんですよねえ」


どっひゃあああ!
いきなりですねえ。なにがあったんでございましょうか?


「別になにもないの。なんとなく、そっちに行っちゃいけないような気がしてきたんですよねえ」


マジな話みたいなんでした。


相談している会社の人たちには、マリッジブルーの重いヤツだろうって言われているらしんですが、チカチュー本人に、そう考えるようになった原因に思いあたることがあるんだそうでした。


チカチューと同期の男子社員。わりと将来を嘱望されていたらしいんですけど、2ヶ月ぐらい前に会社を辞めたんだそうです。


とくに仲が良かったとかそういうんじゃなかったみたいなんですけど、同期5人で送別会をやったときに、その彼はニコニコとどうして辞めるのか、辞めてどうするのかを淡々と語ったそうです。


それがズシ~ンとインパクト。モロに影響を受けたんだそうです。


「自分ってなんなのかなあって、そんなこと考えたの30年以上も生きて来て、生まれて初めて」


同期くんは社内の働き方改革に違和感を募らせていたんだそうです。


リモートワーク日の割り当て。有休休暇の完全消化。育休取得。
独身男子社員に育休取得の予定を聞いてどうすんだ!


ひとり暮らしの休日。休みが増えたのはイイことのような気もしていたけど、何をして過ごしたらいいのか分からず、結局は休みの日の方が疲れる。


働き方改革って、なんなんだ!? 誰のためのものなんだ!?


じゃあ休まずに仕事に出て行く方がイイかっていうと、仕事がそんなに好きなわけでもない、って考え始めて、自分の好きなことってなんだったか、そんなことを真剣に1年以上考え続けた。


子どもの頃から動物が好きで、動物園で働こうと思っていた中学生時代。
そういえば、その頃はもっと毎日笑って暮らしていたような。


そんなタイミングで北海道の遠縁が乳牛牧場を拡張して会社組織にするっていうメールがスマホに飛び込んで来た。


これまでは全くの家族経営で大きくはない牧場をやっていた遠縁の家族。


両親と兄妹、アルバイトの学生数人で、休みもなく牛の世話をして頑張って来たんだけれど、母親が腰を痛めてしまった。


家族経営では、もう無理の効かない状態になってしまった。
牧場をやめるか、拡張して生産性をあげて会社組織にする。


これまではアルバイトを募集するにもホントに忙しい時だけ、たまにだったけれども、しっかり給料を払える体制にもって行って社員を雇う形にしていくんだという。


両親も年をとって身体が思うように動かなくなってきているんで、自分が社長になって、とにかくチャレンジしてみる。


まとまった休みがとれるようだったら、学生時代みたいに手伝いに来てくれ。


広い空の下で、これ以上ない旨い牛乳がたっぷり飲めるぞ。
なんといっても牛が好きだし、やれると思っている。


そんな内容のメールを受け取った同期くん。

 

 

 


その同期くんは、3つ年上のその遠縁のお兄さんから、ずっと前から言われていたそうです。


都会の会社は休みが多くてイイな。
うちの家族には休みなんて1日もない。


言われてみればその通り。生き物相手の仕事ですからね。休みを取るにしてもローテーションで回していくしかないんですね。家族4人では回しようもないってことでしょうね。


思い切ってやってみる。なにか自分なりの精一杯を実行するって凄いことだな。


1週間、真剣に、自分の生活、生き方っていうのを考えたんだそうです。


そして、オレも牛、好きだよ。兄ちゃんに負けないぐらい牛が好きだ。社員応募はまだ間に合うか。牛と一緒に暮らしていけるなら休みなんて要らないっていう心意気の男がここにいるよ。


って、メールで返信して、牧場の社員になることを決めた。


あとはトントン拍子の強い気持ちで退職手続きを進めることができて、こういうことになった。


牛のことは勉強しないといけないことがかなりあると思うんだけど、無理なくやれる自信がある。


チカチューは同期くんのこんなセリフに撃ち抜かれたんだそうです。


「知ってる? 牛の目。大きくて、どこまでも純粋で、ウソがないんだよね。こっちを見て会話もできるんだよ。言葉なんて要らないんだ。

牛と暮らしていけるって、素晴らしいと思うんだ。自分がホントにやりたいことって、これだったんだって。牛だけじゃないけど動物ってただ生きているんだと思う。

ホントに理屈とか主義とかじゃなくって、ただ自然のままに生きてる。人間もそういう生き方の方が、ね。そう思ったんだよ。働き方改革とかじゃなくって生き方改革、言ってみればそういうこと」

 

 ん?

別に説教として聞いたわけじゃないけど、チカチューは自分がホントにやりたいことっていうのを改めてズドーンと考えさせられた。


ふうむ。


焼酎バーのカウンターでしみじみとする話かどうかは置いておくとして、分かる気はしますね。


自分がホントにやりたいって思うことがあって、それをやり続けている人、やり続けることが出来ている人って、どれだけいるでしょうかね。


あるがままの自分っていう存在。


アイデンティティとかいう言葉が当たり前に浸透している世の中です。
自己同一性とかいうんですよね。


でもむしろ、正直な自分じゃない、思い込みの自分っていうのをアイデンティティにして、まったく自然じゃない自分、っていう人たちばっかりになってしまっているのが21世紀なのかもですねえ。


いつの間にか、やりたくもないことに専念している自分に気付いちゃう。
現代人の慢性的疲労感って、この辺に原因があるのかもって気もします。


正しい人間像みたいなものがあるとして、それを自分にあてはめようとする。悲しいことには、その正しいと思い込んでいる価値観が教育とかで与えられるものなんで、誰にでも共通していて、多様性なんてありゃしない。


アイデンティティがどうの、っていう以前に自分になにかしたいことがあるのかどうか分からないっていう人の数の方が多い21世紀の日本なのかもですもんねえ。


チカチューはまだ言います。


ゴールデンウィークね」


はあ?


「有給休暇使って、だいたい10連休ぐらいにするのが常識的になってきちゃっててね、女子社員なんて、カレンダー通りに会社に出て来るなんてカッコ悪くって、っていう状態になってたんですよねえ。それが当たり前に思ってたんだけど、そういう当り前って違うよね」


う~ん。


「休みたいっていう気持ちが強くあるっていうことは、今やってる仕事、好きじゃないってことでしょ。ホントはやりたくない」


でもまあ、仕事が好きな人なんてそんないないっしょ。


「そんなこと考えてたら、結婚するっていうのも、なんか違うかなあって」


いや、それは理論の飛躍っていうかですね、ロジックが破綻してまっせ。


結婚をやめたからって、それで自分のやりたいことが見つかったりするもんじゃないでしょうし、満足できる生き方が急にひらめくってこともないんじゃないでしょうかね。

 

 

 


チカチューは元気女子ですからね。なんとなく不安な気持ちのマリッジブルーを前からの仲間にぶっちゃけてみたかっただけだったんだと思うですね。


そこにたまたま同期くんの退職騒ぎで、自分のホントにやりたいことに対する心構えとかが気持ちを揺らしてナイーブになった「木の芽どき」ってことで、

 

「早く帰んなきゃ。めんどくさ~い」

 

って、ま、元気は残っている状態で帰っていきましたです。


チカチューがチルして、結婚がうまくいって、同期くんの牧場生活も順調にいくように、祈念しております。


人間、生きていると、いろいろあるでございますよねえ。ふうう~っ。。。

 

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< チカチュー >

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ランサムウェア【ロックビット】 主要メンバー逮捕 暗号化されたデータの復元ツールも開発 ですが

< 世の中がガラガラ変わっていくにつれて 犯罪も手を変え品を変えしてサマ変わり ヤな感じ! >

いつの時代でも、どこにでも、悪いヤツっていうのは居たんでしょうし、これからも居続けるんでしょうね。


「石川や 浜の真砂は尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」


安土桃山時代の大泥棒、石川五右衛門(1558~1594)が詠んだっていう辞世の句。


ある意味で真実を言い残していった五右衛門さん、ってことになるんでしょうけれど、これ、ホントにご当人の辞世の句なんでしょか。


石川五右衛門っていう人自体は実在していたみたいですけどね。
京都の三条河原で「釜茹での刑」にされたのを見たっていう記録はいくつか確認されています。


戦国時代末期とはいえ、人を茹で殺すって、とんでもないことをやっていたもんですよねえ。


昭和の時代にキャンプ場で「ドラム缶風呂」っていうのを見たことがあります。


コンクリートブロックで組んだ台の上にドラム缶を乗っけて、下から直火で熱するんで、ドラム缶の底に直に触れないように、お湯に浮かんでいる蓋っていうのかスノコみたいな板を足で押さえつけながら沈めて入るやつ。


五右衛門風呂の亜流なんだそうですね。
熱湯そのものよりドラム缶のフチの方が熱そうでした。


しかしですね、釜茹での刑なんていうのを考え出したのって誰なんでしょ、っていうとですね、古代中国、殷の紂王(生年不詳~紀元前1046年)っていう王さまみたいです。


酒池肉林ってことをやらかしたとかで評判の悪い王さまですね。
酒池肉林なんてホントにそんなことをやったのかなって、かなり疑問ですけど、烹煮(ほうしゃ)っていう釜茹での刑はかなり頻繁に行われていたそうです。


日本では石川五右衛門の例が最初だとすると、2600年以上を経過して中国から伝わってきたのか、そうじゃなくって豊臣秀吉時代の誰かが独自に思い付いたものなんでしょうかね。


罪を憎んで人を憎まず、とか言いますけれど、思いっきり人を憎んでいるような刑。


天下の大泥棒っていう石川五右衛門ですけれど、そんな派手な殺され方をするって、いったいどんな悪さをしたのか、実は分かっていないんですってね。


金のシャチホコを盗もうとしたとか、豊臣秀吉を暗殺しようとしたとか、後代になってからの創作ではそんなことになっていますが、大泥棒っていう表現が実際の行動を表しているのかどうか、それさえもけっこう怪しい感じです。

 

 

 


「石川や 浜の真砂は尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」


っていう辞世の句にしても、江戸時代に芝居のセリフとして考えられたものなんじゃないでしょうかね。


並木五瓶(1747~1808)っていう歌舞伎作者の作品「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」


「絶景かな、絶景かな」で登場する石川五右衛門が作った句として出てくるのが知られています。


世の中に悪のタネが尽きることはあるまいよ、っていうセリフは説得力があって、まさに真実だなあってなもんで、今に伝わってきているんでしょうね。


尤も、並木五瓶の完全オリジナルってことでもなさそうで、元になったんだろうって思われる和歌があります。


平安時代前期、905年に奏上された「古今和歌集
紀貫之の「仮名序」の中で、和歌には6つの種類があるって言っています。


その1つが「たとえ歌」


あんまりよろしくない出来栄えの「たとえ歌」の例として紀貫之があげている歌、


「わが恋は よむともつきじありそ海の 浜のまさごはよみつくすとも」


当時のインテリだったんだろう並木五瓶は当然古今和歌集の仮名序を知っているでしょうからね、芝居の中の和歌として、本歌取りってなことをしゃれこんだんじゃないでしょうか。


釜茹でなんていう派手な公開刑に処された石川五右衛門っていう人物は義賊だったっていう説もありますけど、なんか、大泥棒とか、そういう単純な犯罪者じゃなかったのかもです。


犯罪の種類なんて数えたこともありませんけれど、「犯罪は世につれ、世は犯罪につれ」っていう側面があるんだとすると、人を殺すハードルがかなり低かったんじゃないかって思える戦国時代の大罪っていうのがなんだったのか、21世紀の今となっては窺い知ることも難しそうです。


一族郎党も同時に死罪になっている石川五右衛門さんですけど、庶民から唾棄されるような悪いヤツだったのかどうか、分かりませんよね。


釜茹でっていう処刑方法が奇抜だったことで後世にその名を残したわけじゃなくって、ピカレスク・ヒーローの役割を、後付けであるとしても持たされてしまった可能性がないでもない石川五右衛門さん、っていうようなことだったのかも。


それから時代はズズッと進みまして、世の中にコンピュータっていうものが出てきてから犯罪の世界もすっかり様変わりしてきちゃっていますよね。


サイバー系っていう、犯罪の新しいジャンルが増えちゃったって感じでしょうか。


犯罪じゃなくって不可抗力ですって申し開きしているビットコイン周りのあーだこーだっていうのもありましたし、21世紀に入ってから急増しているらしいのが「サイバーテロ」ってやつです。


警察庁「サイバーテロ」によりますと、

 

「情報通信システムは、サイバー攻撃を受けて過剰な負荷が掛かったり、コンピュータ・ウイルスに感染したりすると、正常に動作しなくなってしまいます。政府機関等の重要インフラ事業者の基幹システムがサイバー攻撃を受け、国民生活や社会経済活動に甚大な支障が生じる事態は、サイバーテロと呼ばれています」


ってことなんであります。


サイバー空間での犯罪っていうのは、一般人がリアルには感知できないインターネット空間で行われているわけで、悪事を働く側も、それを取り締まる側も、これまでの歴史上には存在しなかったようなスキルが必要になりますね。


新しい種類の犯罪として、とくに21世紀に入ってから急増しているのが「ランサムウェア」による犯罪なんだそうです。


そもそもね、サイバー犯罪っていうのが、なんか身近には感じられませんっていう理由が、この名前、意味不明なカタカナ名称にあるのかもしれませんね。


普通に暮らしている日本人に「ランサムウェア」ってなんでしょうか、って聞いたって、まともに教えてくれる人なんてほぼいないと思います。


専門家でもない限り、それ、英語だよねえ、っていう程度の反応だったりしますよねえ。


でも言葉の意味が分からないからといって「ランサムウェア」の攻撃を免れられるわけもなくって、リモートワーク環境を考えますとけっこう身近なものになっているって考えるべきなのかもしれないですよ。

 

 

 


ランサムウェア」は「身代金ソフトウェア」っていう意味なんであります。


悪意を持ったソフトウェアを「マルウェア」って言いますけど、たくさんあるマルウェアの中の、身代金を要求してくるタイプのソフトウェアが「ランサムウェア」です。


カタカナ名前ばっかり、いっぱい出てくるのがサイバーの世界ですよねえ。
アタマ、カクカクしちゃます。


企業のサーバーに直接侵入するタイプのランサムウェアもありますが、狙われるのはそのサーバーに接続できる個人のパソコンも多いそうです。
個人の環境はセキュリティが比較的弱いってことですね。


例えば、遠隔地にあるパートナー企業が本社のサーバーにインターネット経由で接続して仕事を進める、なんていうことは普通にやっていますよね。


パートナー企業のサーバーに接続している個人のパソコンにマルウェアが仕掛けられちゃうと、本社のサーバーが厳重にファイヤーウォールしていても、そのパートナー企業のために開けてある穴から易々と、イントラネットの中にも入ってきちゃう。


全てのマルウェアは侵入する際に、ノックしたり、ごめんくださいだとか、わかりやすい挨拶なんかしてくれません。


ランサムウェアは静かに潜伏して、侵入すべき場所に拡張侵入していきます。


この辺がやっかいなところです。ソフトウェア自身が環境を判断している。


内部情報を確認して、対象データファイルを片っ端から暗号化して圧縮してロックをかけてしまいます。


暗号化されてロックされたファイルには復元しない限りアクセスできません。


つまり業務の一部、あるいは全部がストップしてしまうわけですね。


ファイルのロックを解除するには解除キーが必要になります。


「あんたの会社のデジタルデータを人質に取った。ロックを解除するキーコードが欲しければ〇〇億円を△△に振り込め」


これがランサムウェアっていうやつで、身代金を要求してくるわけです。


これまでにたくさんニュースになっていますんで、ランサムウェア被害っていうのを聞いたことがあるんじゃないでしょうか。


人質にされたデータの種類にもよりますけれど、身代金を払わずに、新たなシステムを起ち上げるっていう解決方法もあるにはあるんですよね。


でも、そうすると犯人側は、企業秘密に相当する部分のデータを、誰でも閲覧できるウェブサイトに公開するぞ、って脅すテに出てきます。


ロクなもんじゃないですね。
そりゃそうです。そもそもが悪いヤツなんですから。


昔はクラッカーなんて言ってましたけど、今はこういう悪いヤツらも、サイバー知識に長けているっていうことで「ハッカー」っていうみたいですね。


悪事に加担しないハッカーの方を区別して「ホワイトハッカー」なんていう言い方も耳にします。


最近で名前を知られているホワイトハッカーといえば、台湾のプログラマーで政治家になった「オードリ-・タン(唐鳳)(1981~)」でしょうか。


台湾でのデジタル技術を駆使したコロナ対策は世界的に評価されましたですね。


日本のタロちゃんとは雲泥の差でした。タロちゃん、素人だし。
いつまで経っても素人のままみたいだし。。。


でもまあ、ハッカーなんてそんなに大勢いるってもんでもないでしょうけどね。


フィクションの世界には圧倒的な人気のハッカーがいます。


ホワイトハッカーとは言えないヒロイン。


「リスベット・サランデル」


スウェーデンの作家、スティーグ・ラーソン(1954~2004)の推理小説「ミレニアム」の主人公です。


小説は大ヒットしましたし、映画にもなっていますんで知っている人も多いと思います。


「ドラゴン・タトゥーの女」

 

「火と戯れる女」


「眠れる狂卓の騎士」


この3作を書いてところで、スティーグ・ラーソンは突然亡くなってしまいます。心筋梗塞だったそうですね。


シリーズの構想としては10作あったそうですけど、3作でジ・エンド。


って思っていたら、同じスウェーデンの作家、ダヴィド・ラーゲルクランツ(1962~)が続編を引き継ぐことになって、


蜘蛛の巣を払う女


「復讐の炎を吐く女」


「死すべき女」


の3作が発表されていますね。


大ヒット作を引き継ぐなんて狂気の沙汰、だと思いますけど、それなりの出来、ではあると思います。


リスベット・サランデルは、身長154センチメートル、体重42キログラム、ショートヘア、鼻と眉にピアス、背中にドラゴン・タトゥー、首にはスズメバチのタトゥー、そのほか腕や脚にもタトゥーを入れていて、サイバー空間の中でも一目置かれているハッカー


ま、あんまりリスベットのことを語ってしまうと未読の方々にネタバレになってしまいますので、映画を含めてどんな活躍を見せてくれるのかは言わずにおきますです。


6作で終了したのかどうかハッキリしませんけれど、リスベット・サランデルは今のところ釜茹での刑とかには、なっていないです。


創作の中では絶対につかまらない、足元を見られることのないハッカーの存在っていうのも可能ですけど、現実世界ではどうなのかっていうことですよね。


そこが問題です。


世界的に「ランサムウェア」を仕掛けて勇名をはせていたのが「ロックビット(LockBit)」っていうソフトウェア、それを仕掛けていたグループです。


日本でも数件の被害発表がありました。


徳島県つるぎ町立半田病院。2021年、ロックビットの攻撃によって40台のパソコンデータが暗号化されちゃって、8万5000人分の電子カルテが閲覧できなくなった。


脅迫メールを送り付けて来た犯人グループが「ロックビット」を名乗っていたんだそうです。


システム復旧まで2ヵ月かかったそうですが、復旧方法は公表されていません。


身代金を支払ったのか、支払わずにロック解除できたのか、あるいは新しいシステムに切り替えたのか。
2ヵ月の間に転院しなければいけなかった患者さんが少なくなかったみたいですね。


その他にも名古屋港のコンテナ管理システム、千葉県南房総市の小中学校の校務ネットワーク、沖縄県那覇市の図書館だとか、8施設ほどがやられているんですね。


日本の警察も攻撃に使われたサーバーの追跡だとか、世界的な捜査に加わっていたわけですが、2024年2月20日、欧州警察機構(ユーロポール)が「ロックビット」の主要メンバー2人を検挙したって発表しました。


ユーロポール。ほら、あれですよ。
ルパン三世の銭形警部、とっつあんが出向している警察機構。


サイバー犯罪には世界規模での協力がないと対応できませんからね、これからのニュースにはユーロポールっていう名前がたくさん出て来るかもです。


とっつあんは、ま、出てきませんでしょうけどね。


数多いランサムウェアの中でもロックビットは突出して攻撃件数が多かったそうで、ユーロポール、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、スウェーデン、スイス、カナダ、ドイツ、そして日本の警察が共同捜査を進めていたんですね。


その国際共同作戦名は「オペレーション・クロノス」


作戦名って、なんか軍事作戦っぽい感じもしますけど、サイバーテロに対しては、そういう態度じゃないと対応できないのかもですね。


今回ポーランドウクライナで逮捕された2人の国籍や、主要メンバーってされていますが、その役割はどういうものだったのかは発表されていません。

 

 

 


「オペレーション・クロノス」の詳細結果発表はこれからってことなのかもしれないですけど、今回の警察発表の中で、ほほうって思ったのは逮捕以外のもう1つの方のニュースでした。


それは「日本の警察庁がデータ復元技術開発」っていうもの。


ロックビットによる攻撃で使用不能になったデータの復元手法を世界で初めて開発したっていうことなんですよ。
日本の警察がですよ。


デジタル後進国っていうレッテルを貼られてしまって、特に中央省庁とか、ダメダメだよね、だったんですけど、やるじゃん警察庁! でありますよ。


サイバーテロ対策として警察庁は「サイバー特別捜査隊」を「サイバー特別捜査部」い格上げして、より一層のレベルアップを図っていくんだそうです。


格上げねえ。やっぱりお役所ですからねえ。


これまでのテイタラクからしますと、ホントかよっていう気持ちもどこかにあるんですけど、人材を得たってことなのかもです。


そういう人事の発表はね、なくたってイイんです。
実際には凄い人がおります、内緒ですけど。ってことで全然かまいません。


スーパーな実績をどんどんあげていっていただくことを祈念いたします。


データの復元方法っていってもですね、万能ではないでしょうし、ランサムウェアもたくさんの種類がありますから、ランサムウェア対策がそれで解決するっていう種類のことじゃないですね。


ただ、大きいって思うのは、コンピュータセキュリティのジャンルで、日本が欧米の技術にどうやら追いついたってことだと思います。


リバースエンジニアリング」ってやつでしょうね。
アセンブル、逆コンパイル


今回のツール開発を足掛かりとして、犯罪対策ってことだけじゃなくって、サイバー空間の中で国際的な役割をしっかり果たしていける日本になることが期待されますです。


尤もね、2人が逮捕されたからといってロックビットが壊滅したわけじゃなくって、「LockBit Supp(ロックビットサップ)」って名乗るハッカーが、逮捕発表の数日後に

「FBIにやられた。FBIはうそつきだ。米政府機関への攻撃を強化する」

とかいうことを再開させたロックビットのサイトで言っているそうですからね、戦いの端緒についたっていう段階なのかもです。


サイバーテロを仕掛けてくる集団、あるいは個人って、ロックビットだけじゃなくって、たくさんいるんですもんね。


デジタル庁。今回の逮捕劇、どの程度理解して、どう捉えているんでしょかねえ。
日本にリズベット・サランデル、居ない?

 

 

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