< イヌ系 ネコ系 ネズミ系 鳥系 爬虫類系 人間と一緒に暮らしている動物たちはみんなともだち >
居酒屋トークの流れの中で、
「カメだって、ちゃんと飼い主を認識してるよ」
って言いだした吞み友だちがいて、みんな疑わしい顔で「ふううん」っていう反応。
カメを見る機会ってそんなにないですけど、池の中の石の上で首をみょ~んって伸ばして、日向ぼっこしている、あの顔つきを思い浮かべる限り、人とコミュニケーションがとれる生きものとは思えませんねえ。
誰もホンキにしてない空気を感じたのか、
「じゃ、見せてやるから、オレんち行こう!」
「今?」
「今だよ、今。すぐそこだから。大将、すぐ戻ってくるから」
ってことで、そいつの家にその場の呑み仲間3人が、面倒くさそうに付いて行きました。
マンションの7階。玄関の靴箱の上に中くらいの水槽があって、なるほどカメが1匹、じっとしてます。
オヤジたちがワイワイ入ってきても、なにも気にしている様子はなくって、ただ、じっと水槽の壁を見つめている感じ。
奥さんは出張中とのことでだれもいなかったんですが、飼い主は、水槽の中からカメをつかみ上げると、玄関に置いて、自分は真っすぐ続いている廊下を歩いて行ってこちらを振り返りながらキャッチャー坐り。
「おしっ、カメゴン。こっちだ」
と、カメが意外に勢いよくカッカッカっていう爪音を立てながら歩いていきます。めでたくゴール。
「おし、おし」
玄関に立っていたオヤジ3人は、しばし呆然。
で、「カメゴン、戻って来い、カメゴン」と呼んでみます。
当のカメゴンは廊下でくるっと回れ右されて、こっちに顔を向けているんですが、動きません。
そいつはまたカメゴンを玄関まで持ち運んでくると、廊下とは反対側、外向きに置いて、自分は廊下をまた戻って行きます。
カメゴンは、ただじっと玄関の扉を見ています。
「カメゴン、こっちこっち」
くるっと回ってカッカッカッカ。
「おお~! パチパチパチ」
拍手喝采。ちゃんと飼い主に反応します。カメゴン、エライ!
でも、名前、カメゴンで満足してんのか? ん~。
さっさと居酒屋さんに戻りました。
っていうことがありまして、やっぱりね、同じ地球に生きている仲間として、他の動物たちとのコミュニケーションって、ある程度、とれる方が普通なんでしょねえ、とか思っているわけです。今は。
特にイヌとネコって、人類と付き合いが長いですもんね。相当に研究も進んでいるでしょねえ。
で、「ネコは「はじめからネコ」だったのに」っていう記事のタイトルを見て、ネコの研究がまた一段階深くなったのかなって、気になりました。
この記事によりますと、イヌもネコも「食肉目」っていうカテゴリーに入るわけなんですが、6500万年前から4800万年前くらいに生息していたミアキス (Miacis) っていう小型捕食動物が共通の祖先になるんじゃないかっていうことなんですね。
現生のイタチに似た姿で、頭胴長は20センチメートルほど、尾はながかったそうです。
地球全体に亜熱帯の森が広がっていた時代。ミアキスとその仲間たちは主に樹上を生活圏にしていたんじゃないかって考えられているみたいです。
時代が進んで地球が寒冷傾向に変化してくると、乾燥化が進んで森は縮小し始めます。
樹上から降りて、開けた土地に生活圏を移していったグループが「ヘスペロキオン(Hesperocyon)」っていう、体重が1キロから2キロぐらいで、頭胴長約40センチメートルの「イヌ類」
現生のイヌたちとはずいぶん違った姿だったらしいですけど、イヌの祖先だって考えられているそうです。
ヘスペロキオンの足の指は前後とも5本。
イヌを飼っている人たちは、え? って思うかもです。
現生のイヌたちは前足が5本、後ろ足が4本ですもんね。
「動物の進化と共に指の数は少なくなる」っていうのは動物学の世界では常識らしいです。
さらには、ヘスペロキオンは足のかかとを着ける「蹠行性(しょこうせい)」っていう歩き方だったそうで、安定感があって、そんなに行動範囲が大きくなかったのかもしれないんですね。
現生のイヌたちはかかとを着かない「指行性(しこうせい)」っていう歩き方。
かかとを着かないことによって歩幅が大きくなって高速で移動できるようになったっていうことになります。
樹から降りて来たヘスペロキオンですが、まだ樹に登ることが出来たかも、なんだそうです。現生のイヌたちは、残念かどうか分かりませんが樹には登れないですね。
樹上にいるよりは広い平地を走り回る生活を、イヌのグループは選択していったっていうことでしょう。
さて、もう一方の「ネコ類」
ヘスペロキオンの時代に「ネコ類」っていうのはまだ登場していなくって、同時代のは「ネコ型類」って呼ばれているみたです。
代表的なのが「ホプロフォネウス(Hoplophoneus)」
頭胴長は1メートル前後。ちょっと小柄な豹のような姿。
ははあん。ここなんですね。ネコは初めからネコっていうのは。
まだ「ネコ類」にまで至っていない「ネコ型類」の段階から、すでにネコの姿でした、ってことなんですね。
初期段階からあんまり変化せずに古代の姿を守って来ている動物。
指の数は、前足が5本、後ろ足が4本。これも最初からそうだったんでしょうね。
そっかあ、なんかもうちょっと違って、驚きの真実が、とか期待したんですけど、そういうんじゃなかったです。
なんでそういう根拠も何もない期待をしたのかっていうのは、単純に「ネコ派」だからですねえ。
イヌ派、ネコ派っていう話は居酒屋トークなんかでもよく交わされていますよね。
ネコの研究っていうのがいろいろ進められるようになったのはここ最近な感じで、いつも新しいニュースが発表されたりして、話題には事欠かないです。
野生のヤマネコと、イエネコは遺伝的にはほぼ変わらないんだそうですけど、最近の研究で分かったことは、「ぶち柄のネコ」は中世になって初登場したらしいってことでしょうかね。
14世紀のオスマン帝国あたりにぶち柄の遺伝子の起原が求められるそうで、そこからヨーロッパ、エジプトに広まっていって、ぶち柄が一般的になったのは18世紀ごろから、ってことみたいんなんですよね。
数千年前から変わらない遺伝子で、人類の傍で生きて来たネコなのに、ぶち柄が登場したのは700年前ぐらいだっていうのは、かなり不思議な気がします。
自然交配でできたんでしょうけど、ぶちネコはネコの最新系、ってことになるんでしょうかね。
古代の人類が野生の狼を徐々に家畜化していったってうイヌたちとは違って、おそらく人類が穀物を作るようになってから、穀物を食べ散らかすネズミを狙って、自然に人間の傍で暮らすようになったネコたちは、ずっと自分たちだけで、しかも群れずに生きて来た長~い歴史がありますからね。
媚びたりしないんですねえ。
今は完全にイエネコとして狩りなんてしなくなった個体も報告されていて、ネコのイヌ化、なんてことを言い出している向きもあるようですけど、ネコは変わらないんじゃないでしょうかね。
なにせ現生人類が登場してくるずっと前から、ネコは初めからネコ、だったそうなんですから。ね。
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