ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【ネコミュニケーション】 酒呑みのネコとのけっこうマジな話

< 情動表出の認知力って、人間が勝手に決めるもんじゃないんだよ >

って、ネコが言ってました。


おとといなんですけどね、居酒屋のカウンターでネコと隣り合わせになりまして、なんかね、真面目な話をしてきました。
ちょっと高めの声でしたけど、けっこう饒舌だったんであります。
瓶ビール呑んでましたよ。


で、「イカ焼き」って注文したもんで、マスターが「あれ?」
ってなった辺りから話が始まったんであります。


マスターが疑問に感じたのは例のアレですね。ネコはイカを食べると腰を抜かすっていう人間界のアレ。


ネコはひげを撫でながら早口で、こんなことを言いました。
チアミナーゼのことだろ。焼けば大丈夫だし、1食だけでどうなるってもんじゃないんだよ」


なんかね、人間に対して一家言あるんだろうなって感じでしたよ。

 

 

 


アタリメだとかもネコに食べさせちゃダメだって人間が言うのは、消化が悪いからってことなんだけれども、そんなことはネコだって百も承知。
ちゃんと自分でコントロールするんだから、ご心配には及びませんよ、ってことなんでした。


そもそも、人間は、自分だけが頭がイイって思ってるところがあるんだけど、そんなのは思い違いってもんで、優秀な人間っていうのはたしかにいるけれど、そうじゃない人間の方が多いんだし、ネコにだって当然、頭のいいネコもいれば、そうじゃないネコもいる。
一概に人類、ネコ類って分けて考えるのは、正しい分け方じゃなくって、個体ごとに判断すべきこと、なんだそうです。


ふむふむ、そですかあ、って感じで頷きながら聞きました。


いますよね、誰に言うともなく、吞むにつれて酔うにつれて、滔々と話し続ける酒吞みって。
ネコにもそういうオヤヂがいるってことなんですね。
全然話止めませんよ。


サイエンティフィック・リポーツって知ってる?」

「うんにゃ、知りませんねえ」
「オンラインで運用してる自然科学の学術誌でね、オープンアクセスだよ」
「ふううん、そですか。知らんです」


つい最近、4月23日に京都大学を中心とした研究グループが「ネコは同居するネコの名前を分かっている」っていう研究結果を、そのサイエンティフィック・リポーツに発表したんだそうです。


「今、ネコのくせに自然科学? とか思ってるでしょ」
「ふぇっ?」
「そういうトコが良くないんだよねえ、人間は。なんでも上から目線じゃホントの世界は見えてこないわけよ」
「ん~」
「ラガー、もう1本」


中瓶ですけど、3本目ですね。なかなかイケル口でいらっしゃる。


実験っていうのはですね、3匹以上が一緒に暮らしている家ネコに対して、同居している別のネコの名前を呼んで、モニターにネコの姿を映し出す。


その映し出されたネコが呼ばれたネコだった時より、呼ばれたネコじゃなかった時の方がモニターを見ている時間が長かったっていうことなんですね。


これは「期待はずれ」の反応っていうやつで、違うじゃん! っていう意識が長く見ていることにつながるらしいんですね。

 

つまり、家ネコは同居している他のネコの名前を知っているってことが分かったっていう研究成果なんですね。


「当たり前だと思わない? ネコ族の聴覚っていうのはさ、人間なんかよりずっと優れているわけだし、モノに名前を付けるっていう習慣は人間特有だとしても、そんなことはすぐに理解できますよ、普通のネコはね。普段、特にリアクションしていなくたって、ちゃんと聞いてますよってことです」


だそうでありますけれども、実はこの2022年の発表の前、2019年にも「飼い猫は自分の名前を他の言葉と区別します」っていう研究成果が同じくサイエンティフィック・リポーツ発表されているんだそうです。

 

2019年の発表は上智大学東京大学を中心としたグループの研究成果らしいです。
その発表について、なんかね面白くないらしいんですよね、ネコさんは。

 

 

 


人間との相互作用を持っている動物、コンパニオンアニマルの代表としてイヌの研究はされてきたけれど、ネコの研究は充分にされてきたとは言えないから、実験してみた、っていう趣旨自体が「人間は分かってない」ってことなんですねえ。


人間が研究対象にしている動物をイヌの他にもあげてみれば、チンパンジーとかイルカとか、人間にとってのリアクションが分かりやすいヤツらばっかりで、それは人間の「情動表出認知力」が弱いことをダイレクトに表しているってことなんだそうですよ。


「情動表出」とか「社会的参照」だとか、なんかオカタイ単語の好きなネコだったみたいなんですけどね、要は「空気を読むチカラ」っていう能力が極端に弱いのが人間の特徴なんであって、その原因は「言葉」にある、って言われた時は、ちょっとドキッとしましたね。


言葉によるコミュニケーションっていう不完全な方法に頼り切ってしまった歴史によって、動物として一番大事な「情動表出」を表現するのも、受け止めるのも、一番ヘタになってしまったのが現代人、なんだそうでございますよ。


まだ言葉を持っていない人間の赤ちゃんが、母親の表情を読む、母親の情動表出を社会的参照する能力をしっかりもっているのに、言葉の習得と共にその力は失われていく。
人間っていうのはそういう生き物。


人間が何にでも名前を付けて、それでそのものを理解したつもりになっているのは、ちょっとね、おかしいんじゃないかっていう趣旨の話だったんでありますねえ。


「人間が自分のことをなんて呼んでいるかなんて、ネコ族が分かっていて当たり前なのに、それを調べようなんていう発想が、そもそもね」


イヌとかイルカに比べて、大概のネコはメンドクサガリなんだそうです。


それと、気に入らないヤツに呼ばれたら、ことさら反応なんかしない。そういう時のネコの「カオイロ」を読めないのは人間ぐらいなもん、らしいです。
ネコのカオイロねえ。


「要するに我々ネコ族はさ、群れるのが好きじゃないんだよね」


個々が独立独歩で生きているんで、他のネコ族、他の生き物とのコミュニケーションは、完全に個々で実行して、即座に判断する必要がある。そうじゃないと、生き残っていけない。
ふむふむ、なるほどねえ、って思ったことでありました。

 

 

 


まあね、ネコと隣り合わせで吞むなんてことは、しゅっちゅうあることじゃありませんし、貴重な体験ではあったんですが、ネコミュニケーションの研究を進めておられるセンセ方が、この日本の中に少なからずおられるってことは、興味深いことですし、今後ますますのご活躍を期待いたしますです。


酒呑みネコに負けない研究成果を期待いたしますです。


ラガーの瓶ビールを呑んでいるネコ。ワルクないと思います。

 

 

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