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【国民総幸福量】しあわせの正体を考えてみる

< 日本のしあわせランキング順位が低いわけ >

日本のバブル景気の期間は1986年12月から始まって1991年2月までとされています。
もう30年以上前になるんですね。


日本国民みんなが浮かれ騒いでいたような報道をされることもありますが、そんなこともなかったように思います。
バカ騒ぎに乗れる方がしあわせなのかもしれませんが、誰もが株式や不動産の恩恵を受けるわけでもありませんし、冷静なポジションといいますか、バブル好景気の圏外にいた人も少なくなかったんですよね。

 


世の中、景気が上向きらしいよ、っていうのは1986年前半ぐらいから言われていたんですが、その頃のテレビにドキッとさせられるコマーシャルがありました。


キッコーマン「ぽん酢しょうゆ」のコマーシャルで明石家さんまが歌う「しあわせってなんだっけ」です。


♪しあわせってなんだっけ なんだっけ
♪ポン酢醤油のある家さ


っていう歌詞でしたね。


たしかに、家の台所にポン酢しょうゆが置いてあるっていう、ごく当たり前の生活環境がしあわせの正体なのかもしれません。


どこか、なにか、ハッとさせられるような歌詞ですよね。
このコマーシャルが流れた時には、すでにバブル好景気の気配が充満していたのかもしれません。


しあわせってなんだっけ? と聞かれて、なんと言いますか、格闘技的に後ろを取られたような感覚を覚えました。


このコマーシャルの後、明石家さんまセンセは、1988年に結婚されて、いろいろあって、さんま苦いかしょっぱいか、ってなことになったようですが、ますますのご活躍です。
キッコーマン「ぽん酢しょうゆ」も人気を保っていますね。

さんま塩焼きの皿に盛られた大根おろしには、しょう油もイイですが、ポン酢しょうゆもバッチリです。


で、しあわせとは何か? っていう疑問は、世界の大人に共通した答えのない疑問なのかもしれません。


しあわせの答えを見つけようという考え方の1つに「国民総幸福量(Gross National Happiness)」っていうのがありますよね。
1972年にブータンの国王が提唱した考え方だそうです。

 

国際的な指標として知られているのは「国民総生産 (GNP)」「国内総生産 (GDP) 」ですが、こうした経済的、物質主義的な指標からは、その国の、国民のしあわせは見えてこないっていう考え方ですね。


ブータンは世界一しあわせな国民の国として有名になりました。

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ところが時代が進んで、国連が2012年から実施し始めた「世界幸福度ランキング」でブータンは、2013年に第8位となって面目躍如たるところをみせたものの、順位を下降させ続けて2019年の95位という記録を最後に、ランキングからは外れてしまっているようです。

 


だいたい150か国を対象としている「世界幸福度ランキング」です。
ランキング順位ついては様々な見方があるようですが、何がしあわせなのかっていうのは、結局判断するのが難しいってことになるんだろうなあって思わざるを得ませんね。


ランキングは各国の国民にアンケート調査した結果で判断するんだそうです。


ザックリ言ってしまえば「あなたはしあわせですか?」っていう質問に、その国の人々がどう答えるかっていうスタイル。


地球全体がネットワークでつながって、情報は玉石混交とはいえ、皆がスマホを持つようになる以前とはそのボリュームは比較になりませんよね。
いろんな情報が、お気楽極楽に入って来ますよ。


しあわせですって答えなくなったのは、ブータンの国民がだんだんしあわせじゃなくなった、ってことじゃなくって、なにをしあわせと考えるかっていう考え方、感じ方が変わった結果なんじゃないでしょうか。


「家族や仲間がいて、雨風をしのげる家があって、食べるものもある。だから自分はしあわせ」っていう感覚は、多分な情報を得ることによる世界との比較っていう、それまで無かったモノの見方が出てきて、いろいろ変わってしまうのかもです。
情報過多なのかもしれません。


国連の「世界幸福度ランキング」は「一人当たり国内総生産GDP)」「社会保障制度」「健康寿命」「人生の自由度」「他者への寛容さ」「国への信頼度」っていう指針でアンケートを採っているんだそうですが、2021年のランキング・ベスト10は、


第1位:フィンランド


第2位:デンマーク


第3位:スイス


第4位:アイスランド


第5位:オランダ


第6位:ノルウェー


第7位:スウェーデン


第8位:ルクセンブルク


第9位:ニュージーランド


第10位:オーストリア


北欧が幸福度の高い国として、常に上位を占めている結果が続いているみたいです。
ちなみに日本は第56位。アメリカは第19位。中国は第84位。


日本は低い順位で定着していて、これって問題じゃないの? って心配する声も上がっているんですが、ブータンのケースと同様に、しあわせですか? って聞かれて、はいって答えるタイプの国民性じゃない気がしますね。


ただ、国民がなにをしあわせと思っていて、その思いに応えるべく施策を考えていくっていうのは為政者の勤めではあるでしょうね。
自殺する人の数っていうのも、ずっと多い国ではあります。


日本では荒川区浜松市が住民の幸福度を測る活動をしています。


荒川区の場合を見てみますと、荒川区民総幸福度(Gross Arakawa Happiness)を数値化すべく、アンケート調査を実施しているんですね。

 

2020年に実施した「幸福実感度調査」は「健康・福祉」「子育て・教育」「産業」「環境」「文化」「安全・安心」っていう6つの分野について選択式で回答してもらうものです。


それぞれについて荒川区民の意識の一部分を見てみたいと思います。


☆「健康・福祉」カテゴリーの中で「幸せにとって特に重要だと思うもの」
24.4%で一番多かったのは「心が安らぐ時間を持てていること」


☆「子育て・教育」カテゴリーの中で「幸せにとって特に重要だと思うもの」
49.7%で半数近くを占めたのは「親子のコミュニケーションがとれていること」


☆「産業」カテゴリーの中で「幸せにとって特に重要だと思うもの」
68.6%と半数以上を占めたのは「生活を送るために必要な収入があること」


☆「環境」カテゴリーの中で「幸せにとって特に重要だと思うもの」
35.5%で一番多かったのは「地域の交通の便が良いこと」


☆「文化」カテゴリーの中で「幸せにとって特に重要だと思うもの」
48.8%で半数近くを占めたのは「興味・関心のあることに取り組むことができていること」


☆「安全・安心」カテゴリーの中で「幸せにとって特に重要だと思うもの」
53.5%で半数以上を占めたのは「犯罪への不安がないこと」


こうして区民がどんなことをしあわせだと考えているかという結果を指標として、行政に役立てていきたいっていう活動はもっと広まっていってもイイように思いますです。


ただ、アンケートでの選択肢をどのように用意するのか、その選択肢の具体策をどう捉えているのかっていうのは難しい問題だと思います。
今、用意してある選択肢が、しあわせのバリエーションを汲み取ったものなのかどうか、誰にも分かりませんよね。


荒川区のこの結果は、コロナ禍の中での回答です。
まだ先になりそうですが、コロナが明けた時、日本の世の中って、けっこう変わっているんだろうと思います。


生活様式もそうでしょうし、生活感覚、感情も違ってきて、企業の在り方も大きく変わりそうです。
そうなったとき、しあわせをどう捉えているのかっていうのも変わってしまうんじゃないでしょうかね。


なにか画期的な指針を見つけ出さないと、住民のしあわせは実現、難しい感じですね。
結局、しあわせってなんだっけ? っていうのは、やっぱり、答えが無いのかもしれません。


足るを知って、あるべきようを見据えて、身近なしあわせを感じ取れる人が、ね。

 


でもね、日本人ってランキング好きな国民性らしいですからね、どうしても比較して、しあわせを見失ってしまいがち、なのかもですねえ。


心のゆとり、いつも忘れないでいたいものです。


しあわせって、難しいもの、なんでしょかねえ。なんだかねえ。