< 2016年から2020年までの日本の消費トレンドを眺めてみます >
日本国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が本格的に始まったのは2021年の2月頃でしたね。
医療従事者からのスタートでした。
遅すぎるだとか、抜け駆け接種だとか、ワクチン不足だとか、いろいろ問題もありましたが、2021年の第3四半期も終わろうとしている現在、国民の半数以上が2回の接種を終えて、第5波も終息に向かうベクトルが見えてきたように思えます。
第4四半期に入りますと、そろそろ1年の決算的な話題が出始めますね。
代表的なものに、日経トレンディが毎年発表している「ヒット商品ランキング」、「ユーキャン新語・流行語大賞」があります。
2021年のヒット商品、流行語はまだ決定されていないタイミングですが、これまでのところ最大の感染者数を記録した第5波を含めて、コロナの年であった2021年です。
ヒット商品にしても、流行語にしても、大きな特徴が現れることになるのではないでしょうか。
表現を変えれば、コロナに慣れてきたっていう見方もできる2021年に対して、コロナに対してどう対処したらいいのか分からないまま過ぎてしまった2020年。
そして、コロナなんて考えもしなかった2019年以前。
2020年から2016年までの過去5年間、「ヒット商品」と「流行語」の変容を見ながら、コロナ前の生活がどんなだったかを遠い目になりながら考えてみたいと思います。
覚えていますか? 2019年、どんなことを考えながら、何をしていたか。そしてその前の2018年、2017年、2016年。
まず2020年から。
ヒット商品。
第1位、鬼滅の刃。
第2位、マスク消費。
第3位、あつまれどうぶつの森。
第4位、ズーム。
第5位、檸檬堂。
第6位、エアポッヅプロ。
第7位、モバイルオーダー。
第8位、シュパット。
第9位、今日から俺は!! 劇場版。
第10位、ゴキブリムエンダー。
流行語。流行語の順位は、一応って感じだと思いますけれど、一応発表通りに。
第1位、3蜜。
第2位、愛の不時着。
第3位、あつまれどうぶつの森。
第4位、アベノマスク。
第5位、アマビエ。
第6位、オンライン〇〇。
第7位、ゴートゥーキャンペーン。
第8位、鬼滅の刃。
第9位、ソロキャンプ。
第10位、フワちゃん。
商品と言葉が結びついているのが、「鬼滅の刃」「あつまれどうぶつの森」「マスク」
流行語では「3蜜」「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン〇〇」「ゴートゥーキャンペーン」っていう10のうち半分が直接コロナの影響ですね。
「ソロキャンプ」っていうのが微妙なところでしょうか。
「ゴートゥーキャンペーン」って、無理矢理やろうとしていましたねえ。コロナなんてすぐに終息するだろうっていう思い、ニッキーさんだけじゃなくって、みんなありました。そんないつまでも続くはずがないって思ってましたですよね。
言葉としてはすぐに広まった感じのコロナ関連ですが、ヒット商品は実際に売れた物品ですから、そんなすぐには上位にランクインしていませんけれど、「ズーム」「モバイルオーダー」そしてエコバッグの「シュパット」の3つが巣ごもり生活を反映したヒット商品と言えそうです。
「ゴキブリムエンダー」が10位に入っていて、はあ? って思いますが、これも巣ごもり生活で、おうち時間が長くなった結果、家の中のGが気になって、っていう結果なのかもしれません。
2020年の春なんかは、東京の新規感染者が100人を超えましたア! って大騒ぎしたいましたねえ。
コロナの色合いが濃い2020年でした。
2019年。
ヒット商品。
第1位、ワークマン。
第2位、タピオカ。
第3位、ペイペイ。
第4位、ラグビーW杯2019日本大会。
第5位、令和&さよなら平成。
第6位、ボヘミアン・ラプソディ。
第7位、ネットフリックス。
第8位、米津玄師。
第9位、ルックプラス バスタブクレンジング。
第10位、ハンディーファン。
流行語、
第1位、ワンチーム。
第2位、計画運休。
第3位、軽減税率。
第4位、スマイリングシンデレラ。
第5位、タピる。
第6位、#kuToo。
第7位、〇〇ペイ。
第8位、免許返納。
第9位、闇営業。
第10位、令和。
ヒット商品のペイペイ、流行語の〇〇ペイ。デジタル決済元年だったんですね。2021年末になってペイペイの決算方法が変わるらしくって、ホントに定着するかどうかは、2022年以降にならないと見えない感じでしょうかね。
中国が一気にデジタル決済オンリーみたいになったのは、国の後押し以外に、偽札の横行っていう社会的背景もあったんでしょうけれど、なにせ普通の商取引に関しては、店側もユーザー側も手数料が要らないってことが広まった理由なんでしょうから、ペイペイの会社が利益追求せざるを得ないっていう日本の事情とは雲泥の差がありますよね。
中国の会社みたいに決済以外の他種事業で収益を確保する工夫を成功させないと、日本には定着しないかもです。
タピオカって2019年でしたかあ。これも何回目かのブームで終わって、定着してスタンダードな飲料にはなっていないみたいですね。
ラグビーワールドカップは、めっちゃ盛り上がりましたよね。
コロナで無観客とかにならなければ、野球、サッカーに続いて人気のスポーツにあのままなったんでしょうけれどねえ、コロナが終息して、また、ぶつかり合いで沸かせてくれることを期待したいです。ワンチームです。
ビックリするのが、ヒット商品、「ボヘミアン・ラプソディ」
これ、クイーンのアルバムが物理的に売れたってことですからね。
2018年末の映画の影響なんでしょうけれど、曲自体は1975年の作品ですからね。アバの変則復活の話も出ていますし、1970年代の音楽シーンは不滅めいています。
「ルックプラス バスタブクレンジング」にも驚きます。お風呂用の洗剤が? って感じですが、マメな人にはウレシイ洗剤なんでしょうか。
ヒット商品も流行語も、コロナの予感さえ感じさせないラインナップです。当たり前ですけどね。
2020年と比べてみますと、特定のジャンルに占められることなく、より社会全体を反映しているランキングになっている印象を受けます。
その年を振り返るっていう観点から考えてみますと、やっぱりパンデミックの無い世の中の方が、みんなの意識が社会全体に対して向いているって感じがしますね。
2018年。そろそろ、何が出てきても、ああ~ってなる確率が上がってきそうです。忘れてる。
ヒット商品。
第1位、安室奈美恵。
第2位、ドライブレコーダー。
第3位、ペットボトルコーヒー。
第4位、ZOZO。(TOKYO2020じゃなくって、ゾゾ、です)
第5位、グーグルホーム&アマゾンエコー。
第6位、漫画 君たちはどう生きるか。
第7位、アイボ。
第8位、ケーブルバイト。(アルバイトじゃなくって、噛む方のバイトね)
第9位、本麒麟。
第10位、NONIO。
流行語。
第1位、そだねー。
第2位、eスポーツ。
第3位、半端ないって(大迫選手ね)
第4位、おっさんずラブ。
第5位、ご飯論法。
第6位、災害級の暑さ。
第7位、スーパーボランティア。
第8位、奈良判定。
第9位、ボーっと生きてんじゃねえよ!
第10位、#MeToo。
一昔前にユビキタスとかいう言葉で提唱していた概念の一部がIoTとか言われるようになって、いろいろ具体化し始めた感じの2018年でしたねえ。
流行語の「#MeToo」は2019年の「#kuToo」につながっていくわけなんですが、ネット、イコール、世論って感じになって来たこの現象を、とてもうまく使っているのが女性たちただっていうことが、とても印象深い「#MeToo」でした。
「本麒麟」ねえ、今でもずっと人気みたいです。
2017年。
ヒット商品。
第1位、ニンテンドー スイッチ。
第2位、明治 ザ・チョコレート。
第3位、クラウドファンディング。
第4位、ミールキット。
第5位、ビットコイン。
第6位、クラフトボス。
第7位、リンクルショット メディカルセラム。
第8位、でか焼鳥。
第9位、アネロ。
第10位、ハンドスピナー。
流行語。
第1位、インスタ映え。
第2位、忖度。
第3位、35億。
第4位、Jアラート。
第5位、睡眠負債。
第6位、ひふみん。
第7位、フェイクニュース。
第8位、プレミアムフライデー。
第9位、魔の2回生。
第10位、○○ファースト。
記憶力のイイ人には何の違和感もないんでしょうけれど、ん? これとこれって、一緒のタイミングだっけ? っていうのがいくつかあります。
それとは別に「リンクルショット メディカルセラム」? はあ?
って聞いたことないなあっていうのが出てきました。目元・目尻・頬のシワをメンテする化粧品なんだそうで、こんなんあったんですねえ。女性には常識、みたいなものなんでしょうか。
「アネロ」の流行が2018年「ZOZO」につながっていくのかもしれません。
ああ、そういえばっていうのが「プレミアムフライデー」
どうでしょうか、みなさんの会社で、今、やってます?
っていうか、政府が提唱した時から、アに言ってんだ! っていう反応でしたよね、みんな。
でも、政府の言うこと聞いて、実施していた会社もありました。でもって、居酒屋さんが2時とか3時から店を開けていたりしました。もはや懐かしい昼呑みです。
酒呑み事情も、いろんなことに振り回されるもんなんですよねえ。
2016年。
ヒット商品。
第1位、ポケモンGO。
第2位、君の名は。
第3位、IQOS(アイコス)。
第4位、インスタグラム。
第5位、メルカリ。
第6位、スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ。
第7位、新型セレナ。
第8位、レノア本格消臭。
第9位、クッションファンデ。
第10位、グリーンスムージー。
流行語。
第1位、神ってる。
第2位、聖地巡礼。
第3位、トランプ現象。
第4位、ゲス不倫。
第5位、マイナス金利。
第6位、盛り土。
第7位、保育園落ちた日本死ね。
第8位、ポケモンGO。
第9位、僕のアモーレ。
第10位、PPAP。
2016年はヒット商品も流行語も「ポケモンGO」の一年だった感じですね。平和です。
日産のセレナが大人気だったんですねえ。セダンの世の中は終わってしまったんですかねえ。
フォルムとしてはですね、ん、まあ、止めておきましょう。
「保育園落ちた日本死ね」が2018年の「#MeToo」そして2019年の「#kuToo」を引き出した、SNSのマジ声っていう風潮を作り出した最初なのかもしれません。
「僕のアモーレ」2021年、長友選手、FC東京に帰って来ましたねえ。ガツガツ走ってます。
どうでしょうか。覚えてました? すぐに全部、ああ~って腑に落ちました?
2016年、2017年、2018年は平和と言えば言えそうですが、やっぱりそういう世の中の方が、世情を反映しているというか、今の日本に何を見るかっていうスタンスからすると、パンデミックはなんとも邪魔な存在に思えます。
世界規模でここ2年は、いろんなジャンルが足踏みしてしまった期間になるのかもしれません。
でもまあ、頭のイイ人、エライ人って必ずいますからね。いるはずですよね。
コロナが明ければ、一気に、って期待しますです。