< 阪神の優勝、日本一って日本再浮上のトリガーになってくれたりはしませんかねえ >
関西ダービーとなった2023年のプロ野球日本シリーズは、38年ぶりの阪神優勝で幕を閉じましたですね。
2023年はWBC優勝もありましたし、野球が元気を取り戻して見せた年だったかもしれません。
38年ぶりっていう優勝、日本一で関西圏はずいぶんと盛り上がっているそうで、経済効果は日本全体で1300億円。その8割から9割が関西圏だっていう数値が発表されていましたけれど、そんなに偏ることに驚きながら、イイことなんじゃないかって思うですねえ。
日本のどこであれ、都市圏が活動的にも経済的にも盛り上がるっていうのは、みんなの笑顔も増えることでしょうし、物価高騰であえいでいる日本全体に、笑顔をふりまいてくれることが期待されますもんね。笑顔が笑顔を呼んでくれますことを期待しちゃうでしょねえ。
38年っていう日本の時間経過に思いを馳せてみますと、そのまま「失われた30年」「失われた40年」っていうのにあてはまりそうです。
2023年時点で37歳未満の人たちは生まれてさえいないっていう時間が経過しているんですからね、ずいぶん長いこと日本は低迷し続けていることになります。ずっとマゴマゴしているっていう評価があるんですね。
経済的にもドイツに抜かれて世界第4位に転落するみたいなんですけど、この先まだまだインドだとかにも抜かれちゃうでしょうし、どうにも物騒な社会になりつつあることも事実でしょうからね。
1990年に67歳で亡くなった池波正太郎さんは、1980年代の後半になると、多く発表していたエッセイの中で、これから先エンターテインメントの世界は大きく変わっていくだろうっていうことをしきりに言うようになっていましたね。自分で絵を描いたりもしていて、舞台脚本家でもあった時代小説家が予言していた変化っていうのは、どういうものだったんでしょうね。
38年前の1985年、昭和60年。日本のエンターテインメントを振り返って見ますと、学芸会的なアイドル文化が浸透し始めた年ってことになるのかもしれません。アイドル全盛時代の萌芽ってやつですかね。
1985年には「少年隊」がデビューしています。
1987年には「光GENJI」
19991年「SMAP」
1994年「TOKIO」
1995年「V6」
1997年「KinKi Kids」
こうしたジャニーズタレントたちがエンターテインメントの主役を独占する中に、この1997年、割って入って来たのが「モーニング娘」でした。
これって、アイディア的には女性版ジャニーズだったのかもしれませんね。
それでもなんの、ジャニーズ旋風は衰えません。1999年「嵐」
そして2005年には「AKB48」がデビューしています。
性加害問題でジャニーズメンバーの去就がいろいろ取り沙汰されていますけれど、日本のショービジネスが、歌って踊れるっていう触れ込みの「アイドルグループ」によって席巻されてきた現実にも、これから先、変化が起きてくるんでしょうかね。
池波正太郎さんの言っていた日本のエンターテインメントの変化が、演技力や歌唱力っていう個人の才能の演出っていう世界から、集団のショービジネスに変わったことだったとして、その変化もまた新たな変化のタイミングに差し掛かっている2023年、かもです。
エンターテインメントは、観客側のその人の人生の中で多感な年齢の頃に、どんな形式のエンターテインメントが主流を占めていたかっていう、言ってみればその人が属している世代っていうものに大きく左右されるものだと思いますが、ハッキリした主役っていう存在で成り立っていたエンターテインメントから、アイドルっていう集団の活躍の時代が続いて、それがまた群れない個の才能っていうものに代わっていくのかもしれません。
Z世代の次の世代の子どもたちの日本のエンターテインメント。
主役をハッキリ決めない、あるいは主役を大勢配置するっていうスタイルは「グランドホテル方式」「群像劇」なんて言われている手法が昔からありました。
ま、アイドルグループとグランドホテルが、芸術表現として同じ土俵に乗せられる種類のものじゃないとは思いますけれど。
商ビジネスとしてのアイドルグループ戦略ってうのも、そうしたロジックに則ってはいたんじゃないでしょうか。
舞台や映画の主役は、シナリオ時点で明確に性格づけられているのが本来でしょうけれど、それをこなせるかどうかが役者個人の魅力だったり、説得力を伴なった演技力だったり、適切な演出技だったりするわけですね。他のジャンルで人気があるから主役に据えるっていうのは、どうもね。日本メディアの衰退に思えます。
魅力的な主人公。そういう期待に応えてくれるような、主役の務まる人なんてどこにでもいるってもんじゃない、ってうのが現実です。
スターなんてめったにいるもんじゃない、見つかるもんじゃない。だからこそスターであり、アイドルなんですもんね。
なので、希望する若者たちを集めてグルーピングする。いろんな個性が集まってます、っていう売り方の方がうまくいくだろうっていう計算があったとしても、なるほどねえって感じになりますかねえ。
でも、その方法がまん延したおかげで埋もれてしまっている才能、個人っていう存在もあるかもです。
学芸会方式エンターテインメント。将来の可能性を楽しむ。一緒に成長する感覚を味わう。なんとなれば自分が見出して育て上げたっていう満足感を期待する。
なにせ、観客たちが集まる前に、既にアイドルグループが存在しているんですからね。グループに参加できた時点でアイドル決定。アイドルになるっていう言葉の本末転倒具合に誰も疑問を口にしない日本のメディア。キャスティングへの忖度もあったとか、なかったとか。
でね、グランドホテル方式っていわれるような作品って、出てくる人たちが、いわゆる大御所、人気スターばっかりっていう魅力の出し方でしたよね。そこが学芸会方式とは大きく違うところで、集団ではありますが、みんな、正真正銘のスター、アイドルだっていうことです。
スターとかアイドルって、自分が宣言してなるもんじゃないんです。本来はね。
グランドホテル方式っていう名前の基になった1932年のハリウッド映画「グランドホテル」
グレタ・ガルボ(1905~1990)
ジョン・バリモア(1882~1942)
ジョーン・クロフォード(1904~1977)
ウォーレス・ビアリー(1885~1949)
ライオネル・バリモア(1878~1954)
が出てくるんですよね。もちろんオンタイムで知っている役者さんたちじゃないですけど、映画好きなら誰でも知っているビッグネームばっかりです。
一方、日本映画でグランドホテル方式、群像劇って評価されているのは、1937年、山中貞雄監督の「人情紙風船」
ゴージャスなグランドホテルとは打って変わって、江戸時代の貧乏長屋が舞台になっていますが、名画ですね。それぞれの人生をそれぞれが生きていくんですよね。
紙風船、人情紙風船っていうタイトルが観終わってからしみじみと滲みてくる、秀逸さです。今でも探せば観ることが可能な映画だと思います。
主役らしい主役なんて置かなくたって、ちゃんと成り立つんだよ、っていう声が聞こえてきそうですけれど、これはですね、群像劇の名作は圧倒的に少ないことをもってしても分かるように、難しいんです。
主役はいないくたって作品の魅力で勝負。
でもそれは、商売的にツライ、ってことになっちゃうみたいです。「人情紙風船」は役者のスター性じゃなくって無名性で成り立っているっていうことも出来そうです。
個人的にはグランドホテルよりも人情紙風船に軍配を上げたくなりますねえ。日本映画ですし。
テレビドラマ、1983年から1997年に放送された、山田太一の「ふぞろいの林檎たち」
みごとな群像劇で、人気を博しましたですねえ。
1986年「男女7人夏物語」1987年「男女7人秋物語」も人気が出ました。こちらは鎌田敏夫ですね。
思い起こせばテレビドラマのいろいろな作品が支持されていた頃からずいぶんな時間が経っています。
世の中は人情におかまいなく進んで、変化していきます。
AI技術が進んで、人間の役者は、生きている人も既に亡くなっている人も、映像データとしての存在がありさえすれば動きを伴った演技映像を作れるってことになって、役者不要ってことになっちゃうんじゃないかっていう声も出始めている昨今ですが、どうなっていくんでしょうね。
グレタ・ガルボやグランドホテルの出演者たちをAI製作して、21世紀のハリウッド映画に登場させたとして、往時の魅力がそのまま21世紀に通じるとは思えませんし、生きている役者さんたちの醸し出している空気感、みたいなものまでAIが作り出せるのかどうか、かなり疑問です。
はい、そです。けっこう悪意的に捉えておりますけどね。AIを利用した映画作り、小説、舞台づくりね。
いずれにしても、いきなりむしかえしますが、38年ぶりの阪神日本一。これがトリガーになって、日本のエンターテインメントも、再度変っていくのかもです。力を失っていく方向から回復してく方向へ。商売第一から純粋な芸術鑑賞へ。
これまでのアイドル路線をアレンジしたものではあっても、やっぱり主役を絞らせない構成で行くのか。しっかり探し出して、準備して、ハッキリした主役を置くことが主流になっていくのか。
映画もドラマも代理店方式じゃなくって、自分でやらないとダメでしょねえ。
新たなムーブメント。主役が柱になるのか、主役候補を集めるのか。
21世紀の第2四半期に向かって、さあどうする日本!
っていう阪神フィーバーからは全く離れたことなのか、意外に近いことなのか判断できませんが、「主役ナシ」っていうのが食べもの業界で広まりつつあるって話があるんでございますよ。
「主役ナシ」「主役ヌキ」です。知ってました?
まずはエースコックの「わかめラー 麺なし」
なんやねんそれ!? ってことになりますよねえ。
「お前はどこのワカメじゃ」で有名なエースコックのわかめラーメンですよ。それの新製品。だけど、ラーメンなんだけど、麺は入ってないよ。麺なしラーメンだよって、どゆことやねん!?
「わかめラーメンのアイデンティティーであるワカメに特化した」っていうのがエースコックの声だそうですが、主役の麺をなくしちゃえ! っていう発想の根本には、抗いがたい時流っていうものの存在が。。。
それは誰にも分からないでしょねえ。無意識の意識、みたいなもんってホントに在る、ような気もします。
でも、実はこの「わかめラー 麺なし」っていう商品は2020年、2021年にも限定販売していて、人気、支持の実績はつかんだうえでの定番商品新発売、なんだそうであります。
しょうゆベースのオイスタースープ、味付きメンマ、コーン。そして通常の4倍のわかめ。
ふううん。だいたい200円ちょっと。ふううん。ではあります。未体験。
次は、サラダコスモっていう会社がペヤングとコラボした「ペヤングやきそば風もやし炒め」
こちらもやっぱり「麺なし」
麺のない焼きそば、ふ~、もやし炒め。
キャベツ、ニンジン、ニラ。そして麺の代わりに「緑豆もやし」
カップ麺方式じゃなくって、フライパンで炒めて作るタイプ、だそうです。
150円ぐらい。ま、「わかめラー 麺なし」もそうですけど、希望小売価格ってヤツですからね、店によって違うでしょうけど、だいたいそんなお値段。
ふううん。健康志向ではありますよね。麺なし焼きそば、風~。ふううん。
そんでもってですね、東京の西の方にはですね、立川市っていうところがありまして、そこに「立川マシマシ」っていうラーメン屋さんがあるんだそうです。
そこのね、メニュー「麺なしラーメンライス」
チャーシュー、豚しゃぶ、キャベツ。そして、やっぱり大量の「もやし」で、ライスは500グラムまで同一料金。
2023年時点で1100円。
ふううん。ライス、500グラムって相当ですよねえ。
麺を摂らないっていう健康志向かっていうと、ライスは大量に摂取するんで、ん~、って感じですけど。ごはん好きにはタマラン! っていうメニューなんでしょねえ。
ま、無理して500グラムとか注文しなくたっていいわけですけど。っていうか、そんなに食べられませんって!
主役っていう意味では、日本人にとって、麺よりごはんが主役でしょ。麺なしラーメンライスは主役復活でしょ。かもしれません。
阪神ファンのみなさん。日本一、おめでとうございます。日本の世の中、世界中、何事もこれをきっかけに好転してくれますように、御祈念させていただきますです!