< インド洋にある「IOGL(インド洋ジオイド低域)(重力の穴)」は日本の8倍の広さ >
体重計の話からです。
たいていの家庭にありますよね。お風呂場、洗面所なんかに置いてある。
体重計って、ダイエットだとか健康管理だとか、いろいろと頼っている機械なんじゃないでしょうか。ま、機械っていうほど大袈裟なものじゃないですけどね。
特に女性は日々の気分にさえ影響を与えている生活必需品としての存在感が大きいのかもしれません。
昔の体重計ってバネ式で針が円運動して数値を示すやつか、数値の書いてある円盤の方が回ってラインのところで計測するっていう、なんともアナログそのものの動きだったですよね。
今、思い出してみますとけっこうカワイイ感じもします。
ザックリ言ってしまえば人間も荷物も同じ測り方でした。
でも最近、っていうかだいぶ前からですけど、体重計もデジタルになって、有無を言わせぬ小数点以下1桁ぐらいの数値表示です。
体重だけじゃなくって体脂肪率だとか骨量だとか、いろんな数値も示してくれますよね。
ま、そうした機能拡張を大きなお世話に感じちゃってる向きもあるんでしょうけど、体重計はいつの間にか現代人にとって重要な健康管理グッズになっているわけです。
人体の仕組みがいろいろと解明されてきているからこその様々な計測結果が、体重計に乗っかるだけで知ることができるんですから、感謝、ですよねえ。
そうした新しい体重計の恩恵を受けるためには、様々な計測結果をその人個人専用に計算する必要があるので、根拠となるパラメータを予め入力しないといけませんです。
身長、年齢だとかですね。
で、最近の体重計では使用する地域を入力しなければならないものがあります。
どこで使うんですかっていうパラメータ。けっこうコーキューな体重計ね。
個人の身体に関連する身長、年齢を入力するのは直感的に理解できますけど、なんで住んでる場所を入力しなければいけないのか。
それはですね、体重計を置く土地の「重力」の強さを計測結果に反映させるためなんであります。
ちょっと驚きなんですが、地球の重力っていうのは場所によって違うんだそうです。
重力の強い地域では、より強く地球に引っ張られますので体重が増えちゃうわけです。
なので精確な体重を計測するためにその土地の重力の強さを勘案する必要がある、ってことなんですね。
さすがのタニタでも、体重計をおくだけでその土地の重力を計測できるまでには至ってないんですが、どの地域がどれくらいの重力なのかっていうデータはあるので、それを利用する。
専用の衛星で計測した重力地図(ジオイド)っていうのがあるんです。
日本に限って見てみますと、東日本、北日本の重力が高い。3.11で被害を受けた地域が高いっていうのはなんか関連があるのかないのか、ちょっと気になります。
もちろん地球レベルでキチンと計測されていて重力世界地図っていうのもあります。
青いところが重力の低いところ。赤いところが重力の高いところです。

インドの先っぽを含む広い面積が青くなっています。
これが「IOGL(インド洋ジオイド低域)」で俗に「重力の穴」って呼ばれているエリア。
面積は300万平方キロメートル。
日本の面積は37万8千平方キロメートルですから、日本の面積の8倍もあります。
行ったことはありませんので、どんなふうに窪んでいるのか分かりませんですね。調べてみても窪み方の詳細は見つかりませんでした。
窪んでいるその縁が突然90m、106m凹んでいるわけじゃないと思うんですが、どんぶり型に凹んでいるんでしょうかね。
この重力の穴を通る船はジェットコースターのように落ち込んで進んでいくのか、それともこの凹んだ海域は通らないようにして航海しているんでしょうか。日本の船もよく通っている海粋なはずですけど、海が凹んでいるって話は聞いたことが無いです。
なんにしても海面が一様じゃないっていうのはかなり不思議ですよね。
重力の高い場所の海、大西洋とインドネシアの辺りでは重力によって海の水が引き寄せられているから海面が盛り上がっている。
そして重力の低いインド洋の重力の穴の海は凹んでいる。
なんでやねん!?
オランダの地球物理学者「フェリックス・ベニング・マイネス(1887~1966)」が1923年から1929年に小型潜水艦を使った海洋の重力測定を行って、その結果を1948年に発表して以来、なんで凹んでいるのか大いなる謎だったわけですが、世界の七不思議には数えられていませんですね。
スイスに本拠を置く「新世界七不思議財団」っていう組織があって、2007年に「新・世界七不思議」っていうのを選出しています。
昔から世界の七不思議っていうには人間の建造物でしたけど、2007年時点での「新・世界七不思議」
◇中国の万里の長城
◇ヨルダンのペトラ
◇イタリアのコロッセオ
◇メキシコのピラミッド
◇ペルーのマチュ・ピチュ
◇インドのタージ・マハル
◇ブラジルのキリスト像
重力の穴は建造物じゃないですからね、候補にすらなってないんでしょう。
と思ったら、新世界七不思議財団は「新・世界七不思議 自然版」っていうのも選出しているんでした。
◇アルゼンチン・ブラジルのイグアスの滝
◇韓国の済州島
◇インドネシアのコモド島
◇フィリピンのプエルト・プリンセサ地底河川
知らんなあっていうのもありますけど、重力の穴だって選ばれていてよさそうにも思えますけどねえ。
ま、とにかく大きな謎であった重力の穴ですが、2023年に謎が解明されているんですね。
1つの巨大大陸だった「パンゲア大陸」が分裂し始めて、北半球のローラシア大陸と南半球のゴンドワナ大陸に分裂していた時期、その2つの大陸に挟まれていた海を「テチス海」っていうんだそうですが、テチス海のプレートが地球の深いところまで沈み込んでしまって地球のコアの部分から発せられている重力を弱めてしまっている。
ん~。
解明って言ってますけど、これまでなかった新たな説が登場したっていうだけのような気もします。
証明のしようもないんでしょうけど、素人には反論のしようもないですねえ。
重力自体をちっとも理解できていないのに、重力穴の謎なんて、ま、分かるわけないのでした。
素粒子の間に相互にはたらく基本的な相互作用、自然界の4つのチカラは強い順に「強いチカラ」「弱いチカラ」「電磁気力」「重力」ってことで、重力が一番弱いんですね。
っていってもですよ、地球に生き物たちを張り付かせていて、海も張り付かせているチカラ。生活しながら地球の重力を感じることはありませんけど、改めて考えてみますと、とんでもなく強いように思えます。
グラヴィティ。魅力的な響きの言葉ですね。
ちなみに、1973年に発表されたトマス・ピンチョンの長編小説「重力の虹」は、書き上げた時点ではタイトルが決まっていなくて、編集者と話し合って決まったそうなんですね。
重力の穴も不思議ですけど、トマス・ピンチョンっていう作家も不思議です。
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