< ダークマター 暗黒物質って めっちゃ軽いヤツってことらしい予測の確からしさ >
ここ20年ぐらいで一気に進化したらしい宇宙科学なんですけど、一般人にも解りやすく、なんていう書籍もけっこう出てますよね。
ウェブ上でも解説ページって、たくさんあります。
で、結局、突き詰めて言えば、今現在で解っているのはここまでです、ってことなんですよね。
あるいは、こういう可能性があるんで、こういう実験をして確かめようとしています、っていうもの。
宇宙の真理なんて、永遠に解るわけないよ、なんていう極端な意見もあります。
途中段階って言いますか、ま、まだ端緒に着いたばっかり、って段階なのかもですね。
どのジャンルに限らず、専門分野っていうのは、そこに関係していない者にとって、興味はあっても理解の及ばないものになっているんでしょうね。
コンピュータ業界の最先端のことにしてもそうですけど、作る側と使う側とに、リテラシーの共有なんてほぼありませんもんね。そういう状態になっちゃってます。
宇宙科学のように、まず理論があって、それを実証していくっていうようなジャンルですと、なおのこと単語の理解度からして、一般レベルじゃ、どうにもねえ、って感じかもしれません。
宇宙のことなんて、解っていないことの方が多いんでしょうからね。
例えばですね、地球がなんで自転しているのか。
小惑星同士が衝突した時に、お互いに少し中心位置からズレた状態でぶつかったんで、そこに自転の回転が出来たんですよお。
ホンマカイナ、ソウカイナ。
でもさあ、太陽系の惑星のほとんどが同じ方向に回転しているのって、ちょっと不自然じゃないですか?
宇宙は宇宙なので、自然じゃないんですよお。だから、不、自然、なんてないんですよお。
へええ、って納得イカンわ!
じゃあ、なんで公転してんの?
それは例えば太陽系の場合で言いますと、太陽の周りを回っていたガスがですね……。
あのね、それじゃ説明にならんでしょ!
じゃあ、なんでガスが太陽の周りを回転してたんですか?
太陽の自転に引きずられるんでしょうねえ。
お! ってことは、太陽も惑星同士がぶつかって出来たってこと?
それはですね、知らんがな!
ってあたりに落ち着くんでしょうかね。知らんけど。
ま、とにかく宇宙はみ~んな回転してんですよね。
なんでだか解っていないにしても、とにかく、猛スピードで回転してる。
太陽系が天の川銀河の中を公転しているスピードは、秒速220キロメートルだそうです。秒速ですよ。
天の川銀河の中心にあるのはブラックホールだろうっていうことなんですけど、ブラックホールっていうのも天体には違いないわけで、やっぱり自転しているんだそうですね。
しかもその自転のスピードっていうのがとんでもなくて、今まで観測されているブラックホールの中で最も早い自転速度は、秒速30万キロメートル。遅いものでも秒速15万キロメートル。
あのですね、秒速30万キロメートルって光速ですよ。光の速さ。ホントなの?
秒速220キロメートルなんていう太陽系の公転スピードに驚いてちゃイカンみたいですねえ。
ま、なんにしても秒速220キロメートルで太陽系を振り回している格好の天の川銀河の中心って、ブラックホールなんですねえ。
としますとね、グルグル振り回しているわけですから、何かで繋がっていないと、遠心力で吹っ飛んじゃいますよね、太陽系。他の星たちも。
何でつながっているのか。
そりゃもう、星同士の重力でしょう、ってことで、天の川銀河の星の数を計測したんだそうです。
言葉で表せば銀河の星の数を計測しましたって、簡単に言えちゃいますけど、これはこれで凄いことですよね。
でも、そういうことが出来るレベルにまでは来ているんですね。現段階の宇宙科学。
で、その星の数の計測の結果、秒速220キロメートルで飛んでいる太陽系たちをつなぎとめておけるほどの数がない、って結論に達した。
あれ? こんな数しかないと、太陽系、吹っ飛んでいっちゃうよ。ってことです。
いやいや、実際に吹っ飛んでないんだから、なにかあるでしょ。
ってことで「理論的に」考え出されているのが「ダークマター」暗黒物質ってことなんだそうですね。
見つかっていない。観測できてはいないんだけれども、あるはず。
2009年にヨーロッパ宇宙機関(ESA)が打ち上げた宇宙望遠鏡「プランク」の観測結果が、2013年に発表されているんですが、それによりますと、宇宙は、ほぼ見えていないってことになっています。
我々の目に見えているもの、計測できているものは、言ってみれば全てが原子から出来ている物質なわけですが、その割合は宇宙全体の4.9%しかないんだそうです。
49%じゃなくって、4.9%。
なあんも見えてないじゃん、ちっとも計測できてないじゃん、ってことなんですね。
そして、天の川銀河から太陽系が、太陽系から地球が、吹っ飛んでいかないように重力でつないでくれているはずのダークマターの割合が26.8%。
目に見えている物質より、圧倒的なボリュームってことですね。
にしても、宇宙全体からしたら、目に見えている物質と、目に見えないダークマターを足しても、31.7%にしかなりませんよ。
ここで新たに出てくるのが「ダークエネルギー」ってやつです。暗黒エネルギー。
これも、あるはずっていう、確認されていないものなんですね。
ビッグバンによって急拡大した宇宙は、全体として重力によってやがて収縮に向かうはずって思われていたんですが、1998年の観測結果によって、宇宙の膨張は加速度的に進んでいるっていうことが分かったんですよね。
宇宙には、星同士の、銀河同士の重力に反するチカラが存在しているはず。
それがダークエネルギー。宇宙全体の68.3%を占めているんだそうですよ。
なんだか分かるような分からないような話。って思っちゃいます。エネルギーねえ。
重力に反するチカラなんだとしたら、なんでそれが銀河っていう単位にしか働かないのか。
太陽系の中にも働いているとしたら、地球の安定軌道ってなくなっちゃうようにも思いますけどね。
まだまだこれからの研究調査の対象ってことなんでしょうけどね。
それにしてもですね、21世紀時点で人類が認識している宇宙の95.1%がダークですよ。
地球上の生命っていうのも不思議ですけど、宇宙っていうのは輪をかけて神秘なんですね。
ダークマターは重力を持っているって考えられていますんで、宇宙のところどころに塊りとして存在している、はず。
ダークエネルギーは宇宙全体に均等に分布している、はず。
個人的には、ダークエネルギーの方が圧倒的に納得いかないですけどね。
1970年代には未知のものではあっても、重い素粒子だろうって考えられていたダークマターなんですが、宇宙観測結果としての「重力レンズ効果」っていう時空の歪みを、うまく説明できないんだそうですね。重い素粒子だと。
まあね、まだ正体をつかむっていう段階まで全然至っていないダークマターですから、いろんな説が出ているみたいですけど、「アクシオン」っていう超軽量粒子なんじゃないかっていう説が今のところ有力みたなんですよねえ。
アクシオンっていうのがまた、仮説上の素粒子なんだそうで、他にもいくつかダークマターの候補っていうのはあるみたいです。
未発見とはいうものの、様々な観測結果から、アクシオンは電子の1億分の1以下の質量だろうって予測されているんだそうです。
電子の質量っていうのは既に計測されていましてね、
「9.109 × 10のマイナス28乗 グラム」
アクシオンは、それの1億分の1以下。
はい、もう手に負えませんです。っていうか実感できる数値じゃないですよね。
宇宙はスカスカの空間っていうイメージ、もう時代遅れですよって言われましてもね、目に見えないし、様々な機器を使っても計測できない存在って、なんなんでしょ。
95.1%がね、不明な宇宙。
どうしましょ。って、どうもせんでエエねん! どうにか出来るもん、ちゃうやろ!
はい~。その通りでございますう。