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【月見そば】の旨い食べ方は白身の扱いが勝負 立ちそば月見イケてます

<名月や 座に美しき 顔もなし 芭蕉 月見そば>

月見といえば、昔はそういう儀式的な催し事が正式にあったわけで、風流でさアね。

 

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「風流」っていまや死語、なんでしょうか。あまり聞かなくなりました。風流ですねえ、とか、言わない。
そもそも風流ってことが日々の暮らしから無くなくなってしまったんでしょうか。


ちと調べてみました。
ウィキくんによりますと、風流とは、日本の美意識の一つで、人目を驚かすために華美な趣向を凝らした意匠を指す、んだそうで、婆娑羅や数寄とともに、侘び・寂びと対峙する存在として認識された、だそうです。


そですか、って感じです。
どっちかというと侘び・寂びの方に近いイメージだったんですが、婆娑羅とか数寄者とかの仲間だったんですね。風流ってアクティブ?
ということは、月見って風流とは言わないのかも、ですね。ふうん。。。


なんかね、時々、ウィキくんって、ホントカヨってこともあるんですけれね。個々人の編集だから仕方ないですね。


で、しばらく見上げていた月から目を戻して、周りを見回してみれば、月の美しさに比べて、なんと美しくない人ばっかり、という芭蕉さんですが、それって、上ばっかり見てて首に負担がかかって、脊髄の視神経かなんかヤラレちゃったんでないの?
それとも酔っ払いのシャレ、みたいな句なの?


知らんけど、って要らない突っ込みをしておいて、はい、はい、目を下に向けるほうの月見の話を。


目の下に見おろす、どんぶりの中の、月。
月見そばです。

 

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風流じゃなくって、侘び・寂びですか。月見そばにはですね、一応、定義とかあったりするんですよ。


雲に見立てた海苔、が乗っかっていないそばに生卵を落としても、それは月見とは言わない。ぎょく落とし、とか言うんだそう。
へええ。

 

 

 


月に叢雲ってことで、雲に見立てた海苔、あるいはとろろ昆布とかワカメとかが一緒じゃないと正式な月見そばじゃない。
へええ。


いろいろねえ、馴染の食べ物の名前にも、謂れとか定義とかあるんですねえ。それはそれで楽しい、とも言える、のかもです。


このところ遠のいてますが、立ちそばの月見。


駅ナカとか駅チカとかで食事、しなくなってますよねえ。
どうっだったかなあ、生卵のほかに、そういえばワカメが乗っていたかも、海苔じゃなかった気がするなあ、というおぼろげな記憶。


町そばの店で月見とか、そういえば食べないかも。
ま、全く個人的な事情ではありますが。


でもおそらく、町そばで月見を注文すれば、間違いなく海苔が乗っているだろうと思います。もみ海苔とかきざみ海苔じゃなくって、少なくとも味付き海苔の大きさ以上に切った、ちゃんとした海苔。


ラクモ、だったのかあ。海苔、一枚でもムラクモ。ん~、もともとたくさんの海藻が集まって出来てるんだから、イイのか。
叢雲ね。


どんぶりものってなんでもあり、みたいな感じがしないでもないけれど、そういう伝統的なこと、仕来たりとかって、町中華より町そばの方がこだわって守っている気がします。


でも立ちそばはどうかなあ。
別に見くだすというわけではなく、月見の仕来たりを守るという意識じゃなくって、卵だけだと寂しいから、ワカメも盛り付けてみました。ぐらいの感じの方が馴染めるなあ、という感じがするデス。
寂しいから、っていうと、寂び、に通じるものが、、、ん~、違うかな。


で、本題。
立ちそばの月見、どうやって食べてますか?

 

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黄身を最初につぶしちゃって、ツユを濁られせてから食べる、って人もいます。


なんかね、なんかさ。。。
いえいえ、それぞれの好みですからね、特に反対はいたしません。
反対はいたしませんが、それってバツ、な気がするわけです。
だってさあ、月、見てないじゃん。
はい、それだけのことであります。


そばの上の月なんて一瞬だけ見れば充分じゃん、とおっしゃるのかもしれませんけれどね。


それと、問題は白身ですね。最初に黄身をつぶしちゃう人の場合、白身はツユと一緒にズルズル啜ってしまうパターンになりますよね。
あくまでも生卵として食すんですね。月としてじゃない。月には白身、ありませんですね。


白身は一連です。一塊です。ズルズル一回で全量啜るってことになるわけですよね。
いえいえ、それぞれの好みですからね、特に反対はいたしません。
反対はいたしませんが、それってナンダカナア、と思うのであります。


白身だけ啜って、ンまいのか? ねっとりの白身はツユの中の遺物でしかないんじゃないのか、と思うのであります。


そんでは、私家版月見そばの正しい食べ方、立ちそば編をば。大きなお世話なんではありますが、ま、ひとつよろしくお付き合いのほどを。

 

 

 


まず、ツユがアツアツの立ちそば店を探します。


客の回転をよくしようという企みから、ツユをぬるめにしている立ちそばもありますが、ダメです。いけません。立ちそばのツユは上あごが火傷するぐらいアツアツの店でなければいけません。
だいたいですね、ツユからも、茹で湯からも、湯気がモウモウとあがっている店こそが、正しい立ちそばなんです。


はい、お待ち、と出されたら、七味や一味をかけたり、ツユをアチアチと啜ってみたりする前に、割りばしで、月の上にそばを乗せます。月をツユの中に沈めるイメージです。


雲じゃなくってそばで、お月様に隠れていただくわけです。
そうしますと、月は白身とともに、そばの下に入って行きます。というか沈めるんですけどね。


下に入ってはいきますが、やっぱりね、月ですから、なにすんねん、と、にゅるっとそばの上に上ってきます。関西弁です。おそらくこの卵は関西方面から仕入れたものと思われます。


おお、よしよし。我が子を谷底に落とす親子獅子の気持ちで、またもや、月の上にそばを乗せます。
あくまでも黄身を傷つけてはいけません。でもたっぷりと乗せます。沈めます。
でも、またまた月は、なにすんねんと上ってきます。


たっぷり乗せて、なにすんねん。またまた乗せて、なにすんねん。
アツアツのうちにこうしているうちに、ふと気が付きます。
あれ? 白身はどこ行った?


そうなんです、たっぷり乗せて、なにすんねんをやっているうちに、白身は、黄身とお別れしてそばの上に上って来なくなるのです。
ホンマやでえ。


白身は、そばの下でアツアツのツユに、軽く煮られた状態になって、透明だったその姿を白く固めはじめているのです。
こうなれば割りばしで切れますし、つまみ上げることもできます。
はい、正しい立ちそば月見の完成です。
1分もかかりません。
月に白雲という状態になります。


繰り返しますが、立ちそばはアツアツでなければいけません。絶対です。
月を鑑賞しながらそばを啜って行きます。
白く味わい深くなった白身をつまみます。
ツユをいただいて、そばを啜って。
そばの量が半分以下になったら、サッと月を割ってすかさずそばにからめて口の中へ。
このタイミングとこの素早さがコツです。


月の残りも次々に、そばでからめ取って、月見そばの醍醐味を味わいます。
立ちそばのそばって、こうして食べるのが一番ンまい食べ方だと思います。そもそも立ちそばの麺っていうのはですね、ん~、ま、話を進めましょう。


以上のような食べ方で、なるべくツユを濁らせないように食べ終わります。
満足して一句。
立ちそばや 十月八日は そばの日です
……、おそまつ。。。
おあとがよろしいようで。

 

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これは うどん

 

<月見そばの身体に旨い満足度>

月見そばは、町そばで食べると、卵のほかにかまぼことか、いんげんが入っていたりとかすることもありますが、ま、勝負は卵の新鮮さでしょうね。


卵の黄身に含まれるコリンと呼ばれる脂質は、脳を活性化してくれ、卵白に含まれるリゾチームという酵素は、風邪薬にも使われている成分で、体内の有害ウイルスを溶かしてくれるんだそう。


脳の活性化を促し、認知症対策にも良いという卵。月見でおいしくいただきましょう。

 

<月見そばの心に旨い満足度>

立ちそばのイイところは、いつまでもズルズル長居するんじゃないよ、という空気感。


でもなあ、最近は意味なくボーッとして長居している奴、居ますねえ。
そばをすする音も、そういう奴はンまそうじゃない。ヌーハラ野郎です。
サクッと注文して、アイヨっと出されたら、ハイっと受け取って、ササっと啜って、ツユも適度に飲んで、ごちそうさん
こういう食べ方は、きっと心にイイです。
ん~、知らんけど。


立ちそばって、たまに食べてみるとニコニコできますよ。

 

<月見そばの酒のアテ満足度>

ん~、呑みながら月見そば食べている人、見たことは、ないです。
やるとしたら、そばを食べながら、水やお茶の代わりとしてのビール、とかでしょうか。

 

<月見そばの酒の〆満足度>

これはけっこう居ますよ。
〆にラーメン行こうか。いやいや、ラーメン気分じゃないなあ。
じゃ、牛丼。いやいや、牛丼気分とか、なったことないなあ。
じゃ、なに?
そばでしょ。という人。


月見そばじゃないですけど、〆のセイロを定番にしている居酒屋さん、ありましたよね。
今でもあるのかな?


コロナ、早く消えて欲しいですねえ。

 

 

 

<ンまい立ちそば 月見そば どこで食べますか?>

ライターの平松洋子さんが立ちそばの本を出していますね。「そばですよ」本の雑誌社
立ちそばって、駅のホームからどんどん消えてしまっていますが、駅近にはまだまだあります。平松さんの紹介に負けない、ンまい立ちそば、お勧めを教えてください。


立ちそばって言い方、この本で知りました。それまでは立ち食いっていってましたが、立ちそばって、ほほう、イイ言い方かもねえ、ということで、それ以来使わせていただいております。


立ちそば。
どうでしょう。コーヒーと缶コーヒーは同じジャンルとして考えちゃいけない、なんということを言いますが、そばと立ちそばも、そういう捉え方が適切なのかもです。


でも、そばとは違う食べものだとしても、イイんです。ンまい店、ありますよね。

 

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