< 身の回りに2人もいるですよ りんごアレルギーの大人 と 魚介アレルギーの大人 >
21世紀の子どもたちはアレルギー症状に悩まされる率が高いんだそうですね。
「アレルギー・マーチ」なんていう言い方もあります。
赤ちゃんの頃の「アトピー性皮膚炎」
赤ちゃん本人も痒がったりする場合もあって、クスリもそんなに強いのを処方するわけにもいかないし、乳母車を押す親御さんがハラハラしているところを、たびたび見かけます。
アトピー性皮膚炎の赤ちゃんが多くなってきているのも、やっぱり空気中のアレルゲン物質が原因なんだそうです。
この世に生まれてきて、昔むかし、空気がキレイだった頃のままの人間の免疫系では対処しにくい生活環境ってことなんでしょうかね。
今はね、なんだかなあ、っていう21世紀のヨロシクナイ空気の中で、我々は暮らしているわけです。
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎がどうにか治まってきたかっていうころに、離乳食の段階になって、なんと今度は「食物アレルギー」です。
湿疹が出来たりなんかして、牛乳がダメ、たまごがダメって、赤ちゃんの食べものを用意する方も大変です。
でもまあ、たいていの場合、牛乳、たまごの食物アレルギーは次第に治っていきますね。
自然にっていう場合もあるそうですし、治療技術もこのところ急速に進んでいるんだそうです。
で、食物アレルギーも克服してやれやれって思っていると、今度は「気管支喘息」にやられちゃったりするんですね。「アレルギー性鼻炎」だとか。
こうして次々にアレルギー疾患にみまわれることを「アレルギー・マーチ」って言うんだそうです。
そんなに続けてなっちゃうんだったら、子どもを無菌室で育てればイイのかっていうと、さにあらず。
いろんなアレルゲンに触れることによって獲得される免疫機能もあるわけで、これから生きていくうえでの試練ってことで、子どものアレルギー症状に出来るだけ早く気付いて、治療しながらやり過ごしていくのがベストなようです。
にしても、アレルギー・マーチだとか、ヤな言葉ですよね。
子どものアレルギーのうち半数以上が牛乳とたまごの食物アレルギーだそうですけど、日本では青年期になると減っていく傾向で、ひとまずはアレルギー・マーチからは脱却できるみたいです。
欧米の子どものアレルギーは、ピーナッツが多いみたいで、国民性っていうか食文化の違いっていうのが大きな影響を持っているんでしょうね。
で、青年期を経てアレルギーから解放されるかっていいますと、大人になってからのアレルギー、現代病とも言われているのが「花粉症」
ヤですねえ。でも、みんな花粉症ですよね。スギ花粉アレルギーっていうのが多いんです。
でもですね、これ、昔はなかったように思いませんか?
花粉症の人って、そりゃあ昔もいたのかもですけど、今みたいに、あの人もこの人もって感じで、やたらたくさんいる感じじゃなかったですよね。
1980年代の調査では1割、あるいは2割弱程度だった花粉症患者が、2016年の調査では日本人の半数が花粉症だっていう統計情報になってしまっています。2人に1人ですよ。ヤあねえ。
なんでまたこんなに花粉症になっちゃう人が増えているのか。
いろんな説があるみたいですけど、例えばスギ花粉は、そのままの「キレイ」な状態の大きさであれば、人間の呼吸器の奥までは入って来れないんだそうですよ。
つまり、昔からスギ花粉は飛んでいたんだけれども、キレイな状態のままだったから、人間の呼吸器の奥まで入って来れなくって、その結果、花粉症患者は少なかった。
でも今は、人間の生活空間が汚れている。ってことになるわけです。
排気ガス、炭素物質、金属微粒子、黄砂、PM2.5だとか、いろいろニュースになっていますよね。そういう大気汚染物質が花粉を破壊するんだそうです。
細かくなった花粉のアレルゲンが呼吸器の奥深くに入り込んで、花粉症になっちゃう。
ってことはですね、大気汚染物質がなければ、こんなに花粉症患者が増えることはないんでしょうね。
大人のアレルギーの代表、花粉症。現代特有の病だって言われる由縁でしょう。
そんでですね、花粉症っていうのもスギだけじゃなくって、ヒノキ、ブタクサとかいろんな花粉があって、対処方法として、ひと口に花粉症って括れるものなかどうかも微妙みたいですよね。
今までに決定的な治療法っていうのが、出てきては消えていくっていうような印象があります。
でもね、研究は着実に進んでいるみたいなんです。
コロナもそうですけど、なかなかね、医学が現状に追い付くのって簡単じゃないですよね。
いろいろ研究しているセンセ方には、がんばっていただきたいところです。
で、知り合いのクロさんっていう60代半ばのオッサンがですね、「りんごアレルギー」っていう聞いたことのない食物アレルギーになったんです。
呑み仲間なんですけど、突然ですよ。
りんごを食べると口の中がめっちゃ痒くなる。
あのねえ、クロさん。そんなヤツいねえよ。
とか言って、かなりカラカイ気味に受け止めていたんですけど、病院でそう診断されたんだそうです。
なして? りんご?
クロさん当人にしてみれば真剣ですからね、いろいろ調べまくって、何軒もの病院を訪ねたんだそうです。
「りんごの食物アレルギーです」
「え? なんででしょうか?」
「あなた、花粉症ですよね。シラカバ花粉症」
「え? いや、シラカバ? なに?」
って感じで、クロさんはたしかに花粉症で、毎年梅雨前になるとグズグズになっていたんですね。
でも、シラカバ? って思ったら、クロさん、北海道出身。
「そうそう、北海道にいる時から花粉症なんだよねえ」
むむう。北海道では知られているんでしょうかね、シラカバ花粉症。初めて聞きました。
ってことは北海道の空気も大気汚染物質にやられているってこと?
自然の風が吹いてクリーンなイメージの北海道ですけど、そですか、大気汚染にやられている場所もあるんですねえ。
シラカバのアレルゲン物質と、りんごのアレルゲン物質が似ているんだそうです。
身体の中の免疫系が、りんごのアレルゲン物質が入って来ると、あ、シラカバ、来やがったなっていうんでお仕事しちゃう。それでクロさんに食物アレルギーの症状が出る。
「交差反応」っていう現象。
なるほどねえ。
いや、クロさん当人にすれば、なるほどじゃねえわ! なにが交差反応じゃ! ってことでしょけどねえ。
モモだとかのバラ科の果実全般は避けた方がイイらしいです。
今のところ、治療方法が確立されていなくって、大人の食物アレルギーは治りにくい、っていう段階。
で、クロさんとは別の呑み屋のお知り合い、マリちゃん。
この人が突然「魚介アレルギー」になっちゃいましたとさ。
酒呑みなのに、魚介食べちゃダメよ、ってかなりキツイですよね。
で、この「魚介アレルギー」っていうのは、ほぼ何も解っていないアレルギーなんだそうです。
魚介類の持っているアレルゲンが、繰り返し皮膚から侵入してくることによってアレルギー反応が起こることが確認されているんだそうですけど、触らないよお、食べるだけだよお、のマリちゃん。
そういう人も多いってことで、まだよく解りませんっていう現状なんだそうです。
皮膚にポツポツが出るんだそうですけど、それは軽傷で、ひどくなるとアナフィラキシーショックが出て、呼吸困難になっちゃうこともあるんで、気を付けて、って言われている。
ひょえ~、怖いです。
気を付けるってったって、要するに魚介を食べない、近寄らない、ってことぐらいしか出来ないでしょねえ。
クロさんの場合のシラカバ花粉症みたいな、交差反応っていうのがあるのかもですけど、そういうのもまだ見つかっていない。
そういうの、けっこうあるんでしょうね。大人の食物アレルギー。
海でくらげに刺されることの多いサーファーなんかがかかっちゃう、納豆アレルギー。
納豆のアレルゲンがくらげ毒のアレルゲンと交差反応するってことですね。
なんか、意外な組み合わせが交差反応の正体みたいです。
交差反応が解れば、治療方法の研究が進む。今はその前段階ってことですんで、そういう食物アレルギーになっちゃった人は、アナフィラキシー症状が出ないように「気を付ける」ってことみたいです。
ツラいですねえ。
飼っているペットに寄生しているダニに噛まれることによって起きる、肉アレルギーっていうのもあるんだそうです。
実態が解り始めたばかりの、交差反応。
コロナ感染患者の治療の様子はしょっちゅうニュース映像で見ました。
まあ、コロナ治療に限らずなんですけど、医療関係者は使い捨てのラテックス手袋を使ってますよね。
ラテックスのアレルゲンっていうのもあるんだそうで、それが皮膚から入って来る。
で、ラテックスアレルギーの人は、果物アレルギーになっちゃう。
アボカド、バナナ、キウイだとかに交差反応。
ん~、って思いますけど、果物アレルギーの人はラテックスに交差反応が出るらしいんですよね。
逆もまた真なり。
交差反応って今まで全く知りませんでしたが、アレルギー、多過ぎませんか? あり過ぎる感じですねえ。
気を付けるって言ってもねえ、対処のしようもないですよ。
人類って、いろんなものと戦っていかないといけないんですねえ。
アレルゲンって、なんなんでしょ?
って考えるだけで、なにかのアレルゲンが寄って来そうな気もしますんで、何も考えない方がイイんでしょか?
アレルゲンのない食べものっていう研究も進んでいるらしいですけどねえ。
国は、いろんなアレルギー対策に予算を大きく割いていただきたいです。