<酒呑みだって気にはしてるんです 酔っぱらう前はね>
ちょっとでも体調を崩して病院へ行きますと、注射をしてもらったり、薬を処方してもらったりしますよね。
そういう時、まず間違いなく言われるのが、
「お酒は控えた方がイイですよ。タバコは止めた方がイイですよ」
お酒呑む方、言われますよね。タバコ吸う方、そうですよね。
まかり間違って入院とかいうことにでもなれば、当たり前のように禁酒禁煙です。
タバコはともかくですね、酒は百薬の長とかいわれるわりには、ワルモノ扱いですね。
患者に酒を勧めるお医者さんは、まずいません。自分自身が近所で有名な呑兵衛なお医者さんでも、酒を勧めたりはしませんね。
酒は百薬の長っていうのを、ちと調べてみるとですね、要は、適量があるってことなんですね。
適量。そりゃそうでしょねえ。なんだって適量がイイですよねえ。
で、その適量ってどれくらい? というのはすぐ後で言いますが、まあ、たっぷりなわけもなくてですね、世の中の“正しい”行ないってのは、たいていツマンナイもんです。
でもですね、その適量の酒であれば、呑まない人より、呑む人のほうが、総死亡率っていう値が低い。という事実。真実。
Jカーブっていうらしんですが、研究結果としてちゃんと発表されています。
死亡率っていうのは、一定人口に対する一定期間の間の死亡する割合。
酒を呑まない人の総死亡率を“1”とすると、酒を“適量”呑む人の総死亡率は“1未満”になるんだそうです。
縦軸が総死亡率、横軸が呑む酒の量ですから、酒の量ゼロから右に進むとカーブを描いて下がるってことです。
ほうら、酒は人の身体にとって、トッテモとってもイイものなんですねえ。
でも、適量。適量?
それでですね、横軸をどんどん右に進める。つまり酒の量を、摂取するアルコール量を増やしていきますとですね、あらら、総死亡率カーブが急上昇です。なので“Jカーブ”っていうらしいんです。
さてさて、肝心のその“適量”ですが、一日平均アルコール摂取量で1単位まで、だそうです。1単位?
こういう学会関係の発表というのは総じて回りくどいです。
正確を期すってことが目的の言葉遣いなんでしょうけれども、何かを、大切なメッセージを一般市民に伝える必要がある時には、メディアの翻訳を必要としてしまう。
その結果、メディアごとに、あるいはジャーナリストごとに解釈が違って伝えるべき内容がぼやけてしまう。
伝達すべきメッセージがスピーディに、直接的に伝わらない。一般市民にスムースに理解されない。
ってことはコロナで充分経験させていただきましたですね。
話がズレました。Jカーブです。酒の適量についてです。
具体的には、こんな感じ。
酒の適量っていうのは、アルコール摂取量で1単位まで。
アルコール摂取量1単位っていうのは、純アルコール量として20g。
まだ回りくどいですね。でもエライ人たちの言っている根拠を確認しながら理解するために、もうちょっとこのままいきますね。
純アルコール量っていうのは、酒に含まれるエタノール量だそうです。
エタノール。
酒精、っていうとなんかカッコイイ感じですが、このエタノールと呼ばれるアルコールが酒を酒として成り立たせているんですね。
で、酒呑みのみなさん。
「そういう理屈はいいからさあ、どれぐらい呑んだらイイの?」
ってことですよね。はい。計算してみました。
総死亡率を低く抑えられるアルコール摂取量1単位というのは、
「アルコール度数5のビールなら、500ml。中ビン1本」
「度数15の日本酒なら、167ml。1合足らず」
「度数40のウィスキーなら、62.5ml。ダブル1杯」
「度数14のワインなら、179ml。ほぼ1合」
「度数5の缶チューハイなら。500ml。ロング缶1本」
こんなところです。とっても少ないです。酒呑みにとってはイジメみたいな量です。それが適量ってヤツなんです。トホホです。
焼酎については、
「度数20なら、125ml。やく7勺」
「度数25なら、100ml。6勺足らず」
度数30というのもありますね、これなら「83.3ml。5勺足らず」です。
こんな量でオワリにする酒呑みって、居ます?
居るわけないですよね。
酒の量として“勺”とか使うなよ、って感じですよね。老婆心ながらこれ「シャク」と読みます。十勺で一合。
ね、少ない。とっても少ないです。
ただね、自分の身体を気遣って、長く酒を楽しむのであれば、この適量を意識して呑む、というのがイイことは証明されているってことなんです。
休肝日を設けて、1週間単位で管理するという方法が最も実現できそうですかね。
それってどういうことかっていいますと。
25度の焼酎をロックで呑む場合、たいていの店では一杯100mlぐらいですね。
メジャーカップで計量して出すお店だと、カップの大きい方の2杯で90mlぐらいになりますから、5勺となります。
でも私が通っているお店では、グラスに氷を入れて、一升瓶からトトトっと入れてくれますね。
目分量でほぼ6勺ってところだと思います。
キッチリ計る店より、こっちの方が好みです。はい。
これ1杯が“適量”です。
でもねえ、適量1杯で終わる酒呑みはいないですねえ。はい、居ません。
で、ここで1週間単位の適量計算についてです。
1週間単位で換算してみますと、25度の焼酎ロックは7杯まで呑めますよね。
1週間に焼酎ロックなら7杯で“適量”
普通に、1回の酒呑みで2杯から3杯呑むとすると、1週間に2回から3回呑める、という計算になります。7杯を2回、乃至3回に別けて呑むってことです。
そうすると、週のうち半分以上が休肝日。
どうなんでしょう。そういうペースで呑んでますか?
休肝日多すぎるじゃん。Jカーブとかって期待したけれどねえ、という結果になってしまいました。かね?
いえいえ、健康効果の話はここからなんです。
本格焼酎と泡盛に関してです。
以前は乙類といっていた焼酎と泡盛の話です。本格焼酎、泡盛は血栓症回避効果がある、という話なんです。
ドロドロ血、なんて言い方もありますよね。誰でも聞いたことがあると思います。
血の流れが悪くなって、やがて血栓ができて、心筋梗塞、脳梗塞、脳溢血だとか決定的な病気になる。
ざっくり言ってしまえば、本格焼酎と泡盛には、血栓を溶かす効果があるってことです。
本格焼酎と泡盛の成分のうち、何が血栓を溶かす働きを持っているのか、確定できてはいないらしいんですが、効果は確認されているということなんですね。
その効果はエタノールの働きによるものではないそうですので、沸騰させてアルコール分を飛ばして呑めば、酒を呑めない人にも効果があるんだそうです。
本格焼酎と泡盛は、ですよ。
血栓というのは、血管が傷ついてしまって血が止まらなくなるのを防ぐために、誰にでも自然に出来てしまうらしいんです。
それに対して、人体には血栓を溶かす成分を作り出して血の流れを滞らせない仕組みがあるということです。
その血栓を溶かす仕組みに経年疲労などで障害が出て、血栓のコントロールが出来なくなることによって血栓症という結果になってしまう。
で、その血栓を溶かしてくれるヘルプに本格焼酎と泡盛が活躍してくれる、という結果が確認されているということです。
イイじゃないですか。本格焼酎、泡盛。
というものの、実はほとんどの酒にあるそうです。血栓を溶かす効果。
でも、本格焼酎と泡盛は他の酒に比べて圧倒的に溶かす力が高いんだそうです。
ポリフェノールの多い赤ワインの1.5倍。
なかなかイイ奴じゃないですか、本格焼酎、泡盛。
さらにはなんと、善玉コレステロールを増やしてくれるらしいことも判っているんだそうです。
もちろんガブガブ呑んでは別の症状が出てきてしまうことになるんでしょうけれど、結構健康に役立ってくれるということですよね。
一日平均アルコール摂取量で1単位まで、という基準は守れそうにないとしても、クヨクヨする必要などなさそうです。
まあ、開き直ってはダメでしょうけれどね。
経年劣化という言葉は、寂しく悲しい響きがありますが、サラサラ血に貢献してくれる本格焼酎、泡盛を、自分の身体の気持ちになってウキウキ呑みましょう。
あまり大きな免罪符にはしないように気遣うことを忘れずに。
適量の知識を大切に、元気にウキウキ呑みましょう。