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【べリングキャット2】これまではフェイクがまかり通っていたってことかも

< 木を隠すなら森の中 人を隠すなら人の中 が通じなくなった世の中 >

「正直者はバカをみる」って言いますけど、いや、バカをみるのは正直だからじゃなくってバカだからだよ。
ってな感じのことを歌い続けた天才ミュージシャン「フランク・ヴィンセント・ザッパ(1940~1993)」


リズム・アンド・ブルース、前衛ロック、現代音楽だとか、既成のジャンルに収まることなく「フランク・ザッパ」ってうジャンルを築いた人って言えそうなアメリカ人です。


ビートルズをはじめとして、実に多くのミュージシャンに影響を与えたこともよく知られているミュージシャンで、スタジオ・アルバムだけでも79枚をリリースしているんですね。多作です。


「悪ふざけ」って評価されることもあったりする、その歌詞の内容は、政治批判、社会風刺、風俗批判だとかが難解な表現で歌われています。


英語圏の人の中には「ザッパ」って聞いただけで眉をひそめる人もいるぐらい、悪評判の高いミュージシャンではあるんですけどね、インストゥルメンタルのメローな曲のタイトルが「ブラック・ナプキン」で、使用済みのナプキンのことだっていうんですから、毛嫌いする人がいるっていうのも肯けることは肯けますけどね。


ちなみに大阪公演の時の「ブラック・ナプキン」がレコーディングされていて、サイコーの出来であります。
この曲の入っているアルバム「ZOOT ALLURES」のジャケットには「不乱苦雑派」って言う表記のハンコが捺してあります。印刷ですけどね。


アメリカの教育方針を批判した「My Guitar Wants To Kill Your Mama 」っていう曲もあります。

 

 

 


ファンの中にもいろんな意見の人がいて、そんな過激だったり、バカげたことを言ってないで「黙ってギターを弾いてくれ」って言われたんで1981年に「Shut Up 'n Play Yer Guitar」っていうアルバムをリリースしたりしています。
ホントに黙ってギターを弾いているアルバム。
そういうユーモアセンスの人。


ギター曲もジャンルはザッパです。独特な魅力ですね。


そんなフランク・ザッパが、ミュージカルに仕立てようとして結果的にはうまくいかなかった作品に「Thing-Fish」っていうのがあります。
1984年にレコードが3枚組でリリースされていますけれど、優生学陰謀論フェミニズム、同性愛だとかをテーマにした内容で、ミュージカルにするには難解過ぎたっていう評価ですね。スポンサーがつかなかったってことでしょう。


CDは2枚組で発売されています。
そのPART2の5曲目に「ブラウン・モーゼズ」が入っています。


「ブラウン・モーゼズ」っていうキャラクターは「ジョニー・ギター・ワトソン(1935~1996)」の役回り。
この人もファンク、ソウルの人気ミュージシャンですね。


いったい何の話をしているのかって言いますとですね、この「ブラウン・モーゼズ」を名乗って、2012年ごろからウェブの世界で注目を集め始めたイギリスのプータロが居たんですよね。


「ブラウン・モーゼズ」なんて名前、特に珍しいもんじゃないでしょ、っていうのはご尤もなんですけど、このイギリスの「ブラウン・モーゼズ」は、フランク・ザッパの「ブラウン・モーゼズ」なんです。
なんでって、本人がそう言っているからです。


いろんなサイトへの書き込みで名前を知られていくようになった「ブラウン・モーゼズ」は、その名前のままのブログを開設します。


「ブラウン・モーゼズ」はその自分のブログで中東の紛争で使われている武器を、ニュースなんかで流されている映像から識別するっていう「得意技」でますます知られていくようになりました。


そして、クラウドファンディングで資金を集めて、2014年に開設したのが調査報道サイト「べリングキャット」なんです。

 

つまり、「べリングキャット」がオープンソースから隠蔽された情報を確定していくってうのは、どこかの組織によって訓練されたり教育されたものじゃなくって、イギリスのプータロがかなり前からやっていた「得意技」だってことなんですね。


前提となる知識があって、シツコイくらいの粘り腰で、どんなに小さな、わずかなものであっても見逃さない。
イヤイヤやっている仕事じゃなくって、趣味ですからね。
労力を惜しんだりすることは無いんだろうと思います。凄いパワーです。


そして考え方として、手に入るオープンソースの画像から、そこに映っているモノの知識がなかったら、そっちの専門家に声をかけてみる。
あんた、こっちの方、詳しいよね。でなければ、これについて詳しい人、いませんか~。
ネット世界ならではのコミュニケーションですよね。


ホンモノたちがすぐにネット世界の中で集まれる。知見が集約される。


そんなことを繰り返しているうちに、「べリングキャット」の洞察力っていうのも育っていったんでしょうね。

 

 

 


2018年、イギリス南部のソールズベリーで起きた毒殺未遂事件。


ソールズベリー在住でロシアの元情報員「セルゲイ・スクリパリ」と、ロシア在住で父親に会いに来ていた娘の「ユリア・スクリパリ」の2人は、ショッピングセンターの外のベンチで倒れているところを発見されて事件が発覚します。


倒れている2人を発見して真っ先に助けようと近づいた地元の刑事巡査部長も被害を受けたっていう事件です。


3人とも命はとりとめましたが、軍用の神経毒「ノビチョク」が原因であることが、すぐにイギリス当局によって発表されます。


「ノビチョク」っていうのはロシア軍の開発した神経剤で、オーム事件で日本でも知られるようになった「VXガス」の5倍から8倍の致死性があるってされているみたいです。


しかしねえ、そういう高い致死性の薬を作る化学者って、どうなんでしょうね。どんな仕事?


被害者の「セルゲイ・スクリパリ」がロシアの元スパイなわけですから、これはもうロシアの仕業でしょ、ってことで、イギリスもダブルオーセブンの国ですからね、イギリス国内で何してくれてんねんってことになります。


スクリパリ父娘が襲われたのは3月でしたが、6月にソールズベリー近郊、ウィルトシャー・エイムズベリーで、箱に入ったニナ・リッチの香水瓶を見つけたチャーリー・ロウリーはガールフレンドのドーン・スタージェスにプレゼントします。
高級な香水ですからね、どうよ、これ、捨てるヤツがいるなんて信じられないね、ってな感覚だったのかもしれません。

 

直接「香水」を吹き付けたドーン・スタージェスは死亡。傍で浴びる結果になってしまったチャーリー・ロウリーはなんとか一命を取り留めたようです。


「香水」の正体が「ノビチョク」であることはすぐに突き止められます。


死亡したドーン・スタージェスはスパイじゃありませんし、ロシアとは何の関連も無い一般のイギリス人女性です。
もうロシアをあまり刺激しないように、とか言っていられる場合じゃありません。


9月になって監視カメラの映像、入国履歴だとかから、「ノビチョク」をイギリスに持ち込んだのは、ロシア軍情報機関の職員「アレクサンドル・ペトロフ」と「ルスラン・バシロフ」だって、特定して発表したんですね。
特に監視対象にしていたわけじゃないんですけど、防犯用のカメラに映っているわけですから確実な証拠。


ところがロシアは「あ、その2人は一般人で、観光旅行でソールズベリーに行ったらしいよ」って応えたんですね。


イギリス当局がコンニャロ! って怒り心頭なんだけど香水の瓶と2人を結びつけるところまでは証拠を出せないんですね。


2人が歩いている映像しかない。
ただの観光客だよっていう、いつものロシアのフェイクを覆せない。


ってところに、わが国の危機って感じで登場してきたのが「べリングキャット」


イギリス側で公開された映像と、ロシアの調査サイト「ザ・インサイダー」と協力調査をして、9月、イギリス当局が「アレクサンドル・ペトロフ」と「ルスラン・バシロフ」の2人のロシア人を特定したその月のうちに、
「ルスラン・バシロフ」という名前でイギリスに入って来ていた人物は、「ロシア連邦軍参謀本部情報総局のアナトリー・チェピガ大佐」だっていうことを発表します。


ロシアのリークデータ、モスクワの住所録、車の登録番号、電話番号、住所のデータベースから「ルスラン・バシロフ」っていう名前で、観光でイギリスに行ったってロシアの言っている人物は、実はGRUの大佐でしたよ、ってことです。


次いで10月に「アレクサンドル・ペトロフ」は「ロシア連邦軍参謀本部情報総局の軍医アレクサンドル・ミシュキン医師」ですよって断定したんですよね。


こうなったら、もう何も反論できないでしょ、って思うんですけど、ロシアって国の当局者はですね、いつもの応対なんです。


「なんのこと? 知らんねえ」
「西側の陰謀でしょ」
「ロシアを貶めようとするフェイクニュース


そもそもね、日本人として思うことは、北方領土の問題ですね。
そういう国なんだっていうことは半世紀以上前から知っているはずだったのに、クリミアの侵攻だって見てきたはずなのに、日本だけじゃなくって国際的にね、何も手を打つことができなかった。

 

 

 


プーチン帝国の終わりの始まりだとしても、殺された生命は帰って来ませんからね。


べリングキャットの手法は、今や全世界的に浸透していますし、衛星写真の利用だとかも含めて、世の中のフェイクっていうのを許さない感じになって来ていますね。


なんで、ああやって、平気な顔して、世界に向けてウソを並べられるのか。
でも恐ろしいのは、それがたぶん、ロシアだけじゃないだろうってことですね。


べリングキャットは興味ないのかもですけど、ドナルド・トランププーチンの関係性の疑惑って、とんでもない意味を持っているのかも、っていう説も出て来ています。


べリングキャットのメンバーは世界中のどこにでもいるんでしょうけれど、インターネットを通して。あらゆるフェイクを暴いて、どこの国だからとか、人種がどうだとかに関係なく、正義を振りかざすようなことはせず、地球規模の平和に貢献していただきたいところです。


完全に特殊能力なんですからね、国連で予算を付けてもイイぐらいな感じもします。

 

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