< で 結局 何か確定的なことが言える段階までには至っていない そういう現生人類のレベル >
空を肉眼で見上げて考えられることは、昼も夜も空は動いているなあってことぐらいでしょうか。
太陽が昇って来ては沈んで、月が浮かんできては消えて。
風が吹いて来て、雲が流れていく。照る日があれば降る日もある。荒れる日もあれば穏やかな日もある。
夜空の星もどうやら動いているらしい。
特に専門的な知識もなく、観測の道具を持っているわけでもない一般の現代人は、見上げる宇宙に対して、太古の人類が感じて、考えていたことと大差ないレベルの認識しか持っていないような気がします。
世界の創生についての神話は、どこの地域にもあって、この世の始まりは、っていうことを語っているわけで、それはこの地球についての創生話ですよね。
太陽系、天の川銀河、そしてその外側についてのものじゃないことは、肉眼観測の結果として、ごく自然に受け止められます。
自分たちのいる大地は平らで、海には果てがあって、っていうのが肉眼で見る世界の全て。
想像する世界にも限界がありますよね。
望遠鏡が発明されて、天体が認識され始めて、だんだん世界っていう概念が変わっていくわけです。
地球が宇宙の中心で、他の天体が周りをぐるぐる回っているっていう天動説。
それはごく自然な捉え方だと思うですね。
自分が立っている大地が中心ですよね。世界の中心は自分でしょねえ。
それでも、その大地も実は球体なんじゃないかっていうようなことが分かって来るぐらいに観察も進んでいって、地動説が出てきた辺りから宇宙の概念が一気に変わっていった。
太陽系を認識できて地球を知る。銀河系を認識できて太陽系を知る。そして、銀河は他にもいっぱいあることを知る。
そういう情報がどんどん入って来て、頭の中が上を下への大騒ぎ、っていうことになっちゃいますよね。
一般人が少なからず疑いの気持ちをぬぐい切れないうちにも、科学はどんどん進んでいきます。
ただね、科学も実際に宇宙に飛び出すまではかなりの時間を要しています。
太陽系だとか天の川銀河だとか、ちゃんと認識できて、宇宙そのものを考えるようになったのは、ドイツの哲学者「クリスティアン・ヴォルフ(1679~1754)」が、1730年に「宇宙論一般」を著わしてからってことみたいです。
宇宙ってなんなのか!?
1730年っていえば江戸時代中期ですから、昔っていえば昔ですけど、300年前っていう期間をどう考えるかでしょうね。
天の川銀河の中心、ブラックホールの姿をとらえたり、太陽系外へ人工衛星を飛ばしたりしている現代から、わずか300年前にようやく、この宇宙全体はどうなっているのか、体系的に考え始めたのが300年前。
長足の進歩って言えるんでしょうけれど、まだまだ、宇宙的スケールからすれば、ごく近所のことしか分かっていない、理解できていないのが現状なんですよね。
分かることが増えれば、それだけ大きく広がっていく宇宙。って感じなんじゃないでしょうか。
宇宙には始まりがあったとする「ビッグバン理論」っていうのは誰でも聞いたことがあると思います。
かなり画期的な考え方なんですよね。
それまでの宇宙に対するイメージは、安定して変化なく、ずっとそこに在ったし、宇宙はこれからも変わることのないものだったわけですからね。
ベルギーの天文学者「ジョルジュ・ルメートル(1894~1966)」が「宇宙は原始的原子の爆発から始まった」って唱えたのは1927年だそうですから、ビッグバン理論って意外に新しいものなんですね。
ヴォルフの宇宙輪からほぼ200年経過しています。
138億年っていう宇宙の年齢の根拠になっているビッグバン理論ですが、いろいろな矛盾を指摘されてもいて、それを解消してくれるようなものとして「インフレーション理論」が、日本の宇宙物理学者「佐藤勝彦(1945~)」と、アメリカの宇宙物理学者「アラン・グース(1947~)」の2人よって唱えられたのは1981年。
つい最近ですね。
でもですね、インフレーション理論によってビッグバン理論が補正されて、宇宙の年齢が138億年で確定されたのかっていうと、そうじゃないみたいなんですよね。
宇宙論は他にもいろいろ、たくさん唱えられていて、宇宙に始まりなんてにゃ~んだよ、っていうのも根強く残っているみたいです。
まあね、宇宙論もこの辺になって来ると数式やらなんやら、研究者たちも必死に持論を主張しているわけで、一般人に分かるように嚙み砕いた内容の書籍だとかは、まだ追いついていない感じです。
地球人一般にとって、なんのこっちゃかよく分からんっていう状態です。
宇宙物理学者同士がヤイヤイぎゃあぎゃあやっている状態なんですから、素人には分かりっこないんでしょうけどね。
宇宙は永遠に膨張し続けることはなくって、ダークエネルギーが閾値を超えて弱くなると、そこから収縮が始まって、ビッグバン前の状態に戻るっていうのがビッグクランチ。ザックリ言ってしまえばですけどね。
いつまでもどこまでも膨張するんじゃないよ、ってことですね。
ビッグバンっていうのは、宇宙の収縮期が終わって、次の膨張期に入った瞬間なんだっていう捉え方もあって、宇宙はビッグバンとビッグクランチを繰り返している、っていうのが「ビッグバウンスモデル」
いやいや、「我々の認識している3次元の空間と時間っていうのを併せた4次元時空の宇宙は、さらに高次元の時空に埋め込まれた膜(ブレーン)のような時空なんだと思うよ。宇宙は永遠に繰り返されるのさ」っていうような感じなのが「ブレーンワールド」
この「ブレーンワールド」を包含していると言いますか、発生させたのが「サイクリック宇宙論」って呼ばれているものですね。
次元を超えて繰り返される、ってなことを言われてもさっぱり実感できませんけれども、既に11次元まで見つかっている、なんていう話もありますからね。
次元が11もある。アンポンタンに理解できるレベルを超えてますよ。
この地球上の人類だけじゃなくって、全ての生物が息絶えたとしても、宇宙は続いて行くのか、それは永遠なのか。
あるいは宇宙自体も消滅してしまうものなのか。
そもそも宇宙が膨張しているんだったら、広がっていくスペースが宇宙の外側に在るっていうこと?
こういう気の遠くなるようなことを、月を眺めながら、とりとめもなく考えていますと、沸騰化時代の暑さを忘れることが出来るかと考えたんですが、成果、なしでしたねえ。
地球っていうレベルじゃなくって、太陽系もものすごいスピードで宇宙空間を螺旋回転しながら移動しているわけで、天の川銀河の中に、灼熱エリアと寒冷エリアがあって、今、太陽系が灼熱エリアに入りつつあるってなことはないんでしょうかね。
天の川銀河自体も、螺旋回転かどうかは分かりませんが、移動していることは確実なんだとすれば、宇宙の中の温度が均一だって確認されているわけでもなさそうですし、エリアによって温度が違うっていうこと、ないんでしょうかね。
宇宙の正体が分かるまで、あとどれくらいなんでしょねえ。
2023年、夏。災害レベルの暑さが続いています。
みなさま、ご自愛ください。