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【今治焼豚玉子飯】やきぶたたまごめし っていう正調な愛媛県今治市の郷土料理 B級じゃないっしょ!

< 焼き豚 煮豚 叉焼 ホントは3つとも違うんだけど どれも一緒でしょって扱いですよね >

町中華のアテとして定番になっている感のある「ネギチャーシュー」ですが、お店によっての違いは、タレにもよりますが、やっぱりチャーシューってことになるでしょうかね。
硬めのチャーシューあり、ふんわりチャーシューあり、そのミックスありです。


町中華ですからね、メニューとして「チャーシュー麵」があります。
なのでチャーシューは普通にあるんですよね。ん? あれですね、チャーシュー麺がなくたってラーメンの具にチャーシューの無い町中華なんてないでしょうから、チャーシューは必須ってことですね。


たいてい自家製チャーシューだと思います。


アテとして出される、ただ単に「チャーシュー」っていうメニューもありますね。
4枚から6枚くらいでしょうか。レタス、キャベツの千切りなんかが添えられて、そのまま食べたり、しょう油、ソースの人もいますけれど、チャーシュー自慢の町中華ではネギチャーシューとともにニンキです。


で、中国人のやっている町中華でのことなんですけどね、厨房のオヤジ。とっても気のイイ50代の中国人なんですけど、いろんな客にこんな説明をしています。


「日本のチャーシュー、チャーシューじゃないよ。煮豚ね」


こう言われて、まあね、たいていの日本人はすんなり納得しますよ。
うん、そうだね。チャーシュー、煮豚、一緒でしょ。焼き豚とも言うよね。
その通り、って感じではあるんですけど、正式に言うと、実は3つとも違う料理みたいなんですよね。


叉焼、焼き豚、煮豚。違うんですよってことなんですけど、日本人として言い訳めいたことを言わせていただきますとね、カタカナのチャーシューは、叉焼、焼き豚、煮豚の総称として使っているんでありますよ。


でもまあ、漢字表記が違うんだから違う料理なんでしょうね。

 

 

 


まず叉焼
これが読みとしてのチャーシューですよね。メニューとして「叉焼麺」って書いてある町中華もあります。
考えてみますと「叉」ってなんなんでしょ。
中国語で串に刺すっていうことみたいですね。


串に刺した豚肉のブロックに独自のタレを塗って炙り焼きしたもの。それが叉焼
ってことはですね、日本で普通に言っているチャーシューって叉焼じゃないですね。ふううん、です。炙り焼き豚。


焼き豚。
実はこの焼き豚っていうのが、叉焼を日本語にしたものなんだそうです。
叉焼、イコール、焼き豚。
ま、字面的にはその通りでしょねえって感じです。


煮豚。
豚肉のブロックをいろいろな香味野菜と一緒に煮込んだ料理。
これじゃんね。これが日本で普通に言うチャーシューでっせ。


なんか面白いことになっているんですね。
煮豚っていうのも言わないことはないけれど、あんまり目にしたり耳にしたりすることのない言葉です。
煮豚っていう言葉を、チャーシューを日本語にしたものって思ってたんですが、言葉の問題じゃなくって、中国の叉焼を日本流にアレンジした料理が煮豚なんですね。


調理場の環境によるものなんだそうですけど、煮豚は中国に逆輸入されていて「日式叉焼」っていうんだそうです。
ま、認められているってことなんでしょうね。


日式、いろいろありますけど、みんな旨いです。日式叉焼が旨いんです。


ってことで、叉焼、焼き豚、煮豚の正体っていうのが判ったんですけど、ま、これからも今まで通りのチャーシューっていう呼び方でイイですよね。
煮豚っていうよりチャーシューの方が、旨い食べものって気がしちゃいます。
なんでだか、そんな感じ。馴染んじゃっているからなんでしょうかね。


で、ふと思い出したんですけど、煮豚を玉子と一緒にフライパンで焼いて出してくれる町中華があります。


「チャーシューエッグ」


その町中華でホッピー呑みながらのアテに、行くたびに毎回食べています。
本来は「チャーシューエッグ定食」なんですけど、注文すれば単品で出してくれるんですね。
旨いですよ。


チャーシュー4枚と、目玉焼きが2つ。キャベツの千切り付きです。


「チャーシューエッグ」っていうメニューを見たときに、へええ、チャーシューですかあって思ったんですけど、町中華のメニューとしては順当な感じですよね。


ダイニングバーとかですと、「ベーコンエッグ」「ハムエッグ」っていうメニューがありますね。


イギリスの朝食には定番だっていうのがベーコンエッグ。
日本のホテルの朝食でも、洋食を選ぶと、トーストにベーコンエッグっていうところも多いです。


ベーコンエッグの発祥ってアイルランドだっていう説があります。
アイルランドの農家で、奥さんが旦那の夕食にフライパンでベーコンを炒めておりました。
台所の天井、太い梁の上にいたニワトリが卵をポトンと産み落とした。


フライパンの中に落ちてコツンと割れて、ベーコンの脂の中に目玉焼きが出来ちゃいました。
そこへ修道院での仕事を終えた旦那がご帰還。


「なにこれ?」


「ん~。。。ベーコンエッグ」


食べてみたら、ベーコンと目玉焼きの組み合わせは、なんともベストマッチ。旦那一番のお気に入りメニューになって、仕事仲間や修道院のお坊さんたちに紹介。


「おおお、ベーコンエッグ。サイキョーに旨いじゃん!」


ってことで、修道院を通してあっという間にイギリス中に広まって、時を移さず世界的に大ヒット。


やがて時代は進んで、


「動物性の脂をたくさん摂取するのは身体に良くありませんですからして、ベーコンより脂の少ないハムにしましょう」


ってことになって、登場してきたのが「ハムエッグ」です。知らんけど。

 

 

 


ペラペラのハムの方が調理も速いし、旨いよ、とかなんとかなってきたころに日本の家庭にも浸透。
定食屋さんのメニューにもハムエッグが登場してきて、大人気!


でも、町中華にタマゴはあるけど、ベーコンだとかハムは常備していない。
じゃあさ、チャーシューでイイじゃん。チャーシューエッグ。


フライパンに自家製のチャーシューを4枚ほどササっと炒めて、タマゴを2つ落として蒸し焼き。
はい、出来上がり。


そうです、これなんです、これが旨いんですよ。


でも、あんまり見ませんね。チャーシューエッグをやっている町中華って近所では1軒しか知りません。
簡単早い旨いアテなのにねえ。


っていうところでちょろっと調べてみたらですね、「今治焼豚玉子飯(いまばりやきぶたたまごめし)」っていうのを見つけちゃいました。


焼豚玉子です、チャーシューエッグですよね。
お店で注文すると1分ぐらいで出てくるっていう「今治焼豚玉子飯

 

 

丼みたいですけど、アタマだけちょうだいっていうのも通じるんじゃないでしょうか。ダメ?


丼めしにチャーシュー。ブロックを薄切りした数枚っていうお店と、それをさらに細切りしたのを乗せるっていうお店と、何種類かあるみたいですけど、その上に半熟目玉焼き。


んでもって「今治焼豚玉子飯」の特徴は、おそらくそのお店独自のタレなんじゃないでしょうか。
ここ、惹かれるポイントですよね。


町中華のチャーシューエッグにタレは付いてきません。食べる側の好みで、しょう油か中農ソース。マヨネーズをリクエストしているやつがいる程度です。タレ、ないです。


今治焼豚玉子飯」は、地元の「五番閣」っていう町中華の賄い料理が発祥だそうです。1970年代頃らしいですね。あっという間に正規メニューとして市内全域に広まったメニュー。


半熟じゃない目玉焼きにも対応してくれるんだそうで、やっぱりね、町中華の工夫は日本的にちゃんとやってくれているみたいです。日式はイイですよねえ。


まあね、町中華のチャーシューエッグも、時々目玉焼きを両面焼きにしてもらったりしていますけどね。
チャーシューを炒めてタマゴを2個落としたら、黄身がくずれても全然オッケー、っていいますかですね、むしろ黄身がこわれた方がイイんです。チャーシューエッグのイージーオーバーバージョン。


今治焼豚玉子飯」でもやってくれるんじゃないでしょうか。たぶんね。


今治市で大人気になったこのメニューを、なんと世界に向かってアピールしようっていう市民たちが2006年に「焼豚玉子飯世界普及委員会」っていうのを起ち上げて、広報活動を始めています。


2010年には「今治焼豚玉子飯世界普及委員会」に改名ってことで、ご活躍のようです。
今治焼豚玉子飯」って知らなかったですけど、「B-1グランプリ」上位入賞の常連みたいですよ。


今治市ってあれですよね「しまなみ海道」の四国側の街。
しまなみ海道」は車で走ったことがあるんですけどねえ、「今治焼豚玉子飯」に出会わずに通り過ぎてしまいましたねえ。
その時は尾道のネコたちにも出会っていないですからねえ。

 

 

 


尾道しまなみ海道今治焼豚玉子飯、行ってみたいですねえ。


今治焼豚玉子飯、マチガイないっしょ!
今治の人たち、い~な~。