ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき】

< 文字落語 紅皿 八重山吹 太田道灌の逸話ってアヤシイんじゃない? の一席 >

ようこそお出でいただきました。ありがとう存じます。


よろしくお付き合いのほどをお願いしておきますが、なんでございまして、はい。

このブログもおかげ様をもちまして300回を越えましてですね、今回が303回目と、相成りましてございます。


まあ、このブログてえもんは、10年20年と続けていらっしゃる方も少なくなくってですね、そういう方々のブログは数千記事アップされてるってえことになるわけでして、300回ぐらいじゃあね、ひよっこでございますね。


それでもまあ、初心者は初心者なりにウレシイもんでして、これまでアクセスいただきました皆様に、ここでお礼を申し上げさせていただきます。
たいへんまことにありがとう存じます。

 


さてさて、感染者の数もようやく減って来たように思えます2021年の秋ですが、いつもの年より虫の声がクリアに聞こえるような気がいたします。


まあ、一方の人間は行動変容だ、ソーシャルディスタンスだってんで、相変わらずいろいろと喧しい日が続いております。まだまだ続くんでございましょう。
不要不急なんて言われちゃいますからね、外出する機会もずいぶんと減ってしまいまして、ぶらっと出かけてちょいとコーヒーでも、なんてね、そんな何でもないことがなかなかやり難くなっていますねえ。まだまだ思うに任せません。


そんな中ではありますが、この前の雨の日、ちょいと出かけてまいりました。はい、すみませんことでございますが、歩いて30分ほどのところにある喫茶店へですね、顔を出してきました。


昔ながらの喫茶店でしてね、古いビルの2階。クリームソーダなんかもメニューにある昭和テイストの店です。


これまでも比較的空いていた店なんですね。客席が50ぐらいはあるでしょうかね、案外と大きな構えなんですが、そのおかげででしょうかね、20人ぐらい入っていたとしても割合ゆったりできるんです。


その日は普通に雨も降っておりますし、出かける人も少ないだろうって踏みましてね、マスクして傘さして、歩道の水たまりを避けながら、久しぶりですね、1年半ぶりぐらいですか、入ってみました。


階段を上って、ガラスのはまった木枠の手動ドアを引きますとね、ガンガラガンってなもんでして、例のカウベルってのが響きますね。
これがまあ、1年半ぶりに聞きますってえと、妙に懐かしいですね。


今はね、たいてい自動ドアってもんになりまして、ドアの前にね、こう立ちますとひとりでに開きますよ、店のドアがね。
あれはどうなってるんでしょうね。誰か見張ってるんでしょうかね。
お、来やがったな! ってんでボタンを押すとドアがスーッと開く。


なんてね、そんなこともないんでしょうけれど、その店はドアを手で開けまして、カウベルがガンガラガンです。


茶店なんかはね、こうでなくっちゃいけませんですよ。ガンガラガンで落ち着きます。


この店のコーヒーはですね、まあ、なんていうんでしょうか。ごく普通です。


当たり前のコーヒーです。それでいいんです。なんとかチーノとか、ラテとか、そんなんは無いですね。
メニューにはただ、ブレンドとしてありますよ。


ストレートコーヒーなんかも無いです。クリームソーダはあるんですが紅茶も無いです。
その代わり軽食がふんだんにあります。


茶店っていうより定食屋さんかってぐらいですね、日替わり定食があったりするんですね。
ま、そういうところもイイんですよ、こういう店はね。


ま、ホットサンドとコーヒーです、いつもね。

 


そんでその日もですね、窓際に席を占めまして、ゆったりしておりました。久しぶりだなあ、懐かしいなあ。
窓下に傘をさして通る人がちらほらと見えますね、雨ですからね。


と、花柄がプリントされた透明カサが歩いてきまして、スッと立ち止まりましてね、若い女の人のようでした。
後ろを振り返って見ているようでしたが、動く様子がないんです。


ちょっと遅れてね、子供さんが2人よちよちと歩いてきました。
姉妹なんでしょうかね。4歳ぐらいのお姉ちゃんと、3歳ぐらいの妹、ってな感じに見えました。


お姉ちゃんはピンクのレインコートを着て、ピンクのカサ、ピンクの長ぐつ。妹ちゃんは黄色のレインコートに黄色のカサ、黄色の長ぐつです。
2人ともカサを持ってはいますが、うまくさせてはいないんですね。


邪魔っ気に手にもちながら、雨を防ぐためじゃなくって、1人で出来るもん、ってやつでしょうね。


妹ちゃんの方なんか、開いたカサを引きずり気味なんですよ。お姉ちゃんのマネッコしたいんでしょうね。
そんなんで、カサを持ってはいるけれどレインコートってことなんでしょう。雨が普通に降ってますからね。


履きなれない長ぐつも歩きにくい。お母さんの後を遅れてついてくるのを時々待ってあげて、少し歩いて、立ち止まって待ってあげて、っていう途中なんだと思いますね。
窓から見えている範囲で2回ほど立ち止まっていました。


意地になって大人と同じに傘をさして雨の中を歩けるもん、っていうお姉ちゃん。


お姉ちゃんがやることは、あたしもやる、っていう妹ちゃん。


お母さんとしては、立ち止まるたびに、意地っ張りな姉妹に何か声をかけているのかもしれませんが、店の中までは聞こえてきません。


なんかですね、カルガモ親子の行進を見ているようで微笑ましかったです。


ちっちゃな子供の原色のレインコートって、安全上目立つように工夫してあるんでしょうけれど、可愛いもんです。
大人になると、ああいう原色のレインコートは着ませんよね。まあ、原色とかそういう問題じゃなくって、そもそもレインコート自体を着なくなりますね。カサだけです。大人はね。


折り畳み傘も軽量化されていろいろ出ていますし、ビニール傘がコンビニで買えますからね、雨に備えて家からレインコートっていうこともなくなりましたね。


一時期、コンビニでは透明のカッパを売っていたこともありましたけどねえ、今はとんと見ません、
ま、着るのって面倒ですもんねえ、雨カッパ。


コンビニのカッパは、たしか使い捨てだったんじゃないでしょうかね。


カサとカッパって、カッパの方が古いんでしょうね。いやまあ、確かなことは言えませんですがね。


日本の場合ですと、古くは蓑(みの)ってのがありましたね。
ワラなんかで編んだレインコート、カッパです。


古民家の展示品としてしか見たことないですけど、かなり古くから使われていた雨具ってことでしょうね。


ところでカッパっていうのはですね、ポルトガル語らしいですよ。ポルトガル語のcapaをそのままカッパって言って使ってるんだそうで、「合羽」ってのは当て字ってことでしょう。


昔の子どもたちも、やっぱり蓑を着ていたんでしょうかねえ。ワラですから子供用にしつらえるのは難しくなさそうに思えますが、ピンクだとか黄色だとかの色はないでしょうね。
子供用でも蓑はミノムシ色ってことになりますから、あんまり可愛くはないかもしれませんね。

 


日本で蓑って言えば思い浮かんできますのが冒頭であげました「七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき」の歌ですね。


みなさんご存じ、太田道灌の逸話として有名ですよね。聞いたことがあると思います。
江戸城を築いたことで名前を知られている太田道灌ですが、室町時代末期のお侍さんですね。


この山吹の逸話と江戸城築城ってことで、文官みたいなイメージもありますけれどですね、なかなか豪快で実行力の優れた武闘派みたいなんですよ、これが。
歴戦の勇者です。


太田道灌が活躍していたのは戦国時代の始まりの時期ですからね、関東は室町幕府の勢力、鎌倉公方足利氏、関東管領上杉氏、新興勢力の北条氏、さらには関東地元の勢力が入り乱れて争っていたわけですね。


その中で上杉氏の配下だったのが太田道灌


ところが仕えているその上杉氏自体が仲間割れしたりなんかしましてね、昨日の敵はきょうの友。でもあしたは因縁の敵ってわけで、目まぐるしい殺し合いの日々ですよ。
そんな大変な闘いの日々の中で、連戦連勝、各地に城を築いて、勢力を保ち続けていた武闘派の太田道灌


出る杭は、の例え通りってやつでしょうか。上役にだまし討ちにあって、招待された風呂上がりの無防備な身体を槍で刺されて暗殺されるっていう、なんとも惨憺たる最期を遂げている人なんでございます。


そんな太田道灌の趣味が鷹狩ってやつだそうして、鷹狩って、やっぱりお殿様の趣味ですよね。
太田道灌って人はうまくやれば戦国初期の一大勢力に成り得たような実力のひとだったってことです。お殿様なんですよ。


まあね、下剋上っていうようなことをするような考えはなかったんでしょうけれどねえ。


で、その鷹狩の途中で雨に降られて、蓑を借りようと思って、とある農家に行って「蓑、貸してちょ」って頼んだら、そこの女の人が、蓑じゃなくって山吹の花を黙って差し出した。
っていうのが太田道灌の山吹伝説ですね。

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濡れて帰った太田道灌が部下にその話をすると、

それは「七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき」っていう歌がありまして、山吹っていうのは花は咲くけれども、実はつけないってことで、「実の一つだに」は「蓑一つだに」ってことで、お貸しできる蓑はありませんっていう謎かけでしょう。


なんてことをね、家来に聞かされまして、感心して、それから太田道灌も歌に親しむようになって、文武両道を実践しましたって話でしたよね。


まあね、キレイなお話でありますから、わざわざツッコむこともないっちゃないんですがね、ヘンなの、って思うところがありますね。


鷹狩なんて見たこともやったこともありませんですがね、1人でするもんじゃないですよ、たぶん。
けっこうな人数で、鷹連れて行くんでしょうね。いっぱい人、居ますよ。連れて行きますよ、なんたってお殿様なんですから。


殺し合いの絶えない日々の中で、殿様が1人だけで山の中に入って行ったりしないんじゃないでしょ。


それに、雨が降って来て、濡れちゃうから蓑貸して、なんていうこと、あるんでしょうかね。
戦国武将ですよ、太田道灌って。


雨が降ってきたら、濡れればイイだけでしょ。戦場で蓑着て戦っていたとは思えませんけどね。


それとですね、山吹の歌の意味を太田道灌に伝えたっていう家来さん。すご過ぎませんか。


中村重頼っていう名前の人らしいんですが、「七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき」っていうのは「後拾遺和歌集兼明親王の歌なんですが、「後拾遺和歌集」ってのは1086年に編まれた歌集なんですよ。


太田道灌は1432年の生まれだそうですから、山吹のエピソードがいくつの頃だったのかはハッキリしませんけれどね、ほぼ500年前の歌を普通に知っている家来って何者だったんでしょうか。


それにそもそも、山吹の花を差し出したっていう農家の娘さんの文化レベル、とんでもないですよね。


それともこの時代の人たちって、500年前の歌なんて当たり前に、ほとんどを知っていたってことなんでしょうか。どうもね、あり得ないように思いませんか?


で、その女の人。「紅皿(べにざら)」って名前で呼ばれていて、ちゃんと記録に残っているみたいなんですよ。


太田道灌が歌の意味を知って再訪してみると、その農家には誰もいませんでしたって話になっているんですけどねえ、紅皿っていう呼び方の由来は分かりませんが、お墓なのかもしれないっていう紅皿供養の碑っていうのが、新宿の大聖院にあるらしいんですね。行ったことありませんけれどね。


紅皿って呼ばれた女の人がホントに居たとして、暗殺された太田道灌を弔って暮らしたっていう話もあってですね、まあ、山吹のエピソードが有ろうが無かろうが、紅皿って名前には、むしろノーメイクの美しさに紅の際立つ口元の美人が思い浮かんできまして、そっちの方がありそうだなあって思いますね。


訊ねて行ったけど誰も居ませんでしたっていうふうに語り伝えられているのって、太田道灌の武闘派のイメージに女性はふさわしくないっていうことなんでしょうかね。


でもあれです、英雄イロを好むっていうじゃありませんか。


鷹狩とかやっていても、ちゃんと色には目を配ってる。太田道灌さんもね、ちゃんとやることはやってるってことですよ。


唐変木じゃない男なんですよ。ちゃんと敏感に反応している。


そうです。鈍感じゃないんです。道灌です。


はあ? いや、その、鈍感、じゃなくって、道灌。え? いや、そのですね。。。

 

おあとがよろしいようで。