< なにごとの おはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる >
パワースポットって言われている場所へ行ってみたけど、特に何も感じなかったっていう人もけっこういますよね。
全国のパワースポットを巡って歩いているんだよお、って言っている人によりますと、例えばパワースポットって言われている場所が神社であった場合、必ずしも本殿の参拝する場所。つまり神が祀られている場所そのものがパワースポットってことでもないんだそうですね。
古い神社であれば、そこに神社が建てられる由縁っていうのが必ずあるんだそうで、そのホントのパワースポットは境内にある場合もあるし、ちょっと離れた場所にあったりすることもあるんだそうです。
まあね、現代人の、そういうスピリチュアル方面の感性が鈍っているって言われてしまえばそれまでなんですけど、何か不可思議な、西行さんじゃなくたって、かたじけなさを感じてしまう場所っていうのがあるんでしょうね。
情報を得て、せっかく遠くまで足をのばして、名所のパワースポットに行っても何も感じられないっていうのは、その近辺を歩きまわってホントのポイントを見つけられていないか、はたまた、そこの場所のかたじけなさが、既に薄れてしまっているか、っていうことなのかもです。
世界中にいくつもあるらしいパワースポット、信仰の起原となったような場所、遺跡は、そのいくつかが直線状に並んでいるっていうことを「レイライン」って言いますよね。
1921年にイギリスのアマチュア考古学者「アルフレッド・ワトキンス(1855~1935)」が最初に言い始めたことらしいです。
イギリスにはケルト文化の遺跡じゃないかってされているたくさんの巨石遺跡、ストーンサークルなんかがあって、そのことは世界中に知られています。
そうした遺跡群に直列性が見いだされる。その直線がレイライン。
ただそうしたレイラインっていうのは、例えばイギリスに1本しかないっていうわけじゃなくって、何本かの直線状に並んでいて、その直線は交わっていたりもするみたいなんですよね。
とするとですね、適当に直線を引けば、その直線状にいくつかの遺跡が存在することになるだろうから、古代人が意識的にその直線を利用して遺跡を作ったわけじゃない、っていう反論があることも知られています。
ワトキンスっていう人は、イギリスのヘレフォードシャーの丘を登っている時に「啓示」を受けたって言っているそうですから、遺跡の直列を感じて、かたじけなさを経験したのかもですよね。
世界的に知られているレイラインは、イギリスの「セント・マイケルズ・マウント(St. Michael's Mount)」と、フランスの「モン・サン=ミシェル(Mont Saint-Michel)」を結ぶものですね。
アポロンラインって呼ばれてもいるそうです。
2点を結べば直線になるのは当たり前じゃん! っていうことではあるんですが、その直線の延長線上にイタリア、ギリシャ、イスラエルの遺跡、古い教会が数多くポイントされるらしいんです。
しかも名前を見て分かる通り、起点となる2つの場所、同じ名前ですよね。大天使ミカエルに関連した名前なんです。
そして、この「セント・マイケルズ・マウント」も「モン・サン=ミシェル」も、普段は離れ小島なんだけれども、干潮時には歩いて渡れる砂地が現れるっていうタイダルアイランドってやつなんですね。
やっぱりこの2つには、ただならぬ関係があって、直線上に配置したんでしょう、っていう考え方もありますし、いやいや、その直線上から外れたらミカエルに関する建物、遺跡がないってわけじゃないんだから、アポロンラインに意味はないでしょ、っていう意見も、やっぱり根強くあるんですね。
なにかがあった方が面白いとは思うんですけど、どうなんでしょうかね。
レイラインっていうのが世界的に言われるようになってからのことだと思うんですけど、日本にもあるんですよね。北緯35度22分のレイライン。
春分の日と秋分の日には北緯35度22分の、このラインに沿って太陽が昇って沈んでいくっていうことで、古代の日本人がそのことを知っていて、パワースポットとして神を祀ったんじゃないかっていうことなんですよね。
日本のレイライン。日の昇る東側から。
千葉県長生郡一宮町一宮の玉前神社(たまさきじんじゃ)。上総の国の一の宮です。
富士山。言わずと知れた、日本一の霊山。
山梨県南巨摩郡の身延山。日蓮宗総本山である身延山久遠寺がある、日本仏教三大霊山の1つ。
滋賀県米原市の伊吹山。古代からの霊山で、ヤマトタケルが東征の帰り道に伊吹山の神を倒そうとして返り討ちにあったっていう話が記紀に遺されています。
滋賀県、琵琶湖の竹生島。湖底遺跡が見つかっていて、琵琶湖クルーズの目玉になっているパワースポット。神の棲む島として古代から信仰を集めている島です。
京都府福知山市の皇大神社。ここは、天照大御神が伊勢に鎮座地が定まる前に、各地を転々として祀られていたっていう「元伊勢」って言われる神社ですね。
鳥取県東伯郡の三佛寺(さんぶつじ)。山岳信仰の霊地で、役小角が開いた修験道の行場。
伯耆大山。日本最古の神の山。お地蔵さん信仰の山だそうです。
鳥取県西伯郡の母塚山(はつかさん)。イザナミノミコトが葬られた山だっていう伝説があるんだそうです。
そして西の終点が、出雲大社です。
それぞれのポイントの根拠になっている「かたじけなさ」は分かるような気もしますが、建造物なんかの年代はバラバラですね。
でもまあ、神社やお寺が、その場所に建てられるにあたっては、それ以前の伝説であるとか、そういうものがあるのかもしれませんよね。
それぞれの場所がパワースポットだっていう根拠は充分に納得できますが、レイラインは後付けなんでしょうね。まあ、よく見つけましたねっていう北緯35度22分のレイライン。
それにしても、今回調べてみて初めて知ったんですが、イザナミノミコトが葬られた、墓があったってされている山があるっていうことには驚かされました。
出雲の国ですからね、信憑性も感じます。
どうでしょう。この北緯35度22分のレイライン。日本のパワースポット巡りとして、コンプリートを果たしている人もけっこういそうですよね。
でもあれですかね、そんなに知られてないですかね。
富士山を登るのって、やっぱし、シンドイでしょうしねえ。季節も選ばないとですねえ。
伯耆大山も、シンドイんでしょうねえ。
大山鶏の焼き鳥は好きなんですけどねえ。
焼き鳥食べて、パワー、ん~、ちょっとはありそうな気がします。
パワーは欲しいですんですけど、北緯35度22分のレイラインコンプリート、計画してみましょうかねえ。
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