< アイディアを発表した時点で世界レベルのニュースになってしまったことを どう受け止めるか >
デスクワークの人にこそ「お昼寝」は必要ですよ、なんて言われるようになったのはいつごろからだったでしょうか。
たぶん、そんなに昔からじゃないですね。
昔の日本映画とかを観ますと、昼休みに会社の屋上で、みんなでバレーボールなんかしてたりしますよ。
そういう運動が楽しい人ばっかりじゃなかったんでしょうけれども、今、21世紀の日本だとどうでしょう。
昼休みに運動、例えば屋上で球技なんて考えられませんよね。
そもそも屋上になんか自由に上がれないビルがほとんどじゃないでしょうか。
屋上菜園とかはありますけどね。
季節や天気が良ければ、オフィスビルの周りを散歩するっていう人はいますね。
でも、たいていの人は、持参のお弁当、コンビニ弁当を食べて、あるいは近くのお店で食べて来て、自席に突っ伏してお昼寝。ってなっているんじゃないでしょうかね。
ぐっすり眠る、なんていうのはめったに出来ませんけれど、ま、だら~っと休憩って感じ。
目をつむって、目も休ませてあげましょう、っていうのがせいぜいですかね。
20分ぐらい寝るのが疲労回復にイイっていいますからね、みなさん、そんな感じです。
でもですね、この昼食後のだら~っていうのは「ダメな寝かた」らしいんですよね。
いや、あのね、正式には寝てないでしょ。だいいち、20分だけ寝るとか、そんな器用なこと出来ないもんね。
って思うんですけどね、アメリカの社会心理学者「ジェームス・マース」っていうセンセが「パワーナップ (power-nap)」なんてことを唱えているんですよね。
「奇跡の快眠法」っていう本が日本で出たのが2002年ですから、このころから次第に知られるようになってきたのかもですね。
さらには厚生労働省健康局が「健康づくりのための睡眠指針 2014」っていうのを発表していますね。
この中で「睡眠時間が十分に取れない場合は午後早い時間帯に30分以内の短い昼寝をするのが効果的」っていうふうに「パワーナップ」を推奨しています。
どうもね、「健康的に」「効率よく」なんていうね、そんなご都合主義みたいなこと言ってくれちゃって、もおっ! って反対するんじゃなくって、どんどん取り入れている会社が増えているんだそうですよ。
ま、国が言うんじゃしょうがないか、っていう消極的な理由からじゃなくって、ホンキで効率化を考えているみたいなんですよね。
日本では昔から「寝る子は育つ」なんてことを言ってましたしね、ちゃんとした睡眠っていうのが心と身体の発育には必要不可欠ですよっていう考えには、ずっと馴染んできましたけれど、短い昼寝、なんて、どうでしょうかね。
会社の机に突っ伏して、目をつむってはいますけど、昼寝、って感じは薄いんじゃないでしょうかね。
ま、職場環境にもよりますけど、周りに誰か仕事をしている人が居たら、だら~って出来ない雰囲気ですし、隣りの部屋ではじゃんじゃか電話が鳴っていたりっていうのもありますからね。
20分ぐらい寝るのがイイですよ、って言われましてもね、そんなことって出来るの? って思います。
パワーナップを取り入れている会社の事例を見てみますと、専用の小部屋にマッサージチェアを置いていたり、一人用のテントが2つ並べられていて、中には寝袋、アイマスクなんて感じですね。
やっぱりなあって思うんですけど、オフィス環境によりますよねえ。
パワーナップに割り当てられるスペースをどうやって作り出すのかって、資材置き場がフロアごとにあるなんて、普通は無いですもんね。
あまり使っていない会議室を、なんていう説明もありましたけど、どうなんでしょうね、個人的な経験ですと、会議室の予約ってけっこう取れませんよ。会議室、足りないんです。
近くのサテライトオフィスを時間で借りて、なんてことまでやらないと、定例の会議もやれないっていうの、ごく当たり前にありましたけどねえ。
パワーナップって、実現できればなかなかヨサゲではあるんですよ。
・午後からの集中力アップ
・タスク消化のパフォーマンスアップ
・記憶力アップ(回復)
・ストレス軽減
・心臓疾患の予防
コーヒーを飲んでからすぐにパワーナップに入ると、パワーナップが終わってから、つまり30分後ぐらいからカフェインが効いてくるんで、スッキリハッキリ午後の仕事に取り掛かれる、なんてナレッジも紹介されています。
でもさ、だからね、パワーナップでも何でも、寝るスペースなんてオフィスに無いです。
っていうのに対して、斬新なアイディアを提案しているのが、オフィス家具のITOKI(イトーキ)と、北海道旭川の広葉樹合板っていう会社です。
2023年発売予定っていう、その商品は「ナップボックス」
立ったまま仮眠がとれますよ、っていうコンセプト。
どっひゃあ!
人ヒトリの縦型スペースですから、専用の部屋がなくたって、廊下にでも置けるってことですね。
完全個室、暗さも確保。頭、尻、膝を固定する支持具が設置されていて、無理なく、立ったまま眠れます。
ってことなんですけどね、どうでしょうかね、これ。
会社の総務部なんかには気になる「オフィス家具」ってことになるのかもしれません。
まあ、当然、使用中なのか空きなのかが、表から見てすぐ分かる工夫と、目覚ましは必須なんでしょうけどね。
もちろん日本国内だけじゃなくって、世界に向けて発表しているんだと思うんですけど、どうもね、ネットで見る限り日本国内より海外の反応がかまびすしい感じです。
「こんなのが必要だっていう会社、まともじゃないよね」
「フラミンゴ~」
「そこまでして働くんですか? 働けっていうんですか?」
「非人間的」
「閉所恐怖症なんでパスします」
「SFの世界だねえ」
ふううん、あんまし評判よろしくない感じでしょうか。
そうねえ、立ったまま寝るって、「ナップボックス」を実際に体験してみないと現実味ないかもですよね。
たぶんおそらく、人間工学的に考えられているんだと思いますんで、眠られるんでしょうね。膝カックンとかしないでね。
でもその分、どこか身体の部分に負荷がかかったりしないんでしょうか。
寝る、っていうのは横になるってことなんですけどね。
なんか、想像するだけだと眠る、っていう段階までいけるのかなあって思っちゃいますけどね。
来年までにはコロナも治まっているって思いたいですけど、日本も含めて世界の会社という会社で、アフターコロナの働き方が、リモートワーク、推進派と拒絶派に別れるような感じですよね。
リモートワークをデフォルトにするっていう会社にとっては「ナップボックス」を置くスペースがどうとかいうんじゃなくって、そもそもオフィスビル自体、最低限のスペースがあればオッケーで、固定経費を大幅に削れるってことになるんでしょうけれど、リモートワークを一切認めないっていう会社も出て来てますからね。
リアルコミュニケーションが会社のパワーを生むってことで、そういう会社は「ナップボックス」を検討するかもですね。
でもこの「ナップボックス」って、仮眠じゃなくって、本格的に6時間とか眠られるんですかね?
そんなに長い時間、立ったまま寝たら、人間ってどうなっちゃうんでしょう。
夜の電車で、けっこう見ますよね、吊革につかまって寝ちゃう人。
でもあれは、10秒もしないで、膝カックンになって、あわわってなって起きますよね。
で、また寝ちゃって、膝カックン。繰り返しながらの帰宅電車。
ま、たいてい酔っ払いですけどね。
座れるぐらいに空いていても吊革って人も居ます。
なぜならば、座って眠っちゃうと、絶対乗り越して、ここどこ? ってことになっちゃうからあ~。
膝カックンも役に立っているわけです。
シラフで昼間に膝カックンしないんだから、ちゃんと眠れるんですよ、ってことなんでしょうかね、「ナップボックス」
20分ねえ。
なんかあれです。誰かが眠ったあとに、すぐ入るのって、どうでしょかね。匂いとか、消毒とか。
そういうのも自動?
立ったまま眠れますかねえ。経験ないですねえ。