< リンゴ生産量は青森県、長野県、岩手県の順 リンゴ消費量は岩手県、青森県、長野県の順に多いです >
岩手県ってリンゴのイメージ、あんまりなかったですけど、消費量がトップってことは、地産地消ってやつなんでしょうか。
青森県、長野県は昔から、押しも押されもせぬリンゴ県として知られていますけどね。
青森県も長野県も、名産トップの銘柄は「ふじ」
ふむ、聞いたことあります。
青森県発祥の世界ブランドってことで、世界のリンゴの半分以上は「ふじ」なんだそうですね。
凄いです、ふじ。
世界へ目を向けてみますと、リンゴ生産量の1位は中国で4千万トン。圧倒的です。
2位のアメリカが460万トン余り。
トルコが3位でアメリカを少し下回っています。
日本は76万トン余りで、世界18位。
生産量はねえ、そうなるでしょねえ。国土の広さが違いますもんねえ。
一方のリンゴ消費量なんですけど、なんだか不思議なランキングになっているですよ。
国としてのリンゴ消費量の1位は、なんといっても中国。ずっと世界の50%ちょっとを消費して来ていますね。
2位のEUが13%程度で推移していて、3位のトルコが5%足らずっていう数字です。
インドはリンゴ食べないんでしょか。カレーの後のデザートなんかに良さそうですけどね。
日本はランクの中に登場していなくって、その他の中に含まれているですよ。
ま、人口を考えてみればそんなところかなって気もしたんですが、あれ? トルコって面積は日本の2倍ぐらいあるんですけど、人口は8500万人ぐらいってことで日本より少ないんですね。
トルコは3位ですけど、日本はランク外。ふむむ。
その国の人口、1人あたりのリンゴ消費量っていうのも発表されています。
1位は「セントクリストファー・ネイビース」で、1年間の国民1人あたりのリンゴ消費量が62.06kg。
リンゴ1個を300gとして換算してみますと、1人、1年間で207個食べるっていう計算になります。
ウィークデイは必ず毎日1個リンゴを食べるってこと? すんごく多い、って思っちゃいます。主食だったり?
そもそも「セントクリストファー・ネイビース」って聞いたことないです。知ってます?
西インド諸島にあるイギリス連邦王国の1つで、立憲君主制連邦国家、なんだそうです。島国ですね。
正式名称、っていうのがあってですね「フェデレイション・オブ・セイント・クリストファー・アンド・ネイビース」
名前の長さに恐れ入ってしまう国なんでありますよ。
人口は5万5千人足らず。
たぶん、みなさん、歯が丈夫! なんでしょかねえ。
どうやって食べているんでしょう。
まさか207個、毎回丸かじりってわけでもないでしょうから、ジュースとかなんでしょうかね。それともリンゴ飴?
ちなみに、リンゴ飴って純和風だと思っていたんですけど、アメリカ発祥なんだそうですね。
1人あたり51.86kg、173個。これもけっこうな数字ですね。
3位はハンガリー。39.19kg、131個。
世界のみんなって、けっこうリンゴ食べるんですねえ。
世界平均のリンゴ消費量は、1人あたり12kg、39個なんだそうです。
へええ。って思って日本の数字を見てみますと、1人あたり10kg、34個。
平均以下。1月に3個食べてない。
どうなんでしょう。この数字って丸かじりしているリンゴの個数ってことじゃなくって、あくまでもリンゴ全体の消費量ですから、ジュースなんかになっている分も含めての推定個数ってことになるんでしょうね。
個人的には34個でもかなり多く感じちゃいます。
周りの人たちも、そんなにリンゴのお世話になっていない気がしますけどね。
作家の五木寛之さんは、歯磨きの代わりにリンゴをかじるって言ってましたけど、どうなんでしょ、今でもそうしているんでしょうか。
だとしたら五木寛之さんは365個消費しているですよねえ。
セントクリストファー・ネイビースの人たちを上回っています。
リンゴの消費に限らず、ずいぶん前から日本人はフルーツをあんまり食べないって言われています。
農林水産省の「日本人にとっての果実」によりますと、日本人の1日あたりフルーツ消費量は、世界172ヶ国中148位。
EU諸国の半分程度。1位のオランダ人の3分の1だそうです。
ひと頃、コンビニでカットフルーツのパックがずらっと並んでいたもんですが、最近見かけなくなりました。
フルーツは好きだっていう人は多い感じを持ってはいますが、日本人、意外とフルーツを食べない、そういう習慣がないのかもです。
リンゴって、みかんと並んで日本人にもなじみ深いフルーツですけどね。
食べたことない、っていう人はまずいないでしょ。
♪赤いリンゴに唇寄せて~
とかやっていたのかもですけど、消費量を見る限り、日本より諸外国の方がリンゴに馴染み深いのかもしれません。
バラ科リンゴ属の果実。
人類との付き合いはホントに長いみたいで、4000年前、つまり紀元前2000年ごろには既に栽培されていたことが分かる遺跡がスイス地方で見つかっているそうです。
日本を含めた東アジア地方で稲作が始まったとされる時期とだいたい一緒なんですね。
いや、米は知らんけれども、リンゴはチャウでしょ。
っていう声があがりそうです。
だってほら、アダムとイブって、リンゴ持ってたよね。そういう絵、見たことありますよ。
人類より先にリンゴ、あったんじゃないの?
創世記ですね。
神は土から最初の男、アダムを作ります。
そしてアダムのあばら骨から最初の女、イブを作ります。
ってことは、アダムってあばら骨が1本足りないんですね。
神はアダムとイブを地上の楽園、エデンの園に住まわせるんですが、その時に楽園の中央付近にある「命の樹の実」と「知恵の樹の実」を食べちゃいけないって約束させるんでしたよね。
どれぐらいの期間、アダムとイブがエデンの園で幸せに暮らしていたのか分かりませんが、ある日、ヘビがイブを誘惑します。
アダムとイブは知恵の樹の実を食べてしまうんですね。
あばら骨が1本足りないせいなのか、アダムは樹の実を完全には呑み込めなくって、喉につかえてしまいます。
それが男の喉仏ってことで、喉仏は英語で「Adam’s apple」
「Adam’s apple」には知恵の実っていう意味もあるんだそうです。
イブは完全に飲み込んだので、男より女の方が賢いのだ! っていう説もあるですねえ。知恵の実ですからねえ。
2人が食べちゃいけないっていう樹の実を食べたことはすぐにバレちゃいます。
食べたあとの2人は自分たちが素っ裸であることに気が付いて、それを恥ずかしく感じるようになって、イチジクの葉を編み合わせて腰に巻き付けます。
その羞恥心の発生をみれば神じゃなくっても、2人がリンゴを食べたことを見破れそうです。
「なあ、おまえら、約束を破って食べてまいましたなあ! ほなら、ここから、出て行けえ!」
で、アダムとイブは楽園から追放されちゃうんですよね。
知恵の実って「Adam’s apple」って言うんだからリンゴでしょ。確定してんじゃん。
ってね、たいがいそういう解釈になりそうです。
でもですね、2人の腰巻きはイチジクの葉っぱってことなんで、ホントはリンゴじゃなくってイチジクの実なんじゃないかっていう説も根強いみたいです。
「Adam’s apple」っていう言葉自体、かなり後からのものなんでしょうし、新約聖書の頃からは禁断の知恵の実はリンゴってことで定着したのかもですね。
宗教画のアダムとイブも年代が経って来るにしたがって、イブの手にしているのが正体不明のものから、完全にリンゴってことになってくるみたいです。
実際の果物、リンゴの栽培も順調に広がっていって、世界的な認知が広がっていったっていうこともあったのかもしれないですね。
西欧世界はリンゴの話が溢れています。
ギリシャ神話に出てくるトロイア戦争は、最も美しい女神に与えられるっていう「黄金のリンゴ」を巡って起きたんだそうです。
リンゴを食べてアダムとイブは知恵を付けて、裸でいることに恥ずかしさを覚えたわけですが、美人の証明である黄金のリンゴを欲しがって戦争を引き起こしちゃうんですね、ギリシャの女神さんたちは。
鏡よかがみ、の白雪姫に出てくる毒リンゴ。
美しさの称号だったり、毒そのものの媒体になったり。リンゴはヨーロッパで大活躍です。
ウィリアム・テルが息子のアタマの上に乗せてクロスボウで射るのもリンゴ。
さらに、20世紀になりますと、初頭にニューヨークのニックネームがビッグ・アップルっていうことで定着します。
1968年にはイギリスでビートルズがアップル・レコードっていう会社を設立します。
アップル・レコードっていう会社が前からあって、そこからビートルズがレコードを出していたんじゃなくって、ビートルズがアップル・レコードを作ったんですね。
レコード盤に貼ってある円形のシールが真っ二つの青りんごマークでした。懐かしいですねえ。
それまでビートルズはEMIパーロフォンからレコードを出していました。
自分たちのレーベルのマークと名前を、なんでアップルにしたか。
ポール・マッカートニーが自宅に所有する一枚の絵。
ベルギーの画家、ルネ・マグリット(1898~1967)のグラニー・スミスっていう種類の「青リンゴの絵(Au Revoir)」
これでイイんじゃない? っていうノリで決まったみたいですね。
Au revoir(オ ルヴォワール)っていうフランス語は「また会いましょう」ってな意味だそうです。
ルネ・マグリット。なかなかヘンテコな画家さんみたいです。シュールってやつは不思議な魅力ですよね。
グラニー・スミスっていうリンゴは酸味が強い品種だそうで、ヨーロッパではパイなんかに使われるオーソドックスな青リンゴ。
ビートルズは1970年に解散しますが、アップル・レコードはいまだに健在ですね。
そんでもって1976年にアメリカ、太平洋岸に近いカリフォルニアのロスアルトスでアップル・コンピュータが設立されます。
スティーブ・ジョブズ(1955~2011)、スティーブ・ウォズニアック(1950~)、ロナルド・ウェイン(1934~)の3人がガレージから始めた会社だってされています。
会社の名前がアップルですし、会社のマークだってかじりかけの七色リンゴです。
業界も違いますし、マークも同じリンゴとはいえ違いはハッキリ分かりますけど、なにせ名前は両方ともアップルです。
1978年、英アップルは商標権侵害に関する訴訟を米アップルに対して起こします。
米アップルが設立されてから2年後のことになりますが、英アップルにしてみれば無視できない存在になって来たっていうことなんでしょうね。
こっちが先にアップル、言うとるやんけ!
1981年に結審して米アップルから英アップルに和解金が支払われたそうです。
米アップルは音楽事業へ参入しないこと、英アップルはコンピュータ事業へ参入しないってことで和解。
解決、かと思ったら、1986年、米アップルは「 Apple IIGS シリーズ」を発表するんですが、これには MIDI機能と自動録音機能を持ったサウンドチップが組み込まれていたんですね。
で、英アップルは1981年の同意とチャウやないの! ってことで1989年に再度起訴を起こします。
1991年、米アップルは違約金を英アップルに支払って、マルチメディア分野に進出する計画を断念して終わります。
これ、けっこう大きな問題だったと思われますね。名前、代えちゃっても良かったんじゃないかっていうぐらい。
しかし、アップル対アップルの争いはまだ続くんですね。
2003年、英アップルはiTunes Music Storeの運用が、またまた違約にあたるってことで訴えたんですね。
これは紆余曲折、裁判官は間違っている! っていう発言だとか、ホントにいろいろあって、公表されない内容とかもあったりするんですが、2007年になって米アップルと英アップルは、商標をめぐる係争が決着したって発表したんですね。
米アップルは英アップルの商標権を総計5億米ドルで買い取ったって報じられていました。
商売の規模が断然違って来ちゃった、ってことでしょかねえ。
当時米アップルCEOのスティーブ・ジョブズは「われわれはビートルズを愛しており、その商標をめぐって争っていることにずっと胸を痛めていた。将来また争いになる懸念がない形でこの件を円満に解決でき、とてもうれしく思う」って言っています。
スティーブ・ジョブズが自分たちの会社にアップルって名前を付けた理由のそもそもが。ビートルズファンだったからっていわれていますからね、
ま、一応ってことではあるのかもですけど、解決してよかったヨカッタ。
ちなみに、アップル・コンピュータのリンゴマーク。かじられているのはなぜでしょう?
それは「みんなが、さくらんぼと見間違えないようにするため」だそうです。
ふふうん。。。
一方、日本でのリンゴの扱いはどうでしょうか。
ま、概ねヘーワ、でしょねえ。
作詞家の阿久悠(1937~2007)は、リンゴがけっこう好きだったのかもしれません。
1978年にテレビドラマ「ムー一族」の中で、郷ひろみと樹木希林のデュエット曲「林檎殺人事件」
♪殺人現場に林檎が落ちていた
♪がぶりと齧った歯形がついていた
今見ますと、当たり前ですけれど、樹木希林さん、若いです。
で、この「林檎殺人事件」の前にもドラマの挿入歌でヒット曲があるんですね。
それは1974年、「寺内貫太郎一家」の中で歌われた「リンゴがひとつ」
これも作詞は阿久悠なんですね。
♪リンゴがひとつ ア~ップル
♪リンゴがふたつ アップルプル
♪リンゴがみっつ アップルプルップル
♪リンゴがよっつ アップルプルプルプル
アップル対アップルで、リンゴが2つあっても、
♪リンゴがふたつ アップルプル
で仲良くやればいいじゃんねえ。
アップルプルには、やっぱり、赤いふじが似合いでしょねえ。
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