< 新潟県庁の担当さん このプロジェクトどうなっちゃったの? なんでずっと公開してないの? >
世の中にはいろんなことを考え付く人がいて、だからこそ面白いんですけど、少女マンガの話から。
「食パンダッシュ」っていうのを聞いたことがあるでしょうか。
朝、遅刻しそうなんで、家から大慌てで走り出ていく。だけど朝ご飯は食べないとダメよね、ってことで食パンをくわえて路地をダッシュ!
ホントはゆっくり紅茶を入れて、こんがりトーストにジャムとかでね、いきたいんだけど、とにかく時間がないからそのままトーストをくわえて走り出す「少女」っていうのが「食パンダッシュ」
正式(?)には「遅刻する食パン少女」っていうらしいんですよね。
少女マンガの定番の1つとして知られているんですけど、その「定番」っていうことに関しては、なかなかに奇妙な論説が交わされているんですよね。
「少女マンガあるある」ってされた「遅刻する食パン少女」っていうのは、
・主人公の中高生少女が寝坊して学校に遅刻しそうになる。
・朝食はまともに摂れないので食パンをくわえて玄関を飛び出してダッシュする。
・路地の曲がり角で、とある少年とゴッツンコする。
・互いにののしりあったり、謝りあったりする。
・少女がようやく教室の席に着くと、件の少年が転校生としてやってくる。
・いろいろあって、2人は恋に落ちる。
っていう筋書き。
典型的な「出会い」「ガール・ミーツ・ボーイ」だよねってことで、取り上げたのは「サルでも描けるまんが教室」っていうマンガ。
これはマンガ家の「相原コージ」と編集家の「竹熊健太郎」の作品で、1990年に発表されたものなんですね。
ま、マンガ評論ギャグ、みたいな作品だったんですけど、「ああ、あるある」って言って、みんながなんとなく納得しているんだけど、「サルでも描けるまんが教室」が発表される1990年以前には、そのパターン、ほとんどないよって指摘されたんですね。
でも、なんかありそうなガール・ミーツ・ボーイのシチュエーションだよねってことで、海外のアニメファンなんかからは「日本のアニメあるある」だよねっていう意見が普通みたいなんですね。
つまり、あるにはあるんだけど、それって1990年以降なんじゃないの?
つまり、典型的パターンって取り上げられてから実質的な典型になったって言われているらしいです。
変なの、ではあるんですけど、この少女がくわえている「食パン」
この「食パン」にアサッテの方から新たな見解を示したのが「新潟県農林水産部 食品・流通課」です。
「日本のコメばなれ。日本人がごはんを食べなくなったのは、遅刻しそうになって走っている少女がくわえているのが食パンだからなのである」
ってことですね。
あの、バタバタ駆けていく少女がパンをくわえているから、朝はパンを食べるもんだっていう習慣がついてしまったんである。
そなんでしょか。
日本人の食卓にごはんを、コメの消費量を戻すためには、あの少女がくわえるべきなのは食パンなどではなく「おむすび」でなければならない。
ってことでですね「遅刻するおむすび少女」っていうプロジェクトを始めちゃったんです。
実際問題として日本人のコメばなれってけっこう深刻みたいで、1年間に日本人1人が食べるコメは、1962年の調査では118.3キログラム。
2022年では、なんと50.7キログラムで半分以下になっているんだそうです。
牛丼チェーンとか、カレーチェーンとかへ行って、外食でもかなりごはんを食べているイメージなんですけど、減っているんですねえ。
コンビニでも弁当やおにぎりが並んでいますし、ハンバーガーにもライスバーガーがあったりするんですけど、半世紀で半分以下になっちゃっているコメの消費量。
これってかなり深刻な問題なんだそうです。
コメが必要とされなくなっちゃうと、作っても売れませんから生産農家も減っていく。
それって産業としてだけじゃなくって、日本の自然環境から田んぼが消えていくことになって、水の保全だとかっていう災害問題にも影響してくるんだそうです。
田んぼの周りの生き物たちの世界も消えちゃうんですもんね。
食パンさんにはなんの恨みもござんせんが、少女にはおむすびを、っていうのが「遅刻するおむすび少女」
第一弾、2022年1月24日公開、「遅刻する女子高生篇」
第二弾、2022年1月31日公開、「遅刻するファッションモデル篇」
第三弾、2022年2月7日公開、「遅刻する男子高生篇」
第四弾、2022年2月14日公開、「遅刻する小川麻琴篇」
プロジェクトの当初からの計画として四篇でいきまっしょいっていうのがあったみたいなんで、この四篇が今のところの全てですね。
ところがですね、7月時点で、この4本、見られませんよ。
ページ中にリンクもあるんですけど、ユーチューブのページに飛んでいくと「この動画は非公開です」ってなっちゃいます。
なんででしょ。期間限定の公開だったんでしょうか。
それともなんか、食パン側からクレームがついたとか、著作権問題が出て来ちゃったとか、そゆことでしょか。
サンプル動画っていうのは見られるんですけどね。
「この動画は、ジャパニーズカルチャーに「遅刻するおむすび少女」を浸透させるために新潟県が作成したサンプル動画である」
ってことで、なかなかしっかり作ってあるムービーなんです。
サンプルって言いながら「遅刻する女子高生篇」が入っていて、この中で女子高生が食べているのは「新潟米コシヒカリ タレかつおむすび」
第二弾以降に登場するおむすびに関する情報は見当たりませんでした。
「遅刻するおむすび少女プロジェクト」に関連した情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、どうなっているのかご教示いただけると嬉しいですう。
【パンより米】遅刻するおむすび少女プロジェクト 「遅刻する女子大生」編っていうのを見つけました。
「この動画は、新潟県の「遅刻するおむすび少女プロジェクト」に激しく共感して新大MACが作成した動画です」ってことでですね、しっかり共感を得られている「遅刻するおむすび少女」なんですけどね。
「遅刻する女子大生」に出てくるおむすびは「コシヒカリ新潟大学NU1号 塩むすび」です。
さすが大学生、走りながら食べるっていうシチュエーションではリアルな種類、塩むすびです。
ちゃんとガール・ミーツ・ボーイもしています。ウケます。
やっぱし、おむすび、おにぎりの映像の方がほっこりしてイイ感じだと思います。
「コシヒカリ新潟大学NU1号」っていうのは、モチのロンで、新潟大学刈羽村先端農業バイオ研究センターが2021年に開発したコシヒカリだそうです。
新大MACのみなさん、塩むすび以外の、次のムービー「遅刻する女子大生」、計画とかないんでしょか。期待しちゃいます。
「遅刻するおむすび少女」は、新潟産のコメってことにこだわらずに、日本全体として、ごはん、コメ食の復活を目標にしているところにリスペクトです。
「遅刻するおむすび少女」全国展開してくれると楽しいんですけどね。
日本人のコメばなれに関しては、このところ「ごはん」っていう概念から離れた消費を工夫しているものもあるんですよね。
全国農業協同組合連合会が売り出している「お米のミルク」
手軽に飲めるごはん、ってことなんでしょうね。
もう1つのキーワードが「米粉」です。
米粉から加工された食品は「グルテンフリー」で、健康志向にもマッチしていて、これから世界的な広がりも期待できるってことみたいです。
米粉で作った「コメチーズ」
コメチーズでチーズフォンデュそすると、おおお、伸びるのびる~、なんだそです。
もち米の特徴をうまく利用しているってことなんでしょう。
「ジパングフードリレーションズ」っていうカレー屋さんが販売を始めているのが「箔米クラフトビール 白金シロガネ」っていうコメビール。
他にも米粉パン、ライスパスタ、果ては脱プラってことで、食用に適さなくなってしまったコメを利用してプラスティックの代わりしようっていう計画も進んでいるんだそうです。
ウクライナ戦争の小麦に対する影響っていうのが出てくるのはこれからだそうですし、小麦畑に地雷が埋められていたりして、収穫が元に戻るのはかなり先のことになるっていうシビアな予測も出ています。
コメの自給率ってだけじゃなくって、輸出品にするぐらいにどんどん消費量を上げていってもらいたいですねえ。
でもなあ、個人的にはずっとごはんが主食なんだけどなあ、って思っちゃいます。
ま、カップ麺とかも食べるけどね。
そんなに消費量が減ってきているんですねえ、ってことで、「遅刻するおむすび少女」がムーブメントになりますように。
ガール・ミーツ・ボーイも、ボーイ・ミーツ・ガールも大事ですよお。
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