< 改めて見回してみるとそういう人 既にけっこう巷に溢れているのかもですよね 腐っちゃっている人 >
スティーブン・キングが著作の中でしょうっちゅう吐き出している言葉「この出来の悪い世界」
それが21世紀もどんどん時間が過ぎていって、ますますロクデモナイことになってきているんでしょうか。
「ブレインロット(brain rot)」とか言っちゃって、なんで脳が腐ってるとか言われているのか、考えてみます。
インターネット世界のことではあるんですけど、ザックリ言っちゃえば「バカコンテンツ」ばっかり見てるから脳が腐っちゃうってことなんです。
日本だけに限って言えばネットだけじゃなくってテレビもそうなのかもですけどね。
「バカコンテンツ」
見てる人の脳みそが腐っちゃうっていうことなんですよね。
スマホとの付き合い方としてよく聞くのが、特に興味があるってわけじゃないし、面白いって思ってるわけでもないんだけど、刺激的でも何でもないインスタグラムのコンテンツとかを見ていて、気が付くと1時間以上も経っていて、なんだかガックリ疲れる、自分にガッカリしちゃうっていう経験。
そういうのってホント、心底疲れますわなあ。深あ~くため息ついて、脳がね、腐っていっちゃう。
コロナパンデミックのあたりから、ネットの中ではちょこちょこ見かける言葉ではありました「ブレインロット」
ネット社会特有の言葉なのかっていうと、さにあらず。ネットなんてありゃしない時代からの言葉なんでした。
1854年に出版されて世界的にヒットした、アメリカの作家「ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817~1862)」の「ウォールデン 森の生活」の中に初登場しています。
ソローは19世紀半ばの都市生活から離れて、まさに森の中で暮らして、そのことを書いた本。
21世紀の生活からしてみれば、都市生活とは言ってもほぼ電化製品なんてないような生活だったと思われますが、それでも森の中で極々シンプルな生活を続けたソローが感じたことは「社会は精神的な関与を必要とするものよりも、シンプルなアイデアに引き寄せられる傾向がある」っていうものだったんですね。
人は、昔よりモノを考えなくなったんじゃないか。考えることを面倒だって思うようになっているんじゃないか。
まあもちろん、都会の喧騒を離れて森の中で暮らしてみようっていう発想自体の中に、当時の社会に対する違和感、反発心みたいなものが、ソローの中にそもそもあったんだろうとは思いますけどね。
産業革命が起こってからおよそ100年後のこと。産業革命の波が様々なジャンルで何重にもアメリカ社会を駆け抜けていった後のことでしょう。人の生活の何かが決定的に変わってしまった。
ソローが森へ入って行くきっかけになったであろう気付きは、人類は産業革命前の何か大事な文明を失ってしまったんじゃないか、っていう不安感だったのかもですよね。
失ってしまったことの方が人間にとって大事だったんじゃないか。
その時代の、その地域の文化を築き上げているはずの人びとの生活意識は、複雑なものごとを理解しようとしないように感じる。
脳の働かせ方、思考態度としては「退化」なんじゃないだろうか。
21世紀。デジタルの、インターネットコンテンツの波が、とてつもないスピードで次々に走り抜けていっている現代も、ホントに似ている状況なのかもしれないです。
そういうことを感じる人たちが出て来て、今、復活してきた言葉が「ブレインロット」なんでしょねえ。
19世紀半ばの「シンプルなアイディア」っていうのが具体的に何を指しているのかは分かりませんが、ソローが言いたかったのは、あまりにも単純すぎて、人生の味わいを感じられるはずのないものにばかりかまけていると、アンポンタンになっちゃいますよ。ってことだったんじゃないでしょうか。
もちろん、アンポンタンとか、そんな表現をするような人じゃないですけどね、ソローはね。
こう言っています。
「イングランドはポテトロット(ジャガイモ腐れ)をなんとかしようとしているが、はるかに広範かつ致命的に蔓延するブレインロット(脳腐れ)を治そうと努める者はいないのだろうか?」
ジャガイモは当時のイングランドの国民食のような扱いの食べものです。貯蔵してあるジャガイモの中に1つでも腐ったものがあれば、どんどん周りも浸食されちゃうわけですから、いち早く見つけて取り除かなければいけないって、そりゃあ懸命になりますよね。
ソローが言っているのは、ジャガイモ腐れが徐々に広がっていく食生活の心配よりも、はるかに広い範囲に致命的に蔓延している脳腐れの方が、だいぶん深刻な問題でしょ! ってことですね。
ポテトロットに関しては、保存方法の改善、品種改良だとかが進んで、何とかなったんでしょうね。今は聞かなくなっています。
でも、ソローが19世紀に警鐘を鳴らしていたブレインロットの方はどうなったんでしょう。
「ウォールデン 森の生活」はベストセラーになったんですし、19世紀から20世紀にかけてブレインロット対策を意識した人も少なくなかったはずです。
ですけどね、20世紀は家電製品の普及っていう時代だったんですよね。
冷蔵庫、洗濯機が身近にある便利生活、ラジオ、テレビが提供する情報、エアコンを利用することによる快適生活。
人類の生活は快適になったことはマチガイナイです。ブレインロットは放っておかれていた感じでしょうか。
生活環境の進歩というのか、電気機器の進化のスピードは加速度的で、コンピュータが当たり前になって、インターネットが普及してSNSが登場してきた20世紀を過ぎて、今は21世紀。
ブレインロットも新たな段階に進んでしまっているらしいんですよね。
19世紀人と比較して、21世紀人は、もっと劣化しているのかもってハナシです。
オックスフォードが言う私たちを蝕んでいるものは「SNSがもたらす低品質なオンラインコンテンツの過剰摂取がもたらす影響」
ブレインロットが個人こじんのメンタルヘルスに深刻な問題をもたらしているっていう、実にコワイ話なんです。
精神的に疲れてしまって「モチベーション、集中力、生産性、エネルギーの低下」を感じている人が、若者を中心に急増しているっていう調査結果があるんですね。
こういう調査結果にありがちな表現「若者を中心に」っていうの、若者の年代を限定していないことが多いです。
まとめ方がザツ、だと思いますねえ。ま、しつこく調べれば年齢を限定したデータにたどり着くこともできるのかもですけど、ざっと見たところでは詳細データは見つかりませんでした。
それにですね、SNSをついつい長時間見ちゃうって、「若者」に限ったことでもなくって、最近はオジオバもけっこうスマホ首になっちゃって病院通いっていう話も聞きます。
老若男女、ブレインロットなのかもです。
身体に不調が現れるほどスマホ漬けになっているのは、全世代共通ってことになっているんだと思います。
スマホに頼り切っているライフスタイルでいると、メンタルヘルス、ヤバイっすよ!
研究は様々行われていて、その結果に基づいてのことらしいんですけど、オーストラリアでは16歳未満の子どものSNS利用を禁止する法案が可決されましたですね。
2024年から1年の期限付きの法案ですけど、様子をみてみようってことです。どういう結論が出されるんでしょうか。注目です。
オトナのメンタルヘルスに対する悪影響より、子ども同士の間での、いじめや性犯罪、ドラッグの売買っていうような悪影響が心配だっていう保護者からの要求によって制定された法案ですね。
オーストラリア政府も、これがSNS対策として正しい方法だっていう確証をもって施行しているわけじゃなくって、とりあえず1年間禁止して様子を見ましょうってことです。
SNSっていう媒体と向き合うのは、人類にとって初めてのことですし、かなり大きな影響のあるものだっていうことをようやく実感し始めた段階で、何をどうするのがイイのかなんて、お釈迦さまでもご存じないっていうのが実情でしょうからね。
子どもに対するスマホの悪影響って、けっこう深刻なものがあるんじゃないかっていうのは、あるエピソードによって世界に知れ渡っているんですよね。
まあ、どう捉えるかっていうのは個人こじんの判断になるんですけれども、1955年生まれの有能、有名な2人ね、スティーブン・ジョブスとビル・ゲイツ。
2人ともコンピュータ業界の巨人ですよね。
特にジョブスはiPhone、iPadを世界中に広めてSNSの土台を提供した人。
ところがそのジョブス、自分の子どもにはiPhoneもiPadも触らせないようにしていたんだそうです。
スマホ依存、SNS依存の怖さに気付いていて、子どもばかりじゃなくって、自分自身もあまり触らないようにしていたんだそうです。そしてそのことを公言せずにいたことが新聞記者のインタビューがあるまで知られずにいた。
そんなことがニュースになって、だいぶ大きな話題になったと思ったら、今度はビル・ゲイツも自分の子どもが14歳になるまではスマホを持たせなかったってこともニュースになったんですね。
さらには、ジョブスの同僚、アップル社のCEOティム・クックは、「もしあなたが人の目よりスマホを見ている時間が長いなら、それは間違ったことだ」っていう発言もニュースになりました。
SNSの代名詞的に取り上げられる「いいね」ボタンを開発したジャスティン・ローゼンスタインはこう言っています。
「製品を作る時には最善を尽くしたが、その思ってもみなかったような悪影響に気づいたのは後になってからだ」
スマホ、SNSは現代のフランケンシュタインなのかもしれません。
オーストラリアのSNS使用禁止法は16歳未満の子どもを対象にしているんんですけど、その両親、親御さんたちにしてもSNSの悪影響を受けてブレインロットになっていないとは限らないわけです。
子どもはすぐに夢中になっちゃうからねえ、って他人事みたいに言いますけど、親の世代、もっと上の世代も同じでしょ。ついつい見ちゃってるでしょ、スマホ。
そんでもって気持ち的に疲れちゃっていませんか?
普段の生活の中でスマホを手離せないっていうことに、いつのまにかなってやしませんか?
「スマホ依存症」って意外に浸透しちゃってるんだなあってことが、2024年に話題になりました。
日本競馬の女性ジョッキー、藤田菜七子騎手がスマホ使用のルール違反ってことで27歳で引退しちゃったんですよね。
競馬ファンは少なくないですし、日本社会にとってけっこうショッキングなニュースだったですよね。
女性ジョッキーとしての先駆者だったですし、アイドル的な存在でした。
ジョッキーたちは八百長行為を防ぐために、レース前日の夜には専用の宿泊施設に入ることが決められていて、そこでは外部と連絡をとれるスマホの使用が禁じられているんですね。
職業柄止むを得ないルールなわけで、当人だって十分理解していたんでしょうけれど、スマホは手離せない、依存症に陥っていたってことなんでしょうね。
このジョッキーのスマホルール違反、彼女だけじゃなくって、2023年、2024年で9人の処分者を数えているらしいです。
トイレやお風呂に入るときも、スマホを手離せない人って、けっこう多いみたいですもんね。他人事じゃないです。
多くの場合、知らずしらずのうちにやられちゃうのがブレインロット。
ちゃんと寝ているし、過度なアルコール摂取もしていないんだけど、集中力が散漫になっていたり、物事に対する批判的思考が出来なくなっていたりしていませんか?
使っているボキャブラリーがネットスラングばっかりになっていませんか?
フェイクニュースがたんまりと溢れているSNSですが、そういうフェイクを安易に信じ込む傾向にあったり、陰謀論にのめり込んだりしていませんか?
こういうSNS世界のエコーチェンバーにとらわれちゃうと、抜け出るのが大変そうです。
当てはまること、あるかなあってことになると、既にスマホ依存症、スマホ脳になっていて、ブレインロット確定ってことになるみたいです。
要はですね、スマホからイイ塩梅に離れて、イイ距離をとった生活を心がける必要が、21世紀のわたしたちには必要だってことなんですね。
スマホ依存症の人たちの共通したイイワケっていうのがあって、それは、
「ちょっとしたヒマでもリラックスしたいからいつもスマホは手離せない」
っていうことなんです。
これが、このスマホに対する依存がそもそもの誤りッ!
スマホってコマーシャル情報も含めてとんでもないボリュームの情報を浴びせかけてくるわけです。
当人の意志としては「ぼんやり」眺めているつもりでも、脳は、全ての情報を受け止めているんだそうです。
脳って、そういうふうにできている。
なので、リラックスのつもりが自分の脳に無茶な負荷を与え続けている。
結果、脳は疲れちゃうんですね。
疲れているのに、またまた「くだらないコンテンツ」を蓄えさせられる。
ブレインロット、まっしぐらです。
意識的に対処しないとダメなんでしょうね。
スマホが、SNSが、日常生活の中に浸透して、毎日を心豊かに暮らしていくことが、なんと難しくなったことか。
「スマホ認知症」なんていう現象もみられ始めているってことです。
以前から知られている認知症の治療は、まだまだこれからで、症状改善の方法は見つかっていないみたいですけど、「スマホ認知症」は簡単に改善できるですねえ。
スマホとイイ距離をとって生活すること。
自分だけじゃなくって、周りの人たち、そして子どもたちのスマホとの接触態度、よっく観察して、しっかり対処しませう!
スマホ首っていうのも、いろいろな障害につながっちゃうらしいですしね。
ブレインロットから抜け出して豊かな人生を取り戻しませう!
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