< 宇宙ビジネスはいかに低予算でロケットを打ち上げるかっていうことからのスタートみたいです >
GDPがドイツに抜かれて世界4位になって、もうじきインドにも抜かれて世界5位になるらしいって言われている2024年の日本ですが、GDPって、現実の生活の中で身近に感じる概念じゃないですよね。
GDP「Gross Domestic Product」
国内総生産。
一定期間内に国内で産み出された物やサービスの付加価値の合計。
付加価値?
なんかね、どやって計測しているのか、よく分からない指標なようにも思えます。
ピンッときません。
一喜一憂する対象でもないような感じですけれど、たしかに日本は右肩下がり。
「失われた40年」っていうやつになりつつあるのかもなあ、っていう気が一方ではしますねえ。
好い方向に進んではいない。
舵取りしている人たちが人たちですからねえ。
ただですね、思うことは、景気の指標としてちょっと前まで「国民総生産」GNP「Gross National Product」っていうのを使ってましたよね。
GDPでは日本企業が海外の工場で生産した付加価値を含めないのに対して、GNPは海外の所得も含んでいたんだそうですけど、なんで指標を変更したんでしょうか。
そういう必要が、どこから出てきたんでしょうか。
GDPは日本よりも人口の多いアメリカ、中国、そしてインドに抜かれるのは当たり前だと捉えることが出来るとしても、日本の3分の2の人口だっていうドイツに抜かれちゃうのは問題だっていう声が大きいです。
日本の産業って、大きな会社は海外拠点をたくさん作っていて、国内のモノヅクリとしては中空構造になっちゃっている。このことはバブル前から指摘されていましたですけどねえ。
なんで資金を投じて工場を海外に作って、その海外の土地の労働と給与支払いを作り出しているのか。
外圧ってやつ?
日本は敗戦国っていうパラダイムから全然抜け出せていないんでしょうかね。
国民総生産、国内総生産だとか、日経平均株価だとかもそうですけど、そういった大きな概念、経済パラダイムとは無縁に生きている感じがするんですけどね。たいていの日本人は。
それでもGDP上がっているよ、上位だよ、っていう話を聞くと根拠なく嬉しい気がしますし、下がっている、ダダ下がり、とか聞くと、やっぱり根拠なくガッカリ、疲れたりしちゃいます。
指標的経済パラダイムなんて直接には関係していないはずなのに。
そういう「気がするだけ」っていうんじゃなくって、生活していくうえで巻き込まれて行かざるを得ないパラダイムっていうのも、実はしっかりあったりします。
「パラダイムシフト」なんていうのが言われ出したのって20世紀末だったでしょうか。
21世紀に向かって何かが変化していくんじゃないかっていう、いわゆる世紀末に対する期待感みたいな空気もあって、どういう職種の人であっても身近に感じていた言葉だったかもです。
「パラダイムシフト」
でもまあ、世紀が代わって2001年になったからといって、きょうはきのうの続きでしょっていう感覚に変化はありませんでした。
パラダイム? シフトした?
でもやっぱり、実はしていたんですよね。
21世紀。全ての世代にスマホが浸透しました。
初めのころには「歩きスマホはやめましょう」「自転車に乗りながらのスマホは危険です」って言って眉をしかめていたオジオバ世代も、あっという間にスマホに釘付け。
街路では、おばあちゃん、急に立ち止まったら危ないよ、っていうスマホばあちゃんが急増しました。
だってよく見えないからさあ。って、そういう問題じゃないっしょ!
21世紀も4半世紀が過ぎようとしている今、その頃ジサマバサマにスマホの使い方を教えていた世代がジサマバサマになってきていますからね、スマホはすっかりライフラインになっているって言えそうです。
スマホは持ち歩けるパソコンっていう側面もあります。
思い返せばパソコンが浸透し始めたのは20世紀末。
それまでキーボード文化の無かった日本にとって、黒船以来のカルチャーショックだ、とかいう声もあったですよ。
黒船ってさあ、とか居酒屋トークでは盛り下がっていたもんでした。
当初のパソコンは、パーソナルって言っても、デカイし、価格も高いし、個人で使うモノっていう感覚はまだ無かったんでした。
で、だんだん小型化して来て、ラップトップ型、ノート型が出てきて、ハードディスクも一気に安くなって、気が付いたら誰でもパソコンを持っているようになりました。
オフィスも家庭もパソコンなしには成り立たないっていう世の中になって、いつの間にかしっかりパラダイムシフト。
キーボードに抵抗のある人って圧倒的に少数派でしたね。
で、そのパソコンが電話にくっ付いて携帯電話になって、また一段進化してスマートフォン、スマホです。
音声入力とかも出てきちゃってキータップすらなくなりつつあるですねえ。
小さなパラダイムシフトの連続。形状から機能から、瞬く間に進化して、インターネットも出てきて決定的。
昭和世代とはすっかり別世界です。
「パラダイムシフト」
生活習慣の中でのスマホの存在。
巻き込まれていない人って、いないんじゃないでしょうか。
生活習慣の変化って言えば、コロナパンデミックでも大きな影響を受けましたよね。
働いている環境であるとか、みんなが集まる娯楽の現場であるとか、インフラを含めた人間生活のパラダイムシフト。オフィスの環境。外食産業の栄枯盛衰。日本人の意識。
コロナが消えてなくなったわけじゃないんで、いろいろな面で本格的に変化を感じるのはこれからなのかもしれませんですけどね。
ほんの少しの変化のように感じられて、その変化に慣れていくと、またすぐに変化は新しい変化を生んで、ふと客観的に眺めてみると、けっこう大きなパラダイムシフトに巻き込まれている。っていうことがこの先に待ち構えているような感じの、中期に入って行こうとしている21世紀です。
21世紀は宇宙ビジネスの時代っていうことが言われています。
一般生活人が意識するにしてもしないにしても、地球人の生活圏が、地球のすぐ外側までであるにもせよ、宇宙空間にまで広がっていく。
新たな商機が宇宙にある。
2024年1月20日、日本の小型無人探査機「SLIM」が月面着陸に、まあまあ成功しました。
このこともまた生活するにあたって直接的な影響なんて考えられませんけれど、何かが変わったっていう事象になるんじゃないでしょうか。
地球よりは小さいにしても、独自の重力を持つ月に、目標地点との誤差100メートル以内にピンポイント着陸出来たことは大成功です。
着地姿勢がバランスを崩してひっくり返った状態になってしまったのが、まあ、ご愛敬。
太陽電池パネルに太陽光が当たらないってことになってしまったんだけれども、太陽が傾いてくれたんでオッケー、になったんでしたよね。
月面の写真データを送って来てくれました。
そして2月17日、JAXAは今後20年間の基幹ロケットになるH3ロケットの打ち上げに2回目、いや実質3回目で成功しましたですね。
乗せていく3基の衛星うちの1基は打ち上げ失敗によって失われることを恐れて、形状、重量を同じにしたダミーを積んで打ち上げられたんだそうです。
初号機の打ち上げ失敗はいろんな方面に影響をもたらしていたんですね。予算的にもね。
ロケット自体も衛星も、オタカイものですからねえ。
2号機の成功によって超小型衛星2基の衛星を切り離して軌道に乗せて、ロケット性能確認用のダミー衛星は当然ながら軌道に乗せることはせずに、本体ロケットとともに落下させたそうです。
通常ではない動きも含めて、ちゃんとH3をコントロールできたわけです。
それにしましてもね、2号機の成功にJAXAの技術者たちが涙を浮かべている光景を目にしますと、最新鋭のロケットは、もはやカミダノミにすがるような気持ちになってしまうほど複雑なシステムになっているんだろうなあって思わされます。
優秀な日本人男女が集まっているんですから、JAXAって。
そういう人たちがやるだけやって、祈るような気持で見守る。
JAXA、および関係者のみなさん。うまくいって、ホント良かったですね。
日本のロケットH2、H2Aは世界最先端、みたいなことを言われていた時期もあったわけですが、いつのまにか後方に押し出されつつあるっていう声も聞きます。
予算的に、打ち上げコストがいつの間にか他よりも高くなっちゃった。
だからH3を作ったわけですけど、1回目の失敗がかなり応えたんでしょうね。
もう失敗できないっていうプレッシャーは相当なものでしょ。
リージョナルジェットから撤退した三菱の技術者たちなんかは、いろんな意味で、失敗は許されない気持ちになっていたであろうことが想像できます。
H3の打ち上げ成功は、これで日本も宇宙ビジネスの競争にしっかり参加していける切符を手にしたことになりそうです。
JAXAのみなさんには、プレッシャーをも味方につけて、世界をリードしていけるぐらいにしっかりH3を育てていっていただきたいです。
宇宙技術開発の熾烈な競争は地球レベルで進められていますもんね。強力なライバル、目白押しです。
日本も参加しているアメリカNASAが主催する国際協力プロジェクト「アルテミス計画(月の女神計画)」
これは2024年の後半、あるいは2025年の初めごろには有人衛星を月の周回軌道に乗せることを第1目標にしているんですよね。
そして第1目標を達成出来たら、いよいよ人類を月面に立たせようっていう計画です。
宇宙についてまったくの素人の感覚からしますと、不思議なんですよね、これって。
アポロ11号が月面着陸に、既に1969年に成功しているじゃないですか。
月面に降り立ったニール・アームストロング(1930~2012)の「これは人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な跳躍だ」っていう言葉が有名です。
土壌のサンプル収集をして、星条旗を立ててその撮影をして、無事に生還しているアポロ11号です。
もう半世紀以上前ですよ。
1972年にアポロ計画は終了していますけれども、アポロ11号のナレッジがあるにもかかわらず、アルテミス計画は必要以上に慎重な計画に思えます。
ま、宇宙飛行っていうのはそんな単純なものじゃないんだよ、ってことなんでしょうけどね。
予算に限界を設けずに、腕力勝負でやるっていうんじゃなくって、いかにコストを下げて実現するか、っていうことが21世の宇宙技術の基本コンセプトなんでしょうからね。
一方で、実際に生身の人間が月に降り立って探査しようっていう計画はアルテミス計画だけじゃないところが、21世紀は宇宙時代ですって言われる由縁になっているんだろうと思われます。
中国の「嫦娥計画」っていうのがあります。
2019年に月の裏側に人工衛星「嫦娥4号」を着陸させています。
嫦娥(じょうが)(チャングゥ)っていうのは月に住む仙女なんだそうで、洋の東西を問わず月には妖艶な女性がいるってことになっているんですねえ。
うさぎだけじゃない。月の女神と月の仙女。
「嫦娥計画」ではロシアと協力して2028年までに月の研究基地を建設する予定なんだそうです。
2028年ってすぐそこですよ。
さらにインドの「チャンドラヤーン計画」があります。
2023年8月には水が存在するって言われている月の南極付近に「チャンドラヤーン3号」を着陸させています。
チャンドラヤーンって言うのは「月の乗り物」っていう意味の合成語だそうで、インドはいたって現実的。
女神だとか仙女だとか、月にそういうの、いませんよ、ってことなんでしょうかね。
どの計画でも月の次には火星探査を見据えていて、技術開発は各国間で熾烈を極めているみたいなんですよね。
まさか軍事基地を作ろうっていうことでもないんでしょうから、チーム地球ってことで協力し合っている部分もあるんだろうなあ、って思いたいところです。
ビジネスですからさまざまな思惑が渦巻いてはいるんでしょうけれど、宇宙時代はもう始まっていることは間違いなさそうです。
木製の人工衛星って話に入る前に長くなりましたので、その2に続きます。
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