< 温暖化による海水温の急激な上昇は地球の生命にとって何もイイことがないみたいです >
南極の氷床、北極の氷壁、アルプスの氷河、シベリアやアラスカの永久凍土。
改めて見回してみれば、地球には一定の面積、容量を持った氷の世界があるんですよね。
でも今、それらがみんな急速に溶け始めているんだそうです。かなり前から対策すべきだっていう声があがってましたけどねえ。現生人類は効果的な対策、なあんもやれていないんですねえ。
地表の氷、全部が全部、一斉に溶け進む一方。
なかなか実感することができないことだと思うんですけれど、このまま地球上の氷が溶けていくと海面の高さが上がって、南洋の小さな島々だけじゃなくって、東京都心部も海に飲まれてしまうっていうシミュレーションもあります。
これはかなり不安ですよ。江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区には結構広い範囲に海抜ゼロメートル地域がありますもんね。
なかなか実感できないことではあるんですけど、リアルな話なんですよ。
永久凍土からは二酸化炭素の他にも、予測できない危険な古代の気体が放出される可能性もあるんだそうでして、21世紀の地球生命体に悪い影響が出ないとも限らない。ホント、ロクなことないみたいです。
日本で暮らしている限りなかなか実感できない、とはいうものの、日本だって最近の夏の期間の長さ、体温超えの気温を考えると、けっこうヤバイっしょ。
かなり前からですけど、やっぱり異常気象なんですよね。
で、異常が異常でなくなっちゃうと、地球環境、どうなっちゃうんでしょ。
いつの間にか異常が通常になりつつある。慣れればオッケーっていう単純な問題じゃなさそうです。
野菜、果物、魚介類の生態域も北上してきているっていうのも、考えてみればずいぶん前から日本人は実感している、はず、っていうのかもっと問題認識するべきことだったんですよね。
北海道産の米。旨いって評判です。「ゆめぴりか」「ななつぼし」「ふっくりんこ」
昭和の時代までは稲作するには寒すぎて、北海道じゃ米はムリって言ってたですけどね。米の北限がどんどん北上したってことですもんね。
ま、北海道産の米に関しては農業試験場の努力ってのもモチロンあるわけですけれども、環境の変化っていうのが大きいんだと思います。
温暖化による動植物への影響って、もうとっくに現れていたことに今さらながら気が付きますよね。
そうした気候の変化についていけない動植物がいるってことも、やっぱり既に確認されているみたいなんです。
地球の自然環境、動植物の生態なんかを研究しているアメリカの非営利団体「ナショナルジオグラフィック協会」が2018年に発表したニュースも、当時からもっと重く受け止められるべき内容だったんじゃないかって思われます。
生物学専門誌「Current Biology」に発表されたアオウミガメのニュースでした。
ナショナルジオグラフィックがオーストラリアのグレートバリアリーフで調査した結果、アオウミガメの99%がメスだったっていう、かなり衝撃的な内容でした。2018年ですよ。
卵が孵化する時の温度によって性別が決まる生態を「温度依存性決定」っていうらしいんですけど、アオウミガメが卵を産み落とした砂の中の温度が29.5度より高ければメス、低ければオスになりやすいっていう自然界の仕組み。
99%がメスだっていうことは、アオウミガメが孵化する砂の中の温度が29.5度をかなり上回った日、年が続いていたっていうことなんでしょうね。
そもそもレッドリストで、近い将来に野生での絶滅危険性が高い「絶滅危惧ⅠB類」に分類されていたアオウミガメです。
野生のアオウミガメはもういなくなっちゃうんじゃないでしょうか。オスを増やせるんでしょうか。
アオウミガメのメスは交尾した後、体内に精子をひと夏程度の期間、保存出来て、そのメスが個体としてベストなタイミングを判断して卵を産むことができるんだそうですけど、オスがね、1%しかいないんじゃ受精の機会がほぼ無いってことですもんね。ひと夏程度の精子延命じゃ追いつきそうもないです。
さらに気になるのは、この「温度依存性決定」って、なにもアオウミガメに限った生態じゃなくって、他のカメ、ワニだとかにも多くの種類がいるんだそうです。
数多くの地球の生き物が種族ごと、一気に消えてしまうっていうニュースを近い将来に聞くことになるんじゃないでしょうか。恐ろしいです。
地球の温暖化によってすでにいろいろ影響を被っているわけなんですが、日本に住んでいる人間たちが特に警戒しなければいけないことが「凶暴化する台風」
温暖化って言葉がなんとなく柔らかい感じですけど、影響はいろんな方面で凶悪甚大なんですね。
今現在、勢力の強い台風を「スーパー台風」って表現していますけれども、21世紀の中盤、終盤に向かっていくにしたがって台風は、風の強さ、雨量の多さ、発生してから日本列島に上陸するまでの時間の短さ、影響範囲の大きさ、全てにおいて「凶暴化する」って予測されているんです。これまでのスーパーを凌駕する凶暴さ。
発生する台風の数は減っていくかもしれないけれど、いったん発生すればそのパワーはエゲツナイ、ってことが予想されているらしいんです。
気象研究の観点から太平洋は3つのエリアに分けられているんだそうです。
北半球のアメリカ西海岸から太平洋上の日付変更線までのエリアが「北東太平洋」
日付変更線からアジア沿岸部までのエリアが「北西太平洋」
南半球の太平洋は「南太平洋」
日本が属しているのは、当然のことながら「北西太平洋」です。
そしてこの北西太平洋こそが、世界で最も多くの台風を発生させているエリアなんですね。
洋上で発生した低気圧が10分間平均で秒速17メートルを超える風を吹かせると台風発生ってことになるんですが、北西太平洋は年間25個ほどの台風を発生させています。
天気予報で聞いたことがあると思いますけれど、台風の強さは「hPa(ヘクトパスカル)」で表現されていますよね。台風は低気圧ですから、この「hPa(ヘクトパスカル)」の値が低ければ低いほど強い台風ってことになるんです。値が低い方が強い。
1000ヘクトパスカル以上であれば、普通の、っていいますかそんなに強くない台風。
980から960ヘクトパスカルぐらいまで下がりますと、強い台風。
950ヘクトパスカル以下になると、非常に強い台風って表現するのが通例になっているようです。
40代以上の人であれば覚えていると思うんですけど、前は「mbar(ミリバール)」って言ってましたよね、台風の強さ。
1992年に「hPa(ヘクトパスカル)」に代わったんですよね。
気象庁が国際基準に合わせたんだそうです。
で、「mbar(ミリバール)」の前は1945年まで「mmHg(ミリエイチジー)」が使われていたんだそうです。
ミリ水銀柱、ミリマーキュリーともいうらしい「mmHg(ミリエイチジー)」ですが、圧力の単位で、今でも血圧の単位に使われているですねえ。
健康診断結果表で見たことあると思います。現役の血圧単位ではありますが、気圧の方は「hPa(ヘクトパスカル)」に変わっているわけです。
1hPa=1mba=0.750064mmHg
ミリバールとヘクトパスカルって数値的にはまったく一緒なんですね。
ところで観測が始まってから地球上で最強の台風っていうの、知ってます?
1979年(昭和54)、10月6日に北西太平洋で発生した台風20号は、12日に中心気圧「870ミリバール」を記録しました。今の単位でいえば「870ヘクトパスカル」
950ヘクトパスカル以下で非常に強い台風になるんですから、870ってとんでもない強さですね。超スーパーです。
それが19日に和歌山県に上陸。本州を縦断。東北地方から太平洋に出て北海道東部に再上陸。
とてつもなく大きな暴風域を持った台風20号は、21日に温帯低気圧に変わるまでずっと日本列島のほとんどを暴風域に巻き込んでいたそうです。
死者110名、行方不明者5名、負傷者543名、住家全壊139棟、半壊1,287棟。
なんだかトンデモナイ台風だったんですが、ちょっとね、記憶の彼方になってしまっています。
こういう台風には記憶に残るような名前を付けるべきだと思いますけどね。
台風20号っていう名前じゃ埋もれちゃいますよ。っと自分の記憶力を棚にあげちゃいますけど、1979年、この頃から地球温暖化っていうのは叫ばれていたらしいんですけど、どうなんでしょう、一般的にはまだ認識されていなかったような気がします。
原因がなんであるにせよ、地球は温暖化に見舞われていることは事実ですね。海面温度も上昇しています。
海面温度が上昇すれば水蒸気の量が増えて、台風が凶暴化するってことになるんですねえ。
2025年時点で半世紀近く前に「870ヘクトパスカル」っていうとんでもない強大な台風を体験している日本列島です。
半世紀前に比べて温暖化はどんどん進んでいます。
「870ヘクトパスカル」をさらに下回る、凶悪な台風が、おそらく、ほぼ確実に発生するんでしょうねえ。
そして日本にやってくるんでしょうねえ。
どうにかならないんでしょうか。
オカミに期待したってどうにもならんでしょ、って、ついついブーたれてしまうのが恒常化してしまっている感じの日本ですが、凶暴化する台風に関しては、なんだか期待して良さそうなことをやってくれているんですよ。
2018年(平成30)に創設された「総合科学技術・イノベーション会議」の「ムーンショット型研究開発制度」
「総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)は、内閣総理大臣、科学技術政策担当大臣のリーダーシップの下、各省より一段高い立場から、総合的・基本的な科学技術・イノベーション政策の企画立案及び総合調整を行うことを目的とした「重要政策に関する会議」の一つです」
だそうで、Council for Science, Technology and Innovation、CSTIなんですね。
残念ながら、あんまり馴染みはないですねえ。ニュースになっていない感じ。
科学技術は日本が世界に誇れるものの1つですよね。今までのところですけどね。
でも期待しちゃってイイような気もします。根拠ないですけど。
科学技術に関する内閣の諮問機関「科学技術会議」っていうのは、なんと1959年に設置されているんですね。
ま、この分野に関しては「やるべきことはやっている」って評価してもイイのかもです。
「科学技術会議」は2001年に内閣府設置法によって「総合科学技術会議」となります。
そして2014年「総合科学技術・イノベーション会議」へ改組されているんですね。
そしてこの「総合科学技術・イノベーション会議」がコントロールする形で2018年に創設されたのが「ムーンショット型研究開発制度」
「ムーンショット」っていう名前は、アメリカの第35代大統領ジョン・F・ケネディが「アポロ計画」のスピーチのなかで言ったフレーズのマネッコだそうです。
前人未到の成果を目指すっていうニュアンスなんでしょうね。
「ムーンショット型研究開発制度」は9つの目標を定めています。
目標1:2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現。
目標2:2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現。
目標3:2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現。
目標4:2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現。
目標5:2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出。
目標6:2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現。
目標7:2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現。
目標8:2050年までに、激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現。
目標9:2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現。
なかなか壮大過ぎて、よく分からない目標になっている感じがなきにしもあらず、ですが、ま、ムーンショットですからね。
量子コンピュータが2050年までに実用化できるのか、今、どのへんなのか、分からないことだらけですが、注目は目標8です。
2050年までに、激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現。
この目標8の通称を「タイフーンショットMS」といって、2022年から「台風科学技術研究センター」を中心にして研究がスタートしているんですね。
今後、激甚化が予想されている台風のシミュレーション技術を向上させて、災害リスクを事前に把握することによってその対策を考察、実施する、台風災害リスクの低減。
台風の巨大なエネルギーを再生可能エネルギーのラインナップに加える。
さらには台風の勢力を弱める技術も研究しているんだそうです。
2050年ってすぐそこですけど、今のところ、2025年現在ではまだ成果が出てないんでしょうね。
でもまあ、華々しい成果のニュースを期待したいと思います。
少なくとも人的被害がなくなるように、願いたいです。
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