< 全然タッチしていないSNSジャンルで起きているらしい世界的問題 >
「ティックトック、やってる?」
は?
「ティックトックってあるじゃん。あたしさ、タロちゃん好きなんだけど、河野太郎ね、デジタル大臣の。なんかさ、タロちゃんがティックトックでいじめられてんだけど、なんのことだか分かんなくってさ。ティックトックなんてやってないし、なにか知ってるかなって思ってさ」
タロちゃんですか、そですか。
ティックトックは知っているような知らないような感じでして、デジタル大臣との関係とか、なんも知らんですよ。
はい、いつものごとくの焼酎バーのカウンターでございます。
ティックトックのことで、なにやら困った顔になっちゃっているのは、いつもはサバサバしているトンちゃんです。
「あたしさあ、誕生日が同じなのよタロちゃんと」
へええ、って、知らんがな。
要するに政治信条とか、選挙区が自分の住んでいる、あるいは実家のあるところだからとか、そういう関連でタロちゃんこと、河野太郎デジタル大臣を応援しているってことじゃなくって、年はトンちゃんの方が若いんでしょうけれど、誕生日が同じってことで「ガンバレ、タロちゃん!」ってことになっているんでしょうね。
政治とのヘーワな関わり方、かもしれません。
私はといえばテレビを持っていませんし、最近はネットニュースも先頭から2つ、3つを斜め読みするぐらいで、みんながしっている話題にも、ついていけていないような日々です。政治にも特に関心は持っておりません。
時々、議員さんの誰彼に対して、バーロー! って思うぐらいです。
タロちゃん、なんかやらかしましたか?
「ティックトックだからタロちゃんが危ないんだっていうのよ。それがなんだか分かんなくってさあ」
言っていることがさっぱり分かりませんよ、トンちゃん。
ティックトックだから危ない。って、なんやねん!?
どうもね、トンちゃんも「ティックトックだからタロちゃんが危ない」っていうニュースそのものを見聞きしたわけじゃなさそうで、会社の人から聞いた、らしいんでありますが、その会社の人っていうのがまた、ティックトックとか、知らない人みたいで、そもそも話の最初から正体が分からない、謎に危ない河野太郎デジタル大臣ってことなんでありました。
トンちゃんはネットニュースとか見ないんだそうです。メンドーだから。
ふううん、そですか。でもまあ、ここ数日ぐらいに、ティックトックがらみの、タロちゃんがらみの、ニュースがあったことは間違いなさそうでしたので、調べてみました。
っていうか、ティックトックって、やってます?
名前は知っているっていうか聞いたことありますけど、その正体はよく分からない、っていう人がほとんどなんじゃないでしょうかね。大人は。
10歳ぐらいから20代半ばぐらいまでの人たちが使っているSNSっていうイメージですけどね。
なんで日本のデジタル大臣がティックトック?
投票権が18歳から認められて、その若い世代の取り込みってこと? かなん?
トンちゃんの心配の基になったニュースはこれかな、っていうのはすぐに見つかりました。
2022年9月13日付けの「東京新聞TOKYO Web」によりますと、「TikTokでマイナンバー制度PR 情報流出懸念のアプリ使用 デジタル庁にネットで批判相次ぐ」ってことなんでありました。
「ティックトック」と「タロちゃん」「危ない」っていうのは、なかなか複雑な絡み具合みたいですね。
マイナンバー制度を推進しましょうっていうのは、内閣が力を入れていて、いろいろ「お得ポイント」なんかを付けて盛んにカードを作るようにアナウンスしていることですよね。
それでもなかなかカード取得率が上がらないっていう、やっかいごとになっている感じ。
特に便利なこともなさそうなカード、積極的には作らないでしょねえ。
住民票がコンビニでとれますよ、って言うんですけど、そんなに使う機会ないでしょ、住民表とか。
トンちゃんが気を揉んでいる出来事は、河野デジタル大臣の肝いりなのかどうかは分かりませんが、デジタル庁としてもマイナンバー制度を推進する方策の1つとしてティックトックの動画を公開したっていうことがコトの発端みたいですね。
9月8日から公開されているっていうそのティックトック動画は、ティックトックの運営会社が作成したもので、デジタル庁のチェックを経て、若年層へのマイナンバー制度をアピールしようっていう狙いみたいです。
この辺が「ティックトック」と「タロちゃん」の絡みでしょうね。
で、あとは「危ない」ってことがどう絡んでくるのか、ってことになります。
これは、たぶんですね「ティックトック」の「危なさ」っていうのと、「タロちゃん」の「危なさ」っていう、2つの「危ない」が出てくるんだろうって思われますね。
まずは「ティックトック」の「危なさ」から。
「ティックトック(TikTok)」は中国の「バイトダンス(ByteDance)」っていう会社が運営するSNSなんですね。中国語では「抖音(ドゥイン)」っていうそうです。
2016年に中国版がリリースされて、あっという間に中国全土を席巻。
これ、とんでもないことですよね。中国で圧倒的なシェアを得たっていうことは、その時点でユーザ獲得数はほぼ世界一ってことになります。
で、この辺りから中国の特殊性が出てくるんですが、2017年に国際版をリリースします。
この国際版っていうのが中国以外の国で使用されている「iOS」「Android」向けに作られたものなんだそうです。
中国国内向けと、中国以外の国に向けてのSNSツールってことです。
中国共産党の情報統制はつとに有名ですが、最初から中国対世界っていう構図が見えていますね。
高圧的情報統制の国、中国です。
「バイトダンス(ByteDance)」の大株主は中国政府。会社の方針自体が中国共産党の思惑、そのものになっている可能性が高いですね。
2018年に中国国内でのM&Aを経て、「ティックトック」は世界バージョンになっているそうです。
スマホ専用って考えて良さそうな「ティックトック」ですが、動画編集機能もあって、自分で撮影した動画にBGMを組み合わせて、手軽に制作、視聴できるところが若い世代に支持されているっていうことなんですね。
作成できる動画の長さもだんだん長くなってきていて、最初は15秒ほどに制限されていたものが、2022年時点では3分にまで伸びているみたいです。
SNSの棲み分けとして「文字のTwitter」「写真のInstagram」「動画のTikTok」っていうことが言えそうですよね。
圧倒的に小学生、中学生、高校生の動画ツールとして世界的なシェアを持っているのが「ティックトック」
この「ティックトック」がなぜ「危ない」って言われるのかっていいますと、ずばり、ユーザの個人情報を勝手に取得して中国情報局に流しているから。
その証拠があるって言っているアメリカの機関もあるようですが、純粋にこの情報取得問題だけに絞って国家間交渉は出来ないっていうのが、今の世界の現状で、不正を訴えているアメリカの中でも対処方法についてハッキリした動きはとれないみたいです。
もちろんバイトダンス本社、中国政府は、んなことしてません、って否定してますけどね。
トランプさんが、「ティックトック」をアメリカの会社に売れ、っていって世界を騒がせましたが、マイクロソフトが交渉していたみたいですけど、うまくいかず、バイデンさんはトランプさんの出した命令を取り消しています。
アメリカを中心として、政争の道具にもなっている「ティックトック」ってことなのかもです。
「ティックトック」のいろいろな機能の中に、ユーザの個人情報を取得して、個人の住んでいる場所、趣味嗜好、生活の様子を特定、それを中国の「バイトダンス(ByteDance)」はデータ収集して中国政府に提供しているし、社内の誰でも閲覧できる、っていう証言もあるみたいなんですよね。
ははあん、中国ならやりそうだよねっていうのが、日本を含めて西側諸国の共通認識、ってことなんです。
ってことで「ティックトック」の「危なさ」は、ユーザ情報が中国政府に握られるっていうことですね。
そういうふうに、危険だって言われているツールを使って、日本の政府が動画を流しているってことは、いかがなものか、っていうことで、ここで「タロちゃん」河野デジタル大臣が登場してくるわけなんです。
ただですね、「タロちゃん」の「危なさ」っていうのは、「ティックトック」を使ったってことに終始するんじゃなくって、9月13日の記者会見での応答内容が「危ない」っていう批判になっているんじゃないでしょうかね。
2020年には自民党の「ルール形成戦略議員連盟」がティックトックの扱いについて問題視している意見が出されているんですが、タロチャンは、
「動画で機密が漏れるということはなく、問題ない」
って突っぱねたみたいなんですよね。
そりゃあね、
「危機意識がないやないの! なにかあったらどないしてくれんねん!」
って突っ込まれますよ。当たり前です。
さらに、
「もし規制のラインを動かす必要があると判断した場合には、しっかりとしたラインの引き直しをする」
って言っているみたいなんです。
ん~。これね、何かあったら対処するっていうことを、ホンキでそのまま思っているんだとしたら、タロちゃん、お前もか、ってことで、日本のデジタルって、ホント情けないことになっちゃうですよねえ。
認識が出来てない、って言いますか、オッカシイでしょ!
政治家のセンセ方はデジタル事情の専門家じゃないってことは分かりますけど、デジタル庁を作った以上、少しは勉強していただかないと「危ない」ですよ。
「ティックトック」の中の機能として疑われているのは「バックドア」っていう手法なんですけど、タロちゃん、知ってます?
誰かさあ、タロチャンに分かりやすく、簡単に、短く説明できるような人が傍にいないと、ホント、デジタル庁、ダメじゃん!
さまざま批判はあるにしても、河野デジタル大臣は行動の人ではあると思っておりますんで、全方位的にスピード感を持って対処していっていただきたいです。
何かあってからの対処って、デジタル世界ではあってはいけないことなんでございますよ。
何かあったら、その時点で勝負アリっていうのがデジタル世界です。
ネットの中での戦争状態はとっくに始まっているんですから、よろしくお願いいたします。デジタル大臣さま。
日本人にも優れたデジタル人財、いっぱいいるはずですよ。
「危ない」から脱却してちょうだいませ。
トンちゃんも応援しておりますんで。