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【エッグベネディクト】まあね 店の雰囲気も料金のうちってことではあるんでしょう

< ブランチ・ミーティングっていうのに参加させられてきました もう行きたくないです >

ウィークデイなんですけどね。わざわざ予約を入れてホテルの会議室で「ブランチ・ミーティング」
めんどくさ! って思ったんですけど、ブランチが始まる前に現場に集合していますんで逃れようがなかったんでした。


特に昵懇ってわけでもないメンバーたちと、なんでブランチとかせなあかんねん。


ま、参加させられた半数以上がそう思いながら炎天下を歩いて、とある有名ホテルへ移動。
で、結局、議題とかは無くって、最近どう? みたいな、しょうもな! っていう内容だったんでした。


ブランチ・ミーティングってことで、丸テーブルの個人席ごとにメニューが置かれておりました。
自分の財布からは出さないですから、ま、オッケーではあるんですけど、お高いですのよね。おほほのほ。


長くて読みにくいカタカナの名前が並んでいますねえ。
エッグベネディクト」をオーダーさせていただきました。


にょほほのほ、です。それがいったいなんなのか、ちっとも分からずにオーダーです。


「コーヒー、ティーはあちらにご用意させていただいております。恐れ入りますがセルフでお願いさせていただいております。アイスとホット、両方ございます」
あ、そですか。どことなく慇懃無礼な空気感で、ご案内いただきました。

 

 

 


聞いたこともないようなメニューの中から、なんで「エッグベネディクト」なるものを選んだのか。
それは「ベネディクト」っていう単語を聞いたことがあるような気がしたからあ~。
エッグは知ってまっせ。タマゴだあ。


ってことで聞いたことのある単語の連続のメニューにすがってみたわけですね。


「ベネディクト」って誰だったかなって、ちょっと考えて、「ルース・ベネディクト」っていう名前を思い浮かべました。
菊と刀」を書いた人です。


ま、ルース・ベネディクトっていう人と、エッグが結びついた料理じゃないでしょうね。


これは後で調べたんですけどルース・ベネディクト(1887~1948)はニューヨーク生まれ、アメリカの文化人類学者で、「レイシズム」っていう言葉を世界中に広めた女性としても知られています。


「人種間には根本的な優劣の差異があり、優等人種が劣等人種を支配するのは当然である」っていうのがレイシズムなわけですが、ルース・ベネディクトレイシズムを盛んに言っているのは、どうも後ろにアメリカ軍がいて、大学での予算獲得だとか、戦後の教育界独自の問題から、自分の思いとは直接的な関係なく言わされていた事情があるような気もしますね。
フェイクの感じがします。


菊と刀」っていう本も、当初、ルース・ベネディクトが考えていたタイトルは「We and the Japanese」「Japanese Character」だったとされています。


出版するときになって出版社が「The Lotus and the Sword」っていうタイトルを提案してきたんだそうです。
「蓮と刀」ってことですね。


「わたしたちアメリカ人と日本人」とかいう当初のタイトルイメージとは似ても似つかないもので、出版社側の態度、狙いが感じられるような気がします。


結局ルース・ベネディクトは蓮を菊に代えて「The Chrysanthemum and the Sword」として出版したんですね。
1946年のこと。つまり戦後すぐの出版です。


日本に一度も来たことのないアメリカの文化人類学者が日本文化っていうものを文献だけから導き出したのが「菊と刀」です。
「恥の文化」っていうのはこの本から出ている日本文化の表現なんですね。


他人と向き合う際に相対的な空気を意識するっていう日本独特の「恥の文化」に対して、個々人の自律的良心に基づいて行動する「罪の文化」っていう表現で欧米文化を捉えています。
多分にキリスト教的な背景がありそうですよね。当たり前なんでしょうけど。


だからといって、「菊と刀」に書かれた内容を「罪の文化」が「恥の文化」より優等だって言っているとは思えませんですけどね。そう解釈する人もいます。


同性愛者だっていう判断もあったらしいルース・ベネディクトですが、戦争中に軍からの依頼で日本について学習を始めた優秀な文化人類学者は、その発言にその時代の女性特有の不自由さを抱えていたんじゃないかっていうことは、単純に批判する前に考慮しておくべき時代背景なんじゃないかなって思いますね。


アメリカ軍としては、戦後日本を如何に教育するかっていうことを前提にしてルース・ベネディクトに日本分析を依頼、あるいは命令した結果なんでしょうからね。


戦後、アメリカの大学でルース・ベネディクトは「菊と刀」を読まないように指導していたらしいですからね、素晴らしい日本文化の分析なんですけど、彼女自身の純粋な分析と乖離のある内容になってしまっている部分もあったのかもしれないです。


1948年にコロンビア大学の正教授に任じられた2か月後、急死しています。

 

 

 


ルースじゃなくって、エッグ・ベネディクトの話でした。


まあね、この聡明な文化人類学者さんが考え出したメニューだとすると面白いんですけど、ルース・ベネディクトさんは全然関係なさそうですね。


エッグ・ベネディクトは1900年ごろ、ニューヨーク発祥のメニューだそうです。


ニューヨークきっての有名レストラン「デルモニコス」は、創業が1827年っていう老舗。
こういうのが出てくる辺りで、高級感が漂って来ます。エッグ・ベネディクト。


ニューヨーク好きな人たちの間では有名なレストランなのかもですけど、知らんです。
何回も閉業して、経営者が代わって再開、また閉業して場所を変えて再開しているみたいで、21世紀の今でもニューヨークで営業しいているみたいです。


1900年ごろのデルモニコスは、創業一家のデルモニコが最後に経営していたニューヨーク5番街、ニューヨーク44丁目にあったみたいなんですけど、エッグ・ベネディクトはどっちの店舗に由来するのかは分かりませんでした。


高級レストランであることは間違いなさそうなデモルニコスに通い詰めていたのが「ル・グラン・ベネディクト夫妻」
どういう人物なのかちょっと調べきれませんでしたけれど、ま、お金持ちなんでしょね。
絶対お金持ちに違いありません。
ヤなヤツなんですよ、きっと。根拠とか、なにもないですけどね。にゃはは。


あるとき「ル・グラン・ベネディクト夫人」はおっしゃいました。


「ね~え、なにか新しいメニューはございませんこと。ずいぶんローテーションいたしましたけれど、いつも同じメニューばかりですからね、わたくし、飽きてしまいましたの」


ははーっ! かしこまりましてございます。


ってことで、ご夫人のお好みなんかをね、こまごまとお伺い立てまして、シェフが工夫して作り上げたのが「エッグ・ベネディクト」なんだそうでございますよ。


ふううん、さいでございますか。
イングリッシュ・マフィン、カップケーキじゃない丸いパンですね。
これを水平方向に半分に切って、カリカリベーコン、ポーチドエッグを乗せた上からオランデーズソースっていうのが正式な「エッグ・ベネディクト」

 

 

 

今では各国、各店舗ごとのオリジナル・エッグ・ベネディクトがたくさんあるようですけど、ブランチ・ミーティングでいただいたエッグ・ベネディクトはオリジナルに近いもので、少量のサラダとコンソメスープが付いておりました。


ナイフとフォークでいただくタイプのハンバーガーっぽい料理ですね。
かかっていたソースが正しいオランデーズソースなのかどうか、さっぱり分かりません。
ちょっと酸味はありましたが、タマゴにタマゴのソース。


「ル・グラン・ベネディクト夫人」ってかなりのタマゴ好きってことなんでしょうね。
もちろんオイシクいただきました。なんの不満もございません。


でもね、こういうタイプの食べものだったらケンタッキーにあったよね、って思い出しました。
ケンタッキーのモーニングメニュー。


記憶を頼りに調べてみますと、そもそもモーニングメニューをやっていない店舗の方が多くなっているみたい。
エッグ・ベネディクトっぽいメニューは見つかりませんでした。


そういえば最近行ってないなあと思いつつ、古い情報を探します。
と、これだったかなっていうのが見つかりました。
ケンタッキー・フライドチキン、モーニングメニュー「まんまるたまごのハムサンド」
手づかみで食べられるヤツね。


「ル・グラン・ベネディクト夫人」にはお気に召さないかもですけど、こっちの方がイイじゃん!
でも、そっか。もうやってないんですね。人気なかったのかな。

 

 

 


じゃあさ、それだったらさ、マグドナルドの「月見バーガー」でイイです。充分に満足です。
ソースはですね、トマトクリーミーソースです。
ですけど、まあ、似たようなもんです。


マックも最近行ってないですけど、月見バーガーって単品なら300円台でしょ。このところの値上がりの波に飲み込まれたとしても400円まではいかないっしょ!


自分では払いませんでしたけれど「エッグ・ベネディクト」1800円でしたよ。


ブランチっていいながら、1800円の料理食べて、2時間後にはミネラル麦茶でセブンのおにぎり2個食べました。
全然足らんわ!


食文化にも「恥」とか「罪」とかあるんでしょうか。
無いっすよね、たぶん。知らんけど。


ちなみにセブンのおにぎり、どんどん小さくなって来ていますよね。「悲」