ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【鍋奉行の求心力と遠心力】そこな者 その方をアク代官に任じる しかとアク取りに励めよ

< そこの待ち娘然としている者たち その方たちに娘を名乗る資格はないぞよ オヤジなのじゃぞ >

ホントの意味でのアフターコロナになったら、真っ先に「秋、冬、みんなで鍋を囲みたい」って人が、何人かいます。


独り鍋っていうのも悪くはないけど、鍋っていうのは、やっぱり何人かでワイワイ囲んで温かく楽しむもんでしょ、っていうのがそういう人たちの共通した言い分ですねえ。
ま、分かります。


鍋は独りで食べるのがイイっていう気持ちの人が多いから、居酒屋メニューに独り鍋が出て来たんじゃなくって、寒くなって来て鍋を食べたいんだけど、実家暮らしから離れて、いつも独り呑みだし、鍋を注文するのもなんだか気が引ける、っていうか、たいてい2人前からでしょ。鍋しか食べないってわけじゃないし、独りじゃムリ。


っていう老若男女が多いから、っていうのがホントのところで、別にコロナ禍で考案されたってもんじゃないですよね、独り鍋って。
かなり前からあることはありました。


ずっと前から夏でも独り鍋をやっている居酒屋さんを知っているんですけど、そのメニューが、
「冷やしカニカマ鍋 1人前 800円」


中華スープが冷やしてあって、そこにカニカマ、紅白カマボコ、魚肉ソーセージ、豆腐。
そこに青ネギを散らして「冷やし鍋」です。


鍋、ちゃうやんけ! 値段はともかくとして、ただチッコイ鉄鍋に材料切っていれてあるだけです。
ニンキ無いんですけど、「そのうちみんな旨さに気が付くと思うんだよね」ってことで、ずっとやってますね。


その店で顔見知りに「食べたことある?」って聞きますと、


「うん、1回だけ」


「どだった?」


「うん、ぬるかった」


「うん、……」


「……練り物は、まあ。。。」


っていう「冷やしカニカマ鍋 1人前 800円」なんでありますけどね。

具材のわりにお高いです。

 

 

 


鍋はやっぱり、湯気がもうもうと上がっている方がイっすよねえ。


コロナ前、まだ会社やプロジェクトの忘年会が盛んだった頃。
部ごと、課ごとの、面白くもない一次会が終わりますと、三々五々、まあ仲の良い数人と二次会、三次会っていう流れになっていましたよね。


カラオケ好きのグループはカラオケにワイワイ流れていきますけど、ただの酒呑みっていうグループは、電車で1駅か2駅移動して、なるべく1次会のメンバーたちと出会わないような店へ移動します。ね。


でもまあ、人の考えることって似たり寄ったりになりがちなもんで、移動した先で同じ会社の別のグループとバッタリ、なんてこともなくはないんですよね。
ありゃりゃ、なんで~。


両方のグループが気まずい空気になるんですが、ま、絶対アイツと一緒はヤだ、ってことも稀ですんで、たとえ隣り合わせのテーブルになったとしても、おごそかに夜を過ごすことになりますね。みんな大人ですし。


こういうことになっちゃうと、すぐにその場で3次会の、つまり忘年会の〆の場所探しをしなければいけなくなるのは幹事さんで、けっこうシンドイ役割です。
気分よく締めくくりたい。


年末よりだいぶ早い時期の忘年会っていうのも多かったですけど。


今となっては多くの人にとって懐かしい思い出になりつつあるかもしれない、大人数での忘年会ですが、東京近辺は人が多過ぎて店の予約が取れないんですよね。
大人数が入れる居酒屋さんとか、そんなにあるわけないですしね。


10月、衣替えの頃になると忘年会のチラシが飛び交い始めましたね。
忘年会開催も11月初旬に、なんてこともあったりしましたけど、ま、寒くなってからの宴会が忘年会ですってことにしておきましょう。


大人数で入る店での忘年会は、たいていコースで予約していますんで、その日に出てくる料理は決まっています。


もちろんその中に鍋コースもあるんですけど、十数人のグループに鍋が3つ、とか用意されても、どうしても偏りが出てきてしまうんで、幹事さんが後から苦情を言われることが多いんだそうですね。


同じ会費を払っているのに、あんなにガバガバ煮える前から食べられちゃったら、他の人間が食べられないでしょ。不公平だ。幹事が感じ悪い、とかね、そんなこと言うのが流行ったりもしました。


煮える前からガバガバ食べちゃうヤツ。ああ、あいつか、っていうような想像は付きますね。
行き過ぎな損得勘定、なのかもですけどね。煮える前、って大丈夫なん?

 

場の空気を全然読まないっていいますか、気にしない豪傑っていうのは必ず居るもんなんですよね、どこにでも。


けっこう高い会費取られますからね、食べられないと、なんでやねん! って怒り出す人が出てくるのは当然です。
ですので、鍋を囲むのは2次会、3次会になってからっていうのが多くなりました。
町中華でも忘年会コースなんてのをやってますからね。

 

 

 


小さな個人店で鍋。っていうのがいつのまにか定番。寒風吹きすさぶ季節の呑み会、鍋は外せません。
豚キムチ鍋、豆乳鍋、もつ鍋、いろいろ人気の鍋があります。


ま、テキトーに酒が入っているっていうのもあるんですけど、そういう、せいぜい3人か4人での鍋になりますと、急に張り切るヤツが出てきます。


いわゆる「鍋奉行」ってヤツですね。


個人店の居酒屋で鍋ってなりますと、私なんかは面倒なんで「炊いてから持ってきてくださ~い」とかリクエストしちゃいますけど、そういう希望はあっさり却下されちゃいますね。


「それはダメです。お店の人も忙しいんだから、ちゃんと自分たちでやらないと、ちゃんと」


ちゃんとってなんやねん! って思ったりするんですけど、店の人はたいていこう言いますよ。


「あ、こっちで炊くのは手間でもないんで大丈夫ですよ」


でも、


「いえ、こっちでやりますんで、材料のまま持ってきてください。こっちでやります、ちゃんと」


だ、か、ら、なあにがちゃんとだよ、って思いますけど、ま、お奉行さまには逆らいませんです。は~いってことで待ち娘に徹します。
鍋奉行アク代官、待ち娘の役割決定です。


で、店の人がガスボンベのコンロとスープの入った鉄鍋を持って来ますとですね、


「あれ? 土鍋じゃないの? なあんだ土鍋が良かったなあ」


とかぬかしやがります。お奉行さまがね。
土鍋は割れちゃうし、最初の熱効率が良くないもんで、って店の人が説明。ま、一応、ニコニコとですけどね。
鉄鍋の中を覗いて、


「あれ? 昆布入ってないんですけど」


たぶんおそらく、うっせえわって思いながらなんでしょうけど、店の人は大皿に盛った鍋の材料を運んで来ながら、


「あ、もうダシは出てますから、そのままで大丈夫ですよ」


っていうような会話になったりするんですが、他のメンバーも、鍋奉行うっせえわ! です。


いろんなグループで3、4人鍋やりましたけど、必ず1人出てくるんですよね、鍋奉行が。不思議です。


鍋奉行たちに共通しているのは、とにかく他人の言うことには耳を貸さない頑固さですね。
なんなん、その自己ルール。


鍋には、壺に入って、小さなおたまと、穴あきおたまのセットが出てきますよね。
あれを、ごく自然に自分の前にもっていくっていうのは鍋奉行たちに共通した無意識動作でしょうかね。


多くの場合、鍋奉行アク代官を兼任します。
カップルで鍋奉行アク代官の役割分担ってパターンもありますけど、お奉行さまがおたま入りの壺を引き寄せる。
そうするのが最初から当然なような流れなんですよねえ。


なにも反対は致しません。自分でやってくれるわけですから、むしろ感謝なんです。
ね、感謝すべき行動なんでありますよ。何も言わなければ、です。


なんだかんだとうるさいんです、鍋奉行は。


「固形燃料じゃないだけマシなんだけど、このボンベっていうのも火力が安定しないんだよね」


って、それ誰に言ってんの?
で、誰も聞いてないのに、具材の説明と、具材ごとの煮るべき時間の説明とかをし始めちゃったりします。


もちろん、その間、目は鍋から離しませんし、手も止まりません。鍋奉行さまですからね。
菜箸で具材を投入したり、おたまでアクを取ったり、穴あきおたまで具を移動させたり、1人だけ忙しいんです。


こうなりますと、普通の話しなんて出来ませんよ。
みんな黙って鍋奉行の講義を聞かないといけません。


で、ボーッとしてますと、


「はい、小鉢ちょうだい、早く、もうこれオッケーなんだから、早く」


小分けしてくれるのはイイんですけど、強制的おせっかいでしょ、それは。
みんな大人だっちゅうの!
自分のペースでやるわっ!
でもまあ、みんな大人だからこそ、しずしずと鍋奉行さまに従いますね。


お奉行さまはエライんです。


「はやくそれ食べちゃってね、次、もう煮えそうだからね」


あのねえ、って思いますけど、まあ、みなさん謀反は起こしません。ははあ~、ありがたく頂戴つかまつりますう。


現役の勤め人のみなさん、元勤め人のみなさん、鍋奉行って何人知っていますか?


なんか不思議にどういうグループになっても、必ず居るような気がするんですけど、どうでしょうかね。


個人的な印象として、鍋奉行っていうのは男性6、女性4っていう感じがします。会社やプロジェクトの女性比率っていうのを勘案しますと、女性鍋奉行比率って、意外と高いんじゃないでしょうかね。
ただ女性鍋奉行の場合は、いつもやっている料理、調理の延長線上の行動として、その食事の場を仕切るっていう義務感、世話焼き衝動、みたいな感覚が出ているのかもなあって思うこともあります。

 

 

 


ホントに面倒くさい鍋奉行は、でっぷり食べ過ぎ体形のオヤジです。


世話焼き感覚っていうのがまるで無くって、命令口調になっちゃっているんですよね。
ま、そういうオヤジも家では料理担当だったりするのかもですけど。


2022年秋、外ではマスクしなくてイイよ、って政府が言い始めました。
暮れになると、またぞろ忘年会の鍋が復活するかもですよ。


これからは、大人数での鍋はアウトでしょ、っていう声も聞きますが、どうなっていくんでしょうね。
っていうか、もう、忘年会自体復活して欲しくないなあって思っている人も、実は少なくないんだと思いますけどねえ。


ま、プロパー仕事をしていない私としては、大人数鍋問題からとっくに距離を置くようになっていますんで、セーフ、だろうとは思っているんですけどね。


ん~。決して鍋奉行を全否定する気もないんです。いや、ホントに。


ただ、鍋奉行になるなら求心力を持った鍋奉行になっていただきたいんですけど、あ~あってなっちゃう鍋奉行は、求心力じゃなくって遠心力を発揮しちゃってることを自覚できていないんですよねえ。


酒好き、鍋好きの人って少なくないと思うんですけど、何人かで囲む鍋の時にはお気をつけ遊ばせ。
鍋奉行さま、肝心なのは求心力ですぞ、遠心力じゃなくって求心力。


永田町の方々にも言ってやりたいことですけどね。


おほほのほ。


やっぱし、独り鍋でイっかなあ。
冷やしじゃない方の独り鍋ね。アツアツの。

 

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