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【渡りをする蝶】同一個体じゃないのに渡りをするって 不思議ですよね

< なぜ危険を冒してまで遠距離移動なんていう行動をするのか 自分たちでも分かってない? >

蝶々って、飛んでいる姿を見れば、いつだってゆらゆらフラフラしているように見えて、風が吹けば流されてしまって、果たして自分の飛びたいように飛んでいるんだろうか、目的の花にとまることが出来ているんだろうか、って、よけいなお世話ながら思ってしまいますよね。


昔の日本語では「てふてふ」っていう表記ですからね、これもまた、頼りなげに飛翔する姿を表している言葉のようにも感じます。

 

 

 


でも、そんな勇壮とは思えない「てふてふ」が、なんと渡りをするらしいんですよね。
そういう種類の「てふてふ」がいる。


ナツネコさんがブログで紹介しておられます。

 

usayusadosa.hatenablog.com

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ナツネコさんが実際に訪れた大分県国東半島沖の「姫島」


姫島は渡りをすることで知られている「アサギマダラ」っていう蝶の、休憩地、らしいんですね。


観光の目玉にもなっているっていうことで、その観察のコツなんかはナツネコさんのブログに詳しく案内されています。


羽根を広げた大きさは5センチメートルから6センチメートル。
タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類されるアサギマダラなんですが、日本全土、朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ山脈っていうかなり広い地域に分布しているんですね。


ヒマラヤ山脈までとか、そんなに広い地域の分布だと、やっぱりね、いくつかの分布域でそれぞれの亜種に分類されています。


日本本土から南西諸島、台湾にかけて分布しているアサギマダラは「P. s. niphonica」っていう亜種なんだそうで、姫島で休憩していくアサギマダラはこれですね。


にしても、渡りをする蝶って、かなり不思議な習性です。


アサギマダラって、もしかして集団移動してんじゃない? って気付いたのは1980年代の前半ぐらいなんだそうです。


沖縄に住んでいた研究者が、春になると元気なアサギマダラが観察できるのに、夏には成虫がほぼ見られない。
そして、秋になるとお疲れ気味っていうか、静かな個体しかいない。


アサギマダラは熱帯の蝶に属しているんだけれども、酷暑を嫌う傾向があるっていう研究結果を併せて考えてみると、どうも、このアサギマダラは、秋には南下移動して、春には北上移動を集団でしているんじゃないだろうか。


ってことで、調査が始まったんだそうです。


ただね、調査って簡単に言っちゃいますけど、マーキングした個体を再発見するっていうのはかなり難しいらしくって、なかなか確認できなかったみたいです。


でも、集団移動しているかもしれない蝶、っていうのは魅力的な研究テーマってことで、日本全国でアサギマダラの研究活動が盛んになったんだそうです。


そして、2011年、成果が出ます。
30年近くかかっていますよ。研究活動って、ホント頭が下がります。

 

 

 


2011年8月19日に北海道函館市から放たれたアサギマダラが、10月24日、1200キロメートルちょっと離れた山口県下関市で確認されたんだそうです。


このアサギマダラの個体が飛来した場所が、下関市の市立公園、その中のバタフライガーデン「蝶の宿」だったっていうことは、かなり興味深く面白いですよね。


そして同じく2011年10月10日に和歌山県から放たれたアサギマダラが、12月31日になんと2500キロメートル離れた、香港で確認。
めっちゃ移動しますね、アサギマダラ。


もしかすると、下関市の「蝶の宿」で捕獲されたアサギマダラも、ホントに宿に一泊して、また飛び立つ予定だったのかもですよねえ。
あちゃあ、捕まってもた。まだ途中だったのにい~! ???


姫島のアサギマダラは、ナツネコさんのブログの通り、5月から6月にかけての初夏と、10月ごろの秋の2回、確認できるんですね。


初夏のアサギマダラは北上中の休憩でやってくる。そして秋は南下途中の休憩場所。
それが大分県の姫島。


姫島で休憩するアサギマダラの多くは、本州と、台湾、南西諸島を往復しているらしいことが分かっているんだそうです。


北海道から下関市っていうルートだったら、津軽海峡をがんばって飛ばないといけませんが、あとは陸の上を飛んでいけば休憩地を見つけながら移動できるでしょうけれど、和歌山から香港とか、台湾、南西諸島から休憩地の姫島のルートって、かなり広い海の上を休みなしに飛んでいるってこと?


これ、ちょっと有り得ない感じがします。だって、てふてふですよ。


海には地図に載っていない無人島が、けっこうたくさんある? の?


って思ったらですね、


「蝶の羽は、リン粉で覆われているので、水を はじきます。そこで羽の片方を海面につけて浮かんで休憩するのです」


っていうことらしいんです。
ええ~!? かなり驚きです。


でもこの情報ね、出所がハッキリしないです。なので見つけた記事のリンクも貼りません。


でも、アサギマダラ、波の上で休むかどうかは確信を持てませんが、どっかで休みますよね。
それとも、休まずに飛ぶんでしょうかね。不思議です。


1日に200キロメートルほど飛んだっていうデータもあるみたいなんですけど、姫島から台湾までは1500キロメートルありますし、南西諸島にはさらに1000キロメートルぐらいありますからねえ。


ひとっ飛びってわけにはいかないように思えますよねえ、ホントに波の上で休憩しているのかもですねえ。


台湾、南西諸島で羽化したアサギマダラが、春先、北上する途中の休憩地に姫島を選んだ理由がスナビキソウの蜜だとして、それが姫島にしかない環境なのか、ちょっと分かりませんね。
たしかにイイ環境なんでしょうけどね、姫島って。


さらには、本州で羽化した個体が、本州を北上していくのも確認されているっていうことで、もしかすると、「P. s. niphonica」っていう亜種も、もっと細かく分類されるべきなのかもしれないですよね。


東京でも羽化が確認されているアサギマダラなんですが、その生態っていうのはまだまだナゾみたいです。


東京で見つかるアサギマダラの卵。秋までに羽化したものは南下していく集団を形成するんだそうですが、秋までに羽化しなかった卵は幼虫のまま冬を越して、翌春に羽化するってことなんですね。


東京で春に羽化した個体は秋まで東京で暮らしているんでしょうか。
それとも冬個体の特徴として、東京、暑いわ、ってことでさらに北上していくんでしょうか。


なにせ移動距離があまりにも大きすぎるんで、観察するのも、ルートを想定するのも難しいんでしょうね。


まだまだナゾの生態のアサギマダラ、なんでしょねえ。


ところで、今のところ確認出来ているアサギマダラのデータとしては、移動距離2500キロメートルっていうことなんですが、これ、世界第2位なんだそうです。


え!? じゃ、第1位は? って言いますとね、それは「オオカバマダラ


アサギマダラと同じ、タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類されているんですね。
大きさも同じくらい。
カナダ南部から南アメリカ北部に分布しているそうで、オオカバマダラも渡りをする蝶として有名なんだそうです。

 

オオカバマダラ


確認されている最大移動距離は、4800キロメートル。
アサギマダラの倍ぐらいってことになります。


でもねえ、種類も大きさも同じなんだから、アサギマダラも途中でジャマされなければ同じくらい飛ぶんじゃないかっていう気もしますけどねえ。
って、蝶にまで日本びいき、しなくてもイイんですけどね。でも、なんとなくねえ。


オオカバマダラはカナダ南部で夏ごろに羽化して、8月下旬になると一斉に南に向かって移動し始めるんだそうです。


栄養を摂りながら一気に大群で4000キロメートルを超える移動をして、メキシコ、カリフォルニア沿岸まで到達する。
で、そこで越冬。


春先になると、交尾をしながら北上を始める。


北上を始めたオオカバマダラは寿命が3週間から4週間しかなくって、産卵して幼虫になって、蛹になって、羽化して、また交尾しながら北上。


これを3世代、4世代繰り返して8月ごろになると、カナダ南部に到着。
そこで羽化したオオカバマダラは、また一気に南下していく。


かなり変わった習性ですよね。


種としての渡りを繰り返しているわけですが、南下は1世代、北上は3世代、4世代。


それにしても不思議です。
アサギマダラとか、オオカバマダラって、世代が代わってもその習性を守って、これまでずっと渡りをしながら生きて来ているわけですもんね。
奇妙奇天烈、なんとも不思議な生態です。


学校で教わっているわけでもないのに、種として、自分たちの1年をちゃんと送っている。


オオカバマダラの北上集団なんて、全員が短命なんですもんね。
一気に南下して来たんだけど、北上は一気には出来ない。
それを新しい世代のオオカバマダラは、どうやって理解しているんでしょう。


アサギマダラは北上も南下も一気にしているんでしょうかね。

 

 

 


オオカバマダラについて長距離を飛べるのは、ハネの模様、斑点に秘密があるっていう研究が進んでいるんだそうです。じゃあ、アサギマダラは? って感じですよね。


キレイな蝶です。


最後に、アサギマダラも、オオカバマダラも、その食性から幼虫も成虫も毒を持っているんだそうです。


鳥に丸呑みされた幼虫が、すぐに吐き出されるっていうのが確認されているんだとか。


地球の生命って、ホント、不思議に溢れていますねえ。