< 地球の回り 大気圏の外側が相当に混みあってきていて 危険な状態らしいです >
「スペースデブリ」とか言われると、なんかカッコイイ感じもするんですけれど、訳して言っちゃえば「宇宙ごみ」
けっこう前から問題視されていましたが、もはや危険領域に入っているみたいなんですよね。
空のはるか上ってこともありますし、目視できる範囲のことでもないんで全く実感がないスペースデブリなんですけど、なんでまた「ゴミ」ってことになっちゃうんでしょうね。
余談になりますけど日本語の「ゴミ」っていうのは「護美」って書くんですよね。
って言いながら、今、変換したら「ごみ ⇒ 護美」って出ないですね。どうなっちゃってんだ!
ま、当て字ってことなのかもですけど、美観を護るものとして扱われているものなんですけどね、日本ではね。
朝に会社を上げて美化運動なんてことをやってくれている人たちがいたり、スポーツの世界大会で試合終了後に護美を拾い集めている日本人応援客だとかがニュースで取り上げられることもありますけれど、でも総体的に、そんな意識で護美を見ている人なんて少なくって、コンビニで買ってきた食べものの包み紙をその場でポイってするヤツとか、缶のドリンクを飲み終わったら、なんの躊躇もなくポイッ。カンカラカ~ン!
いったいどんな育ち方をして来たのか。親の顔が見てみたいっていうのはこういう時に言うんでしょうね。
スペースデブリがそんな態度で宇宙に捨てられたってことはないでしょうけれど、そもそも「宇宙ゴミ」を作り出しちゃうんじゃないかっていう意識が薄かったのは事実かもしれないですね。
イイじゃん、宇宙は広いんだから。とか、そんな感覚? まさかね。
世界初の人工衛星、ロシアの「スプートニク1号」が打ち上げられたのは1957年。
スプートニク1号は96分余りで地球を1周する楕円軌道で、地球から離れたところでは950キロメートル、近いところでは230キロメートル。
衛星の温度情報を発信し続けて、22日後に電池の寿命が切れたあともしばらく周回し続けたんだそうですが、地球に近いところの高さが充分じゃなかったせいで、地球の重力に引っ張られてしまったんで予定よりはだいぶ早く、92日後、大気圏に再突入して消滅したんだそうですね。
ってことで、なんにしてもスプートニク1号はスペースデブリになっていないんですね。
その後宇宙開発が米ロを中心に活発になって、最近では中国が一気に打ち上げ衛星の数を増やしています。
1957年の第1号機打ち上げから2023年で66年経っているわけですけれど、半世紀ちょっとで地球の周りはスペースデブリで覆われているっていうことなわけですから、けっこう無茶しているんですね、地球人。
気象衛星とか通信衛星とか、打ち上げロケットはたいてい多段式で、最初に切り離されるロケット部分はたいていそのまま大気圏に落ちていって燃え尽きる。地球の重力と大気が処分してくれる。
その後、衛星部分を軌道に乗せて、切り離された2段目以降のロケットはそのままじゃ大気圏に突入しないんですね。
いったん大気圏の外に出たロケットを再突入させるには相当規模のエネルギーが必要なんで、攻撃ミサイルでもない限り、役割を終えた衛星も含めて、大気圏に再突入させるよりは、軌道よりも高い高度へ押し上げちゃうんだそうですね。
そっちの方が必要なエネルギーが小さいし、簡単なんだそうです。
そうやって押し上げられた使用済みロケットや、役割を終えた衛星が回っている軌道が「墓場軌道」って呼ばれているんだそうで、ええ~!? ポイ捨てじゃんか! って感じなんですね。
生き物なんて地球以外にいないんだから、イイじゃん、ってことなんでしょうか。
なんかどうも、スッキリしないです。
スッキリしないながらも、墓場軌道にスペースデブリが集まっていれば、現役で仕事をしている衛星に問題ないはずなんですが、どういうものなのか、衛星軌道にあり過ぎちゃって危ない状態ですよ、っていうのがスペースデブリ問題なんですよね。墓場軌道の方じゃないです。
現役の衛星、宇宙ステーションの活動に支障が出るレベルになっちゃってる。
なんでそうなるの?
衛星が打ち上げられるときに墓場軌道への移動がプログラムされていて、燃料だとかもその分が予定確保されているはずだそうですが、結果、寿命を迎えた衛星が墓場軌道に移ることに成功しているのは全体の3分の1程度なんだそうです。
ま、ぶっちゃけ言ってしまうとほとんどの衛星が「失敗」しているってことなんですね。
なあんだ、失敗しているだけなんじゃん。なんとか対処出来るんじゃないの? ってそんな呑気なことを言っていられないのが現状ってことらしいですよ。数が多すぎる。
スペースデブリは地表からの高さが低いほど高速で移動しているってことなんですが、そのスピードは秒速3キロメートルから8キロメートル。
秒速8キロメートルってことは、ん~、分速480キロメートルだからあ、時速だと2万8800キロメートルですね。
ええ~っ! 時速2万8800キロメートル!
高度の低い軌道の衛星は画像収集だとか警戒監視が役割。
ひまわりだとか気象衛星は高度3万6000キロメートルの静止軌道だそうですが、その辺りの高さのスペースデブリは、時速1万800キロメートルぐらいで飛んでいるってことになります。
とんでもないスピードなんですね、宇宙って。
日本の気象衛星ひまわりは、時速1万800キロメートルのスペースデブリの暴走に、常にさらされているってことなんですね。
やっぱり、早急に何とかしないとヤバイよね、っていうことで、世界の宇宙産業も対処してはいるんですよね、いろいろと。
いち早くスペースデブリ問題に取り組んだのは、各国の軍事組織でした。
軍事目的の能力を持った衛星って、まあそりゃあ、たくさん飛んでいるんでしょうね。能力は秘密なんでしょうけどね。
で、そういう軍事目的の衛星が役割を終えてスペースデブリになっちゃって、意図しない落下とかしちゃって、大気圏で燃え尽きないままどっかよその国に落ちちゃったりすると、軍事レベルがバレちゃうからねえ、自分たちでなんとかしないとダメよねえ、ってことで、2007年、中国は老朽化した人工衛星「風雲1号C」に弾道ミサイルを発射。ドッカ~ン!
何してくれてんねん! スペースデブリが増えるだけやんか!
2841個のスペースデブリが増えちゃっておめでとうございます、ってこともあったみたいなんですよね。
しかしまた、なんでそんな精確に分かってるわけ? 2841個。
日本の場合は宇宙でもアメリカにお世話になっていて、アメリカ空軍の軍事観測衛星システム、「宇宙配備宇宙監視衛星」のデータを共有できているらしいです。
たぶんこれですよね、2841個。
日本独自には比較的地球に近い小惑星なんかを観測する施設として、岡山県に「美星スペースガードセンター」「上斎原スペースガードセンター」っていう地上からの観測システム。
この2つは、財団法人日本宇宙フォーラムの施設だそうです。
なんで岡山県なんでしょうね。そこは分かりません。
JAXAは「筑波宇宙センター」を運用していますよね。
この3つが日本の「宇宙状況把握システム」ってやつです。
宇宙で起きているいろいろを地上から観測しているわけですね。
「ああ、そこ、危ないですよお。ぶつかっちゃいますよお」
空の果てに向かってナニ言うとんねん。時速2万8800キロメートルですよ!
そんなんで大丈夫なんでしょか?
っていう疑問が当然出てきますよね。
「最近、大丈夫じゃなさそうになって来たんで、日本も独自の衛星を上げて管理します」
ってことになって、「宇宙作戦隊(仮称)」が創設されたんですよね。
「宇宙作戦隊」
仮称ですよ、仮称。アニメとかじゃないです。本拠地は今のところ東京都府中市。
でもねえ、このあたりからしてなんですよねえ、大丈夫なのかって感じちゃうの。日本政府って真面目に取り組んでいるんでしょうかね。
宇宙作戦。作戦っていって、なあんも考えていません、っていうニュアンスを感じちゃうんですけど。
地球の周りはスペースデブリだけじゃなくって、衛星っていう名前の兵器そのものも飛び回っている状態なんですよ。
「宇宙作戦隊」の「宇宙状況把握システム」は2023年から運用開始。増額される防衛費ってこの辺の手当てなんでしょうか。知らんけど。
2026年までには「宇宙状況把握衛星」を打ち上げて「スペースデブリを監視」
って、ホントに監視だけで終わっちゃいそうな気配濃厚みたいですけどね。目的が監視、っていうのが、ちょっとね、その先を考えてないのかなって思っちゃいます。
ロボットアームで物理的にスペースデブリの回収ってことに成功している日本の技術者もいるみたいなんですけど、なんか、そういう方面でのオピニオンリーダー的なポジションを目指して欲しい気もしますけど、日本、やっぱり監視、だけなんですかねえ。
中国、ロシアの衛星は他の衛星に対する攻撃能力を持とうとしている、って話もあります。
日本のひまわりは、この先大丈夫なんでしょうかねえ。スペースデブリも心配ですよ。
なんだか宇宙方面でも、問題解決能力の前に問題認識能力の無さが透けて見えている感じもしますねえ。
空の上もいろいろあんですねえ。
流星群とか、感動しちゃいますけどねえ。
問題ですよ、スペースデブリ。