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【東京の螺旋】江戸の「の」の字はコロナ明けの日本を守ってくれるのか

< 総合ベストカントリーランキング2021 日本の第2位はホンモノ? >

2015年から毎年春にUSニューズ&ワールドレポートが発表している「総合ベストカントリーランキング」
2021年のランキングで日本は第2位になっています。


日本は既に先進国じゃない、なんていう声もありますが、日本の国力っていろいろダウンしてきている感じがするのも事実で、第2位というランキングに、ちと疑問を持ってしまいます。


上位にランキングされた国以外にしてみれば「大きなお世話」なんだろうなあっていう「ベストランキング」
このランキングは76か国について10の属性をアンケート調査して、集計、スコアリングしているものなんですが、2021年のアンケート対象は南北アメリカ、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカの36か国、17,326人。
っていうことだそうで、案外しっかり公表されています。


ま、36か国の人たちが76か国を判断しようっていうのに、17,326人はかなり少ないんじゃないかって気もしますねえ。でもまあ、少なすぎるっていう数でもないでしょうね。


17,326人の内訳は、10,068人の情報に通じたエリート。4,919人のビジネスの意思決定者。5,817人の一般市民。内訳の合計は20,804人となって対象人数をオーバーしていますが、オーバー分は情報に通じたエリートとビジネスの意思決定者がダブっているからだそうです。
地域ごとのパーセンテージは公表されいません。


情報に通じたエリートっていうカテゴライズがなんともアメリカっぽい感じですが、ま、世界を見渡す眼力があるってことなんでしょうね。
こういう人選基準を信じますと17,326人っていう人数は、がんばって集めましたねえ、ってとこかもです。


スコアリング対象の10の属性はっていうと、
01:敏捷性:14.18%
02:起業家精神:14.16%
03:生活の質:13.88%
04:引っ越し業者:13.87%
05:社会的目的:12.23%
06:文化的影響力:10.45%
07:ビジネスのオープン性:9.42%
08:権力:6.09%
09:アドベンチャー:3.79%
10:遺産:1.93%


04の引っ越し業者っていう属性は、国の将来の成長を予測するパラメータだそうで、ちと想像しにくいんですが、ビジネスマンの生活圏が移動するってことで、何かこれまでとは異なるダイナミックな動きを期待できるってことなのかもしれません。


転勤ってこともあるでしょうし、独立、新会社設立とか、そういうビジネスシーンに流れのある根拠としての引っ越し。ん~。割と高めのパーセンテージ。
現状の国力に限らず将来予想をも含めた指針、ってことをアピールする属性、なんですかね。


ま、こういった10の属性を、その属性ごとのパーセンテージでスコアリングしたランキングなんですね。

 

 

 


春に発表された2021年の「総合ベストカントリーランキング」


第1位「カナダ」
2020年のランクは第2位。人口密度が低くて、移民を歓迎しているってことで評価が高いみたいです。


第2位「日本」
2020年のランクは第3位。識字率の高さが評価されていて、古代の伝統と西洋の生活の側面を融合させているっていう評価ですね。
ん~。なんだかザックリしている感じもしますね。現状の把握って感じはあまりしません。


第3位「ドイツ」
2020年のランクは4位。国際社会の中での役割の成長が評価されているようですが、メルケルさんが退いちゃいましたからね、経済的な安定は崩れないとしても今後の評価がどうなるか注目したい国です。


第4位「スイス」
2020年のランクは第1位。なんでスイスのランクが下がったのか、不思議ですね。日本とドイツの方にこそマイナス要因がありそうなんですが。


第5位「オーストラリア」
2020年のランクも第5位。


第6位「アメリカ」
たぶんおそらく、アンケート対象の人員が一番多いのはアメリカだろうと思うんですが、第6位。2020年は第7位。


アメリカは、新型コロナ、ドナルド・トランプ、ジョージ・フロイド殺害問題で苦しんでいるって評価みたいです。アンケートに答えているエリートたちにとって、トランプさんはトラブルってことなのかもです。
意外にも、アメリカの評価が低いランキングになっていました。


第7位「ニュージーランド
第8位「イギリス」
第9位「スウェーデン
第10位「オランダ」


以上が2021年の「総合ベストカントリーランキング」の上位10か国です。
ちなみに中国は第17位。ロシアは第24位にランクされていました。


まあ、あくまでも一つの指標でしかないんですが、日本のランクは高いですね。


どの国であっても、その国内から見ると、外から見るよりマイナス要因が大きく感じられる傾向があったりすのかもしれませんね。アメリカのランクが低いことからもそう感じられます。


ただ、こうした世界ランクで確実だと思われるデータとして、江戸は19世紀前半で世界一の人口を抱えるビッグシティだったという事実がありますよね。
今の23区より狭い地域の江戸が世界一だったってことです。


なんで世界一になったかっていえば、平和が長続きしたことと、なんといっても、そうなるように「計画された都市」だったからだと思われます。


江戸の町を整備したのは徳川家康。江戸入府の前から天下普請といわれる大土木事業で、江戸を作っていったわけです。


その中でも大きな事業といえば「利根川東遷事業


当時、江戸湾に流れ込んでいた利根川を、千葉県の銚子沖に流れを変えたんですね。
令和の今ならユンボやらブルドーザーやら、何台も駆り出して大土木工事を敢行すれば、まあ失敗はないでしょうけれど、16世紀の後半のことです。


とんでもない難工事だったろうと思われますが、鎌倉、小田原、足利、古河だとかいくつも古くからの整備された町があったにもかかわらず、関東の中から江戸を選んだ以上、治水はやらなければならないことの第一だったんでしょう。


江戸の町の治水工事は利根川ばかりじゃなくって、107あると言われる川全てに関わることでしょうからね、家康の生きている間には終わっていません。


工事を命じられて指揮を執ったのは関東郡代の「伊奈忠次」っていう偉人なんですが、息子の「伊奈忠治」孫の「伊奈忠克」の三代に渡って工事が進められて、1654年、承応3年に利根川は銚子から太平洋へ流れ出るようになったわけです。
60年ぐらいの工事期間。江戸の町を水害から解放できた。


いやあ、なかなか、たいしたもんですよねえ。ほぼ人力でしょうからねえ。


こうした難工事の治水だけじゃなくって、街道を整備したり、城を作ったり、町を整備したり。
なにせ何もなかったような江戸に巨大な街を作ろうっていうんですから、並大抵の土木工事じゃありません。
そのとんでもない規模の工事を進捗させるには、当然ながら、しっかりした計画が不可欠です。


その計画の根本を作ったのは、もちろん徳川家康その人ですが、家康さんって土木の専門家じゃありませんよね。そうです、誰もが知る戦国武将です。
伊奈忠次にしたって、土木工事のノウハウはあったにしても、都市計画を作った人じゃないんですね。

 

 

 


じゃあ誰が江戸の天下普請の計画をたてたのか。


江戸初期の徳川家には有名な「徳川十六神将」が居ます。
酒井忠次」「本多忠勝」「榊原康政」「井伊直政」「米津常春」「高木清秀」「内藤正成」「大久保忠世」「大久保忠佐」「蜂屋貞次」「鳥居元忠」「鳥居忠広」「渡辺守綱」「平岩親吉」「服部正成」「松平康忠」の16人です。
当然ながら名の知られた人が多いですよね。


本多忠勝は「とんぼ切り」と呼ばれる槍を携えて、57回の合戦で大活躍。武勇第一とされた豪傑ですが、その57回の合戦の中でかすり傷1つ負ったことがなかったそうです。


服部正成は、半蔵門の名前を残している忍者ハットリくんのモデル、服部半蔵正成ですね。
みんな武勇の人です。


当たり前ですね。戦国時代を勝ち残っていくための家臣団ですから、なんたって武力です。


武官でない人に、知略の人、策士とされた本多正信がいますが、外様や朝廷との交渉事が専門だったらしいです。都市計画をたてるような人ではなかったでしょう。


前置きが長くなりました、江戸の町を天下の中心とすべく、その都市計画をたてた人は「南光坊天海」だとされています。
天海っていう名前の天台宗の大僧正です。


徳川初期の文官は、この天海と、もう1人、金地院崇伝という臨済宗の僧がいます。
まあもちろん他にも居るはずですが、有名なのはこの2人。


徳川家康、本田正信、天海、崇伝の4人が智慧を合わせて作り上げたのが江戸の都市計画だったんだろうと思われます。


中でも土地の持っているパワーを風水、遁甲、四神相応なんかを応用して治水ばかりじゃなくって、城造り、区画整備計画の主担当が天海だったんだろうってことですね。


まず江戸城の内部、その作りを「の」の字に流れるように設計します。時計回りです。
そして内堀、「の」の字です。さらに外堀も「の」の字なんですね。

 

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四神相応っていうのは古代中国の陰陽五行説から来ている考え方で、密教の学びの中の重要な部分を占めているものだそうです。


その場の東には「青龍の川」西には「白虎の道」南には「朱雀の水」北は「玄武の山」があれば、その土地は未来永劫に栄える、というもの。


日本では平安京がこの四神相応に則った都で、千年王都と呼ばれるベースにはこの四神相応があると言えそうです。
ですが江戸は、この四神相応に適った地勢じゃないんですね。
なので「の」の字、ってことなんでしょう。


東西南北に青龍、白虎、朱雀、玄武を置くわけですから、その土地の整備は碁盤の目のように進められるのが普通です。京都の町がそういう道で整備されていることは、今にそのまま残っていますから分かりやすいですよね。
垂直、平行です。


でも江戸はそうじゃないわけです。
何か念力に近いような思惑の「の」の字なのかもしれません。


「の」の字は外堀の外側にも及びます。江戸は螺旋の町なんですね。
そしてその螺旋の要所要所に、天海さんは「念」を置いていきます。


時代が進んで寺院の場所がいろいろと移動されてしまっていますので、天海の頃の場所とは一致しないところもあるでしょうけれど、江戸の外側に「五色不動」を置きます。
これも四神相応と同様、古代中国の陰陽五行説から来ているようです。


今に残っている地名、駅名として「目黒」「目白」がありますが、あれです。あれが「五色不動


目黒不動は目黒区下目黒の瀧泉寺
目白不動は豊島区高田の金乗院
目赤不動が文京区本駒込南谷寺
目青不動が世田谷区太子堂の教学院。
目黄不動台東区三ノ輪の永久寺。
目黄不動はもう一カ所あって江戸川区平井の最勝寺


名前として赤、青、黄はあまり知られていませんが、「五色不動」で江戸を、東京を守ってくれているわけです。
ま、目黄不動は他の場所にもけっこうあるみたいですけれどね。


ここまで江戸の気を守っても、天海はさらに守りを被せます。


江戸の鬼門、北東には「上野 寛永寺」を置きます。鬼門封じです。
裏鬼門の南西は「芝 増上寺」で封じます。


計画に基づいて、着々と城が造られ、堀が巡らされ、五街道が整備されていったとき、天海はもう1つ。江戸の土地の力を守りに使います。


五街道と「の」の字の堀の交差するところには橋がかかりますが、そこには門が作られました。
その門ごとに神社を置くんですが、その神社は全て「将門神社」なんですね。


関東というか、坂東武者として新皇を名乗った平将門です。だまし討ちのような形で殺されたとされています。
その怨念を神社で祀ることによって江戸に侵入してくる「ワルイモノ」全てから守ってもらおうという考えなんでしょうね。


平将門の首が京から飛んできたと言われる大手町には将門の首を祀った首塚といわれる「神田神社」があります。


天海さんは、将門の首塚はそのままとして大手門の守りにして、神田神社を外堀に架かる神田橋門に移します。
神田神社神田明神として江戸総鎮守の役割を担っているんですね。平将門です。


将門の手を祀っている鳥越神社を浅草橋門に、将門の足を祀っている津久土八幡神社を牛込門に、将門の鎧を祀る鐙神社を四谷門に、将門の兜を祀る兜神社を虎ノ門に、それぞれ設置したんですね。

 

 

 


なんだか、天海って人の信念、これでもかっていうような執念のようなものを感じざるを得ません。


平将門までを徳川の、江戸の守りに就かせようとする天海の、その気合は、自分自身の命さえ永らえさせて、107歳まで生きたとされています。


自分の立てた計画がちゃんと実行されるか、可能な限り自分の目で確認した猛者です。
出自は不明らしくって、なかなかアヤシイ天海さんなんです。


令和の今「南光坊天海」って、あんまり知られていないと思います。


実は明智光秀だっていう説もあったりするみたいですが、人気があるとも思えません。


ただ、この東京の中で暮らしていますと土地の持っているチカラ、トポスのパワーっていうのを感じる瞬間っていうのは確かに有って、コンクリートアスファルトの中で、なんでだか水の気配を感じる場所があったりとか、ビル風の吹きすさぶなかで、そこだけはいつも風のない場所に気付いたりして、そこからふと見える鳥居だったり。


もう400年も前の出来事に、なにも繋がることのないような令和の東京なのに。


でも、今、自分が立っている、まさにその場所に、400年前、あるいはもっと前の時代の日本人が立っていた可能性は、あるんですよね。っていうか、そうだったはずですよ。


コロナが明けて、何事も無かったかのように時は流れていくんでしょうけれど、時間は過去からずっと繋がっていることは誰にも否定できないでしょうし、今、自分が居る、立っている、暮らしているその場所が、たいていの場合、急にわいてきたわけじゃなくって、悠久の時代の前から在ったわけですからね。


東京がチカラを失っていってしまっては日本は成り立たないでしょう。


南光坊天海、あるいは徳川家康に匹敵するような国家ビジョンを持っているような人って、今の日本に望むべくもないでしょうけれど、ホントの意味で日本のチカラがコロナ明けに回復していって欲しいなあと、他力本願ですが思った日、なのでありました。


東京は螺旋の街、なんでありますよ。宇宙と同じ螺旋の。江戸の「の」の字の。ののののの。


21世紀の東京も守られていますかねえ。

 

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