< どこの地域でも小学校4年生までには習うらしいことに 今さらではありますが >
小学2年生の教室、算数の時間。センセが声を張ります。
「はあい、みなさ~ん。算数の時間ですよ。教科書は忘れずに持って来ましたねえ」
「はあい」
「では、算数の教科書を閉じて、机の上にまっすに置きましょう。置きましたかあ」
「はあい」
みんな、とっても素直です。
だれでもが通ってきた道ですね。2年生。
「教科書の左下を見てくださあい。どうなってますか」
「角ッコになってまあす」
「そうですね。この角のことをチョッカクって言います。イイですかあ、チョッカクです」
「はあい」
「それでは~、今度は反対側、右側の下を見てくださあい。どうなってますか」
「角ッコになってまあす」
「そうですね。そして、こっちの角もやっぱりチョッカクって言いますよお」
ってな感じの授業を受けたんでしょうかね。
小学2年生。何事も素直に受け止めている頃でしたよねえ。
「国語の教科書の角ッコはなんて言うんですかあ」
とか、ひねくれたことは、だれも言いませんね。
小学2年生なんて、もう化石になっているぐらいの時間が経っていますんで、なんにも覚えていませんが、直角っていうのを習うのは2年生なんだそうです。
「さあ、みなさんの周りに、他にもチョッカクがあるかどうか探してみましょう」
でもまだ、2年生の時には90度っていう角度は習わない。度数が出てくるのは4年生。
ふむむ。その辺もおぼえていません。
で、5年生になると「円周率」っていうのが出てきちゃって、算数ってやあねえ、って感じになる。
いや、みんなが自分と一緒だとは思いませんけれど、直径×3.14とか言っちゃってさあ、急にコムツカシクなるんですよねえ。
で、「円は360度」っていうのも、おそらくこの時なんでしょねえ。
「90度、直角を4つ、円の中心点に集めると、はあい、90度が4つですから、360度になります」
「ですから円の角度、円の1周は360度なんです」
5年生。このあたりから、算数、数学って、なんだか納得出来ていないんであります。
だってさあ、円って、角度、ないでしょ!
360度って、どっから持ってきたんですか? って思います。
今、90度と360度だけを並べて考えてみたとき、どっちが最初に決まったんだと思います?
たぶんですね、根拠なく言いますけど、360度ですよ。
円が360度だから、それを4等分した角度が90度。
直角は90度っていうことを、刷り込まれているって言いますか、図形の根本みたいに教えられて、信じ込んでいますから、そのことに何も疑問を感じていないんですけど、90っていう数値もハンパ、ですよね。
10進法から導き出された数値じゃない感じです。
円は360度、って決めたのは誰なんでしょう。
この疑問には、答えらしきものがちゃんとあるんでした。
円が360度って決めたのは、バビロニア人なんだそうです。
古代メソポタミア文明を引き継いだ、紀元前4000年ごろには高度な文化を持っていたとされる国家ですね。
でもまあ、さすがにバビロニアのハッキリした歴史だとかは分かっていないみたいですけどね。
ちなみに、世界四大文明っていうのは、小学校の時だったか、中学になってからだったか、歴史で習いましたよね。
メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明がそうですよね。
でも、この世界四大文明って言っているのって、日本と中国だけなんだそうですよ。
四大文明って全然ハッキリしていることじゃないし、そもそも誰が言い出したのかっていうのも不明。
世界的には文明の発祥を「文明のゆりかご」って言っていて、それはどこかって、地域の限定もしていない。
南米大陸のマヤ、アステカが四大文明には数えられていませんし、中国には長江文明っていうのもありますからね。
紀元前4000年、5000年ともなると、文明があったっていうエビデンスが見つかっていないだけっていう地域が、もっと他にも出てくるかもねえ、っていうことからしますと、四大文明っていうより、文明のゆりかごっていう捉え方の方が科学的なんでしょねえ。
日本の教育方針って、こういうところでも、世界からはズレているのかもです。
古代国家、バビロニア。
紀元前1700年代の「ハンムラビ法典」
紀元前597年からの「バビロン捕囚」
だとかが知られている古代バビロニアですが、「黄道十二宮」を設定するっていう、天文学もかなり古くから発達していたんだそうですね。
紀元前3000年頃には、数値計算をしていたっていう説もあるんです。
このバビロニアの数学が「60進法」
初期の幾何学を利用していたのもバビロニアらしいんですけど、なんなんでしょうね、バビロニア人の数学アタマ。
「60進法」とか、なんやねん、って思っちゃいますけど、なんでまた「60」っていう数値をベースにしたんでしょうか。
まず、人間の指の数が「10」
そして夜空の満月、あるいは新月は1年に「12」回現れます。
ここからちょっと「数学的」になりますけど、
「10」の倍数は、10、20、30、40、50、60、70。
「12」の倍数は、12、24、36、48、60、72。
っていうことで、「10」と「12」の最小公倍数が「60」なんですね。
人間生活に宇宙の真理を取り込もうっていうような、そんな考えから、日常生活の計算の基本が「60」「60進法」
でもこれ、話はちょっとバビロニアからそれますけれど、中国から伝わって来た「十干十二支」も「60」ですね。還暦の「60」っていうのも、「十干十二支」が1周りしたってことですもんね。
単に、面倒だなあって思ってしまう「60進法」って、案外、人間生活に馴染みのある数なのかもしれません。
1年に満月が12回現れるっていう解釈より、満月が12回現れたら、季節が一巡して、それが1年、っていう単位になったのかもですけどね。
1年っていう長さは、満月と次の満月の間の、だいたい30日の12倍で360日。
そしてこれは、バビロニアで確立されたものかどうか分かりませんが、時間の計算にもいくつかの「進法」が使われていますよね。
1日は昼と夜があって、その長さには「12進法」を当てはめています。
昼12時間と夜12時間で、1日は24時間。
時間には「60進法」です。
1時間は60分。1分は60秒です。
で、ここが凄いトコなんですけど、「10」「12」「24」「30」「60」っていう数値は、全て「360」の約数なんです。
この約数の数の多さが「360」の特徴っていうことなんだそうでありますよ。
で、いろいろ便利だから、1周する運動の円は「360度」ってことにします!
って決定された。
つまり、1年がだいたい360日だから、円は360度、ってことなんでありますよ。
マジメな話、これ、定説みたいです。バビロニア。
で、後付けの解説みたいなものに「高度合成数」だっていうのがあります。
いっぱい約数のある数値を言うんだそうですけど、「360」っていう数値は、最も小さい「高度合成数」
100の約数個数は、9個。
360の約数個数は、24個です。
1日に1度ずつズレていって、1年360日で1周するから、ぐるっと回って円は360度。
ま、反論しようにも、数学の分野っていうのはそれをベースにしてどんどん発展していったわけで、今さら円に角度なんてないっしょ! とかいうのはルール違反、反則ってことでしょねえ。
結論。円が360度なのは、1年が、だいたい360日だからあ~。
バビロニア人、エライ~!