<日本食としての定番料理 天ぷら ネタはなんでもアリとはいいながら……>
巣ごもりが長くなって、ウチショク生活の中にハリを見出さないとツライ。って感じになってきてませんか。
自宅での調理バリエーションが順調に増えているって人もいますし、なんか、いつも同じものばっかりになっちゃうなあ、って人もいます。
お手軽に頼れるのはネット情報。
たくさんアップされている、好きな揚げ物ランキングを見ると、投票候補の揚げ物の中に天ぷらを加えていない情報がありますね。
まあ、なんとなく分かるような気もしますが、揚げ物というジャンル自体に、もっと何か別のカテゴライズを持ってくるとかするほうが、納得のランキングになるような気もします。
天ぷらは日本食だから揚げ物の種類から外す、というのはとんでもなくヘン、だと思います。
そもそ揚げ物の分類って、いくつかあって、その分類の中にもどえりゃあ種類がありますからね。
揚げ物全部をワンカテゴリにするか、使う粉シバリだとか、揚げる素材シバリだとか、サブカテゴリの工夫がしてあるとランキングの説得力が一気に上がるんじゃないでしょうか。
揚げ物は歴史的にもかなり古くて、精進料理に揚げ物ってあるんですよね。精進揚げ、ね。
日本の精進料理は、禅宗の“道元禅師”が中国からもたらしたという説があります。13世紀の初めごろですね。
仏教で修行に励むことを精進するという言い方をするのは、みなさんご存じだと思います。
その精進が精進料理の精進と同じなんだそうです。
言われてみれば、あ、そうか、そりゃそうでしょねえ、って感じではありますが。
精進料理の揚げ物には、当然ながら魚肉類は使わない。仏教のお坊さんたちの食べものですからね。
純粋に野菜だけの揚げ物が精進揚げ。
でもって、魚肉をあげたものを精進落とし、というんだそうです。
これまた、あ、そなんだ。ってところです。
13世紀とか14世紀の頃の野菜と今の野菜を比べると、けっこう違っていたりするんだろうなあ、と思うんですが、どうなんでしょ。種類もそうだし、成分とかもね。
油なんかもかなり貴重品だったんでしょうし、今みたいにお手軽な感じではなかったんでしょうね。精進揚げ。
一方、江戸時代初期に中国商人から伝わったとされる卓袱料理にも揚げ物があって、精進揚げと卓袱料理の揚げ物とが基になって今の揚げ物文化が作られた、という解釈が一般的らしいです。
2020年あたりから、から揚げ専門店というのがあちこちにできて、ブームな感じ。
でもねえ、これ、資本家のご都合ブームな気もしますよ。から揚げ専門店には設備投資がそんなに要らない、ということで、とにかくブームってものをつくってしまえば一定期間、商売になる。
から揚げブームが去ったら、また何か別のブームをつくるべえ、ってな動きがあるような気がしますねえ。
少し前、何処の駅前にもやたらめったらタピオカ屋さんが出来たなあと思っていたら、あっという間に閉店。
で、そのすぐ後にあきれるほど次々に、から揚げ専門店。スペースが狭くても大丈夫。というところが、出店する側にとってから揚げビジネスの魅力らしいんですけどね。
から揚げは揚げ物メニューランキングで常にトップクラスですしね。
でも、そういう経営者にとって怖いのは、鳥インフルエンザってことになりますよね。
人間にとってのコロナも怖いし、鶏にとってのインフルエンザも怖い。でも何より怖いのはから揚げブームが去ってしまうこと、かもです。
仕入れの工夫とか、そんなもんで乗り切れる話じゃなくなっちゃいますからね。
まあ昔からですね、揚げ物好きって老若男女を問わず、多いです。
センベロ店に必ずあるハムカツ。
昔のディスコの定番だったちっちゃいから揚げ。
持ち帰りメニューでずっと横綱を張り続けているカツサンド。
だとか、いっぱいあります。
揚げ物好きって、要するにネタ、具材じゃなくってアブラが好きなんでしょ。とか言われちゃうとねえ、そうかもねえ、と頭のすみっこでは思いながら
「うるへえ! 油には油のンまさがあるんじゃ!」
ですよね。
衣をつけずに揚げるのが素揚げ。
塩コショウしてフライパンで炒める、とか、定番ですよね。ンまいです。
小麦粉、片栗粉とか、粉を衣にして揚げたのがから揚げ。
そなんです。今はから揚げと言えば鶏しかないような勢いですが、正確にはあれは鶏のから揚げというんです。
豚でもから揚げですし、野菜でも粉をつけて揚げればから揚げですね。
小麦粉、卵、そしてパン粉を衣にして揚げるのがフライ。
薄力粉、牛乳、卵黄にメレンゲを混ぜ込んだ衣をつけて揚げるのがフリッター。
衣に味をつけたりしてバリエーションを出したりしますよね。
で、薄力粉、水、卵を混ぜて衣にした揚げ物が、我らが日本料理、天ぷらってことですね。
こういう揚げ物のそれぞれに、具材によって衣の具合、味付け、揚げ方に違いがあるわけです。
ホントに色々あります。
この前の「かき揚げ」も天ぷらの一種ですもんね。
やっぱりね、みんな大好きな揚げ物ですから、大昔から色々様々、工夫しているってことなんでしょうね。
江戸時代の屋台では、揚げた天ぷらを串にさして、おやつ代わりに食べていたんだそうです。
ネタはもちろん江戸前ってやつですね。魚介類。
野菜の天ぷらって、精進揚げっていったりもしますが、天ぷらとしては後発みたいです。江戸では、ってことだとは思いますが。
魚の揚げ物は山間の地域だってやらないことはないでしょうからね。川魚の天ぷらってのもありますしね。
魚介類が手に入りにくい土地って、昭和の中頃まではけっこうあったらしいです。そういう場所では魚介類より野菜の方が天ぷらとして食べられたんじゃないでしょうか。
天ぷらのネタ、何を天ぷらにするかって、そりゃあ、正解なんてありゃしません。
江戸の人たちだって、なんでも天ぷらにしちゃってますよね、たぶん。今はなおさらです。
アイスクリームの天ぷらは一頃流行りましたですね。饅頭の天ぷらなんてのもあります。もみじ饅頭の天ぷらが有名だそうです。
干し柿、梅干、半熟卵。なんでもござれな感じ。
寿司の天ぷらなんてのもありますし、リンゴ、ビスケット、饅頭じゃなくって本物の紅葉の葉も天ぷらにしちゃってます。
徳川家康の死因は鯛の天ぷらだったという俗説も知られています。
何を天ぷらにしようが、ンまければイイんですよね。
で、今回の話はカリフラワーです。
調べてみて意外だったんですが、けっこう家で作る天ぷらとしては、珍しくないみたいです。やったことあります? カリフラワーの天ぷら。
小さくほぐして衣をつけて揚げるだけ。レシピというほどのこともない料理です。カリカリに揚げるのがコツと言えばコツ。
塩だとか、ソース、しょう油、カレー粉。お好みの味付けで食べれば、なんにでも合う万能食になります。
しょっちゅうやってるよって方も少なくないかもですが、カリフラワーねえ、という方々、これを機会にぜひチャレンジしてみてください。
簡単でンまい。こういうメニュー。イイっすよねえ。
巣ごもりパンダになって、ふっくらしてきた自覚のある人、肉類の揚げ物よりは断然、カリフラワーです。
<カリフラワーの天ぷらの身体に旨い満足度>
カロリーを気にする人にとっては、天敵とさえいえる揚げ物、天ぷらですが、ネタがカリフラワーだと、わりにセーフな感じです。
ん? カリフラワーだったらブロッコリーの方がビタミンCが多いって聞くけど、って方。正解です。その通りです。
ビタミンCの含有量はカリフラワーよりブロッコリーの方が多い。
ですが、ブロッコリーのビタミン成分は熱に弱いんだそうです。
なので、天ぷら勝負は圧倒的にカリフラワーの勝ち、ということなんです。
さらに、カリフラワーの不溶性食物繊維は便秘対策にヨシ。
豊富に含まれるカリウムはナトリウムの排泄効果あり。塩分対策ですね。ポテチ消費量が増えている人、重要です。
貧血対策に役立つ鉄。
そして熱で失われにくいビタミンC。
身体に充分、イイやつなんです。カリフラワーの天ぷら。カリカリ、ンまいです。
wakuwaku-nikopaku.hatenablog.com
<カリフラワーの天ぷらの心に旨い満足度>
カリフラワーは、妊婦さん、あるいは妊活中の女性にとって強い味方なのだ、って話。
カリフラワーに多く含まれる鉄や葉酸は、妊婦さんにとって、おなかの中の赤ちゃんが健やかに育つために必要で、お母さんから贈ってあげられる成長要素になるんだそうです。
妊婦さんは直接、赤ちゃんに成長要素をあげられますし、妊活中の女性は赤ちゃんが育つイイ環境を準備してあげられるわけです。カリフラワー。
で、無事生まれてきた赤ちゃんの離乳食にも最適。
柔らかくなりやすいカリフラワーって、役に立つ食べものなんですねえ。
カリフラワー由来の成分でお腹の中で成長してきた赤ちゃんですから、拒否反応とかもないんじゃないでしょうか。
見えないお腹の中の生命にも、ンまい食べものだということですね、カリフラワー。
積極的に食べるべき、かもです。
いや、もちろん、女性ばっかりじゃなくてね。
老若男女にイイんです。カリフラワーの天ぷら。
<カリフラワーの天ぷらの酒のアテ満足度>
バッチリなんです。
いろいろ言ってきましたが、カリフラワーの天ぷらは、そもそも酒のアテとして作っておりまして、いえ、個人的な話ですけれどね。
もっぱら炭酸系の酒のアテにしておりますです。
必要以上にカリカリにします。
モンクなくンまいっすよ。
小皿に昆布茶と塩を混ぜて盛って、それにカリカリに揚げたカリフラワーの天ぷらをちょんっとつけて、カリッといただきます。お勧めです。音もンまいです。
あとですねえ、天ぷらじゃないんですけど、アテにお勧めのカリフラワーがあります。
カリフラワーの辛子納豆和え。
これ、簡単でイイですよ。
お好みで適当な大きさに切ったカリフラワーをサッと茹でます。調理っぽい作業はこれだけ。
納豆かき混ぜて、辛子入れてかき混ぜて、しょう油入れてかき混ぜて、黒ゴマ入れてかき混ぜて、もみ海苔入れてかき混ぜて、それをカリフラワーに乗っけて出来上がりです。
カリフラワーで辛子納豆を掬うようにして食べます。
チューブの辛子で充分ですが、粉辛子で辛さを調整するとお好みのアテになること間違いなしです。
これ、身体にイイものばっかりなんです。酒呑みの強い味方です。実効性がどうの、ということは分かりませんが、気持ち的に、肝臓にイイぞって食べるのがお勧め。
<カリフラワーの天ぷらの酒の〆満足度>
衣に味をつけたりして、フリッターっぽくすると充分におかずになります。
さらに言いますとですね、サッと茹でて、細かくばらしてごはんの代わりに、というのもあります。
糖質制限食のごはんの代わりとして、けっこう使われていますよね。
ビタミンCはカリフラワーです。
<わが家の天ぷら カリフラワー以外のネタ なんですか?>
なんたって淡泊ですからね、カリフラワーは。味しない、から食べないって人も少なくないです。
ですが、癖のない食べものであるからこそ、いろいろなメニューに変身できる、という特徴があるってことです。
食べてますか? カリフラワー。
いろんなカリフラワー料理とか、あるいは、変わり種のおうち天ぷら。自慢のメニューを教えてくださ~い。