< 2023年の夏時点で 日本ではあんまり話題になっていない感じなんですけど >
「脳 ブレイン」と「技術 テクノロジー」を組み合わせた造語、「ブレインテック」っていうのが、どんどん現実味を帯びて来ていて、2024年には世界全体で5兆円ほどの市場規模が見込まれているんだそうです。
ブレインテック、知らんなあ、って感じなんですけど、もちろん日本にも研究している人たちはたくさんいて、企業も商品開発に取り組んでいるようなんですね。
ただ、日本の場合、コロナ治療薬の時なんかでもそうだったんですが、国の審査が厳しいっていうか遅いっていうか、そういう点で、世界のスピードについていけていない部分があるみたいです。
医療関係の新しい技術に関しては、イイ加減な審査だと困りますから、日本の厳しさが悪いことだとは思いませんけれども、いつの時代の審査基準なのか、っていう問題はありそうですよね。
刑法なんかの中身もそうですけど、古すぎちゃって、21世紀の日本の内情と完全にズレてしまっている法律はどんどん改定していかないと、世界に置いて行かれますよ。
デジタル方面に関しては、世界各国も技術の進歩に法整備が追いついていない現状みたいですが、日本は特にね、デジタルに馴染んでいない、影響度合いを理解していない立法界って感じですもんね。
ところで、脳科学の進展は、最近目覚ましいものがあるんだそうです。
それはやっぱりコンピュータの利用によって、これまでの脳科学キャパシティを大きく超えることが出来ているからなんでしょね。
コンピュータテクノロジーも、AIっていうのが進化して一気に新展開を迎えている。
そのコンピュータテクノロジーの進化を脳科学が応用する。
脳科学の進展がAIに新しいデータを供給する、っていう、急発展的なスパイラルがあるんだそうです。
ブレインテックは人間の脳をコンピュータによって解析する技術。
脳の状態を見える化する。脳の働き、そのメカニズムを解き明かして、様々な分野で利用していこうっていうことなんですね。
「脳疾患の診断」
薬の効果を測定するのに役立つ。
「脳活動のモニタリング」
普段の脳の状態を脳波計で把握しておいて、その人の脳の普通を記録できる。つまり、異常をきたしてしまった脳の場所をいち早く特定できる。
「脳と物をつなぐ」
人間の意志を読み取って機械やロボットを操作する。能で考えるだけで、モノを動かす。
これは「BMI(Brain Machine Interface)」っていって、手足の欠損部分を補う義足、義手の性能アップに向けて、かなり研究が進んでいるんだそうです。
「潜在意識を読み取る」
これも精神的な疾病に効果を期待できるっていうことみたいですけど、潜在意識ねえ。なんだか怖い感じもしますよねえ。
ブレインテックの分野で先頭を走っているのは、イスラエルとアメリカらしいです。
根拠ないですけど、イスラエルがホンキで取り組んでいますよってことになると、急に現実味が出てくるような気になって来ます。
イスラエルの首相だった「シモン・ペレス(1923~2016)」が設立を主導した「イスラエル・ブレイン・テクノロジー」っていう非営利団体が、2013年に「BrainTech 2013」っていうカンファレンスを開催したのが始まりらしいんですね。
このカンファレンスからブレインテックがビジネスとして動き始めた。
アメリカでは「ニューロテック」って言っているらしいですね。
脳の神経細胞、ニューロンってことなんでしょうね。
QRコードの読み取りアプリで知られる日本の「メディアシーク」は、イスラエルのMyndlift社と2018年に提携して、集中力を高めるブレインテックアプリ「Myndlift」の販売代理店になっていますね。
「Myndlift」っていうブレインテックは、「ADHD(注意欠如・多動症)」の治療のために開発されたもので、イスラエル、アメリカを初めとしていくつもの国で実績を上げているんだそうです。
ただ、日本では医療機器として認証を受けているわけじゃないってことで、やっぱりここでも例によって例のごとく、審査はキビシイみたいですね。
なので、医療としてじゃなくって、ニューロフィードバックを利用してマインドフルネスを実感させたり、集中力を高めるためのツールとして利用されているんだそうです。
会社での働き方や、アスリートのパフォーマンスを向上させる目的で、実績を上げてはいるみたいなんですよね。
「ADHD(注意欠如・多動症)」の治療っていうところも、これから実使用されていくのかもしれません。
日本企業もブレインテックの開発は進めているんでしょうけれども、聞こえてこないのが現状ですねえ。
それにしても、このところ新しいシステムだとか、考え方とかが出てくると、なんでも英語、って言いますかカタカナですよね。
親近感が湧かないっていうのか、分かりにくいです。でもまあ、グローバルっていうのは、そういうことなんでしょう。
ニューロフィードバック、マインドフルネスっていう言葉を先述しました。
マインドフルネスっていう言葉は聞いたことのある人も多いかと思います。
精神的な健康を取り戻す、保つための方法として瞑想効果なんかの説明部分で取り上げられることが多い言葉です。
静かな環境の中で、雑念を取り払って、今、そこに在る自分をありのままに受け取って、自分の全部を自分自身で受け入れた状態のこと。満たされた自分、って感じなのがマインドフルネス。
ニューロフィードバックの方はどうでしょうか。聞いたことあります?
この言葉はまさにブレインテックのジャンルの言葉なんですよね。
脳の活動をリアルタイムで把握しながら、脳の状態を自分の望む状態に近づけるようにトレーニングする。それがニューロフィードバック。
言葉だけの説明でもなんとなく理解できるような気もしますけれど、実際に体験しないと、やっぱり、解りませんよね。
でもそういう時代が、もう来ているっていうことなんですよね。
「Myndlift」はカナダのInteraXon社が開発した「Muse 2」っていうヘッドフォン型の簡易脳波計とセットで使う、スマホアプリ。
ハードウェアもソフトウェアもまだまだ進化していくでしょうし、意外にすぐ隣にある未来が、ブレインテックなのかもですよね。
ある程度の年齢になると、自宅に血圧計を備えているって、そんなに珍しいことじゃないと思うんですけど、脳波計を備えておく家庭が増えても不思議じゃない世の中になった、ってことでしょねえ。
しかしまあ、自分の脳の状態をコントロールするっていうんですから、人類はシンギュラリティなんて蹴っ飛ばして、新たな世界に入っていくのかもしれないです。
面白いと思うのか、怖いとしり込みするのか。
日本のデジタル環境、どうなっていくんでしょうねえ。
ブレインテック、ニューロフィードバックですってよ。
ワクワクする? ゾッとする?