< AIのその先 っていうのも どんどん明確になってきているらしいです >
人間は、自分たちが作り出した道具によって生活環境を大きく変えるっていうことを、大昔から何回も経験して来ていますよね。
原始の時代に「火」を道具として扱うようになって、食生活だけじゃなくって、焼いて、溶かして、生活インフラに与えた影響はとんでもなく大きなものだったでしょうね。
地球上にほぼまんべんなく生活していたであろう人間たち全員に、「火」の利用が伝わるのにどれくらいの時間を要したんでしょうか。
もちろん、同時多発的に各地で「火」を利用するようになったことも考えられますけれど、通信手段を持たない時代、国とか人種とかっていう概念もなかったんでしょうけれど、なにせ「火」ですからね、命に係わる事故も少なくなかったことが予想されます。
新しい道具を使いこなすっていうことには、そういうリスクがどうしたって伴うものなんでしょうね。
時代は一気に進んで、18世紀後半、産業革命が起こります。
当時の日本人の中にも、産業革命によって世界の社会構造が一気に変わってきていることを知っていた人も居たのかもしれませんけれど、日本人の多くが産業革命の実際を認識したのは「黒船来航」ってことになるんでしょうかね。
なんだこれ!? っていうカルチャーショック。
鎖国政策の中でも海外からの情報を取得するのに懸命になっていたことは、特に兵器の分野で知ることが出来ますよね。火縄銃の時代の終焉です。
明治時代になってからは、国をあげての全方位的「追いつき追い越せ」です。
文明開化って、悪く言えば日本の西欧化なわけで、集団ヒステリー的な判断で、失われてしまった日本文化っていうのも少なくなかったんでしょうねえ。
遅まきながらのデビューになった日本の産業革命ですが、やがて「技術立国日本」なんて宣言するまでになって、「ジャパンアズナンバーワン」なんて言っていた時代もあったわけです。
これはこれで、凄いことですよね。
ただ、輝かしかった日本の社会生活のその裏では、石牟礼道子(1927~2018)の「苦海浄土」に書き遺されているような悲劇も経験しているんですよね。
すんなり産業革命を使いこなせたわけじゃない、ってふうに見ることも出来そうです。
公害は、日本人ばかりじゃなくって、人類の無知がもたらしたものなんでしょうね。
どんどん科学が進歩して新しいものが出てきます。
進化の周期スピードも、ますます速くなって来ていますよね。その新しい道具が、果たして人間にどういう影響を与えるのか。想定外のことが起きるのは、何度も経験しているはずなんですが、経済優先です。
そのリスクに対するシミュレーション能力を高めようとして来なかったのかもしれません。
20世紀の半ばを過ぎた頃、コンピュータが社会に登場して来て、あっという間に浸透します。
このころから人間の生活環境の変化スピードは、格段に速くなってきました。
インターネットが登場して来て、AIの時代が始まっている21世紀ですね。
これまで、人間の生活環境を大きく変えてきた道具は、車にしろ飛行機にしろ、その仕組みを調べれば、一般ユーザーにも直感的に理解できるものだったと思います。
でも、コンピュータ周りの最新の道具を考えてみますと、その仕組みについてはブラックボックスだっていうことが多いんじゃないでしょうか。
こういうインプットを与えると、こういうアウトプットになります。
なんで? っていう部分が利用者に理解できない。影響している側も説明できていない。
で、「シンギュラリティ」なんていうことも言われ始めました。
「AI」っていうのがどういうものなのか、概念だけじゃなくって実際に使えますよって登場して来たのが「ChatGPT」でしたよね。
世界中で話題になりました。その使い方について、いろんなことが言われています。
ディープラーニングっていう仕組みを使って、大量のデータをコンピュータに「学習」させて、質問に対して的確な、って言いますか、最大公約数的な回答を出してくれるわけです。
まだ時々ウソがあるみたいですけどね。
日本の役所では積極的に活用していきたいっていう姿勢を表明している自治体もありますね。っていいますか、政府が推し進めようっていうことみたいですからね。無批判に受け入れているように思えます。
国をあげての「AI」「ChatGPT」利用推進っていう流れになっているのかもしれませんけれど、そういう旗振りをしている人たちにとって、ディープラーニングの仕組みって、おそらくブラックボックスなんじゃないかっていう気がします。
だってさ、使ってみないと何も分からないでしょ、っていう完全ブラックボックス意識にしか思えません。
コンピュータ周りに対して思考停止しているのかもですよね。
そんなこんなで「ChatGPT」に振り回されているうちに、世の中は「ディープフェイク」なんていう問題にぶち当たっているんですよね。
「AI」のディープラーニングっていう言葉と、フェイク、ニセモノですよね。その2つをくっ付けた造語。
「ディープフェイク」
映像制作の現場では大いに活用されそうな技術です。
ある人物の画像をいろんな角度から、いろんな表情、身体の動かし方の癖をコンピュータに学習させれば、その人物をアバターとして、ソフトウェア的にどんな動きでも生成できる。
こりゃ便利。っていう反面、役者さんたちからは、著作権の問題、そして仕事が成立しなくなることについて、大きな問題が提起されています。その人自身が必要なくなっちゃいますからね。
「ディープフェイク」を製作する側にとっては、特に難しい技術は必要ないっていうことで、いつの間にかポルノビデオに出演している自分を発見する。っていうことがアメリカで実際に起きたみたいで、使い方について、なんだかスッキリしない状態が続いているようですね。
「フェイクポルノ」リベンジポルノなんかに利用されちゃってもいるみたいです。
「ディープフェイク」の最大の問題は、出来上がる映像がリアルだっていうことでしょうね。
画像精度が格段に上がってきている。
2022年にウクライナのゼレンスキー大統領のフェイクビデオが流れたときには、注意深く見ればすぐにフェイクだって見破れるレベルでしたが、現段階の「ディープフェイク」となると、人間の目には区別できないレベルになっています。
その映像が実際に撮影されたものなのか、「ディープフェイク」で作られたものなのかを見分けるために、ディープラーニングさせた他のコンピュータに解析させようっていうシステムも、各国で開発中ではあるらしいです。
シンギュラリティの直接の原因になるって言われているディープラーニングですが、開発側がやっていることは、ディープラーニングの進んだコンピュータを、ディープラーニングのインプットデータとして使えるっていうことが脅威になるわけですね。
どこにも制限がないので、どこまでも「賢く」なれる。だから、人間の能力を超え得る。
それがシンギュラリティ。
「ディープフェイク」っていう道具がいろいろ問題アリだよねって言っているうちに出てきたのが「ジェネレーティブAI」です。
次の世代のAI。なんだか不穏な響きを感じます。どんどん進んでいるんですね。
今現在のAIが、ディープラーニングに大量のデータを必要とするものなのに対して、「ジェネレーティブAI」は、インプットデータをたいして必要としない。つまり、コンピュータ自身が、あたかも人間のように「考える」
ん~。「ジェネレーティブAI」については、まだまだこれからっていう段階なのか、それともある程度動いていて実績を上げているのか、詳しいニュースは今のところ見つかりませんでした。
「ジェネレーティブAI」いったい何者なんでしょう。
道具の進化のたびに犠牲者が付きものだっていう事態は避けたいところですけどねえ。
人間の作り出した人間のための道具。その仕組みは想定も理解も出来ない段階に来ている感じでしょかねえ。
今のところブラックボックスです。
ま、言葉だけでも気にかけておきましょかねえ。
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