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かつて町中華には【モヤシ炒め】というメニューがあったですよ

< 昭和のあの頃 モヤシ炒め 野菜炒め 肉野菜炒め っていうメニューが並んでいたんでありますよ >

もう記憶の彼方へ追いやってしまった人も多いかもしれませんが、20世紀末に米騒動っていうのがあったですよねえ。世紀末の米騒動


当時は「平成の米騒動」なんて言われてニュースのトップ項目にもなっていましたから、覚えている人も少ないないでしょう。
平成5年、1993年のことですね。30年前。


って考えてみますと、平成の米騒動の年に生まれた人もすでに30代に入っているわけで、時の流れっていうのは速いものです。


ごく小さな子どもの頃にそんなことがあったとしても意識なんてしていないでしょうから、平成の米騒動を記憶している年齢層ってことになりますと40代半ば以上ってことになるんでしょうかね。


平成の米騒動は、記録的な冷夏によってもたらされた米不足でした。


昭和の頃は米余り現象なんていわれていて、余った米が「古米」「古古米」として問題になっていたんですけど、調整が進み過ぎたのか、一気に米不足。


政府の農業政策に批判が集まったりしたんですけど、ま、正解なんてなさそうな問題だったでしょうね。批判している人たちにも代替案があったわけでもなさそうでした。稲作ね。

 

 

 


1993年の冷夏は、2年前の1991年、フィリピンのピナツボ火山の噴火が原因だったんですね。


火山の噴煙によって日光が遮られちゃって、日本の夏の気温が平年より2度、あるいは3度低くなって、冷夏ってことになったんですね。大気影響のそういう時間経過の不思議っていうのもあります。


冷夏によって農作物全般が大打撃を受けたわけです。
特に問題として取り上げられたのが、日本人の主食。余ってるっていわれていた米が、突然足りなくなったこと。


すると、市場っていうのはあさましいもので、あっというまに米価高騰。米価っていっても生産者米価じゃないだろう辺りがいやらしいところです。
緊急事態にもかかわらず、誰かが儲けようといているっていう理不尽。


でも高くなっても米は売れるんですよね。いろいろ言われていても、やっぱり日本人の主食ですもんね。


スーパー、コンビニからあっという間に米が姿を消しちゃいます。外食店も大弱り。


どうすんの? ってことで、日本政府は秋口に外国米を輸入して対応することを決めました。


日本からの緊急輸入要望に対して、すぐさま反応してくれたのがタイ王国でした。


日本で主食用として流通しているジャポニカ米じゃなくって、タイ米、インディカ米ってことになります。


それまでもインディカ米は、一部の外食店でパエリアだとかに使われていましたし、カレー屋さんのバターライス、サフランライスだとかで、少なくない日本人も食べていたとは思いますけど、銀シャリ、普通に白米の代わりとして食べることになったら、「まじ~よ、これ。食べられたもんじゃない」とかね、罰当たりな声がゴウゴウと湧き上がったんでありました。


米が足りないっていうから、緊急に出してあげたのに、食べられたもんじゃないとは、何事か! ってね、直截的にそんなことは言わなかったような記憶ですけど、タイの人たちからすれば、ゲキオコプンプンマル(死語?)な日本人の反応になってしまいました。


米の種類がちがうんですからね、炊飯器でウマク炊けないとか、家庭の中ではホントに困った大混乱だったんです。


そもそも調理の仕方がジャポニカ米とインディカ米では違うんだから、工夫しましょうよ。っていう特集がテレビでも新聞、雑誌でも大々的に組まれたりしましたよね。


ごはん茶碗で銀シャリっていうのは、しばらく諦めましょう! っていうことだったんです。


外食店では、ジャポニカ米にインディカ米を混ぜ込んで、ハイ、ごはん! マズイ、なんてのは受け付けませんよ! ってなってました。
ジャポニカ米、無いんだからしょうがないでしょ! ってことだったですねえ。


で、翌年の1994年には天候に恵まれて日本の米不足は解消したんですけど、ね、解消したはずなんですけど、外食店のごはんって、弁当屋さんのもそうなんですけど、なんでだかインディカ米が混じったままです。

戻らない。


ま、混じっている割合は低くなっているんですけど、混じってますよねえ。今やジャポニカ米とインディカ米の混合は定番になっているんですよねえ。


たまあにね、純粋ジャポニカ米ごはんの定食屋さんもありますけど、たいていは混じってます。
外食の多い人は気付いていますよね。混じってるでしょ? 細長いの。


あれから30年も経っている2023年ですと、みんな慣らされちゃって、だあれも気にしていない感じでしょかねえ。

 

 

 


この平成の米騒動は結局、一揆だとかには至らずに終息した感じだったんですけど、当たり前の話、冷夏の被害を受けたのは米だけじゃなかったわけです。


野菜。とくに葉物野菜も大打撃だったんですよね。


外食、っていってもレストランなんて行きませんよ。町中華の話です。


ラーメンにはとくに変化はなかったんですけど、タンメンね。
キャベツ、ニンジン、タマネギなんかのボリュームがガサッと減っちゃいました。ほぼモヤシ。


モヤシ、好きですからイイんですけどね。あんかけにしていないモヤシそばって感じになっちゃいました。


野菜の値段は毎年上がったり戻ったりしているはずなんですけど、平成の米騒動以来、なんでだかずっとタンメンのモヤシの割合そのまんまっていう町中華が多いです。


モヤシ、値段的にも優等生ですもんねえ。1回そうなっちゃったら、キャベツとか他の野菜、増やしてくれないんですねえ。
コスト的にしょうがないんでしょうか。


ただね、タンメンより被害甚大だったのが野菜炒め。


平成の米騒動をオトナで経験している人なら分かると思うんですけど、野菜炒めね、ほぼモヤシ炒めになっちゃったです。


で、そのころの町中華には最もリーズナブルなメニューとして、モヤシ炒めっていうのもあったんですよね。


そんなもんですから、野菜炒め定食を注文して、はい、お待ちどう、って出てくると、


「あ、違うよ。オレが注文したのは野菜炒め、モヤシ炒めじゃないよ」


っていう声をよく聞くようになったんでありました。


いや、それ、野菜炒め。キャベツ高いんだから、そんなにふんだんに使えないんだよ。


ん~。まあ、しゃあないよね、ってことにするしかないんですけど、やっぱりね、これってモヤシ炒めじゃんっていう声、多かったんでしょうね。


業界的に打ち合わせしたわけでもないんでしょうけど、町中華のメニューから、なんと一斉にモヤシ炒めが消えちゃったんです。

 

 

元々のモヤシ炒めよりはキャベツやらタマネギやらの分量は多いんですけど、だいぶモヤシ炒め寄りの野菜炒めが標準になってしまいました。


ですよね、今、町中華で野菜炒め頼むと、モヤシの量、多いでしょ。


あれね、前はキャベツとかの方が多かったんですよ。モヤシも入ってましたけど、今みたいにモヤシでボリュームを確保しているような野菜炒めじゃなかったんです。


肉野菜炒めも同じことですよねえ。


まあ、今でもモヤシ炒めっていうメニューを出していて、一応野菜炒めとの区別をつけて頑張っている町中華もあるにはあるんでしょうけどね。


なんかね、30年前のことを今さらブーたれても意味ないんですけど、問題は今です。2023年の夏。


夏になる前から猛暑でしたねえ。そして、次々にやってくる台風。大雨の被害。


農産物、米も含めて大打撃になるでしょ。


土の中の温度が高過ぎて、時期の野菜を植えられないっていう状態だったのに加えて、なんとかやってきた畑や田んぼが水害を受けて、ダメージが大きい。


収穫期を迎える前に、既に大打撃予想が出ていますよ。

 

 

 


モヤシ炒めっていうリーズナブルなメニューを町中華から消し去ってしまった平成の米騒動


今回は冷夏じゃなくって、酷暑と水害。


また、なんか、リーズナブルなメニューに変化が起きて、無くなっちゃうメニューが出てきちゃったりするんでしょうか。
諸物価高騰のおり、マジ、心配しておりますです。


地球温暖化って、かなり直接的に生活に影響を与えている、ってことなんでしょねえ。


自然環境が回復したっていう話、聞きませんもんねえ。
どうにかならないもんなんでしょうか。


町中華のメニューも、なんとなく1000円見当になって来ています。厳しいです。