< 科学は日々進歩しているわけで 人間の身体機能も細かいところまで解ってきたみたいです >
36兆個、37兆個、あるいは60兆個とも言われている人間の細胞。
このことからだけでも、人間が人間を知るッてうことも、なかなか大変なことなんだろうなあってことが分かりますよね。
分かってしまえば、ごく当たり前のこととして研究は進んでいくんでしょうけれど、生命っていうのは、やっぱり神秘なんですねえ。
生命を得てからすぐに新陳代謝を繰り返しながら、人生100年時代とかいう時間の長さを生きていくわけですよね。21世紀を生きる我々は。
飲食して、新しい細胞を身体の中で生成して、古くなった細胞を身体の外へ排出する。それが新陳代謝。
人間の細胞は1個イッコ、細胞膜によって、表面が覆われているんだそうです。
膜の内側には、エネルギーを消費して様々な物質に変換する機能を持った、いわゆる細胞本来の機能を担う、細胞質で満たされているんですね。
細胞質っていうのは、ミトコンドリアっていう細胞にエネルギーを供給する構造物があって、それ以外にも、あまり聞きなれない、リボソーム、リソソーム、小胞体、中心小体、ゴルジ装置だとかがあるんですね。
そして、細胞の真ん中あたりにあるのが核。
核の中には核小体と染色体があります。
タンパク質にDNAが巻き付いた構造をしている染色体は、一対の姉妹染色分体で構成されていて、染色体同士が接着している部分はセントロメアって言うんだそうで、それが染色体の中央辺りじゃなくって偏った場所にあって、セントロメアから短い側を短腕、長い側を長腕って言うんだそうです。
そして姉妹染色分体それぞれの端っこ。2つがくっ付いている染色体ですから端っこは4つあるわけですが、それぞれをテロメアって言うんだそうですね。
このテロエアっていうのが細胞の寿命を決定している、っていうことらしいんですよ。
細胞分裂には限界があるっていうことを1961年に発見したのは、アメリカの生物学者「レナード・ヘイフリック(1928~)」
染色体の端っこにあるテロメアは「TTAGGG」っていう6つの塩基配列が繰り返された単純な構造らしいんですけど、細胞分裂するたびに短くなっていく。
そしてある程度短くなってしまうと、その細胞は、もう分裂できなくなる。
これが「ヘイフリック限界」ってやつで、その瞬間から細胞の老化が始まるってことなんです。
細胞の老化。細胞死。
なのでテロメアは寿命タイマーなんて呼ばれ方もしているんですね。
テロメアが短くなっていく過程で、細胞のチカラが弱まっていって、がんや脳卒中のリスクが高くなりますし、皮膚を形成している細胞であれば、コラーゲンを生成しているチカラも落ちていくので、たるんでくるし、シワも目立つようになる。
最近は男性でも、目の周りのたるみだとかを気にして、手術するなんて人もいるそうですし、専用の薬品も出ているみたいですよね。
女性はもう、昔っから、コラーゲン、気にしていますよね。
コラーゲン、こらあげん、言ってます。え? 言ってない?
だいぶ昔ですけど、東京、世田谷区の池尻大橋っていう街の住宅地に夜だけやっている町中華があって、なぜだか女性の行列が出来ているっていうんで話題になったことがありました。
コラーゲンラーメンだったみたいです。
普通の町中華のラーメンが500円ぐらいの時代でしたが、たしか1500円ぐらいだったと記憶しています。
北区の赤羽っていう街は、ホルモン焼きで知られているんですが、とある店のノボリに「コラーゲン焼き」っていうのがありまして、この店も女子に大人気でしたね。
ま、普通のホルモン焼きなんですけど、看板のコラーゲンっていう言葉に引き寄せられるんでしょうか、ワンサカやって来るみたいだったですね。言ったもん勝ち!
コラーゲン、恐るべし。
でもですね、コラーゲンって肌に塗ったり、口から摂取しても、その効果はやっぱり一時的なんだそうですね。
なんだかいつの間にか、そんなに聞かなくなってませんか。コラーゲンって。
動的平衡の細胞入れ替わりっていう観点からしますと、摂取したコラーゲンが体内でそのままコラーゲンになるってわけじゃなさそうですもんね。
気休め、っていうのは言い過ぎなのかもですけど、お肌の張りがなくなってしまうのは、テロメアなんだそうですよ。ヘイフリック限界。
ところがですね、1985年に、アメリカの生物学者「エリザベス・H・ブラックバーン(1948~)」が「テロメラーゼ」っていう酵素を発見したんですね。
テロメラーゼは、テロメアが短くなるスピードを遅らせたり、またはテロメアそのものを伸ばす働きがあるんだそうです。
あれ? ヘイフリック限界、一気に解決!?
とはならず。な感じですよね。
実際、テロメラーゼなんて聞きませんし、お肌の張りを戻すにはこれを飲むだけ、なんていう新薬品も出てきていませんもんね。
テロメアを伸ばす効果があるのはホントらしいんですが、そうして細胞が長生きになり過ぎると、今度はがんになりやすくなっちゃう可能性が高いから、なんだそうです。
がんっていうのは細胞が増殖する一方なんですもんね。異常細胞。
つまり適切な使い方、摂取の仕方までは解明されていないってことですね。
やっぱしダメか。
っていうことかっていうと、そうでもないところがややこしいところです。
別の実験でテロメアを伸ばす方法っていうのが確認されているんですね。
アメリカでのその実験に参加した人たちは、平均で10%ぐらい、テロメアが伸びたんだそうです。
実験参加した人たちの年齢だとか、詳細は分からなかったんですけど、若い人が実験対象じゃなかったんだろうって思いますね。
ある程度長い年数を生きてきて、テロメアが短くなり始めている人じゃないと意味ないですもんね。
さて、肝心の、テロメアを伸ばす、その方法とは。
普段の生活の中で、
7時間以上の睡眠をとること。
軽い有酸素運動を欠かさないこと。
食事は野菜中心にすること。
そして、友だちやパートナーと良好な関係を保つこと。
だそうです。
なんやねん!? よく聞く健康になる方法と一緒やんけ!
歳をとってきてテロメアが短くなってくると、7時間なんて眠れなくなりますよ。
有酸素運動ねえ。ウォーキング程度ってことではあるんですけど、欠かさずっていうところがミソでしょうか。
天気のいい日ばっかりじゃないし、夏なんかは熱中症っていう問題もありますよねえ。
野菜中心ねえ。3日ぐらいならいけるかもですけどねえ。
やっぱり、肉、魚、いきたいでしょねえ。
実験に参加した人たちって、何を食べてたんでしょうか。
人間関係を良好に保つねえ。これが出来ればハッピーな毎日でしょうけど、なかなかねえ。
熟年離婚なんていうのも、相変わらず多いらしいですけどねえ。
ん? ここで、ふと気づいたんですけど、これ、ずっとやり続けたわけじゃなさそうですよね。1年とかそれぐらいの期間やっていたんでしょうかね。
効果を測定するための期間ですから、長くても、ね、せいぜい1年でしょうし、数カ月かもしれませんね。
その辺の情報は得られませんでしたけど、数カ月でテロメアが伸びるんだったら、チャレンジしてみる価値はありそうですね。
なにもコラーゲンだけの問題じゃないんですけど、どうしましょ? やってみる?
肌の張り、シワ。テロメアなんですってよ。