ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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ーー 居酒屋トークの ネタブログ ーー

【もちモチ もっちモチ】いそべ餅 いそべ巻き いそべ焼き

< 違うの? いや 一緒でしょ 呼び方がっ違うだけ でしょ たぶん >

よく行く居酒屋さん。
アテのメニューが1品とか2品、時々代わります。増えるんじゃなくって置き代わる。


時期を置いて復活するアテもありますし、その時限りでもう二度と口にすることのできないモノだったりすることもあります。


仕入れの問題もありますし、なんでも値上がり続きの食材事情。そんなにたくさんの種類を置いておくわけにもいかず、ってことなんでしょうけど、ちょくちょく行っている酒呑みにとってはむしろアリガタイことでございます。


酒のアテ。千差万別、人の好みもいろいろです。


で、この前代わったのは「いそべ焼き」
「揚げワンタン」がなくなって新しいアテとしての「いそべ焼き」
ええ~!? 餅ってアテっていうより、しっかりとメシじゃん!


いやいや、なかなかオツなアテでございますよ、っていうご意見もございましょうけどね。


っとかアタマの中でぐるぐるやってから、
「いそべ焼きにしたんだねえ」
って言ったら、大将が、


「はい。好い海苔が入ったんで。今、海苔、高いんすよねえ。餅はみなさんお馴染みのパックのです。しょう油は九州の甘いヤツと出汁で巻きます。旨いですよ」


って言って、厨房の中に引っ込んでいきました。

 

 

 


と、カウンターの隣りに座っていた2人組の女性の1人が、
「あのう……」


初めて見る方たちで、2人とも30代前半ぐらいなようにお見受けしましたが、


「いそべ焼きって、お餅なんですか?」


んひょ~! そういうおたずねだったんでありました。


なに? 今って、いそべ焼きに市民権ないの? 餅ですとも、お餅です。


力強く何回も肯いて返事をしますと、その2人組の向こうに座っていたスーツ姿のオッサン。こちらも初顔でしたけれど、


「餅を焼いて、しょう油漬けて、海苔をぐるっと巻いたやつ。食べたことないの?」


2人組の女性、今度はそっちに顔を向けて、黙ったまま首を横にブンブン振っています。


「昔はね、銀座で、暗くなってくると花屋の屋台が出てきてね、花売りのオネエサンたちがバーに向かっていく男たちに、いかがですかって売ってたの。花売り娘」


こっちから2人組女性の顔は見えませんけど、おそらくポカ~ンとしていたんじゃないでしょうかね。
たしかに昭和の時代、銀座には何台か花売りの屋台が出ていましたね。


「それで、もう少し夜が遅くなってくるとね、いそべ焼きの屋台も出てくんだよ」


ふううんっていう感じの2人組。たぶん。顔は見えませんからね。


「銀座で歩きながらお餅食べるんですか、夜に?」


「いや、まあ、食べる人もいるんだけどさ、あれなんだよ。バーに行く人たちがさ、お土産に買って持っていくんだよ」


「バーの人たちが食べるんですか?」


「いや、そこはさ、食べるっていうか、売り上げが大事っていうかさ、ね」


って、そういうとこでこっちに振られてもねえって感じでしたけど、その日はそれ終わらずに、背中側のテーブルに陣取っていた3人組のサラリーマン男子。

こちらはみなさん40代ぐらいだったでしょうかね。そのうちの1人が、


「でもこのメニュー間違ってますよね」


もう1人が、


「なに? いそべ焼きが?」


「だって、いそべ巻きでしょ、ホントは」


「え? いそべ巻き? 聞いたことないけど」


「はあ? いそべ焼きじゃなくっていそべ巻きが正しいでしょ」


いそべ焼きを知らなかった女性の1人が、


「巻きっていうのが正しいんですか?」


なんかね、話が妙な方にカーブしていっちゃいましたよ。


大将も顔を出して、盛り上がっている6人を横目で見ながら、小声で聞かれました。


「いそべ焼きっていいますよね? 普通ね?」


うんうん肯いて同意です。むしろいそべ巻きっていう言い方を聞いたことがありませんよ。


いそべ餅っていうのは、どこだったかのインターの幟で見たことがありすけど、いそべ巻きは知りません。
もしかすると、地域によって呼び方に違いがあるのかもしれませんね。関東ではいそべ焼きで、関西方面でいそべ巻き、なんでしょうかね。


でもまあ、その人に関西アクセントは感じられませんでしたけどね。

 

 

 


いそべ焼き、いそべ巻き論争には加わらずに、背中を向けたまま「里芋土佐煮」をアテに、紫赤兎馬のロックをやっておりました。


餅って、今はサトウの切り餅、アイリスオーヤマの生きりもち、だとか季節感なくありますからね、好きな人は年がら年中食べられるわけですよね。


お餅の食べ方ランキングっていうのがあって、見てみますと面白いですね。


個人的に餅を普段から食べつけてはいませんけれど、ああ、これ、あったなって感じで、1個とか2個、アテにするのもイイよなあって思うのが多いですね。


しかし考えてみますと、餅の食べ方って、知らないのも含めてたくさんあるんでしょうね。地域独特の食べ方っていうのもあるでしょうし、家庭ごとのアレンジメントっていうのには興味が湧いてきます。
我が家の常識、世間の非常識! っていう面白い食べ方って、まあ餅に限らずいろいろありそうですけどね。

 

 

ランキングを見ていきます。


第10位:「納豆餅」
柔らかすぎるぐらいに茹でた餅を小鉢に入れて、納豆、しょう油、辛子、刻みネギっていうのがスタンダードでしょうか。納豆は大粒、小粒、ひきわり。好みの分かれるところかもしれません。


アテとしてもいけそうですけど、さっさと食べきらないと固まっちゃいますね。


第9位:「からみ餅
これ、おろし餅って言ってましたね。
大根おろしかつおぶし、しょう油で、ねぎを散らしてね。これもまた柔らか~く茹でた餅がイイですよねえ。


からめて食べるからからみ餅なのか、大根おろしの辛味ってことなのか、はたまた辛味ダイコンを使うってことでからみ餅なのか。どうなんでしょ。


おろし餅。言わない? どうなんでしょ。
食べものの名前って地域と人によって違うっていうあたりも面白いです。


第8位:「揚げ餅」
今はこれ、わざわざ作るのが多いんでしょうね。松が終わるのを待って、とか、そういう鏡餅を使ったの、今でもありますかね。


把握してはいませんけれど、しょう油煎餅にするか、甘辛あられにするか、味付けもいろいろありそうです。


呑み屋さんのアテとして出てくるのは、サトウの切り餅をサイコロに切って、揚げたヤツですね。
切り餅1個がベストボリューム。ま、変わりアテとして、旨いです。


第7位:「ずんだ餅
へええ、ずんだ餅ってベスト10入りしているんですねえ。かなりレアな餅っていうイメージでしたけど、これはちょっと手間がかかるっていいますか、ちゃんと料理しないと、って感じでしょうか。


枝豆は柔らかく、餅は柔らかすぎず硬すぎずっていう好みの塩梅に仕上げるのも、ちょっとだけこだわりが分かれそうです。


でも、餅っていうより、どっちかと言えば団子なのかもですよね。


第6位:「あんこ餅」
これもまた餡団子のイメージの方が強いですね。餅バージョンだと、とろっとした餡をお椀に入れて、そこへ焼き餅を投入っていうのもありますよね。オーソドックスではありますけど、アテとしては、どうでしょねえ。ってこれアテのランキングじゃないですけどね。


お餅の食べ方ランキングです。


第5位:「おしるこ」
ええ~!? 個人的には第6位、あんこ餅と変わらんだろうって気がするんですけど、ま、違うんでしょねえ。
甘味。居酒屋メニューには、まず無いんじゃないでしょうか。あるんですかね?


第4位:「お雑煮」
おおっ。お雑煮が4位ですか。


これ、ひとくくりにお雑煮って言っちゃっても、その実態は千差万別なんでしょうね。地域ごと、家庭ごとに違っているでしょうからねえ。
餅の形。丸餅か角餅か。地域性ですよね。味付けもいろいろ。


餅以外の具に何を入れるかによりますけど、お雑煮ってお正月だけじゃなくたって良さそうにも思いますけどね。
たいていの人は好きなんじゃないでしょうか。日本人はね。


第3位:「砂糖醤油」
んはは、でっす。


これもよくやりますよね。手っ取り早くって感じの食べ方。
焼き上がった餅が、ぷくう~ってなったら、手早く、砂糖しょう油の小皿へ。アチッアチッて言いながらほふほふ食べる。


ベストテンでやっと出てきた焼き餅ですけど、日本の冬の風景ですよねえ。
別に何にこだわるわけでもなく、普通の餅でイイですし、普通の砂糖、普通のしょう油
餅って食べもの。旨いですねえ。ご先祖様に感謝ですねえ。


第2位:「磯辺焼き
お、出てきました。いそべ焼き、第2位ですか、ふむふむ。


このランキング調査では「磯辺焼き」っていう表記ですね。でも「焼き」です。「巻き」じゃないですね。


ま、名前って言いますか呼び方は、いそべ焼きでもいそべ巻きでも、はたまたいそべ餅でも、どれでもオッケーですよね。


いそべ焼きに巻く海苔はですね、軽く炙ってから巻くと、香りが立って、一気に高級感が増します。
海苔には表と裏があって、そのざらざらした裏側だけを炙るのがコツです。ササっとコンロの火の上の方で炙ってパリッとさせながら香りを引き出すんです。
海苔の香りっていうのも、イイですよねえ。


しょう油は普通のでイイっしょ。
日本人で良かったなあって実感できる逸品だと思います。いそべ焼き。


ちょっと時間が経って、海苔がしなっと餅にへばりついた状態になったのも、これまた、旨いですもんねえ。


第1位:「きなこ餅」
へええ、いそべ焼きを抑えての第1位はきなこ餅ですか。


ランキングは茹で餅が圧倒的なんですね。


でもこれ、きなこ餅って「安倍川餅」のことですよね。


ま、たしかにきなこなんですけど、静岡県のみなさん。も少し安倍川っていう名前を推してみてはいかがでしょう。
きなこ餅っていう名前になんのモンクもありませんけれど、静岡の郷土料理なんですよね。
農林水産省「うちの郷土料理 静岡県 安倍川もち」にも取り上げられています。

 

 

 

「府中宿名物安倍川餅」は、2020年に文化庁文化財保護制度で日本遺産の構成文化財の1つに認定されているわけですし、食材の名前そのものより、安倍川っていう名前で呼ばれた方が餅もきなこも喜ぶような。


ん? 気のせい?
ランキング第1位ですってよ。