< このところ ハイジもクララも 受験勉強に忙しいように見受けられますけどね >
積極的に探りに行かなければ取得できない情報っていうのもかなり多いですけど、へええって、ちょとビックリの情報に出会うっていうことが時々あります。
つい先日、焼酎バーのカウンターに日本酒党のトッさんがいて、いつも通り冷酒をやっておりました。
ちょっと久しぶり。1ヶ月ぐらい顔を見ていなかったんですが、会えばバカ話に花を咲かせる呑み仲間です。
気のイイおやじで、40代半ば、酒焼けした鼻づらの、背の低い太っちょです。
隣りに座るやいなや、
「連休にハイジ行ってきましたよ、ハイジ。クララ館に泊まってヒマワリ見てきました」
クララ? ってことは、ハイジってアルプスの少女のハイジ?
「ハイジっていったらアルプスの少女に決まってんじゃないっすか。他にないでしょ。娘が好きなんですよね」
いや、トッさんの顔から連想したハイジって、廃寺、かと思ったです。
にしても、なに? スイス行ってきたの?
と、女将さんがビニールでふろしき包みしてある、あの信玄餅を持って来てくれました。
は?
「トッさんのお土産。ハイジの信玄餅」
さっぱり分かりません。
廃寺じゃなくって、アルプスの少女ハイジだし、スイス土産に桔梗信玄餅って、トッさんのセンスとはいえ、なんなん?
ってことで、初めて知ったんですが、山梨県の北杜市(ほくとし)に「山梨県立フラワーセンター ハイジの村」っていうのがあるんだそうですね。
なるほど、北杜市の南にあるのは南アルプス市っていう地理関係ですからね、ハイジっていうのも分からなくはないんですけど、ハイジの村って、なんと2006年からあるんだそうです。
知ってました? 個人的ビックリ情報。
って長野県、山梨県の人たちには馴染みの施設だったりするのかもですけど、失礼ながら、ハイジなんて、ちっとも似合わないトッさんが知っていたことは驚きでした。
「娘が知ってたんですよ。今のね、幼稚園の年長なんて、大人なんかより、いろんな情報知ってますよ。ネットで探すんでしょうけどねえ」
幼稚園からネットやってんの?
「あれですよ、カミさんがアイパッド持ってんで、それでね、一緒にネットやってるんですよ。特にアルプスの少女ハイジが好きでね、DVD、いっぱいありますよ」
元々は1998年オープンの「山梨県立フラワーセンター」っていう山梨県立のテーマパークだったそうなんですが、客足が伸びなくって運営会社を公募。
ん~。ありがちな感じですかねえ。
自治体が運営主体になっている施設って、なんだかねえ、どこでも、っていうイメージ、ありますよねえ。
で、2006年に株式会社桔梗屋が運営を請け負ったっていう経緯なんだそうです。
それで、ハイジのお土産が桔梗信玄餅、ってことになったんですねえ。
アニメ「アルプスの少女ハイジ」の著作権を持っている瑞鷹(ずいよう)株式会社と、正式に契約を結んでいるんだそうで、ハイジファンの期待を裏切らないっていう設備になっているみたいです。
フラワーセンターですからね、自然環境もイイところなんでしょうね。山梨県北杜市って。
サントリーの白州蒸留所もある街ですしね。
ハイジの「村」っていうネーミング。これがですね、なかなか魅力的な気がします。
市町村合併だとか、開発だとかによって日本の村っていうのはどんどん減っているみたいですからね。
山あいでも、海沿いでもイイんですけど、都会の喧騒から逃れてホッとしたい人って少なくないと思うんですよね。
たとえ1日でも、あるいは日帰りでも。レジャー施設じゃなくって、自然環境に癒される場所。
言葉の響きからして「村」っていうのは、うまく息抜きが出来そうな期待感がありますよね。
「村」ですよ、「村」
「世界で最も美しい村連盟」っていうのがあるんですよね。
地球規模の活動です。
1982年にフランスの「最も美しい村協会」が設立されて始まったんだそうです。
1994年にはベルギーにも「最も美しい村」が発足。
1998年にはカナダ、2001年にイタリアにも「最も美しい村」が出来て、2003年にフランス、ベルギー、イタリアの3か国によって「世界で最も美しい村々連盟」が設立されたそうです。
で、日本では2005年に「日本で最も美しい村連合」が設立されて、2010年には「世界で最も美しい村々連盟」に参加しています。
2012年にはカナダも参加して、参加する国、地域がどんどん増えつつあるみたいなんですね。
地域の文化や環境を保護しようっていう運動には「世界遺産」がありますけど、それとは別の運動として継続されているんですね。
「日本で最も美しい村連合」も、特定非営利活動法人としての活動みたいです。
外務省も後押ししているみたいで「グローカル外交ネット 世界に広がる「最も美しい村」運動」で「日本で最も美しい村連合」を紹介しています。
「失ったら二度と取り戻せない日本の農山漁村の景観・文化を守りつつ、最も美しい村としての自立を目指す運動」
って言ってますね。
2022年、2023年は日本が議長国になって「世界で最も美しい村々連盟」の総会が開かれています。
「日本で最も美しい村連合」に参加するにあたっては、いくつか条件があるみたいですけど、まあ、それは当たり前でしょうね。どこでもが「日本の村」ってわけにはいかないでしょ。
「村」って言える環境自体、今の日本ではかなり希少なものになっているでしょうしね。
そのせいなのかどうなのか、「日本で最も美しい村連合」に参加している地域は多くはない感じなんですね。
北海道で9か所。
青森県で3カ所。
秋田県で2カ所。
山形県で2カ所。
福島県で4カ所。
栃木県で1カ所。
群馬県で3カ所。
山梨県で1カ所。ハイジの村じゃないです。
長野県で8カ所。
岐阜県で2カ所。
静岡県で2カ所。
京都府で2カ所。
兵庫県で1カ所。
奈良県で2カ所。
鳥取県、島根県、岡山県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県で、それぞれ1カ所。
福岡県で2カ所。
長崎県で1カ所。
熊本県で2カ所。
必ずしも自治体として「村」である必要はないみたいですけど、自然を自然なままに残して行こうっていう活動は「世界で最も美しい村々連盟」の活躍を期待しながら、地球規模で定着させて欲しいように思います。
例えば、東京の神宮外苑再開発って、都市部の希少な緑をなくして、構造ビルを建てるっていうアンポンタンな考えを持っているような人たちと、しっかり闘っていってくださいませえ。