ウキウキ呑もう! ニコニコ食べよう!

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【猫魔ヶ岳】っていう名前ですからね そりゃ やっぱりありますよ 伝説が

< 昭和の頃に言われていた定説が変化してるのって日本史だけじゃなかったです >

コロナ前の新宿駅にはシーズンになると山登りの恰好をした人たちがけっこういましたね。
ウィークデイにもかかわらず、大きなリュックを背負って雑踏の中で目立っていました。
老若男女。


通勤時間帯は避けていただきたいもんでございますよ、っとかね思っていたんですが、コロナ禍ではほとんど見かけなくなっていました。


のですが、2022年、春。復活してきたみたいですねえ。
まん延防止等重点措置解除の前倒しってやつでしょうか。


いえいえ、反対はしませんですよ、全く。
ヤマオトコ、ヤマガールのみなさん、お元気そうですし、マスク顔の目尻が下がってニコニコ楽しそうです。
はい、みなさん、ガールですよ、ガール。


もう我慢の限界っていうか、山にコロナウイルス、居ないっしょ、ってことなのかもしれません。
コンコースをマスク姿で歩いておられますが、春山シーズンってこと? なのかもしれません。

 


とっても激しく疲れそうなので、山登りなんてしたことないです。


でもまあ、シーズンってのがあるらしいことは聞いています。コミミで。
そりゃまあ、山頂からの眺めは素晴らしくって、清々しいんでしょうねえ。登ってきた疲労感もイイ塩梅の調味料なのかもですよねえ。知らんけど。


山登りに人気の山っていうのもあって、山登りする人が集まる。


いや、あのね、あんまり人の登らない山に登るのが楽しいんだよ、なんてなことをいう人もいます。


百名山はもう登っちゃったから、今は自分で適当に探して、他人の登って来ない山に登ってるんだよねえ、とか、仙人予備軍みたいな御仁もいらっしゃいますね。


山には当然、名前ってもんが付いてます。
名前の無い山っていうのは、たぶん無いでしょうね。日本にはね。


富士山っていう名前は、二つとないってことで「不二」の山。
それに「富士」の字を宛てたってことらしいですよね。


槍ヶ岳ってのもありまして、槍のようでしょっていうんですけど、これはどうも分かりません。
山登りをしている人たちにはそう見えるんでございましょうかね。


「猫魔ヶ岳(ねこまがだけ)」なんて名前の山があります。


松尾芭蕉の句をつらつら眺めていて出会ったのが、


「山は猫 ねぶりていくや 雪の隙」


っていう句で、なんのこと? って思って調べてみたら猫魔ヶ岳っていう山を詠んだものだったんですね。


俗称なのかなと思って調べてみますと、どうやら正式名称。
ま、山の名前に正式とか、そういうのがあるのかどうかも知りませんけれどね。


福島県耶麻郡磐梯町北塩原村にある山で、標高は1,403.6メートル。


東京の西の方、八王子っていうところにある「高尾山」には登った、っていいますか行ったことがあります。
ハイヒールで登れる山、とかいうんですけど、標高は599メートル。


スニーカーで登ったんですけど、1,000メートルを超えるとなると、やっぱりちゃんとした山登りの恰好をしてないとキツイって感じなんでしょうかね。


登るにはけっこう覚悟が要りそうなんですけど、八方台コースっていうのと雄国沼コースっていう2つのルートがあって、どっちも1時間ぐらいで山頂まで行けるらしいですね。


でもここで、高尾山ぐらいにしか「登った」ことのない身として思うのは、たしか高尾山に登ったときって、1時間以上かかったような記憶。


その2倍以上の標高の山に1時間で?
ホンマかいな! 恐るべしヤマガールってことなんでしょか。

 


しかもよくよく調べてみますと、猫魔ヶ岳って「火山」ですよ! カルデラ外輪山。


ええ~っ、火山なのに登ってヘーキなの?
って思ったらですね、山登りしている山って火山がけっこう多いみたいなんですね。


でもあれか、「死火山」ってやつなのかな、って思ってさらに調べてみますとですね、なんと、今は死火山とか言わないよ~、だったんでした。


むむっ。昭和の小学校では死火山って言ってたぞ! ホントだぞ!

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でも令和の今は言わないの~。そして「休火山」っていうのも言わないの~。
へ~え、そなんですかあ。どしてなんですかあ。


ってね、あっさり引き下がるしかないですよ、こういうの。


まあね、歴史の教科書なんかいろいろ新発見とかがあって変更されているんだって話は聞いてますけどね。


イイ国作ろう鎌倉幕府っていう1192年っていうのが、正しくないってされていたり、馬上で刀を担いでいた足利尊氏肖像画が、これ、違う人だよってなっているそうなんですが、誰が足利尊氏の顔知ってんの? とか思っちゃいますけど、正しく認識しましょうってことでどんどん変わっていくもんなんですねえ。


でもさあ、死火山ってどこ行っちゃったわけ?


活火山っていうのは今現在火山活動している山。
火山活動を休んでいる山が休火山で、活動を止めた山が死火山。


ってことだったはずなんですけど、火山活動を休んでるってなんやねん! ってことになって、活火山と休火山の区別が無くなっていった。


そんでもって、1955年、死火山の雌阿寒岳で活発な噴気活動。


1970年、休火山秋田駒ヶ岳が噴火。


1979年、死火山の御嶽山で水蒸気爆発。


1990年、休火山雲仙岳が噴火。


火山の研究も進んで、火山活動の休止期間が2000年以上のケースもあって、国際的に1万年以内に噴火したことのある山は活火山っていうようになったんだそうです。
1万年ですよ。地層とか、そういうのから類推するんでしょうかね。


そんなタイムスケールでいうんだったら、火山じゃない山って無いんじゃないの? って素人は思うでありますよ。


猫魔ヶ岳は100万年前から40万年前にかけての「猫魔火山」の噴火活動によって出来たらしくって、今現在の火山活動は東側の磐梯山の方に移っているってことなんでした。
火山のことはまだまだ分かっていないんでしょうね。


猫魔ヶ岳の頂上から尾根沿いに西へ20分ほど行くと「猫石」っていうのがあるそうです。


「新編会津風土記」に猫魔ヶ岳についての記述があって、


「猫魔ヶ岳は磐梯山の西にあって高さは九十丈、周囲は二里を計る。むかし猫又が棲んでいたのでこの名が付いた。北の方に猫石という畳のような大石があって、その下には草木も生えず、掃除したように塵も埃もない。これは猫又が棲んでいたからである」


っていうことなんですね。
殺生石の類なんでしょうね、猫石って。


猫魔ヶ岳の有毒ガスが、この石の周りに出ていて「草木も生えず」ってことなんでしょうけれど、今はもう周りに草木が生えていて、近くまで行けて、触ったりも出来そうな感じです。


猫石は弘法大師が化け猫を法力で閉じ込めた姿だってされているらしいです。
弘法大師さんはいろんなところに登場して活躍してますけど、この福島県の火山にいつ頃から猫の伝説があったんでしょうかね。


松尾芭蕉が「山は猫」って詠んだのは奥の細道の時なんでしょうけど、少なくともその頃には定説、みたいになっていたってことでしょうね。


猫魔ヶ岳の化け猫伝説っていうのはいくつかあるようなんですね。
まあ、伝説っていうのはそういうもんでしょうし、ましてや化け猫伝説ですからね。


登山ルートにあった「雄国沼コース」の雄国沼っていうのが、猫魔ヶ岳の西にある「雄国沼湿原」
まずここに「雄国沼のとらんぼう」っていう伝説があります。


ここにはドジョウがたくさんいて、沼の主の大ドジョウもいた。
土地の者は大ドジョウを恐れて沼に近づかなかったんですが、ある男がタブーを犯してたくさんのドジョウをすくい獲った。


大漁に大喜びの男が家路を急ぐと、沼から「とらんぼう、とらんぼう」という声が聞こえる。
後ろを振り返って見ても誰もいない。
獲ってきたドジョウたちが「キュッ、キュッ」と鳴く。


怖くなった男が先を急ごうとすると、また「とらんぼう、とらんぼう」
さっきよりハッキリと、呼び止めるように聞こえてくる。


ゾッとなった男は川にドジョウを投げ込んで家に逃げ帰ったが、恐怖に震えて寝込んでしまった。
このこと以来、雄国沼の主を「とらんぼう」と呼び習わすようになった。


この伝説に猫は出てきませんね。
ただ、つながりがあるような無いような、こんな伝説もあります。


釣り小屋の中で男が雄国沼の大漁を喜んでいると、小屋を覗き込んでいる老婆がいる。


こんなところへ年寄った足で、と不審に思って近寄ってみると、なんと老婆は男の乳母ではないか。
おお懐かしい、と中へ引き入れて釣果を御馳走すると、乳母は獣のように貪り、食らいつく。


妙な振る舞いと感じた男が、昔話を向けてみると、まったくのトンチンカン。
魔性の者と見破った男はその場で斬り殺した。


倒れた老婆の姿は一匹の黒猫となった。


男が家に帰ると、妻が行方不明になっているという。
村人総出で捜索すると、大樹の上に妻の惨殺された遺骸を見つけた。


惨殺体を見上げている木こりの男に、妻を下ろしてくれるよう頼むと、腰の刀を貸してくれと言う。
これは伝家の宝刀、他人の手に渡すこと相成らん、と断ると、木こりの顔が一変し、目はつり上がり、口が耳まで裂けて化け猫の正体を表すして、吠えるように言う。


「我こそは猫の王なり。昨晩、我妻を切り殺したのはその方であろう。その仇として妻女を喰らい殺してやったのだ」


化け猫は大樹を駆け上ると、妻女の遺骸を咥えて山を登って姿をくらました。


男が追いかけて、化け猫を伝家の宝刀で斬り殺して、なんとか妻女の霊を慰めることが出来た。
このこと以来、化け猫を斬り殺した山を「猫魔ヶ岳」と言い、伝家の宝刀貞宗を「猫斬り丸」と言い伝える。


っていう伝説なんであります。

 


猫魔ヶ岳の西の麓は喜多方市です。
喜多方ラーメンが有名ですが、ここの山都町には山都そばっていうのがあって、道の駅で買ってきて、手打ちしましたっていうのを、一度だけ御馳走になったことがありますが、旨かったです。


本場の喜多方ラーメンと地元の山都そばを目指して、猫斬り丸、宝刀貞宗を拝みに行ってみましょうかね。


ん? 猫魔ヶ岳の猫斬り丸情報、皆無。なのでしたあ。


伝説ですもんね。

まあ、ラーメンとそば、だけで充分ですけど。