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【すけのひょうえ】下ネタの品格 なんてえ御本もありますが

< エロっていうのは エロスっていうギリシャの女神様からきてるんですけど >

え~、今回もまたお運びいただきまして、まことにもってありがたく思うわけでありまして、最後までのお付き合いを願いあげておきますが。


なんでございますな、世の中にはいろいろな方がいらっしゃいますもんで、好事家っていうんですか、そこまでおやりになりますかっていうようなね、なかなか凝ったことをしている人がいるもんでございます。

 


居酒屋さんのカウンターでですね、娘自慢を聞かされたんでございますよ、ついこの前ね。
スマホに入っている音声だったんです。映像は無しの声だけでありましたね。


そんなの、普通に誰でもやってるでしょ、ってご指摘を受けそうでありますけれどもですね、その音声って言いますのがですね、娘さんが4歳の頃のものなんだそうで、今から35年前の歌声、ってことなんです。


ね。ずっと大事に残してある。しかもただ古いってもんじゃございませんね。


だいたいですね、35年前にスマホ、ございませんよ。


4歳の娘さんの歌をカセットテープに録音されたんだそうですね、その当時ね。
カセットテープですよ。最近またリバイバルだとかいう話も聞きますけれどですね、一般的にはもう化石みたいなもんでござんしょ、カセットテープ。


で、世の中の流れ的にカセットテープが消えていくタイミングで、CDにデータ移行したんだそうですよ。


ま、そういう方面にいろいろと明るい方なんでございましょうけれど、その頃は娘さんの反抗期だったそうで、こんなカワイイ時期もあったなあってんで、是非に残しておかなければっていう思いだったそうでしてね、CDになって、めでたく娘さんの歌声はデジタルデータってやつになったんでございますよ。


でもって、パソコンをやるようになって、なんてんですか、あのクラウドってもんがあるそうなんですが、それに保存してあって、今やスマホから再生できるってことにね、あいなっているってことでありますね。


それを聞かされたわけですよ。別に頼んじゃいないんですけどね。


今やその娘さんも39歳におなりなすってね、子供も2人いるんだそうです。
その人にとってはお孫さんですね。女の子と男の子。


んでもってですね、その方は、娘さんのその歌声の第二世代をってね、企んだそうなんですがね、お孫さんに歌を教えようとしたら娘さんに怒られたんだそうです。


その娘さんの歌声データも消してくれって言われたんだそうです。


ショックだったんですね。


それで、やたらめったら他人に再生して聞かせたがっているのかもしれませんね。


まあね、そんな話を聞く側としてみればですね、娘さんの気持ちも分かります。って言いますかね、なんだってその歌を選んだんですかっていう、そういう歌なんでございますよ、これが。


メロディはね、あれです。みなさんご存じの「ビビディ・バビディ・ブウ」ってやつです。
ただね、歌詞が違います、歌の文句がね。
こんなんです。


♪見つめないで


♪触らないで


♪ダブルエッチね~


♪あなたってエッチね


♪ダブルエッチね~

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どうでしょうか。聞いたことがある気がしますねえ。


たぶんおそらくですね、土地によって歌詞が違ったりするもんなんでしょうけど、こういう替え歌ありましたねえ。


それにしても、娘さんの歌声を残しておきたいっていう気持ちは、どなたさんでも賛同するような気持ちだと思うんですけれどね、なんだってまたこんな歌を選んだんでしょうか。


35年前に世の中的に大流行りした! ってことはないですよ。
美空ひばりとかユージロウなんかは歌ってませんでしょ。


せいぜい小学校の女の子の間で流行ったぐらいなトコじゃないんですかね。


この歌を4歳の子どもに教えてですね、歌わせて、録音して、デジタル化。


ね、この執念っていいましょうか、好事家っていうのはこんなとこに情熱をかたむける御仁なんでございましょうね。

 


ま、その人のことはイイといたしましてですね、気になったのは「ダブルエッチ」って言葉なんです。
見つめるってことと、触るってことでダブルなんでしょうね。


で、エッチってねえ、普通に言いますよね。
なんなんでしょこれ。


エッチって、英語の「H」なんでしょうか。だとすると、それがなんで「ヤラシイ」とか「すけべ」ってことになるんでしょ。


調べてみましたらですね、すぐに出てきましたね。


エッチ。性的にいやらしいサマ。またはそういう人を指す俗語。
Hは変態をローマ字表記したHENTAIの頭文字。


どうですか。ええ~って驚きましたね。エッチって変態っていう意味だったの?
すけべって変態だったの~? って思ってしまった次第であります。


でもってですね、好事家って「数寄者」っていうふうにも言いますよね。
これ「すきしゃ」って読むんだそうでございますよ「すきしゃ」


「すきもの」って読んでも間違いじゃないんでしょうけれど、こっちの方だと「好色」って感じになっちゃうんで、それと区別するために「すきしゃ」ってことにしたんでしょうかね。分かりませんですがね。


しかしねえ、風流な趣味人っていう「数寄者」と、好色なって意味の「好き者」っていうのが同じ発音なのって、ただ偶然の一致なのか、あるいはグルーピングとしては同じなんだけれども、ジャンルが違うだけで「こだわり」「凝り性」「ものずき」っていう意味じゃあ一緒ですってことなんでしょうか。


一説によりますとですね、既に平安時代に使われていた「好き者」っていう言葉が「好色」っていう意味と「和歌を作ることに執心している」っていう、両方の意味だったそうなんですよね。


室町時代の頃からですね、お茶の文化が浸透してきて、その風流なサマを言うようになってきて「数寄」って字があてられるようになったみたいなんですよ。
「数寄屋造り」ってのがありますよね、あれってね、茶室が基になっているわけでしてね、数寄者が集まる建物なんで「数寄屋」ってことですね。


そんでもってですね、好色って方は、お茶の世界とは区別されちゃって「数寄者」と「好き者」は違いますよってことになったってことなのかもしれないですね。


「好き者」の方は「すけべ」って言いますね。「すけべえ」です。
漢字では「助兵衛」ってなります。


風流じゃない方の「好き者」に親しみを込めた言い方が「助兵衛」ってことなんだろうって思うんですが、「呑兵衛」ってのと一緒ですよね。


でもまあ、「助兵衛」って言われて嬉しい人ってのもいないでしょうね。


好色って意味の助兵衛ってのはいつごろから言われていたんでしょうか。
助兵衛っていうのは普通にあった名前なんだと思うんですけどねえ。


デバ亀っていう言葉は、覗き常習者の男のあだ名から来ているらしいんですけど、明治の末ごろの話ですね。


助兵衛っていうのが同じような好色で有名な人の名前から来ているんだとすればですね、遅くとも戦国時代にはあった言葉なんだろうって思っちゃうエピソードがありますよ。

 


美作生まれって言いますから現在の岡山県の人ですね。
戦国時代に宇喜多家に仕えて、後には徳川の家臣になった猛将、花房職秀(はなぶさもとひで)。


小田原征伐に秀吉軍として従った際に、石垣山で吞めや歌えやで遊び惚けてばかりいる秀吉に嫌気のさした職秀さん。
秀吉本陣の前を馬にまたがったまま通り過ぎました。


「これこれ、御大将の御前であるぞ、下馬されよ」
っとか言われますとですね、


「戦場で能を催して遊んでばかりいるような愚かな大将に礼を尽くす必要はない」
っとまあ、こういう御仁。


短気な秀吉は、職秀の主君、宇喜多秀家に処刑を命じたんだそうですよ。
小田原征伐の時の豊臣秀吉ですからね、得意満面、絶頂期です。
秀家がしぶしぶ秀吉の命を受けて下がろうとすると、秀吉さん、呼び戻します。


「処刑とは言ったが、あれだけの剛の者だ。切腹させてやれ」


ま、せめて侍の名誉ってやつを持たせてやろうってことなんでしょうね。
で、はいはい、ってことで秀家が引き上げようとすると、またしても呼び戻す。


「物怖じしない剛毅さを持った男だ、殺すには惜しい。むしろあの豪胆さに加増してやれ」


って、ウソかマコトかって話が伝わっているそうですが、この花房職秀さんの呼び名、通称っていうのが「助兵衛」
ま、幼名がそうだったんでしょうね。助兵衛さんです。


で、この読み方なんですがね「すけべえ」じゃなくって「すけのひょうえ」ってんだそうです。
え、どうですか。「助兵衛」が「すけのひょうえ」ってなったとたん、エロオヤジって感じがスッパリと消えちゃいますね。
かなり怖かった人なんでしょうかね。すけべえなんて呼んだらバッサリやられかねない。


そんな事情からの「すけのひょうえ」なのかもなあって考えますと、この頃からスケベジジイとかね、そういうふうに使われていたってことになるんじゃないでしょうかね。


セクハラっていうレベルまでにはいかない、まあ、イヤじゃない感じの下ネタ好きの人を、これからは「すけのひょうえ」って呼ぼうと思います。


イヤじゃない感じの下ネタっていうのはですね、セクハラと一緒で、それを言う、する人と、それを聞く、される人の関係値で決まるようなところがありますよね。
受け取る人がイヤだと思わなきゃハラスメントになりゃしないんです。
難しい世の中になっているんでございますよ。


ね、すけのひょうえさん。


おあとがよろしいようで。