< そんな名前の国ってホントにあるの? >
唐の時代の中国で、アラビア人を「大食」と呼んでいたんだそうです。
アラビア半島を中心としたイスラム帝国は唐の時代「ウマイヤ朝」「アッバース朝」という大きな変遷をしているんですが、ウマイヤ朝イスラム帝国は「白衣大食」、アッバース朝イスラム帝国は「黒衣大食」と呼んでいたそうです。
イスラムの人たちの服装に、白っぽかったり黒っぽかったりっていう特徴の変化があって、呼び方を変えたものなのかどうか、その辺の事情はよく分かりませんが、同じ「大食」のままじゃマズイよねっていう配慮から変えたのかもしれませんね。王朝が変わったわけですからね。
唐の都との商取引なのか、交流のあったイスラム帝国の人たちが食欲旺盛で、たくさん食べるのを見て「大食」という呼び方になったというわけじゃなくって、「タージ」っていう音声に「大食」という文字をあてたっていうことみたいですね。
「大石」や「大氏」っていう表現もあったみたいです。
「大食」も「大石」も「大氏」も、どれもタージっていう発音みたいなんですが、日本に伝わっている表現はほぼ100%「大食」「大食国」
なんか別の意図があったりするわけじゃないんでしょうけど、当の大食の人たちにしてみれば、そんなに食べませんけど、ってな印象があったかもです。
でも、あれですかね、漢字とか覚えたりしませんかね。字面から大喰らいっていうニュアンスは感じないかもですね。どうなんでしょ。
中国でのタージっていうのは国の名前っていうよりアラビア人っていう人種を指す言葉だったみたいなんですが、次第にアラビア人の国っていうふうな使われ方になったんだろうってことらしいです。
アラビアとタージって音声的に似ていませんよね。
なんでタージって言ったのか。
アラビア語で商人のことをタージルって言うんだそうで、それでアラビア商人たちをタージって呼ぶようになったんじゃないかっていう説と、アラビアの有力部族のタジク人から来ているんじゃないかっていう説があるそうです。
タジク人っていうのはアーリア系スキタイ遊牧民で、遊牧文化の担い手っていう顔を持った民族。
現在のタジキスタン共和国の人たちだそうです。
タージって言うのはペルシャの古い言葉でアラビア人を意味していたっていう説もあります。
今現在、西洋史観で中東って言われているアラビア圏ですが、コアはタジキスタンにあるのかもしれません。
しかしまあ、タジキスタンの文化って、不勉強でほとんど知りませんね。
大食と呼ばれる基になったかもしれないタジキスタンではどういう食文化があるんでしょうか。
遊牧文化の中心であったということも影響しているのか、タジキスタン料理っていうのは、周辺地域のロシア、ウズベキスタン、アフガニスタン、イランの国々でも一般的な食べものになっているんだそうです。
国民食だっていう「パラウ」は、かぶ、ニンジンを細かく刻んで、ひき肉、そして米とともに炒めたあと、蓋をしないで炊き上げる、ピラフのようなもの。
ようなもの、っていう表現はちょっと失礼にあたりますかね。パラウはパラウです。
お祝い事には欠かせない伝統料理だそうです。
「クルトプ」っていうのも代表的な国民食。
クルトっていう塩分の強いチーズを水で溶いて、その中にちぎったパン、炒めた玉ねぎ、その他の野菜を入れて出来上がり。
肉を一切使っていない、サラダスープのような料理だそうです。
トプトプしているんでしょうか。知らんけど。
サラダスープって、なんか惹かれますよ。
ナンも良く食べられるそうで、その他種類豊富な果物、そしてお茶が人気だそうです。
まあ、21世紀現在では、いわゆる西側諸国のファストフードなんかも入っている来ているんでしょうし、食生活も変わってきているんだろうとは思いますが、特徴的な食べものに太る要素は無いような感じです。
とはいうものの、日本だって伝統的な食べものには太る要素なんてないでしょうけどね。
大食。痩せの大食いなんていう言い方もありますけど、1日の食事量なんて人や人種によってそんなに差があるようにも思えないんですが、まあ、人気のギャル曽根さんのような人も確かにいます。
でもギャル曽根さんって、全然太っていないですね。不思議。
人は食べる量じゃなくって、何を食べるかによって太るのかもしれません。
世界的に痩せ過ぎッ! て判定される人より太り過ぎッ! て判定される人の方が多くなったのは、21世に入ってからだそうですね。
特に子供の肥満っていうのはかなり深刻だそうです。
WHOなんかは「重度の肥満が蔓延している」って警告を発していますよ。
なんか丸っこい体形の人が多いよねえ、っていうイメージのあるトンガ王国ですが、これはトンガの食習慣に原因があるって言われています。
トンガでは、食事をしているときには周りの人たちと食べものをシェアするっていう食文化があるんだそうです。
それ自体は美しい習慣のように思いますが、みんながお互いにそうするってことで、勧められて、今食べたばっかりだからって断るっていうのがしづらいんでしょうね。
断っちゃうと、自分が勧めたときに食べてもらえなくなるようなコミュニケーションは耐え難いってことなんだと思います。
で、食事の時間っていうのが個人個人で違っていても、誰かが食べているところに遭遇すれば、また食べることになって、一日に何食も食べちゃうってことに。
で、みんなそろって、まあるくなっちゃう。
トンガは国をあげて、食習慣に対する意識を変えていこうとしているそうですよ。
子供の肥満が社会的な問題となっているのは、インドと中国。
こちらは明らかに食べものの変化による肥満。
両国とも急激に社会経済、食習慣が変化しています。
そりゃそうでしょねえ、って思いますね。
中国の農村部では「肥満の爆発的な増加」っていう調査結果が2014年に発表されています。
1985年の調査では山東省農村部、19歳未満の男子で肥満、過体重と判定された男子は0.7%。女子は1.5%だったものが、2014年の調査では、肥満男子は16.4%、女子は14%に急増しているっていう結果です。
特に男子の急増ぶりが目立つわけですが、中国は伝統的に男子を大事にする文化があるんだそうで、充分に食べられる経済状態になってきたし、食べなさい食べなさい、なんでしょうね。
しかも食べるものが、伝統的な食品じゃなくって、カロリーが圧倒的に高くなっているってことなんでしょう。
タージっていう音声的な大食じゃなくって、漢字の意味通りの大喰らいってなっちゃうと、今の食文化ってカロリー高すぎるんでしょうね。
旨いんですけどねえ。
2022年これから、小麦を中心として、たくさんの食品の値段が爆上がりするかもって言われています。
粉もん文化の大阪、関西圏はどう対応していくんでしょうか。
値段が倍になっても、3倍になってもお好み、タコ焼き、いくんでしょうかね。
メタボと肥満の線引きってどこにあるのか、はたまたそもそも一緒の意味なのかもよく分かりませんけれど、小麦危機をチャンスにするような意識づけが大事になってくるんでしょうね。
いや、まあ、分かっちゃいるけど、っていうのが人間ってもんではありますよ。
でもねえ、無芸小食ってやつでいきましょうかねえ。
ん~、無理っぽいかなん???
身体に悪そうな食べものって、旨いんですよねえ。ホントにねえ。