< なんだか世界の混乱がどんどん深みにはまっていっているような気がしてきました >
トンガ諸島付近の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」の大噴火って、長周期音波っていうのが地球を一周したみたいよ、とか、だんだん解明が進んできているみたいですね。
どんな影響があったのかっていうことについては、地球規模で協力し合いましょうっていう動きになっていくんだろうと思いますが、懸念されるのは、これから起こり得る影響です。
火山の大爆発によって火山灰や硫黄化合物が大気中に留まってしまって、太陽の光をさえぎってしまう。
「火山の冬」っていうらしいんですけど、大爆発の結果、気温が低下して、大規模な農産物被害が起きる可能性があるってことなんですね。
1991年のフィリピン、ピナトゥボ火山噴火は1992年、1993年の世界的気温低下をもたらしたことが知られていて、今回の噴火は南半球の出来事だとはいえ、世界の穀倉地帯への影響がないわけではなさそうです。
起きちゃったことはしょうがないじゃん。とは言ってもですね、影響を受けるのは農作物に限ったことでもないらしいんですね。
動物だとかサカナだとか、人間も含めて地球上の生き物すべてが少なからぬ影響を受けるって言われています。
1783年に起きたアイスランド、ラキ火山の噴火はヨーロッパ、北アメリカに異常気象をもたらして、日本の天明飢饉を発生させて、1789年からのフランス革命の遠因になったっていう説もあります。
21世紀初頭の地球は、温暖化の影響でそもそも穀物の不作が各地で起こっていて、食糧価格が高騰して、経済格差が原因の飢餓が出現したりして問題になっていたんですよね。
世界の飢餓人口は8億人とも言われています。
そこへコロナパンデミックですからね、人類の行動変容がもたらす生活の変化は、食糧事情に好い変化をもたらしてくれるはずもなく、この先の渾沌はまだ終息が見えていない感じですよね。
食糧が充分に無いっていう地域があることに反して、日本なんかで問題となっているのはフードロスですね。
日本は世界一の食糧輸入国なんだそうです。
世界の9人に1人が飢餓状態にあるっていう中で、輸入に頼っている食糧を捨てているっていう事実は、なんともつらい現実です。
最近になって、日本の中でも食事に困っている人に食べものが回っていきやすいように、廃棄対象になりそうな食品を格安で販売することによって、食糧事情を改善するとともに廃棄量を減らす「シェアリングエコノミー」っていう運動が進められ始めました。
コロナ禍の影響で、きょう明日の食べものにも困っている人が、日本にも出てきてしまっているわけですから、なにかね、できることはないの? って思いますもんね。
ただですね、シェアリングエコノミー以前に見直すべき産業構造っていうのもありそうです。
農林水産省「世界の食料需給見通し」を見てみましても、将来的に明るくはないですね。
世界的な食糧事情っていう話になりますと、どうしても穀物に話題が集中しがちですけれど、こと日本に関して考えてみますと、サカナ、漁獲量の減少は、かなり前から深刻な状況になっていましたです。
温暖化によって資源としてのサカナの全体量が減っているっていう説明をよくみかけますけれど、世界的な漁獲量っていうのを見てみますと、減っているのは、どうやら日本だけみたいなんですよね。
しかも急激に減っています。
20世紀半ばからの傾向として、日本の食事情は米とサカナの消費量が減り続けています。
日本人は米を食べなくなってきているんです。
その影響もあってか、サカナの水揚げが著しく落ち込んでいるっていう問題が、そんなに大きく取り上げられて来なかったかもしれません。
サンマの季節になると毎年、不漁、サンマの高級魚化、みたいなニュースになるのがせいぜいだった感じですよね。
気付いてみると、ってことなんですけれどね、居酒屋のメニューでホッケがめっきり少なくなりました。
あったとしても、やたらに小さいホッケです。
酒呑みとしては大変カナシイ現実なんですよね。
なんだかね、海にも、漁にもいろいろ変化があって、和食の代表としての刺身も消えていく運命なんじゃないかっていう心配も、あながち取り越し苦労だって笑っていられない状況らしいんですよ。
漁に出ていく燃料費も高騰の一方だし、っていうことでここ最近注目を集めているのが養殖。
近大マグロっていうのが有名ですけれど、2002年に、苦節32年、完全養殖に成功して商品化されていますね。
日本ではサカナの養殖の産学連携を積極的に進めていて、マグロ以外にも数種類の「フルーツ魚」の養殖を成功させています。
「柚子鰤王(ゆずぶりおう)」「みかん鯛」「かぼすひらめ」とかね、けっこうな数が販売されています。
海の自然環境を守りながら、資源としてのサカナも守っていこうっていう持続可能な方法で漁をする「サステナブル・シーフード」っていうのも元気に進められていますけれどね、自然相手に安定供給っていうのは物量的価格的に簡単なことじゃないですよね。
で、今、俄然注目を集めているのが「フルーツ魚」をはじめとした養殖魚っていうことなわけです。
特に注目を集めているのは「ぶりひら」っていうサカナです。
はあ? 知らんなあ、っていうのが普通だと思いますね。「ぶりひら」
2021年の暮れぐらいから「くら寿司」で出されていますし、スーパーの「ベイシア」で販売されています。
その少し前から存在していた「ぶりひら」ですが、2022年辺りから本格的に出回るかもです。
養殖魚「ぶりひら」
そです、名前からも分かるように、「ぶり」と「ひら」の掛け合わせ。
「ひら」って何やねん!
ひらっていったら、やっぱし、ひらめ、でしょ。
ん~。それはそれで、どんなサカナになるのか興味がないではないですが、バイオの世界が介入して来ないと実現しそうにない種類ってことになるんでしょうね。ひらめはね。
「ぶりひら」は1970年に近畿大学が、ぶりの卵と、ひらまさの白子を掛け合わせて開発した「交雑種」の魚なんですね。
ひらまさです。
「ぶりひら」は、かなり前から存在が知られていて、一部の人たちからは、幻の養殖魚って言われて希求の存在だったみたいです。
ぶりも、ひらまさもスズキ目アジ科の魚食魚。
言ってみれば肉食のサカナ。
自然の中でも「交雑」は起こっていたらしくって、たまあに獲れてはいたそうなんですね。「ぶりひら」
で、まあ、人工的に養殖に成功しましたよ、旨いサカナが安定的に提供できるようになりましたよ、っていうのが2021年ってことなんだろうと思われます。
ぶりは寒ブリっていうぐらいですからね、冬が旬です。夏場には脂が乗っていません。
ひらまさはプリプリとした歯ごたえが人気のサカナですが、成長に時間がかかる高級魚ですね。
ぶりひらは、両方のイイトコどりだそうで、夏場にも脂が落ちませんし、ひらまさよりずっと成長が早い。
ぶりの味わいと、ひらまさの噛み応え。それがぶりひら。
はいはい、分かりますよ。ぶりひらっていう交雑が人工的に可能なんだったら「ひらぶり」っていうのもありそうですよね。
で、あるんですってよ。ひらぶりっていうのも存在しているんです。
同じく近大で、既に開発に成功しているんだそうです。
でもですね、ぶりひらの方が「長所が多い」ってことで、ぶりひらに力を入れているってことみたいです。
ひらぶりに長所がないっていうのは、要するに「旨くない」ってことかしらん。
交雑っていいながら、いろいろあるんでしょねえ。
なんでもイイってわけじゃない。っていうのは人間の嗜好の問題ってことですけれどね。
ぶりひらはなかなか好評みたいで、期間限定発売ってことになっちゃってるらしいです。
でも養殖ですからね、設備さえ整えれば生産拡大が可能です。
獲れなくて高くなるんだったら、養殖して安定させる。
産学連携としての成果を世界に推し進めていって、一大産業に育てられるかどうかは、ひとえに漁業関連会社、会社組織の工夫でしょねえ。
世界の食糧事情に貢献できる可能性もある「ぶりひら」です。
旬ってもんがなくなっちゃうじゃないか! っていう真っ当なご意見もございましょうけれど、天然のぶりやひらまさが居なくなるってわけじゃないですから、まずは食の安定供給ってことでしょねえ。
にしても、情報公開されていない点で気になることが1つ。
ぶりひらの子どもって、どうなってんでしょ?
三代続けばホンモノのぶりひら、ってことでもないんでしょうけどね。
肉は肉で3Dプリンタから出てくる世の中になってきていますからね、ぶりひらに出会うことがありましたら、よろしくお願いいたします。って、おまあ、何ものやねん!?
ってですね、ぶりひらの話を始めたらですね、さっきから、なんとなあく視線を感じるんですが、誰?
「ひらめ」さんでござんすか?
いや、まあ、それよりなにより、火山の冬がやって来ませんように!
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