< ChatGPTに代表されるAIにはいろいろありそうな不都合が「ホログラム」にはないでしょねえ >
デジタルネイティブ、っていう表現が居酒屋トークなんかでも当たり前に通じるようになって来ている2023年です。
「コンピュータなんて、一生使わずにオレは死んでいくよ」
なんて言っていたオヤジって、ちょっと前までは普通にいたですよ、ホントに。
でも、そういう恐竜オヤジは化石になっちゃってますかね。
誰でも持っているスマホね。スマートなフォン、電話って名前ですけど、まぎれもなくコンピュータですよね。
20世紀後半にとてつもなく高い値段で売りだされていたパーソナルコンピュータなるマシンより、数倍も高性能です。
ここ30年、40年っていう時間を振り返って見ますと、生活様式自体、まったく変わってしまっているっていうのに、人間の対応力っていいますか、よくまあ付いて行ってますよねえ。みんなねえ。
使いこなせているとは言えないかもなスマホですけど、ジサマもバサマも、み~んな持ってますもんね。
かく言うワタクシもですね、ぜんぜん使いこなせてはおりませんですけどね。
スマホの機能を使いこなそうっていう意欲がですね、そもそも、ない。そんな感じです。
変化してきたことが如実に表れているのが、データ容量の記号。
パソコンが浸透し始めた時は、すでにM(メガ)っていう単位でした。
メガ。ふううん。そゆ単位なのね。データ容量っていう概念自体が、初めて接するものですからね、メガっていう単位の名前に特に注意を払っていた記憶はないですね。
3.5インチのフロッピーディスクの容量が1.44メガでした。メガバイト。
レコードサイズの8インチ、5インチのペラペラのフロッピーも同じ容量だったですね。
あったんですよ、そういうものが。ね。
この容量の単位って、馴染みがあったメガは「10の6乗」で、その1つ下の単位はキロ「10の3乗」も普通に使っていました。
キロっていう千の位の1つ上がメガっていう百万の位になるんですよね。
コンピュータの容量計算って独特やんね、っていうレベルの理解でした。
ハードディスクが一般人でも買える値段になって来て、100メガのディスクを買ってニコニコしているヤツに、
「ばあか、そんな容量、一生かかっても使い切れんわ」
とかね、集まってきた恐竜たちは言っていたものでありました。
そのころのパソコンはハードディスク、内蔵じゃなかったんですよね。
ところがウィンドウズなんていうのが登場してきたと思ったら、メガとか、なんやねん、全然足らんわ! ってことになって、内蔵ハードディスクは「G(ギガ)」の時代になりました。
ギガって1億の単位です。
1.44メガでちまちま生きていた恐竜たちの多くは、この時点で死滅していきましたよ。
デジタルの進化は止りませんね。すぐに「T(テラ)」の時代がやって来ました。
テラって1兆の単位ですよ。もう容量とか考えるの、実態把握、出来てないでしょ。
でもですね、まだまだ行くんですよね。新しいデジタル文化を推進するために、容量とスピードを要求する分野があるからですね。
テラの次は「P(ペタ)」千兆の単位。
次が「E(エクサ)」聞いてビックリ、100京っていう単位です。ケイ、なんやねん!
パソコン内部の通信速度も、物理的なバスがどんどん増えていっていますし、プロトコルも改善されて、ネット通信速度も5Gから6Gっていう世代進化がすぐそこまで来ているみたいです。
ま、ここまで来ますと、容量とか、ハードウェア資源とか、そんなことを全く気にしないで行きましょう、ってことになるんでしょうかね。
なにかトラブルが起きた時、どこで何が起きているのか、なんて、追いかけるの、無理! かもです。
コンテンジェンシーとか、具体性を持たせるのも難しいんじゃないでしょうか。
そんな中で、技術的に完成しましたよ、っていう声を聞いたのが10年前ほどにもなるのが「ホログラム」です。
でも、なんだか、身の回りにまだ出てきていませんよね、ホログラム。
ま、要求されるデータ容量、通信スピード。それとホログラムを映し出して見せるモニターの開発っていうのも、かなり難しいんでしょうけどね。
技術自体はかなり前からあるものなんだそうですね。
ハンガリー系イギリス人の物理学者「ガーボル・デーネシュ(1900~1979)」が、1947年に発明した「ホログラフィー技術」
1971年にノーベル物理学賞を受賞している技術です。
ホログラムっていう3次元像を映し出す技術のホログラフィーなんですが、映像だけじゃなくって、今とは比較にならない容量のデータ記録にも利用できるそうなんです。
ホログラムなんて、全く接点がありませんね、って思う人もいるかもしれないんですけど、日本人のオトナならだれでも知っているっていうか、持っていますよ、ホログラム。
いくつか種類のあるホログラムの中の「レインボーホログラム」
一万円札と五千円札の左下を確認してみてください。
そです、そのキラキラした部分がレインボーホログラムってやつです。
いろいろ傾け方を変えて見てください。
外周に桜の花びらが並んでいる模様、日本銀行の日を図案化したマーク、そして一万円札なら10000、五千円札なら5000っていう数字が見えますよね。
3次元像じゃないですけど、3つの図柄が見えるっていうのが、なかなかマネッコできない技術なんだそうです。
これは偽造防止策の1つなんですね。
オモチャにも傾けると違う絵が見えるっていうのがありましたよね。
あれは連続したギザギザの片側と、反対側に、別々の絵を描いたもので、ホログラムじゃないですね。
違って見えるのも、その製造過程からして2つに限定されているわけですが、日本の紙幣は3つですよ、っていうところがレインボーホログラムの難しさ、なんでしょうね。知らんけど。
で、この日本紙幣のホログラム、進化するんだそうです。
2024年に発行される一万円札は「渋沢栄一(1840~1931)」ですが、採用されるホログラムは「3Dホログラム」
なんと渋沢栄一の胸像が3Dで浮かび上がるんだそうです。
この記事を書いている2023年時点では、一般人が確認する方法なんてないんですけど、それだけじゃなくって、一万円札を回すと、浮かび上がって見えている渋沢栄一も回転して、視線の先の方向を変える!
つまり、渋沢栄一の胸像が回転して見えるってことなんですよ。
もちろんこれも偽造防止の技術ってことなんですけど、電気だとか、照明だとか、なにも使わずに3次元像が確認できて、それが回転する。
凄いですね。
研究しているユーシューな人たちが、ホログラフィー技術自体を進化させているってことなんだろうって思います。
ホログラフィーってなんなんでしょうね。
モノクロ写真っていうのは、記録された情報っていう意味では「光の強度」のみで、濃淡で形状を認識しているわけですね。
カラー写真になると「光の強度」と、色の三原色の「光の波長」も記録されているんで自然の色が再現されているっていう仕組み。
ホログラムは「光の位相」っていう情報が加わったものなんだそうです。
光の位相っていうのは、光の屈曲率って考えればイイってことなんでありますが、ふううん、って感じです。
ま、そういう光の干渉を利用してホログラムっていうデータを作って、そのホログラムを作った時と同じ理論で再生させる。
期待されているのは、今のテレビに代わるホログラムモニターなんですよね。
2020年代の早いうちに実現できるっていうニュースを聞いた記憶があるんですけど、なんだかね、まだみたいです。
3D像が目の前に現れたとして、その技術を使って、どんなコンテンツを提供していくのか。
そっちのソフト方面でも、準備をしている人たちがいるんだろうって思うんですけど、日本がホログラム技術で世界競争の中のどの辺に位置しているのか。
そういう報道も、今のところ、聞きませんねえ。
渋沢栄一が3D像で回転するのもイイんですけど、なにかもうちょっとね。
デジタルネイティブ世代に期待させていただきます。