< 人類は最初から1種類だったわけじゃないらしいんですけど 人類種って不思議な感じ >
雑誌だったか新聞だったか忘れちゃいましたけれど、人類学とかいうのとは全然別の話の中に「ホモ・サピエンス・サピエンス」っていう言葉が出てきて、そういえば、このサピエンスを2回連続して使っている表現って時々見かけるけど、なんなんでしょ。って思ったんですね。
ホモ・サピエンスってだけじゃ足りなくなって来ているってことなんでしょうか。
ま、知っている人にとっては当たり前過ぎることになるんでしょうけれど、ホモなんちゃらっていうのって、なんかいっぱいあって、どういう区分けなんでしたっけ、っていうのを確認してみようっていうことであります。
新たな化石が発見されたり、DNA、ゲノム解析が進んだりしてどんどん変わっていく性質のジャンルではあるんでしょうけれど、大学以上の専門分野に身を置いてでもいないかぎり、どうも新たな単語ばっかりが聞こえてきて、体系的な理解が追いついていっていないように思います。
ま、理解できていないのは個人的にってことではあるんですけどね。
しっかりした定説っていうのが出ていない、出にくいジャンルだっていう特色もあるのかもです。
誰かが新しい説を発表して、誰かがそれを否定してっていう繰り返し。
ホモ・ファーベル、ホモ・シンボリクス、ホモ・ルーデンスっていうのは、いってみればホモ・サピエンスの正体を文化人類学とか、そういう判断基準で再定義したものなんでしょうから、生物学的な区別に対して唱えられている名前じゃないですね。
ホモ・サピエンス・サピエンスっていうのは、その機械的なネーミングセンスからして、系統樹的な分類をするための名前なんだろうなって気がしますです。
人類の系統樹的な名前って、いくつもありますよね。
この名前って生物学的な区分けなんだろうなあって、ぼんやりながら知っているものとして、ネアンデルタール人、クロマニョン人、アウストラロピテクスっていうのがあります。
ま、これもまた、あくまで個人的にってことですけどね。
アウストラロピテクスっていうのは「人」が付いていませんので、ちょと違うのかなってことで、まずはこれから。
アウストラロピテクスっていうのは「南部のサル」っていう意味なんだそうで、ヒト科の中の絶滅した「属」
っていうことで、アウストラロピテクスは分類的には「猿人」なんですね。
完全に確定した分類なのかどうか分かりませんが、現状でアウストラロピテクスは「ヒト亜族」って言うんだそうです。
この分類でいうと、チンパンジーは「ヒト族」
ホモ・サピエンスは「ヒト属」
族と属。
そもそもが分かりにくいです。
どう違った区分けをしているのか分かりませんが、ま、けっこう違うんでしょうね。
およそ700万年前にチンパンジーと共通の祖先から枝分かれしたって言われている「ヒト属」なんですが、その最初の属は、まだ確定はしていないみたいですが「サヘラントロプス」
全然聞いたことないですねえ。恐竜みたいな名前ですねえ。
属の名前ですからホモ・サピエンスの「ホモ」にあたるのが「サヘラントロプス」っていう名前ですね。
700万年前から100万年ぐらい「サヘラントロプス」が続いたんじゃないかっていう、現段階での判断。
そして系統樹的には繋がりの確定できていない「オロリン」「アルディピテクス」っていう属がさらに100万年ぐらい続いて、アウストラロピテクス属に枝分かれしていくみたいです。
アウストラロピテクス属はたくさんの枝分かれをしながら200万年ぐらい前に「アウストラロピテクス・ガルヒ」っていう「ヒト亜族」から「ホモ・ハピリス」っていう「ヒト属」が枝分かれ。
系統樹を追っていくと「ホモ・ハピリス」から190万年ぐらい前に枝分かれしたのが「ホモ・エレクトス」
170万年ぐらい前に「ホモ・ハピリス」は絶滅。
50万年ぐらい前に「ホモ・エレクトス」から「ホモ・ハイデルベルゲンシス」が枝分かれ。
30万年ぐらい前に「ホモ・エレクトス」から「ホモ・ネアンデルターレンシス」が枝分かれ。
出ました。ネアンデルタール人ですね。
そして20万年ぐらい前に「ホモ・エレクトス」から我々「ホモ・サピエンス」が枝分かれ。
さらに10万年前ぐらいに「ホモ・エレクトス」から「ホモ・フローレシエンシス」が枝分かれ。
この系統樹に紐づけられないホモ属もけっこうな数あるみたいなんですが、今現在生き残っているのはホモ・サピエンスだけなんですよね。
「ホモ・エレクトス」は19万年ぐらい前に絶滅。
「ホモ・ハイデルベルゲンシス」は10万年ほど前に絶滅。
「ホモ・フローレシエンシス」は5万年ほど前に絶滅。
「ホモ・ネアンデルターレンシス」は4万年ほど前に絶滅。
っていうふうに、今の段階では言われているようです。
違うよ、っていう説もいっぱいある。らしいですけどね。
でもまあ、この系統樹に従って考えますと、ホモ・サピエンスが20万年前に登場して来てからしばらくの間、可能性として「ホモ・エレクトス」「ホモ・ハイデルベルゲンシス」「ホモ・フローレシエンシス」「ホモ・ネアンデルターレンシス」とホモ・サピエンスは共生していたことになります。
「ホモ・ネアンデルターレンシス」との交配がDNAレベルで確認されていて、ネアンデルタール人の遺伝子を持っている人は、これこれこういう病気になり易いだとか、そういう分析もあるんですよね。
でも、共生していた時代っていうことを考えてみますと、特にネアンデルタール人との交配っていうことだけがピックアップされるのは、なんか違和感を感じますね。
同時に他の人類もいたわけですもんね。
体型的に交配が出来なかったような組み合わせがあるのかどうか、全部「ヒト属」なんですけどね。
ネアンデルタール人以外のDNA解析とかが進んでいないっていう事情があったりするんでしょうか。
そして、なによりも疑問なのは、なぜホモ・サピエンスだけが生き残ったのかっていうことですよね。
脳の容積も、そんなに変わるものでもなく、ネアンデルタール人なんかは、ホモ・サピエンスより大きいんだそうですよ。
ホモ・サピエンスだけが生き残ったことについては、まあね、いろんな説があるみたいなんですけど、今回のコロナパンデミックを経験してみて思うことは、DNAのわずかな差が、超古代のパンデミック、地球にまん延した疫病影響の差を決定的にして、ホモ・サピエンス以外のヒト属が絶滅しちゃったのかもなあ、っていうことです。
で、生き残ったホモ・サピエンスなんですけど、その中でも変化と言いますか、進化と言いますか、変わっているんだそうでして、今現在の我々の直接の祖先って言われているのが「ホモ・サピエンス・イダルトゥ」
聞いたことなかったですけど、16万年前には存在してっていう確認が出来ているんだそうです。
徐々に進化して現生人類になったとして、「ホモ・サピエンス・イダルトゥ」と区別するために言われているのが「ホモ・サピエンス・サピエンス」ってことみたいです。
で、解決!
ん? クロマニョン人が出てきていませんね。
って、こっちはあっさり明確に解決です。
1868年にフランス、クロマニョン洞窟での鉄道工事の際に発見された化石から、クロマニョン人って名前が付けられたんだそうです。
4万年前から1万年前に存在していたクロマニョン人は、おそらくホモ・サピエンス・サピエンスなんでしょねえ。
ってことで、個人的な混乱は、カテゴリーが全然違うものを、一緒のレベルで捉えていたからだったんでしたあ~。
にしても、種類の違う人類が、生活の場とか、狩猟の場で出会った時、どんなコミュニケーションをとっていたのかを考えると、戦争っていう手段なんか選んでないよね、って思いたいです。
同一種に分類されている我々、ホモ・サピエンス・サピエンスは、なんだってまた、いつまでも殺し合いなんてやってるんでしょうかねえ。
唯一生き残ったヒト属だっていうのにねえ。